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第一章
34小さな嫉妬
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目覚めた昨日、私は自分の部屋で寝ていた。けれど、レイジェス様は自分の部屋に戻らず私の寝台に入り込んで寝ていた。
私が意識が無かった時はちゃんと自分の部屋で寝ていたようだが、余程離れたくなかったらしい、私の小さな寝台ではレイジェス様の体は大きすぎる。縮こまって丸くなって、すぅすぅ寝息をたてて長い睫をぴくぴくさせて寝ている。
セバスがノックしてやってきて、レイジェス様が私の所で寝ているのを見て呆れている。
「セバス、わたくしがあちらに行きます。まだ体がうまく動かないの。運んでもらえるかしら?」
「旦那様を起こせばすぐ運んで頂けますよ」
「気持ちよく寝てるから起こすのは可哀想かしら? と思って」
私はレイジェス様の頭を撫でた。
「ここに1人置いていかれるよりはいいと思います」
セバスがうつ伏せに寝ているレイジェス様の肩をぽんぽんと叩く。
「うぅ……ん?」
まだ寝ぼけている顔だ。
「旦那様、姫様が旦那様のお部屋でお休みになられたいとの事です。お運び下さいませ」
「あ、ああ。わかった、おはようアリア」
そう言って抱きしめられる。
「おはようございますレイジェス様。」
レイジェス様はむくっと起きてひょいっと私を抱き上げ、スタスタと自分の部屋に向かった。そして寝台に私を入れて、自分も一緒に入る。
「もう少し寝よう」
「今日も休まれるのですか?」
「明日から出仕する。城には昨日連絡を入れておいた」
「なら良いです」
と私も横になる。そしてうとうとと二人で眠る。
お昼の時間になってセバスに起こされた。トレーにトウミを持ってきていた。
あれ? レイジェス様は? と思ったら私の後ろで寝てた。
「食べさせましょうか?」
セバスが言ったので頷く。
あ~んしてトウミを口に入れてもらう。
「美味しいです」
と言ったらレイジェス様が起きた。寝ぼけてるのに「これの面倒は私が見る」
とか言い出した。で、セバスの仕事を奪う。
セバスは苦笑いで「またあとで伺いますね」と言って部屋をでた。
「ほら口を開きなさい」
「あ~ん」
「汁が垂れたぞ」そう言って私の顔を舐める。
「君の汁を垂らした顔をセバスが舐めたらどうする気だ? あれに食わせてもらうな」
レイジェス様は私を睨んだ。
「セバスが? ないですよ。ないない」
私は笑い飛ばす。
「あれは一応君に魅了されているからな? 優しくし過ぎるな」
「レイジェス様はすこし妬き過ぎなのです」
「私は妬いてなどいない。事実を言っているだけだ」
「大丈夫ですよ? わたくしが好きなのはレイジェス様だけなのですから、言わなくてもわかってると思いますけどね?」
にっと私は笑った。
「そういえば忘れていた」
レイジェス様は寝台から飛び降りて、側仕えに私のチョーカーを持ってこさせた。
そして杖を出して、またトントントントントントントンとダイヤを叩いていく。
そして空に何かを書いて一瞬炎が、ぶおっ! って大きくなって消えた。
前のお守りは雷の魔法だったけど、今回のは炎の魔法で結構強くて消し炭になるくらい。と言われて怖くなった。
エメラダ様の時は宝石の加工が出来上がるのがぎりぎりだったから魔法が入ってなくて襲われてしまったから……としょぼんとしてる。
そして私のアメシストの指輪にも杖でトンと叩き空に何か書く。
そしてキーンと音がして終了。
アメシストの婚約指輪には私の心音に異常があるときに、レイジェス様のダイヤの婚約指輪に警報が鳴る様にしたとのこと。どきどきしすぎたり、心音が小さくなったら警報が鳴るってことですね。
一連の作業をしたあと、レイジェス様はまた寝台に入ってきた。
