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第135話 ハクト襲来
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コツコツ
何時ものロビーで新聞やら雑誌やらを読んで情報収集をしていた所、軽快な足音が聞こえていた。
人影が目の前と言わず、至近距離に来たので、視線を上げる。
「いらっしゃい?」
思わずそんな事を言いながら、見上げる。
(大きいなあ………………)
こちらとしては座った状態なので当然だが、見上げるにしても、ハチクマさんより目線が上だった。
「ハクト姉?」
ハチクマさんの、呆然とした声が響いた。という事は、関係者?
ぐいっと。 手慣れた様子で脇の下辺りに手を通され、軽々と持ち上げられた。 肩の高さ、目線の高さが水平に並び、目線が交差する。
フリーハグの立て札とか有るので、断り無しなのはちょっと驚いたが、特に気にしない。
(なるほど、流石姉妹、美人さんだ)
すっと通った鼻筋と、大きく涼やかな目線、若白髪と言うには不思議な、綺麗に真っ白な髪、ぜい肉とかは感じさせない、しゅっとしたフェイスライン。
ミサゴのような幼さは無く、しっかりと大人を感じさせる美人さんだった。
「か……………」
(か?)
「可愛い!」
そのままぬいぐるみか何かの様に抱きしめられた。
しつこいようだが、こちらとしては足が浮かんでいる状態なので、されるがままであ る。
猫とか遠慮の無い生き物なら、ひっかくなり何なり有りそうでは有るが、こちとらフェミに散々いじめられた時空の人間なので、女の子に怪我をさせるとかが咄嗟に思いつかない。
平たく言うとされるがままである。役得とも思っているからだが。
女の人特有の鍛えていても柔らかい感触とか、何だか脳に響く体臭とか、やたらと温かい体温とか、色々堪能する事になった。
「落ち着きましたか?」
「はい、すいません、少々取り乱しました」
落ち着いたらしく、解放された後に、ヤタちゃん筆頭に色々集まってきて、それぞれソファーに座った。
先ほどの美人さんはハクトと言うらしい、ネーミングルール的に、ハクトウワシだろうか?
髪の色が白いので、それが由来っぽいが。
日ノ本系には見えない容姿だが、日本語の発音は流暢だ。
「大丈夫、落ち着いた」
ままま、と言う感じに両手でジェスチャーを入れている辺り、余裕そうだった。
「ハクト姐、ちょっと前、最近まで北海道と言うか、その先の北方に居ませんでし た?」
集まってきたミサゴが首をかしげる。
「居たよ? どうして?」
「緊急速報で、赤そうな国籍不明機落ちてたので」
「ふふん、私の部隊の手柄だよ」
胸を張っている、何だか豪快で一々絵に成る人だ。
「国際的に大丈夫なんですか?」
「今回は国際識別マーク消してる不明機だからねえ、コレは落としても言うほど問題にならないのさ」
チッチッチと指を振って訂正する。
「これ落とさなかった場合、調子に乗って識別マーク付きで堂々と来るから、そうなると実効支配だって、地図の色とか書き換えられちゃうから、程々に落とすのさ」
「成るほど?」
こっちの世界では、この国は隣国と強気にやり合っていられるらしい、コレは羨ましい。
「そもそも、領空侵犯は向こうが先、文句言われる謂れは無い」
悪気無く得意げに笑う。
「でも、いきなりこっちって事は、罰則?」
「落とせとは言われてないってね? ちょ~っぴりの命令違反」
苦笑交じりに右手を出して、親指人差し指で丸を作る、爪の先が、ギリギリ浮かんでいた。
「で、私だけで良いと言うのを、部下が一緒についてきちゃったのだよ」
ハクトさんの後ろに、いつの間にやら、ガタイの良い美人さんたちが並んでいた。
「大丈夫? 北方の守りとか?」
「基本的に、落とすとしばらくおとなしくなるから暫くは大丈夫、多分」
「多分ってついた」
「向こうの国の思惑なんか、こっちからは予測するだけで、本意なんかわからんからね?」
「そりゃそうだ」
皆苦笑を浮かべる。
「ちなみに、落としても人死には無いよ?」
「あれ? そうなの?」
「最近は基本ラジコンとかAIの自動操縦メインだからね、パイロット育成に幾らかかると思ってんだって事で、ほぼほぼ最近はAI制御の無人機とか、ラジコンみたいなドローン系」
「最近のは世代上がってエンジン性能上げて推力上がってるから、下手に人乗せると、 Gで気絶とかお約束で、実物乗ってるのは本気のバケモンばっかだけどね?」
今のは何Gかかるのやら。
「そもそも、各国深刻に少子化気味だから、人死にには、良い顔しないから、ここしばらく、こういう小競り合いで死人は出てない」
「そんなもんなの?」
「そんなもんそんなもん」
「無人機でもお高いけどね?」
「そりゃそうだ」
何故か一瞬、のいるこいるとか見えた気がした。
「で、本題は?」
「奥でね?」
ヤタちゃんが促すと、バチっとウインク付きで返された、一々絵に成るのがズルい。
追申
ハクト当人としては動きやすい普通の服を着ているつもりだけど、男装の麗人扱いされる、そんな美人。
でも胸は大きいし、骨格と身体のラインは直ぐ判る服を着ているので、翡翠でも男女を間違えたりはしない。
オフの際には何時もデニム系のズボンとシャツとジャケットとか着てる系です。ライダーズジャケットとかツナギとか似合うと思います。
ミニスカートとかは着ない、ロングスカートならギリギリ着る、ハイキックとかの時にふわっと広がるからカッコいい気がします。
何時ものロビーで新聞やら雑誌やらを読んで情報収集をしていた所、軽快な足音が聞こえていた。
人影が目の前と言わず、至近距離に来たので、視線を上げる。
「いらっしゃい?」
思わずそんな事を言いながら、見上げる。
(大きいなあ………………)
こちらとしては座った状態なので当然だが、見上げるにしても、ハチクマさんより目線が上だった。
「ハクト姉?」
ハチクマさんの、呆然とした声が響いた。という事は、関係者?
