魔術師長様はご機嫌ななめ

鷹月 檻

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第四章

22 爵位の儀 前編 シエラ視点

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 わたくしがこのヘンドリックス公園近くのコモン様のお屋敷に来て二週間が経ちました。わたくしは預かり子の許可が下り、今はコモン様の婚約者としてこの新しいお屋敷で暮らしております。正直、上流貴族街の外れではありますが、周りは今までみたいな中流貴族の方々とは違います、気をつけて交流をしなければいけません。

 使用人はメルヴィンとベティ以外は新しく雇い入れる事になり、ベティは侍従長として厳しく使用人を育てております。メルヴィンはもう令嬢執事では無くなったので、コモン様のお仕事(魔道具関係)や、お屋敷の管理、財産の管理など覚える事ややる事が沢山あって、最近はわたくしとコモン様、二人での閨事が多くなっております。

「どうしたんだい?」

 わたくしは今寝台の上でコモン様に身を預け、お股をその色白の長い指で弄られています。
いつもだったらとっくに達しているのに、その気になれないのはきっとメルヴィンの事を考えていたからでしょう。

「何だか気乗りがしなくて……今夜はわたくしがお口で御奉仕しても良いですか?」
「え? いいの? 嫌じゃない?」
「嫌じゃないです、コモン様のここはわたくしの大好物ですから」

 わたくしは微笑んでコモン様の亀頭の先に挨拶のキスをします。そうしてから、亀頭の割れ目を指先で押し開くと尿道へ続く穴が見えました。わたくしはそこに舌先を細めてにゅるっと入れました。

「うっ、刺激が強い……」

 そんなコモン様の反応は完全無視で、わたくしはその舌先でぐりぐりと尿道を責めました。するととろ~っと透明な液が垂れてきました。

「コモン様のここは嬉しくて泣いておりますわ?」
「うっ、くぅう……」

 わたくしは尿道から舌を亀頭の先に滑らせぺろぺろと飴を舐める様に舐めます。我慢出来なくなって来たのかコモン様が御自分の陰茎を弄ろうと手を添えようとしてきたので、わたくしはその手を握って止めました。
口の中に亀頭を含んで言います。

「らめれすお、わあくしがまだいじっれるんれすから」

 お口に亀頭が入っているのでちゃんと言えませんでしたが、コモン様は分かってくれた様で、その手を引っ込めました。

「少し……少しだけ擦ってもいい? ね? シエラ」
「らめれす」

 わたくしはコモン様の両手をわたくしの両手でがっちり握りました。わたくしは子供なので力がございません、コモン様が全力でわたくしの手を解く事も出来るのです。けれど、コモン様はわたくしに両手を握られながら、陰茎を弄りたいのに我慢しています。わたくしのお口の中ではコモン様の亀頭から苦くてしょっぱい汁が溢れてきています。きっと苦しくて触りたいのでしょう、コモン様の頬は朱色に染まり、額にはじんわりと汗の玉が浮かんでいました。
弄りたいのに制限されて弄れず、必死に我慢しているコモン様の表情は、わたくしを興奮させました。
わたくしは思いっきりコモン様の肉棒をぐっと口の奥まで吸い込みました。喉の奥の口蓋垂に当たり、うっとなってしまい、鼻から鼻水が少し垂れてしまいました。
わたくしとした事が、これでは淑女失格です。

「だ、大丈夫かい? シエラ」
「らいじょうぶれふ」

 じゅぷじゅぷっ、じゃぷっ、じゃぷっ。
わざと音を立てる様に吸い込んで激しく頭を上下に動かしました。

「先だけでイキそうだよ……シエラぁ……」

 コモン様は目を閉じたままうっとりとした顔をしています。

「……もっと、激しくして欲しい……」

 わたくしは頭の動きを一層早め、強く吸いました。

「ああっ! シエラ、凄い良い!……射精そう……!」
「いっれも、いいれふお」

 わたくしは握っていたコモン様の両手を離し、陰茎を両手で擦りながら亀頭をちゅぱちゅぱと吸い上げました。

「ああっ! ダメだっ! 我慢出来ない! 射精すよ! イクっうううっ!!」

 コモン様から出たそれはわたくしの喉の奥にぴゅっぴゅっと出され、わたくしはそれをゴクリと飲み込みました。
わたくしがコモン様の肉棒からゆっくり口を離すと、亀頭からはまだ汁が垂れていました。わたくしはそれを茎の根元から搾るように上に扱き上げちゅうちゅう先っぽを吸いました。もう一度同じ事をしてもお汁は出てこなかったので、これで茎の中も綺麗になった事でしょう。お掃除は終わりです。

「シエラ、凄く気持ち良かったよ……」

 コモン様はわたくしを抱きしめました。そしてわたくしのお股を弄ろうとして、わたくしはその手を止めました。

「ごめんなさい、今夜はその気になれないのです」
「そうか……、まぁ、今夜は流星祭の最後で帰りも遅かったし、夜更けもとうに過ぎている。仕方ない止めておくよ」

 わたくしが頷くとコモン様はわたくしの頭を撫でました。

「でも、シエラはメルヴィンの事を気にしているんだろ? この屋敷に来てから同盟会議はやっていないからな? メルヴィンが恋しい、シエラ?」
「……お仕事が覚える事が多くて、忙しいのは分かるんですけど、こちらに来てから二週間以上経っています。グレーロック城にいた時はあんなにわたくしを求めていたのに……メルヴィンはわたくしに飽きたのでしょうか?」

 コモン様はふふっといたずらっぽく笑ってわたくしに言いました。

「奴は単に、本当に忙しいだけだよ? きっとシエラを俺に独り占めされて悶々としているはずだ。責任感が強いから、やる事をやらなければという気持ちが強いんだろうけど、さすがにシエラを放って置き過ぎだよな? そりゃシエラも不安になるだろね。……ちょっと不安だけど、俺が出仕したあとにでも二人で確かめ合うと良い」

 わたくしは首を傾げました。

「確かめ合う?」
「お互いの気持ちをさ……俺はシエラの気持ちもメルヴィンの気持ちも分かってるけど、君達二人は言葉を交わさ無過ぎる。だから変なすれ違いが起きるのさ。きちんと話をして、まぁ、そうすると体もね、弄る事になると思うんだが……それだけが不安なんだよな。今までに何回か奴は理性が飛んで、シエラの蜜花を奪いそうになったからなぁ……まぁ、ベティを閨番にする方法もある。やばかったら止めてもらう様に言いつけて、傍に置いておくといい」

 わたくしはコモン様を見つめました。
「コモン様はわたくしがメルヴィンと二人でする事を嫌だとは思わないのですか?」
「う~ん、俺は変なのかな? シエラは可愛いし、美しいし、性格も良い上に淑女らしく、何もかも素晴らしい。そんな子だもの、持てて当たり前と思っている。そんな風になったのはシエラの個性そのものもあるけど、メルヴィンの育て方が良かったと思ってるし、尊敬してる。だからメルヴィンだけは許せる。けど、他の男はダメだよ? それを許したら君はただの所謂貴族の女になってしまう。愛して、愛された者だけに許し、与えるんだ。それは簡単な様で意外と難しい」

 わたくしはまた首を傾げました。

「愛して愛された者だけに許し与える、というのは簡単に思います。何故難しいの?」
「君はまだ大人の考えに穢されてないからね、そういう風に考えられる。高潔で美しい。俺はそういう所が好きだ。キラキラした物に触れた様で嬉しくなるんだ。けど……全ての人はそんなに美しくは無い。快楽に溺れれば流され、それが始まりでどんどん堕ちて行くのは良くある事さ」

 それはわたくしが快感の中でも蕩けた顔をなるべく見せない様に、歯を食いしばるような物でしょうか。
わたくしが壁時計を見ると時刻は深夜の2の刻でした。

「ごめんなさい、こんな遅くまで……明日も普通に出仕の日ですのに」
「気にしないでシエラ、君の憂いを無くす方が俺には大事だ」

 そう言ってコモン様はわたくしに両腕を広げました。わたくしはその腕の中にぽすっと飛び込んで、ぎゅっとコモン様を抱きしめました。





 目覚めると朝で、コモン様はとっくに出仕していました。
コンコンとノックの音がします。

「どうぞ入って」

 ドアを開けて入って来たのはベティでした。

「奥様、失礼ですがもう朝の8の刻ですが、いつまで寝ているおつもりでしょうか? 旦那様はとっくに出仕しておりますが?」

 ベティが黒縁眼鏡を端をくいっと上げて厳しい目つきでわたくしを見下ろします。

「ごめんなさい、昨日寝るのが遅かったもので……寝坊してしまいました」

 ベティはフッと笑いました。

「コモン様は起こさないでおいてくれと仰ったのですけど、わたくしが起きた方が良いと思って起こしたのですよ。健康な精神は健康な生活に宿りますからね、申し訳ありませんでした」

 わたくしはそんな事を言われるとは思ってなかったので、少し驚きました。

「眠いとは思いますが、軽めの朝食はいかがですか? 目が覚めますよ?」
「ええ、いただくわ」





 わたくしが食堂に行くとメルヴィンがいました。

「おはよう、メルヴィン」
「おはようございます、奥様」

 メルヴィンが厨房へ朝食の注文に行きました。わたくしはまったり窓の外を眺めます。そういえば、明後日はコモン様の【爵位の儀】があります。わたくしとメルヴィンもそれに出席します。わたくしは婚約者として、メルヴィンはエルサレム侯爵家の家令兼執事として。
正直、今の状態はメルヴィンがわたくしを避けている様な状況なので、本当に仕事が忙しいのか疑いますが……。
今もです。朝食を注文しに厨房へ行ってしまいました。
わたくしは嫌われてしまったのでしょうか? 不安です。
こんな状況では【爵位の儀】の時に問題になる様な気がします。せめて明後日までには元に戻りたい……そう思いました。
ベティが部屋の掃除が終わったのでしょうか、食堂へ来ました。そして、わたくしの斜め後ろに立ちます。どうやら今朝の食卓の給仕をしてくれる様です。

「ベティ、わたくし、食事が終わったらメルヴィンとお話がしたいです。お部屋に呼んでくださらない?」
「承知しました」

 そして朝食を持ってきたのはメルヴィンでは無く、新しく入った側仕え見習いの女の子でした。若くて可愛らしい女の子です。15歳位でしょうか?
この子が食事を運んで来たと言う事は、メルヴィンはこの子と話をしたという事です。わたくしはあまり話すことが出来ないのに……。
わたくしはその側仕え見習いの女の子が羨ましくなりました。
さっさと食事を済ませて自分の部屋に戻りました。
部屋に戻ると一人掛けのリラックスチェアに深々と体を沈めました。そして目を閉じて考えます。

 わたくしは何故自分が寂しく感じるのか……よく考えてみました。
そう、わたくしはメルヴィンが欲しいのです。
あの潤んだ青い素直な瞳を思い出すと、お股がじゅんとして湿った様な気がしました。わたくしはドレスのスカートの裾を捲くりショーツの上から自分のそこを触りました。湿ったというより濡れていました。
知らないうちに愛液が溢れていたのです。

 わたくしったら、何ていやらしい子なのっ? 浅ましいわ……。でも、高ぶった気持ちを抑えられず、指でそこを布の上からゆっくりなぞっていました。
ショーツはどんどん濡れていきます。布の上からでも濡れてしまったわたくしの指の匂いを、わたくしは嗅ぎました。
子供のそれなのに、何だか動物の雌の匂いがしたのは気のせいでしょうか。
わたくしはコモン様が思うほど高潔で美しい訳では無いのです。全然キラキラなんかしていない、むしろどす黒くて……それをコモン様に知られるのが、凄く怖いのです。
わたくしからすれば、彼の方がキラキラしていて、本当に王子様の様ですから。
コンコンとノックの音がして、わたくしは我に返りました。
メルヴィンが来たのね、そう思ってわたくしは急いでドレスの裾を直し、自分をアクアウォッシュしました。お股の濡れも指も綺麗になりました。
そしてわたくしがドアを開けると、そこにいたのはベティでした……。

