2 / 32
これって、好きってことなのかな
しおりを挟むマナー違反かもしれないが、どうしても気になった私は、配膳中の女性に小声で尋ねた。
「あの~、クリスティナ様と私の料理、置き間違えてないですか?」
「いえ、間違えてはおりません。では。」
女性は料理を置き終えると、スススーと持ち場へ戻っていった。
「ツムギさん、何か気になることでもありましたか?」
私の様子に気づいたジョセフィーヌ様に聞かれてしまった。
どうしよう。
クリスティナ様の料理に触れていいのだろうか。チラリとクリスティナ様を見てしまう。
「ああ、クリスティナの料理が気になるのね。娘はこれ以上は食べられないと言って、減らしてるのよ。」
「そんな… 育ち盛りなのに、それではいつか倒れてしまいます。」
私はつい、眉をひそめてしまう。
「あなたは失礼ね。私のことは放っておいて。私はジル様の隣が似合う、スラリとスレンダー美人を目指すのだから。」
クリスティナ様の機嫌を損ねてしまった。
夫人を見ると、何かを考えているようだ。
「私もティナの食事には頭を痛めているの。どんどん量を減らして、今はこの量に。そのうち体を壊すのではないかと心配で。そうだわ、賢者様、何とかしてもらえないかしら?」
やはり食べないのは心配だ。
確かに少しふっくらしているが、日本では中学生くらいだろう。
一番ふっくらしやすい時期ではないか。
体が女性らしく変化していく大事な時期。
しっかりと栄養を取らないと。
「クリスティナ様、確かに食事を減らせば細くはなるかもしれませんが、女性らしい体にはなれませんよ。胸とか…」
私の言葉を受け、自分の胸に視線を向けるクリスティナ様、みなの視線が彼女の胸元へ集まる。
「もうっ!見ないで。見ないでよ。ストンと見えるかもしれないけど、しっかりとあるんだから!」ムキになる彼女は何とも微笑ましい。
好きな男性がいると、キレイになりたいと思うのは、とても自然なこと。
彼女、かわいらしいとこがあるじゃない。
すぐにでも、脱出したいと考えていたけど、私にできることがあるのなら、協力したい。
「ジョセフィーヌ様、私にできるかわかりませんが、できる限り協力したいと思います。しばらくこちらに滞在するので、お世話になっているゴードン夫妻へ手紙を出して、知らせたいのですが、構いませんか?」
「わかりました。便箋と封筒を用意させましょう。」
「ジョセフィーヌ様、ありがとうございます。」
これでおじさん、おばさんへ連絡できる。
優しいおじさん、おばさんは、私が突然居なくなりきっと胸を痛めている。ずっと気がかりだったのだ。
「あの~、クリスティナ様と私の料理、置き間違えてないですか?」
「いえ、間違えてはおりません。では。」
女性は料理を置き終えると、スススーと持ち場へ戻っていった。
「ツムギさん、何か気になることでもありましたか?」
私の様子に気づいたジョセフィーヌ様に聞かれてしまった。
どうしよう。
クリスティナ様の料理に触れていいのだろうか。チラリとクリスティナ様を見てしまう。
「ああ、クリスティナの料理が気になるのね。娘はこれ以上は食べられないと言って、減らしてるのよ。」
「そんな… 育ち盛りなのに、それではいつか倒れてしまいます。」
私はつい、眉をひそめてしまう。
「あなたは失礼ね。私のことは放っておいて。私はジル様の隣が似合う、スラリとスレンダー美人を目指すのだから。」
クリスティナ様の機嫌を損ねてしまった。
夫人を見ると、何かを考えているようだ。
「私もティナの食事には頭を痛めているの。どんどん量を減らして、今はこの量に。そのうち体を壊すのではないかと心配で。そうだわ、賢者様、何とかしてもらえないかしら?」
やはり食べないのは心配だ。
確かに少しふっくらしているが、日本では中学生くらいだろう。
一番ふっくらしやすい時期ではないか。
体が女性らしく変化していく大事な時期。
しっかりと栄養を取らないと。
「クリスティナ様、確かに食事を減らせば細くはなるかもしれませんが、女性らしい体にはなれませんよ。胸とか…」