ぐいっと。 手慣れた様子で脇の下辺りに手を通され、軽々と持ち上げられた。 肩の高さ、目線の高さが水平に並び、目線が交差する。
フリーハグの立て札とか有るので、断り無しなのはちょっと驚いたが、特に気にしない。
(なるほど、流石姉妹、美人さんだ)
すっと通った鼻筋と、大きく涼やかな目線、若白髪と言うには不思議な、綺麗に真っ白な髪、ぜい肉とかは感じさせない、しゅっとしたフェイスライン。
ミサゴのような幼さは無く、しっかりと大人を感じさせる美人さんだった。
「か……………」
(か?)
「可愛い!」
そのままぬいぐるみか何かの様に抱きしめられた。
しつこいようだが、こちらとしては足が浮かんでいる状態なので、されるがままであ る。
猫とか遠慮の無い生き物なら、ひっかくなり何なり有りそうでは有るが、こちとらフェミに散々いじめられた時空の人間なので、女の子に怪我をさせるとかが咄嗟に思いつかない。
平たく言うとされるがままである。役得とも思っているからだが。
女の人特有の鍛えていても柔らかい感触とか、何だか脳に響く体臭とか、やたらと温かい体温とか、色々堪能する事になった。
「落ち着きましたか?」
「はい、すいません、少々取り乱しました」
落ち着いたらしく、解放された後に、ヤタちゃん筆頭に色々集まってきて、それぞれソファーに座った。
先ほどの美人さんはハクトと言うらしい、ネーミングルール的に、ハクトウワシだろうか?
髪の色が白いので、それが由来っぽいが。
日ノ本系には見えない容姿だが、日本語の発音は流暢だ。
「大丈夫、落ち着いた」
ままま、と言う感じに両手でジェスチャーを入れている辺り、余裕そうだった。
「ハクト姐、ちょっと前、最近まで北海道と言うか、その先の北方に居ませんでし た?」
集まってきたミサゴが首をかしげる。
「居たよ? どうして?」
「緊急速報で、赤そうな国籍不明機落ちてたので」
「ふふん、私の部隊の手柄だよ」
胸を張っている、何だか豪快で一々絵に成る人だ。
「国際的に大丈夫なんですか?」
「今回は国際識別マーク消してる不明機だからねえ、コレは落としても言うほど問題にならないのさ」
チッチッチと指を振って訂正する。
「これ落とさなかった場合、調子に乗って識別マーク付きで堂々と来るから、そうなると実効支配だって、地図の色とか書き換えられちゃうから、程々に落とすのさ」
「成るほど?」
こっちの世界では、この国は隣国と強気にやり合っていられるらしい、コレは羨ましい。
「そもそも、領空侵犯は向こうが先、文句言われる謂れは無い」
悪気無く得意げに笑う。
「でも、いきなりこっちって事は、罰則?」
「落とせとは言われてないってね? ちょ~っぴりの命令違反」
苦笑交じりに右手を出して、親指人差し指で丸を作る、爪の先が、ギリギリ浮かんでいた。
「で、私だけで良いと言うのを、部下が一緒についてきちゃったのだよ」
ハクトさんの後ろに、いつの間にやら、ガタイの良い美人さんたちが並んでいた。
「大丈夫? 北方の守りとか?」
「基本的に、落とすとしばらくおとなしくなるから暫くは大丈夫、多分」
「多分ってついた」
「向こうの国の思惑なんか、こっちからは予測するだけで、本意なんかわからんからね?」
「そりゃそうだ」
皆苦笑を浮かべる。
「ちなみに、落としても人死には無いよ?」
「あれ? そうなの?」
「最近は基本ラジコンとかAIの自動操縦メインだからね、パイロット育成に幾らかかると思ってんだって事で、ほぼほぼ最近はAI制御の無人機とか、ラジコンみたいなドローン系」
「最近のは世代上がってエンジン性能上げて推力上がってるから、下手に人乗せると、 Gで気絶とかお約束で、実物乗ってるのは本気のバケモンばっかだけどね?」
今のは何Gかかるのやら。
「そもそも、各国深刻に少子化気味だから、人死にには、良い顔しないから、ここしばらく、こういう小競り合いで死人は出てない」
「そんなもんなの?」
「そんなもんそんなもん」
「無人機でもお高いけどね?」
「そりゃそうだ」
何故か一瞬、のいるこいるとか見えた気がした。
「で、本題は?」
「奥でね?」
ヤタちゃんが促すと、バチっとウインク付きで返された、一々絵に成るのがズルい。
追申
ハクト当人としては動きやすい普通の服を着ているつもりだけど、男装の麗人扱いされる、そんな美人。
でも胸は大きいし、骨格と身体のラインは直ぐ判る服を着ているので、翡翠でも男女を間違えたりはしない。
オフの際には何時もデニム系のズボンとシャツとジャケットとか着てる系です。ライダーズジャケットとかツナギとか似合うと思います。
ミニスカートとかは着ない、ロングスカートならギリギリ着る、ハイキックとかの時にふわっと広がるからカッコいい気がします。
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