今度は足も腕も伸ばしてちゃんと寝てる。
レイジェス様の頭を一撫でしてたら私も眠くなってきて寝た。
私が意識が無かった時はちゃんと自分の部屋で寝ていたようだが、余程離れたくなかったらしい、私の小さな寝台ではレイジェス様の体は大きすぎる。縮こまって丸くなって、すぅすぅ寝息をたてて長い睫をぴくぴくさせて寝ている。
セバスがノックしてやってきて、レイジェス様が私の所で寝ているのを見て呆れている。
「セバス、わたくしがあちらに行きます。まだ体がうまく動かないの。運んでもらえるかしら?」
「旦那様を起こせばすぐ運んで頂けますよ」
「気持ちよく寝てるから起こすのは可哀想かしら? と思って」
私はレイジェス様の頭を撫でた。
「ここに1人置いていかれるよりはいいと思います」
セバスがうつ伏せに寝ているレイジェス様の肩をぽんぽんと叩く。
「うぅ……ん?」
まだ寝ぼけている顔だ。
「旦那様、姫様が旦那様のお部屋でお休みになられたいとの事です。お運び下さいませ」
「あ、ああ。わかった、おはようアリア」
そう言って抱きしめられる。
「おはようございますレイジェス様。」
レイジェス様はむくっと起きてひょいっと私を抱き上げ、スタスタと自分の部屋に向かった。そして寝台に私を入れて、自分も一緒に入る。
「もう少し寝よう」
「今日も休まれるのですか?」
「明日から出仕する。城には昨日連絡を入れておいた」
「なら良いです」
と私も横になる。そしてうとうとと二人で眠る。
お昼の時間になってセバスに起こされた。トレーにトウミを持ってきていた。
あれ? レイジェス様は? と思ったら私の後ろで寝てた。
「食べさせましょうか?」
セバスが言ったので頷く。
あ~んしてトウミを口に入れてもらう。
「美味しいです」
と言ったらレイジェス様が起きた。寝ぼけてるのに「これの面倒は私が見る」
とか言い出した。で、セバスの仕事を奪う。
セバスは苦笑いで「またあとで伺いますね」と言って部屋をでた。
「ほら口を開きなさい」
「あ~ん」
「汁が垂れたぞ」そう言って私の顔を舐める。
「君の汁を垂らした顔をセバスが舐めたらどうする気だ? あれに食わせてもらうな」
レイジェス様は私を睨んだ。
「セバスが? ないですよ。ないない」
私は笑い飛ばす。
「あれは一応君に魅了されているからな? 優しくし過ぎるな」
「レイジェス様はすこし妬き過ぎなのです」
「私は妬いてなどいない。事実を言っているだけだ」
「大丈夫ですよ? わたくしが好きなのはレイジェス様だけなのですから、言わなくてもわかってると思いますけどね?」
にっと私は笑った。
「そういえば忘れていた」
レイジェス様は寝台から飛び降りて、側仕えに私のチョーカーを持ってこさせた。
そして杖を出して、またトントントントントントントンとダイヤを叩いていく。
そして空に何かを書いて一瞬炎が、ぶおっ! って大きくなって消えた。
前のお守りは雷の魔法だったけど、今回のは炎の魔法で結構強くて消し炭になるくらい。と言われて怖くなった。
エメラダ様の時は宝石の加工が出来上がるのがぎりぎりだったから魔法が入ってなくて襲われてしまったから……としょぼんとしてる。
そして私のアメシストの指輪にも杖でトンと叩き空に何か書く。
そしてキーンと音がして終了。
アメシストの婚約指輪には私の心音に異常があるときに、レイジェス様のダイヤの婚約指輪に警報が鳴る様にしたとのこと。どきどきしすぎたり、心音が小さくなったら警報が鳴るってことですね。
一連の作業をしたあと、レイジェス様はまた寝台に入ってきた。
今度は足も腕も伸ばしてちゃんと寝てる。
レイジェス様の頭を一撫でしてたら私も眠くなってきて寝た。
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