私の言葉を受け、自分の胸に視線を向けるクリスティナ様、みなの視線が彼女の胸元へ集まる。
「もうっ!見ないで。見ないでよ。ストンと見えるかもしれないけど、しっかりとあるんだから!」ムキになる彼女は何とも微笑ましい。
好きな男性がいると、キレイになりたいと思うのは、とても自然なこと。
彼女、かわいらしいとこがあるじゃない。
すぐにでも、脱出したいと考えていたけど、私にできることがあるのなら、協力したい。
「ジョセフィーヌ様、私にできるかわかりませんが、できる限り協力したいと思います。しばらくこちらに滞在するので、お世話になっているゴードン夫妻へ手紙を出して、知らせたいのですが、構いませんか?」
「わかりました。便箋と封筒を用意させましょう。」
「ジョセフィーヌ様、ありがとうございます。」
これでおじさん、おばさんへ連絡できる。
優しいおじさん、おばさんは、私が突然居なくなりきっと胸を痛めている。ずっと気がかりだったのだ。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
イケメン男子とドキドキ同居!? ~ぽっちゃりさんの学園リデビュー計画~
友野紅子
児童書・童話
ぽっちゃりヒロインがイケメン男子と同居しながらダイエットして綺麗になって、学園リデビューと恋、さらには将来の夢までゲットする成長の物語。
全編通し、基本的にドタバタのラブコメディ。時々、シリアス。
【完結】知られてはいけない
ひなこ
児童書・童話
中学一年の女子・遠野莉々亜(とおの・りりあ)は、黒い封筒を開けたせいで仮想空間の学校へ閉じ込められる。
他にも中一から中三の男女十五人が同じように誘拐されて、現実世界に帰る一人になるために戦わなければならない。
登録させられた「あなたの大切なものは?」を、互いにバトルで当てあって相手の票を集めるデスゲーム。
勝ち残りと友情を天秤にかけて、ゲームは進んでいく。
一つ年上の男子・加川準(かがわ・じゅん)は敵か味方か?莉々亜は果たして、元の世界へ帰ることができるのか?
心理戦が飛び交う、四日間の戦いの物語。
<第2回きずな児童書大賞にて奨励賞を受賞しました>
悪魔さまの言うとおり~わたし、執事になります⁉︎~
橘花やよい
児童書・童話
女子中学生・リリイが、入学することになったのは、お嬢さま学校。でもそこは「悪魔」の学校で、「執事として入学してちょうだい」……って、どういうことなの⁉待ち構えるのは、きれいでいじわるな悪魔たち!
友情と魔法と、胸キュンもありの学園ファンタジー。
第2回きずな児童書大賞参加作です。

椀貸しの河童
関シラズ
児童書・童話
須川の河童・沼尾丸は近くの村の人々に頼まれては膳椀を貸し出す椀貸しの河童である。ある時、沼尾丸は他所からやって来た旅の女に声をかけられるが……
※
群馬県の中之条町にあった旧六合村(クニムラ)をモチーフに構想した物語です。
『空気は読めないボクだけど』空気が読めず失敗続きのボクは、小六の夏休みに漫画の神様から『人の感情が漫画のように見える』能力をさずけられて……
弓屋 晶都
児童書・童話
「空気は読めないけど、ボク、漫画読むのは早い方だよ」
そんな、ちょっとのんびりやで癒し系の小学六年の少年、佐々田京也(ささだきょうや)が、音楽発表会や学習発表会で大忙しの二学期を、漫画の神様にもらった特別な力で乗り切るドタバタ爽快学園物語です。
コメディー色と恋愛色の強めなお話で、初めての彼女に振り回される親友を応援したり、主人公自身が初めての体験や感情をたくさん見つけてゆきます。
---------- あらすじ ----------
空気が読めず失敗ばかりだった主人公の京也は、小六の夏休みに漫画の神様から『人の感情が漫画のように見える』能力をさずけられる。
この能力があれば、『喋らない少女』の清音さんとも、無口な少年の内藤くんとも話しができるかも……?
(2023ポプラキミノベル小説大賞最終候補作)
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる