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第四章
6 監禁二日目 後編
しおりを挟むえ? え?
私は困惑していた。寝ていたら、なんだかふわふわした良い気持ちで、目覚めると裸のオリオンに橘を咥えられていた。
「おや、目覚めてしまいましたか」
慌てて起き上がろうとすると両腕が寝台に革ベルトで括り付けられていた。
足はオリオンが両足首を握っていて少ししか動かせない。
「ど、どうして……?」
「城にいた時は別にどうとも思わなかったのですが、近くでこうして見ると貴方はとても可愛らしいのですね」
あっ! そう言えばこの人、男色家だった!
まずい、まずい、この状況はまずい!!
「オ、オリオン……さん? 取りあえず話し合いましょ? まずはそこからお口を離して下さらない?」
冷静を装って優しく話し掛ける。
「図に乗るな、お前ごときがこの私に命令をするのかっ! お前など、この白青宮殿には必要などない! お前の体を堪能したら…そうだな? 私の屋敷でラブドールとして一生飼おうか」
はっ?
「ラブドールって……?」
「ん? 性奴隷の事だ」
はぁああああ?
「ユ、ユリウス様が黙ってないでしょ? ユリウス様は私のことがお好きな様ですから!」
「そのユリウス様にお前は大嫌いと言ったのだろ? ……あんなに落ち込んでいるユリウス様など初めて見たぞ……。ユリウス様もお前が私に穢されればいい加減諦めるだろ?」
そう言うとオリオンは私の橘をまた咥えた。
れろれろと舌が動いて私の橘がどんどん硬く大きくなっていく。
「いや! やめて!」
「嫌だと言う割りに先走り汁が出ているが?」
オリオンが下衆びた笑顔でにやりと笑う。
口の中で上下に出し入れされると何とも言えない快感が広がっていく。
ああ…出したい…。
いやいやダメでしょ! 正気に戻れ! 私!
……でも、気持ち良くて出ちゃいそうになっている。
もう時間の問題かも知れない。
オリオンは急に橘から口を離した。
「え?」
「どうした? もっとして欲しかったか?」
私はキッとオリオンを睨んだ。
「ここはこの程度で良いだろう?」
そう言うとオリオンはサイドテーブルに置いてあった瓶を取り、その瓶から自分の手にどろっとした液を垂らして、液を私の菊に塗りつける。
何かと思ったそれは潤滑剤だった。
そしてオリオン自身の大きくなった肉棒にもそれを塗っていた。
「初めてじゃないんだろ? ならすぐ入れても大丈夫か…」
は?
「ちょ、ちょっと待って! やめて!」
私の菊にオリオンが亀頭を充てた。私は入り込まれないようにぎゅっと菊を締めた。
「こら! そんなに締めたら入らないだろうが! 世話の焼ける……」
オリオンは指を私の菊の周りに這わせた。
ゆっくりと緊張を解すようにねっとり撫で回される私の菊。
気が緩むと菊も緩んでしまった。
そこに指が一本ぬるりと滑り込んで来た。
「や、ぃやぁ……やめてぇ……」
オリオンの指がうねうねと動いて私の良い所を刺激する。
気持ちも言葉も嫌だとちゃんと否定してるのに……私の体は反応してがくがくと震えていた。
「嫌だと言っても体は正直だな」
私は唇をぎゅっと噛んだ。快感に抗いたかった。
ツーっと唇から血が流れて、無意識に舐めてしまったのか血の味がした。
痛さと屈辱と自分自身が情けなくて、涙がじわりと出てきた。
「やめてよ! やだぁ! やめてったら!」
指が一本から二本にされて私は足を無理矢理ばたばたさせて暴れた。
「動くな!」
両脚を脇に持たれて押さえ込まれ、足がもう動かせなくなってしまった。
指を抜かれて、オリオンの物がまた菊に充てがわれた。
やだ、やだ、やだ! このままじゃ入っちゃう!
「やめてぇえええ! 入れないでぇええ!!」
私が叫んだその時だった、部屋のドアが開いた。
「オリオン! 何をやっているんです!?」
叫んだのはクロエ様だった。
クロエ様の後ろからユリウス様も付いて来ていた。
ユリウス様の表情が一瞬で怒りに変わっていた。
つかつかと鳥籠の中に入って来てオリオンを魔法で吹っ飛ばした。
ユリウス様が眉間に皺を寄せて私を見るので、私は急いでドレスの裾を下ろして下を隠した。
ユリウス様は寝台に括り付けられた私の両腕の皮ベルトを外しながら言った。
「……大丈夫ですか?」
「…大丈夫なわけ無いじゃない…! もういや! ここに居たくない…お願い、帰して…? わたくしをここから出して! レイジェス様の所に帰して!」
クロエ様がオリオン立たせて部屋から連れ出した。
「うぅ、ひっく…うっ、うっ、」
ユリウス様は私をぎゅっと抱きしめた。
「やめて…うぅ」
そのまま布団の中で抱きしめられて背中をぽんぽんとされた。
嫌な事に私はそのリズムに安心してしまう。
「ユリウス様…もしかして貴方…庇護者なの…?」
「……候補ですけどね」
……やっぱりそうだったんだ……。
じゃあ、きっと…セバスもそうなんだろう。
大嫌いと言ったのに、大嫌いなのに…私は変な安心感に包まれてまた眠りに落ちた。
目が覚めると視線を感じて、そちらを向くとユリウス様が隣で私をじっと見つめていた。
私が寝ている姿をずっと見ていたのか? なんだか複雑な気分だ。
「「……」」
沈黙が流れた。
「…もうオリオンは鳥籠に近づけない事にした。……所で貴方に見て頂きたい物がある」
「? ……何?」
ユリウス様は鳥籠を出て部屋の壁に立てかけてある布の掛かった板らしき物を持って鳥籠に入って来た。それは縦に1メートル程で横は60センチ位か?
何だろう? ユリウス様は私の目の前にそれを持って来て、掛かっている紺色の厚い布を取った。
そこに現れたのは一枚の絵画だった。
裸の姿で座位のまま、後ろからユリウス様に貫かれている女の子の私の絵だった。
お股の描写が凄くリアルで驚いた。
けれど、この画風は見た事がある。
どう見てもハンスが描いた絵だ。
「万華鏡の一枚です。どうです? 素晴らしいでしょう? 貴方の愛らしさが良く描けている」
その絵の中の女の子の私はユリウス様に蜜花を貫かれて気持ち良さそうな蕩けた顔をしていた。
私は思わず顔を顰めた。
「……悪趣味です。どうしてハンスがこんな物を?」
「料金を公爵様の五倍出すと言ったら快く引き受けてくれました」
「レイジェス様にはまだ一枚も届いていないのに……」
「私に先に描けと言いましたからね。だから料金を五倍にしたんですよ」
ユリウス様はスタスタと鳥籠の中を歩いて、テーブルのすぐ傍の壁に絵を当てていた。
「どうです? ここに飾るというのは?」
「その様な絵を本気で飾るおつもりですか?」
「私と貴方が愛し合っている絵画ですよ? とても素晴らしい」
ユリウス様はうっとりした表情でその絵画を見つめていた。
「……変なの。実際はそんな風に愛し合ってなどいないのに」
私がそう言うと、ユリウス様はその絵をテーブルに置いて歩み寄ってきた。
そして、がばっと私に覆いかぶさってキスをした。
「んっ、んん!」
唇が離れて、ユリウス様は呟いた。
「キスは……ここまでは出来るんだ。じゃあ胸は?」
「?」
下からドレスを捲し上げてすぽっとドレスを脱がされた。シュミーズとゴムショーツだけになった私。
そのシュミーズをちょっと捲って乳首を露出させるとユリウス様ははむっとそれに吸い付いた。舌でれろれろと私の乳首が舐められる。
「可愛い薄桃の乳首だ。これも平気だな」
「やめてってば!」
私は両手でユリウス様の頭を押し上げた。胸から離そうと力を入れる。
私の手に押されてユリウス様のほっぺたが捩れているのに、ふふっと笑われた。
そのまま舌を下の方に這わせて私のくたっとなっている橘と睨めっこしている。
「……直視出来る様にはなった」
「ならなくていいです!」
ユリウス様は意を決した様な顔で私の橘をぱくっと口の中に入れてしまった。
焦った私はユリウス様の頭を掴んでバシバシと叩いた。
「やめろっ! 変態! ショタコン!」
ユリウス様は私の橘を咥えて上下に吸い上げる。
「しゃぶらないで! 馬鹿!」
バシバシ叩いていると腕を押さえられた。腕を押さえられて足はユリウス様の体の下になって動かせないし…どうしたらいいの?
私の橘はまだユリウス様の口の中に入っている。
ちゅぱちゅぱされて気持ち良くなってきてしまった。
「やめてって言ってるのに馬鹿ぁ……!」
「達しても良いですよ?」
ユリウス様が喋って、一瞬橘が自由になったけど、またぬるぬるしたお口の中に入れられた。
ああ、ダメ…気持ち良過ぎていっちゃう、でちゃうよぅ…。
私は出ないように唇を噛んだ。
「うぅっ、くっ、はぁあああ! だめぇ……!」
私はユリウス様の口の中に射精してしまった……。
もう……この人何なのっ!? やめてって言ってるのに……。
私が涙目で見ていると、ユリウス様は口から手のひらに私がさっき射精した精液をだした。口からとろりと流れて行くそれ。
「……アリア様のこれはトウミの味がするのですね」
そう言って手のひらに乗せた精液を私の菊に塗りこんだ。
ユリウス様は細身のパンツを下ろして一物を出した。
「貴方をイカせる事も出来たし、あとはここだけですね」
指先が私の菊を撫でる。
「……!! そこはダメ! お願い! そこはいや!」
「大丈夫です、優しくしますよ」
「……ユリウス様は体だけ得られればそれで満足なの? そんなの本当に私が貴方の物になったという事にはならない! 貴方なんて大嫌い!わたくしに触らないで! 触るなあああ!」
興奮してしまったせいか心臓がどきどきと暴れていた。
「貴方はまるでじゃじゃ馬だ」
「あ……あ……」
「? どうしました?」
私は空に手を伸ばしてぱたりと腕が落ちた。そして意識も遠くなっていった。
「アリア様…? アリア様…!?」
ユリウス様が慌てて部屋を出て行って、医者らしき人を連れてきていた。ざわざわとざわめきが聞こえて私は暗い空間にいた。
そこには青白い炎の様な光がいた。
『お前も災難だなぁ、こんな世界に来たばっかりに』
「…私が別の世界から来たのを知ってるの?」
『まぁな』
「ふ~ん」
私は自分の体を見た。私もピンクの炎のような光になっている。
『お前の光は温かくていいな…』
「貴方も温かいよ? 青い炎の方が温度が高いんだって。誰か言ってた」
『俺、一人で行くのが怖かったんだ。だから……俺はウィルスを作って、彼女と一緒に逝こうとした、けど失敗した。……結果、俺のやったことは世界が崩壊に繋がる事だった。そんな結果になるとは思わなかったんだ……俺はもう意識だけのうすっぺらい存在で、魂の輪廻の中には戻れない』
「戻りたいの? 魂の輪廻の中に」
『いや、戻りたくない。だけど、今のままじゃ、世界が崩壊する。それは俺の望んでた事じゃない。だからワクチンを作った。この崩壊を止めてくれ…助けてくれ…この崩壊を止められるのはアリア、お前と……だけだ』
「…私と…? ねぇ、私の名前を知っている……貴方は誰なの?」
『俺は……番目の【 】』
私は目をぱちっと開いた。
何だか訳の分からない夢を見た。世界の崩壊を止めろとか…。
話が壮大過ぎてついていけない。何だったんだろう今の夢。
私が目覚めるとそこにはクロエ様とアルテダがいた。
「ああ……良かったわ、目が覚めたのね」
「わたくし……あれ?」
「お兄様がアリア様に迫りすぎて心臓が止まってしまったんですのよ?」
「そうでしたか…最近は止まる事も減ってきたんですけどね」
「あのままでは死んでしまっていたわ……」
「死んじゃった方が良かったかも知れません……穢されないもん……」
クロエ様は苦笑いした。
「一応、お兄様……いいえ、私達本当は兄でも妹でも無いの、本当はわたくしはユリウス様の側室なのです。身分を誤魔化すのに妹の存在が必要でしたから、わたくしがなりすましたんです」
「……そうなんですか」
あれ? 側室って奥さんだよね? だとしたら私の存在って……目の上のたんこぶ的な存在じゃない?
「聞いてくれるか分からないけど、アリア様を帰すように、わたくしからもユリウス様に言いますわ。このままでは貴方が死んでしまいそうで怖いわ」
「クロエ様はやっぱり、良い人ですね」
私は自分の味方が出来た様で嬉しくなって微笑んだ。
「じゃあ、夕食を持ってくるわね」
「いえ…お水だけでいいです」
「貴方昨日もあまり食べて無いのでしょ? 大丈夫なの?」
「食欲が無くて……」
「そう……トウミなら食べれそう?」
「……少しなら」
「じゃ、トウミと水をアルテダに用意させるわ」
クロエ様はそう言うとアルテダと部屋から出て行った。
暫くしてアルテダがトウミと水を持って来てくれた。
「今夜はユリウス様はこちらにいらっしゃいませんから、ゆっくりお休み下さい」
アルテダはそう言うと部屋から出て行った。
ほっとしてトウミを食べると唇の傷に沁みた。触ってみると結構くっきり歯型が付いた様なへこみがあった。何回も唇を噛んだからだ。
こんな姿、レイジェス様が見たら激怒しそう……私はフッと笑って自分にヒールを掛けた。
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