「……どうして?」
「メルヴィンは忙しくて来れないと言ってましたが……奥様、大丈夫ですか? 顔色が悪いですが……」
「大丈夫」
「10の刻からマナー教養講師のハンナ先生が来ますが……無理の様でしたら断りますが?」
「……本当に大丈夫よ。心配してくれてありがとう」

 わたくしはそう言ってドアを閉めました。
メルヴィンが来たと思って喜んでいたのに……、メルヴィンはわたくしの所へ来るのを拒否したのです。
本当に仕事が忙しいのでしょうか?
わたくしの心は沈んで、立っているのが辛くなりました。そのままとぼとぼと寝台まで歩いて行きごろんと横になりました。

 メルヴィンはこのお屋敷に来てから変わってしまいました。このお屋敷に来て何が彼を変えたのか考えてみたけど、やっぱりわたくしには分かりませんでした。
10の刻になり、マナーの先生が来るとベティがお茶会室に通しました。マナー教養の勉強はいつもお茶会室で行われています。マナー教養の先生であるハンナ=プライマス先生は、ベティがアルフォード公爵様の執事のセバスさんに紹介して頂いたと言っておりました。アリア様もこちらのハンナ先生に教わっているとの事です。
今日の講座内容は意地悪を言われてどう切り返すかでした。上流貴族の方が言った遠回りの嫌味を理解し(ここが大事、理解しずらいそうです)そしてまた遠回りに嫌味に対応した言葉を発言しなくてはならないとの事です。

「嫌味が分からなくて普通に対応する方が、人間関係が良いと思うのですが?」

 わたくしが疑問に思ってそう言うとハンナ先生がにこやかに微笑みました。

「そうですね、わたくしもそう思いますわ、シエラ様。でもそれが出来ないと、上流貴族の間では嫌味も理解出来ない頭の悪い方、空気の読めない方と蔑まれてしまうのです。そして、返す言葉にも品の良さやセンスが求められます。単なる嫌味の応酬が問題と言う訳では無いのが上流貴族のご令嬢様方の付き合いでしょうか」
「……面倒臭いのね?」

 ハンナ先生はくすっと笑って言いました。

「アリア様も同じ事を仰ってましたよ」
「あら」
「けれど、シエラ様はわたくしがお教えするまでも無い気がします。きちんと出来てますよ。令嬢執事の方の教えですか?」
「ええ、メルヴィンに教えて貰いました」
「シエラ様の令嬢執事は大変素晴らしいですね」

 わたくしはメルヴィンが褒められて凄く嬉しくなってしまいました。

「はい!」

 わたくしとハンナ先生はそのあとお茶を飲み、お茶の飲み方を指導されました。
カップの持ち方や、姿勢を少し注意されただけで特に問題は無かった様です。
わたくしの事を凄く褒めて下さるのは良いのですが、何かにつけてアリア様は……とアリア様の愚痴を少々こぼされるのには少し戸惑ってしまいました。
まぁ、アリア様のあの性格ですとマナー教養の授業を受けても、身に付くのは時間が掛かるのではと思います。じっくり教えていくしか無いのでは? と思いました。

 授業が終わり、ハンナ先生が帰ったあと、わたくしは自分の部屋に戻りました。
明後日が爵位の儀なので、その時に着るドレスをどれにしようかとクローゼットを開いて見ていました。クローゼットの中にはコモン様から送られた大量のドレスが入っています。きちんとした場なので清潔感のある色が良いと思い、わたくしはまだ着た事の無い白いドレスをクローゼットから出し、隣にある姿見でドレスを自分の体に当てて見ました。わたくしは髪がクリーム色なのでドレスが白っぽいと何だか印象に残らないぼやけた感じの顔になってしまいます。わたくしはドレスを元に戻し宝石箱を見ました。宝石箱もコモン様から送られたペンダントやネックレス、指輪やブローチが沢山入ってます。これ全てだとお値段はいくらになるのでしょう……とても高そうです。
私はその中で赤いルビーのペンダントを手に取り首に当てて姿見を見ました。この大きさ、色合いなら白のドレスに映えます。指輪もお揃いがあるし、当日はあのドレスにこのアクセサリーを付けて行く事にしましょう。
宝石箱の蓋を閉めるとノックの音が聞こえました。

