22 / 32
それでも
しおりを挟む
攻撃魔法Aランクの競技が行われるのは、大会最後の時間だった。
最後なのと、Aランクの攻撃魔法というものにみんな興味があるのか、会場である校庭には多くの人が押し寄せている。
競技の舞台となる校庭には魔法でフィールドが作られていた。普段は平な砂地が、山がちな地形で木が多く生えていて、水場があったり、建物があったり、戦いやすい状態になっている。
校庭の周りには、普段無い観客席が用意されていて、空いている場所を見つけて座る。アンジュとルーシーとクリスと一緒だ。
夜雲寮の一年生で攻撃魔法Aランクは居ない。ていうか、先輩達もほぼ居ない、二人だけ。夜雲寮は、攻撃魔法苦手な人多いから、二人居る方が珍しいらしい。
三人は先輩を応援しているけど、私が応援しているのはハイメくんだ。
「午後の攻撃魔法の競技のルールって、どんな感じなの? 午前の的を倒すのとは違うんだよね」
ルーシーの質問にクリスが答えていく。
「ええ、バトルロイヤル形式で、校庭に作られたフィールドの中に相手を倒して最後の一人になったら勝ちよ」
「どうやったら、脱落になるの?」
「選手には、先生によって見えないシールドが張られていて、シールドの耐久性がなくなって割れてしまったら脱落」」
Aランクの攻撃魔法に出場するのは、九十六人。
何年も出ている先輩達が居るから、難しいかも知れない。でも、ハイメくんに一番になって欲しい。
「あっ、始まりそうだね」
先生が魔法の花火が打ち上げて、試合が始まった。
見ている観客のテンションも上がり、歓声や声援があがっている。
試合が始り、フィールドの地面が浮かんだり、突風が起きたりと何かが起きているんだけど……
「全然見えない」
木など隠れられる場所多いし、遠いしでよく見えない。
「空に大きなビジョンが浮かんでいるから、それで見るしかなさそうだね」
「そうするか」
アンジュに勧められた通り、空に浮かぶビジョンを見るけど、映るのは先輩達ばっかで、ハイメくんが映らないから意味がない。
ハイメくん、大丈夫かな。今、どんな感じなんだろう。どこに居るのかな?
脱落したら出る名前が出ていないって事は、まだ脱落してないんだろうけど。
彼を探す様にフィールド上を見ていると、突然バチバチと雷が落ちる。
あ、もしかして。
ビジョンを見上げると、想像通り、ビジョンにハイメくんが写った。
「あ……」
アンジュがつぶやいた。
魔法を使った相手は倒れなかったのか一瞬だったけど、確かに二匹の雷狼を従わせているハイメくんが映った。音声がないのが残念だ。
ハイメくんは、さっき雷が落ちた辺りにいるんだよね。
そう思って探すけど、どこにいるかは分からない。視力強化の魔法も使える様になりたいな。
「グラちゃん、彼、出ているんだね」
隣に座るアンジュがこそっと小声で言った。
彼って、ハイメくんのことだよね。
「うん、凄いよね」
「連絡とっているんだ」
「あー、うん」
後ろめたくて目を逸らすと、アンジュはくすりと笑う。
「隠さなくていいのに。頑張って欲しいね」
「うん。応援している」
フィールドを作られているはいえ校庭という狭い範囲だ、あっという間に競技の参加者の人数が半分くらいになる。試合の膠着を防ぐため、フィールドも少しずつ狭くなっていく。
その中でも残っている脱落の名前が出てないことから、ハイメくんはまだ残って居るみたい。
次はいつ映るんだろうと思っていると、ビジョンにハイメくんが映った。
二匹の雷狼を従えているのはさっきと同じなんだけど、尻尾が生えて、爪が鋭くなって、雷をバチバチとさせて体に纏っている。
「ハイメ、凄っ。雷狼憑きって、ああいうことなんだ」
あれは、ハイメくんが怒ってる時の姿だけど、真剣な表情は怒っている様に見えない。
交戦的な状態だから、ああなっているのかな?
ハイメくんは、敵と離れている時は雷狼に指示を出し、近距離になると自分の鋭く伸びた爪を使って戦っていた。攻撃魔法の競技なんだけど、魔法格闘技って有るし、自分の爪で戦うのもありなんだろう。
ちょびっと紹介映像の様にハイメくんはが映り、すぐに見れなくなっちゃう。
ああ、残念。もっと、見たかった。
また少し試合が進み、ビジョンに有る選手がピックアップされる。バッジ的に三年生。有名な人なのか、観客席から名前を呼ばれている。
その先輩が相対しているのは……ハイメくんだ!
先輩が魔法を使う。魔法は地面を潜った状態で進み、ハイメくんの下から上に突き上がろうとして、ハイメくんは飛び上がって避け、木の上に逃げる。
「わっ、凄い。ハイメくんって。身体能力高いんだね。雷狼憑きだからかな。普段からそうなの?」
「普段は、こんな高くないと思うけど……」
言うほど普段を知らないから、具体的な事は言えない。
だけど、これは何かしていると思う。雷狼憑き身体能力自体上がっているのかな、それとも強化魔法をかけているのかな。
ハイメくんは木の上から指示を出して、雷狼を仕掛ける。コンビネーションの有った二匹の攻撃を先輩は魔法で塞ぐ。
次はどうするかと二人が見合った瞬間、ハイメくんの耳が動き、木の上からジャンプした。
ハイメくんと雷狼が離れた瞬間、何処からか辺り一体を吹き飛ばす様な魔法が飛んできて、魔法で防ぎきれなかった先輩に当たる。
カメラが別の選手を映した。その人は二人を一気に脱落させようと、遠くから狙っていたみたい。
「凄い試合! ハイメってば、どうして気づいたんだろう?」
「ハイメくんの狼耳が動いていたから、普通に聞こえたんじゃない。耳良いみたいだし」
「なるほど」
ハイメくんは場所を移し、狙っていた人も動いたことで、また別の選手がピックアップされる。
「後、十人だって」
試合が進み、残り十人になったとアナウンスがされる。
「ハイメくん、まだ残っているみたいだね」
「うん。凄い」
ハイメくんは、まだ誰も倒していないようだけど、ちょくちょくビジョンに映ったことで、ハイメくんの戦術が見えた。
攻撃魔法の競技だけど、このルールは最後まで残れば良い。ハイメくんは相手に会うと、その攻撃をひらひらと避けながら別の選手にぶつけて相打ちを狙っている。
勿論、一年生のハイメくんが狙われることもあるけど、逃げるのが上手くて危険な目に合っていない。
けど、今度の相手はハイメくんをしっかりと狙っている。
ハイメくんは、避けつつ、隙を見ながらら雷狼や自分の爪、たまに魔法で軽く攻撃をしていく感じだけど、相手の先輩も近距離スピードタイプで逃げ切れない。
逃げきれないし、辺りに巻き込めそうな人も居ないと分かったのか、ハイメくんは覚悟したように先輩と向き合うと、杖を振る。
観客席まで耳をつんざくような大きな雷が落ちた。
「うわっ、すごい音」
辺りの木が燃えているけど、先輩は避けたようだった。互いに杖をふるい、魔法の打ち合いになる。
ハイメくんが風魔法を使えば、先輩が水の魔法で打ち消そうとするが、ハイメくんはまた風の魔法を使う。
ハイメくんの方が押されているみたいで、バチバチとしていた雷も弱まっている。大丈夫かな。
雷狼が先輩に飛び込んで、それを避けた先輩が得意の近距離攻撃のために弱ったハイメくんに近づいたところで、ハイメくんは、また体に雷を纏わせた。
「あ、感電する」
「え?」
さっき、先輩が水魔法を使っている時にハイメくんが風魔法を使い先輩には水がかかっていた。あのままだと、私みたいに感電する。
先輩もそれに気づいたのか、ハイメくんに杖を向けた。
音声がないからどんな魔法が使われたかは分からないけど、ビジョンが見えなくなるくらい光った。