「どうぞ? 入ってちょうだい」

 現れたのは朝食堂にいた、側仕え見習いの女の子でした。

「失礼します」
「ええと、貴女お名前は何と言ったかしら?」
「ケィティ=イルマン、15歳です」
「ケィティ、どうしたの? 何か?」
「シエラ様にお客様が来ているのです。今、メルヴィン様が対応してますが……」
「? わたくしをメルヴィンが呼んだという事かしら?」
「いいえ、メルヴィンさんはシエラ様を呼ばなくてもいいと仰ってました」
「え? なら何故? ここに来たの?」
「私がシエラ様を呼んだ方が良いと思ったからです」
「……貴女の上司はメルヴィンよね? なぜ上司の言う事が聞けないの?」

 ケィティは躊躇った後ぼそぼそと呟くように言いました。

「だって、あの女の人があまりに失礼なんです……あれじゃあメルヴィンさんが可哀想です……」
「お客様のお名前は?」
「シエラ様のお姉様のカエラ様です」

 わたくしは少し驚きました。お姉さまが? 呼んでもいないのに、このお屋敷に? カエラお姉さまとは行き来するような、仲の良い関係ではありませんでした。一体何をしに来たのでしょう? メルヴィンがわたくしを呼びたがらないのも分かるような気がしました。リッツ伯爵家にいた頃、カエラお姉さまは、わたくしだけでなくメルヴィンにもいやがらせの様な事をしていました。

「……シエラ様、お願いです、メルヴィンさんを……助けてあげて下さい!」

 わたくしはケィティを見つめました。
年齢は15歳、黒いメイド服に端にフリルの付いた白いエプロン、オレンジ色に近く見える明るい茶色の髪を肩でそろえたボブカットです。瞳はターコイズブルー。乳白色な肌は瑞々しいし、目が大きくて童顔なせいか美人と言うよりも、可愛いと言われるタイプでしょう。わたくしにはケィティがメルヴィンに好意を持っている事が分かってしまいました。
ケィティは大人です。わたくしみたいな子供とは違います。
もしかしたらメルヴィンも、ケィティの気持ちに気付いてわたくしと離れたいと思っているのかも知れません……。

「カエラお姉様はどちらに?」
「お茶会室です!」

 わたくしはお茶会室に向かいました。
お茶会室の前に行くと中でお姉さまが叫んでいる声が聞こえました。

「いいからさっさとシエラを呼びなさい!」
「貴女にシエラ様を会わせる事は出来ません!」

 メルヴィンがわたくしに会わせない様にしているのは分かりました。ノックをしようかと思いましたが、相手はこんなに失礼なお姉さまです。無駄ね。わたくしはノックもせずにドアを開けました。

「お姉さま、お久しぶりです。どうしたのです? わたくしに何か用ですか?」
「シエラ! 酷いのよ、メルヴィンったら、わたくしを貴女に会わせたくないと言ってばかりで、貴方を呼んでくれなかったの」
「シエラ様! 何故ここに……ケィティ、お前かっ!?」

 メルヴィンはケィティを凄い目で睨みつけました。

「メルヴィン、お茶を入れて下さらない? お姉さまとわたくしに。ケィティ、貴女は下がって……?」
「はい……」

 ケィティは少ししょんぼりしていた様でした。好きな方に睨まれてしまったのです、その気持ちはわたくしにも何となく分かりました。
メルヴィンがお茶を入れ終わり私達二人に差し出しました。
わたくしはそのお茶を一口飲んで深呼吸をしました。
そう、これから……お姉さまとの戦闘開始です。

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