光が消えた時、二人とも降参といった様に手を挙げている。シールドがなくなったらしい。
両者、脱落だ。
ハイメくん残念。でも、一年生の中では最後の脱落だった。やっぱ、凄いな。
攻撃Aランクも終わり、全ての競技が終わったことで、校庭で表彰式が始まる。
表彰されるのは、各競技の一位から三位と、各学年の優秀選手。
「一年生、最優秀選手は、ハイメ・トワルグ」
ハイメくんは、一年生の最優秀賞を取った。確かに、箒術も攻撃魔法も凄かった。見ていないけど、使役魔法も凄かったんだろう。
私は、治療魔法がCランクの四十七点。全然、実力違うんだな。
最初から分かっていたけど、明確になった気がする。
表彰式が終わり、みな寮に帰って行く。
アンジュ達に先に帰っていてと行って、私は表彰された人たちが集まっているところを見に行った。
ハイメくんは、「おめでとう」と寮の人に囲まれている。何十人もの人が彼を囲んでいた。
私は近づくことができなかった。離れたところから見ているしかできなかった。
ハイメくんとの距離を私の心が実感して行く。
話す様になって、仲良くなって、近づいたと思っていたのに、本当は凄く遠いんだな。全然、近くなんてない。
好きなのに遠いのは、寂しくて苦しい。
だから、こんな気持ち、もういいやって放り投げちゃいたい。いらないって捨てちゃいたい。
でも、無理だ。諦めることだってできない。
だって、私は、彼の優しさを、格好いいところをいっぱい知っているから。
意地悪なところも、弱いところも知って、それでもそばにいたいと思った。
実力も寮も違う。
それでも私は、ハイメくんが好き。
最後なのと、Aランクの攻撃魔法というものにみんな興味があるのか、会場である校庭には多くの人が押し寄せている。
競技の舞台となる校庭には魔法でフィールドが作られていた。普段は平な砂地が、山がちな地形で木が多く生えていて、水場があったり、建物があったり、戦いやすい状態になっている。
校庭の周りには、普段無い観客席が用意されていて、空いている場所を見つけて座る。アンジュとルーシーとクリスと一緒だ。
夜雲寮の一年生で攻撃魔法Aランクは居ない。ていうか、先輩達もほぼ居ない、二人だけ。夜雲寮は、攻撃魔法苦手な人多いから、二人居る方が珍しいらしい。
三人は先輩を応援しているけど、私が応援しているのはハイメくんだ。
「午後の攻撃魔法の競技のルールって、どんな感じなの? 午前の的を倒すのとは違うんだよね」
ルーシーの質問にクリスが答えていく。
「ええ、バトルロイヤル形式で、校庭に作られたフィールドの中に相手を倒して最後の一人になったら勝ちよ」
「どうやったら、脱落になるの?」
「選手には、先生によって見えないシールドが張られていて、シールドの耐久性がなくなって割れてしまったら脱落」」
Aランクの攻撃魔法に出場するのは、九十六人。
何年も出ている先輩達が居るから、難しいかも知れない。でも、ハイメくんに一番になって欲しい。
「あっ、始まりそうだね」
先生が魔法の花火が打ち上げて、試合が始まった。
見ている観客のテンションも上がり、歓声や声援があがっている。
試合が始り、フィールドの地面が浮かんだり、突風が起きたりと何かが起きているんだけど……
「全然見えない」
木など隠れられる場所多いし、遠いしでよく見えない。
「空に大きなビジョンが浮かんでいるから、それで見るしかなさそうだね」
「そうするか」
アンジュに勧められた通り、空に浮かぶビジョンを見るけど、映るのは先輩達ばっかで、ハイメくんが映らないから意味がない。
ハイメくん、大丈夫かな。今、どんな感じなんだろう。どこに居るのかな?
脱落したら出る名前が出ていないって事は、まだ脱落してないんだろうけど。
彼を探す様にフィールド上を見ていると、突然バチバチと雷が落ちる。
あ、もしかして。
ビジョンを見上げると、想像通り、ビジョンにハイメくんが写った。
「あ……」
アンジュがつぶやいた。
魔法を使った相手は倒れなかったのか一瞬だったけど、確かに二匹の雷狼を従わせているハイメくんが映った。音声がないのが残念だ。
ハイメくんは、さっき雷が落ちた辺りにいるんだよね。
そう思って探すけど、どこにいるかは分からない。視力強化の魔法も使える様になりたいな。
「グラちゃん、彼、出ているんだね」
隣に座るアンジュがこそっと小声で言った。
彼って、ハイメくんのことだよね。
「うん、凄いよね」
「連絡とっているんだ」
「あー、うん」
後ろめたくて目を逸らすと、アンジュはくすりと笑う。
「隠さなくていいのに。頑張って欲しいね」
「うん。応援している」
フィールドを作られているはいえ校庭という狭い範囲だ、あっという間に競技の参加者の人数が半分くらいになる。試合の膠着を防ぐため、フィールドも少しずつ狭くなっていく。
その中でも残っている脱落の名前が出てないことから、ハイメくんはまだ残って居るみたい。
次はいつ映るんだろうと思っていると、ビジョンにハイメくんが映った。
二匹の雷狼を従えているのはさっきと同じなんだけど、尻尾が生えて、爪が鋭くなって、雷をバチバチとさせて体に纏っている。
「ハイメ、凄っ。雷狼憑きって、ああいうことなんだ」
あれは、ハイメくんが怒ってる時の姿だけど、真剣な表情は怒っている様に見えない。
交戦的な状態だから、ああなっているのかな?
ハイメくんは、敵と離れている時は雷狼に指示を出し、近距離になると自分の鋭く伸びた爪を使って戦っていた。攻撃魔法の競技なんだけど、魔法格闘技って有るし、自分の爪で戦うのもありなんだろう。
ちょびっと紹介映像の様にハイメくんはが映り、すぐに見れなくなっちゃう。
ああ、残念。もっと、見たかった。
また少し試合が進み、ビジョンに有る選手がピックアップされる。バッジ的に三年生。有名な人なのか、観客席から名前を呼ばれている。
その先輩が相対しているのは……ハイメくんだ!
先輩が魔法を使う。魔法は地面を潜った状態で進み、ハイメくんの下から上に突き上がろうとして、ハイメくんは飛び上がって避け、木の上に逃げる。
「わっ、凄い。ハイメくんって。身体能力高いんだね。雷狼憑きだからかな。普段からそうなの?」
「普段は、こんな高くないと思うけど……」
言うほど普段を知らないから、具体的な事は言えない。
だけど、これは何かしていると思う。雷狼憑き身体能力自体上がっているのかな、それとも強化魔法をかけているのかな。
ハイメくんは木の上から指示を出して、雷狼を仕掛ける。コンビネーションの有った二匹の攻撃を先輩は魔法で塞ぐ。
次はどうするかと二人が見合った瞬間、ハイメくんの耳が動き、木の上からジャンプした。
ハイメくんと雷狼が離れた瞬間、何処からか辺り一体を吹き飛ばす様な魔法が飛んできて、魔法で防ぎきれなかった先輩に当たる。
カメラが別の選手を映した。その人は二人を一気に脱落させようと、遠くから狙っていたみたい。
「凄い試合! ハイメってば、どうして気づいたんだろう?」
「ハイメくんの狼耳が動いていたから、普通に聞こえたんじゃない。耳良いみたいだし」
「なるほど」
ハイメくんは場所を移し、狙っていた人も動いたことで、また別の選手がピックアップされる。
「後、十人だって」
試合が進み、残り十人になったとアナウンスがされる。
「ハイメくん、まだ残っているみたいだね」
「うん。凄い」
ハイメくんは、まだ誰も倒していないようだけど、ちょくちょくビジョンに映ったことで、ハイメくんの戦術が見えた。
攻撃魔法の競技だけど、このルールは最後まで残れば良い。ハイメくんは相手に会うと、その攻撃をひらひらと避けながら別の選手にぶつけて相打ちを狙っている。
勿論、一年生のハイメくんが狙われることもあるけど、逃げるのが上手くて危険な目に合っていない。
けど、今度の相手はハイメくんをしっかりと狙っている。
ハイメくんは、避けつつ、隙を見ながらら雷狼や自分の爪、たまに魔法で軽く攻撃をしていく感じだけど、相手の先輩も近距離スピードタイプで逃げ切れない。
逃げきれないし、辺りに巻き込めそうな人も居ないと分かったのか、ハイメくんは覚悟したように先輩と向き合うと、杖を振る。
観客席まで耳をつんざくような大きな雷が落ちた。
「うわっ、すごい音」
辺りの木が燃えているけど、先輩は避けたようだった。互いに杖をふるい、魔法の打ち合いになる。
ハイメくんが風魔法を使えば、先輩が水の魔法で打ち消そうとするが、ハイメくんはまた風の魔法を使う。
ハイメくんの方が押されているみたいで、バチバチとしていた雷も弱まっている。大丈夫かな。
雷狼が先輩に飛び込んで、それを避けた先輩が得意の近距離攻撃のために弱ったハイメくんに近づいたところで、ハイメくんは、また体に雷を纏わせた。
「あ、感電する」
「え?」
さっき、先輩が水魔法を使っている時にハイメくんが風魔法を使い先輩には水がかかっていた。あのままだと、私みたいに感電する。
先輩もそれに気づいたのか、ハイメくんに杖を向けた。
音声がないからどんな魔法が使われたかは分からないけど、ビジョンが見えなくなるくらい光った。
光が消えた時、二人とも降参といった様に手を挙げている。シールドがなくなったらしい。
両者、脱落だ。
ハイメくん残念。でも、一年生の中では最後の脱落だった。やっぱ、凄いな。
攻撃Aランクも終わり、全ての競技が終わったことで、校庭で表彰式が始まる。
表彰されるのは、各競技の一位から三位と、各学年の優秀選手。
「一年生、最優秀選手は、ハイメ・トワルグ」
ハイメくんは、一年生の最優秀賞を取った。確かに、箒術も攻撃魔法も凄かった。見ていないけど、使役魔法も凄かったんだろう。
私は、治療魔法がCランクの四十七点。全然、実力違うんだな。
最初から分かっていたけど、明確になった気がする。
表彰式が終わり、みな寮に帰って行く。
アンジュ達に先に帰っていてと行って、私は表彰された人たちが集まっているところを見に行った。
ハイメくんは、「おめでとう」と寮の人に囲まれている。何十人もの人が彼を囲んでいた。
私は近づくことができなかった。離れたところから見ているしかできなかった。
ハイメくんとの距離を私の心が実感して行く。
話す様になって、仲良くなって、近づいたと思っていたのに、本当は凄く遠いんだな。全然、近くなんてない。
好きなのに遠いのは、寂しくて苦しい。
だから、こんな気持ち、もういいやって放り投げちゃいたい。いらないって捨てちゃいたい。
でも、無理だ。諦めることだってできない。
だって、私は、彼の優しさを、格好いいところをいっぱい知っているから。
意地悪なところも、弱いところも知って、それでもそばにいたいと思った。
実力も寮も違う。
それでも私は、ハイメくんが好き。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
結城芙由奈
恋愛
本日、私は大切な人達を2人同時に失います
<子供の頃から大好きだった幼馴染が恋する女性は私の5歳年上の姉でした。>
両親を亡くし、私を養ってくれた大切な姉に幸せになって貰いたい・・・そう願っていたのに姉は結婚を約束していた彼を事故で失ってしまった。悲しみに打ちひしがれる姉に寄り添う私の大好きな幼馴染。彼は決して私に振り向いてくれる事は無い。だから私は彼と姉が結ばれる事を願い、ついに2人は恋人同士になり、本日姉と幼馴染は結婚する。そしてそれは私が大切な2人を同時に失う日でもあった―。
※ 本編完結済。他視点での話、継続中。
※ 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています
※ 河口直人偏から少し大人向けの内容になります
【完結】病院なんていきたくない
仲 奈華 (nakanaka)
児童書・童話
病院なんていきたくない。
4歳のリナは涙を流しながら、なんとかお母さんへ伝えようとした。
お母さんはいつも忙しそう。
だから、言う通りにしないといけない。
お父さんは仕事で家にいない。
だから迷惑をかけたらいけない。
お婆さんはいつもイライラしている。
仕事で忙しい両親に変わって育児と家事をしているからだ。
苦しくて苦しくて息ができない。
周囲は真っ暗なのに咳がひどくて眠れない。
リナは暗闇の中、洗面器を持って座っている。
目の前の布団には、お母さんと弟が眠っている。
起こしたらダメだと、出来るだけ咳を抑えようとする。
だけど激しくむせ込み、吐いてしまった。
晩御飯で食べたお粥が全部出る。
だけど、咳は治らない。
涙を流しながら、喉の痛みが少しでも減るようにむせ続ける。
宇宙人は恋をする!
山碕田鶴
児童書・童話
私が呼んでいると勘違いして現れて、部屋でアイスを食べている宇宙人・銀太郎(仮名)。
全身銀色でツルツルなのがキモチワルイ。どうせなら、大大大好きなアイドルの滝川蓮君そっくりだったら良かったのに。……え? 変身できるの?
中学一年生・川上葵とナゾの宇宙人との、家族ぐるみのおつきあい。これは、国家機密です⁉
(表紙絵:山碕田鶴/人物色塗りして下さった「ごんざぶろう」様に感謝)
【第2回きずな児童書大賞】奨励賞を受賞しました。ありがとうございます。
モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します
みゅー
恋愛
乙女ゲームに、転生してしまった瑛子は自分の前世を思い出し、前世で培った処世術をフル活用しながら過ごしているうちに何故か、全く興味のない攻略対象に好かれてしまい、全力で逃げようとするが……
余談ですが、小説家になろうの方で題名が既に国語力無さすぎて読むきにもなれない、教師相手だと淫行と言う意見あり。
皆さんも、作者の国語力のなさや教師と生徒カップル無理な人はプラウザバック宜しくです。
作者に国語力ないのは周知の事実ですので、指摘なくても大丈夫です✨
あと『追われてしまった』と言う言葉がおかしいとの指摘も既にいただいております。
やらかしちゃったと言うニュアンスで使用していますので、ご了承下さいませ。
この説明書いていて、海外の商品は訴えられるから、説明書が長くなるって話を思いだしました。
ルーカスと呪われた遊園地(上)
大森かおり
児童書・童話
このお話のつづきは、ルーカスと呪われた遊園地(中)に公開しました。ご覧いただく方法は、大森かおりの登録コンテンツから、とんで読むことができます。
かつて日本は、たくさんの遊園地で賑わっていた。だが、バブルが崩壊するとともに、そのたくさんあった遊園地も、次々に潰れていってしまった。平凡に暮らしていた高校二年生の少女、倉本乙葉は、散歩に出かけたある日、そのバブルが崩壊した後の、ある廃墟の遊園地に迷い込んでしまう。そこで突然、気を失った乙葉は、目を覚ました後、現実の世界の廃墟ではなく、なんと別世界の、本当の遊園地に来てしまっていた! この呪われた遊園地から出るために、乙葉は園内で鍵を探そうと、あとからやってきた仲間達と、日々奮闘する。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる