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第一部
28 新しい家族
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新しい引越し先は真紀さん(お母さん)の仕事上の都合で鳴宮市の中心部の方に行くことになった。前は市の外れのちょっとした田舎の方だったので、コンビニがすぐ近くにあって便利だな~と思った。
コンビニには遼と一緒に行ってアイスを買って貰った。
新しい住居はちょっとしたビルみたいになっていて、1階は遼の開業する菱田動物病院で、2階は真紀さんの弁護士事務所になっている。
3階と4階が皆の住居で、1階の動物病院の受付前の廊下には3階直通のエレベーターが付いている。なので菱田家の人達はそこから家に入る。
弁護士事務所へ行く階段は専用のがある。その階段は3階まで続いているけど、3階への扉は鍵を閉めて基本使わないようになっている。
それは防犯対策だった。
住居の3階は僕と菱田さんのスペースで、4階は真紀さんと七海ちゃんのスペースになっている。キッチンは3階と4階にも付いてるけど、食事は皆で3階で取ろうという決まりだ。お風呂とトイレは3階と4階に付いている。3階と4階は家の中に階段があって繋がってる。
普通の2階建ての家みたいな感じだ。
皆で仲良くが基本だけど、あんまりお互いのチームに踏み込まないように階数を分けたみたいだった。
真紀さんが養子にした七海ちゃんは、4月に中学3年生になる14歳だ。
七海ちゃんは瞳の色が青碧色をしてた。お通夜の時は遠かったから気付かなかった。
皆で夕飯を食べてるときに遼が言った。
「七海ちゃんはちょっと桂斗と目の色が似てるな」
遼がそう言うと七海ちゃんは苦笑いした。
「生粋の日本人なんですけどね、先祖返りみたいで、東北だとたまにいるんですよ、瞳の色の薄い人が」
「元は東北なの?」
「はい、親が青森の人で、青森で生まれました」
「それにしては訛り無いね?」
「育ったのは東京なので。……瞳の色の事では……結構からかわれました」
「苛められたの?」
僕が聞くと七海ちゃんはまた苦笑いした。
「苛めってほどじゃないけど、結構きつかったかな」
「そんな奴らはみんな訴訟起こして有り金ふんだくってやるわ!」
真紀さんがご飯を食べながら怒ってた。
七海ちゃんは笑った。
「そう言えば、今大事な事を思い出した!」
遼が急に大きな声を出してびっくりした。
「どしたの?」
「桂斗、お前の家ってさ、にっこの他にもう一匹猫飼ってただろ?」
「うん、ミケっていうお姉ちゃんが飼ってた猫いた」
「そいつ、今どこにいるんだよ?」
「え? 分かんないよ。にっこは外に遊びに行っても必ずうちに帰って来てたけど、ミケは遊びに出ちゃうと帰って来ないのはいつもの事だったから。最後に見たのは去年の11月に仔猫を家で産んで……それから外に行って、それっきりだよ」
「じゃあ、火事の時家に居たなんて事は無いんだな?」
「僕に聞いても分かんないよ」
「消防署の方に確認しておくわよ。火災現場の写真が残ってると思うから」
「あ、真紀さん、ありがとう」
遼がそう言うと、七海ちゃんがぽつりと言った。
「動物は子供を大事にするもんだと思ってたけど、産みっ放しで面倒も見ない奴もいるんだね。……まるで、人間みたい」
「動物でもたまに育児放棄する奴はいるよ。たまにじゃないか、結構多いよ?」
「そっか」
獣医の遼が言うんだから間違いない。
七海ちゃんは毒を吐いたけど、遼に癒されたっぽかった。
食事を終えて遼がお皿を洗ってると、真紀さんが手伝いに来た。
「料理は遼が作ってくれたんだから、皿洗いくらいやるわよ?」
「いいよ別に、真紀さんは七海ちゃんや桂斗と遊んでて? 俺結構家事好きだしさ、綺麗好きなんだよね。真紀さんて仕事はキチキチやるけど、家の事とか全くダメそう」
それを聞いて七海ちゃんが笑ってた。どうやら図星だったみたいだ。
「七海~~! 笑うなぁ~!」
「きゃははは」
二人で楽しそうにしてる。僕は遼のお手伝いをしようと隣にじっと立っていた。
「そこに足台あるだろ? 持って来てフキンで食器拭いて?」
「は~い」
僕が食器を拭いてると、遼が僕に聞いて来た。
「どうだ? 真紀さんと七海ちゃんは。仲良くやれそう?」
「うん。二人とも優しい」
「……真紀さんの事も、お母さんて呼ばなきゃいけないよ?」
「うん」
お手伝いが終わったら皆でゲームをして遊んだ。
南天堂のズズイッチで遊んだ。
コンビニには遼と一緒に行ってアイスを買って貰った。
新しい住居はちょっとしたビルみたいになっていて、1階は遼の開業する菱田動物病院で、2階は真紀さんの弁護士事務所になっている。
3階と4階が皆の住居で、1階の動物病院の受付前の廊下には3階直通のエレベーターが付いている。なので菱田家の人達はそこから家に入る。
弁護士事務所へ行く階段は専用のがある。その階段は3階まで続いているけど、3階への扉は鍵を閉めて基本使わないようになっている。
それは防犯対策だった。
住居の3階は僕と菱田さんのスペースで、4階は真紀さんと七海ちゃんのスペースになっている。キッチンは3階と4階にも付いてるけど、食事は皆で3階で取ろうという決まりだ。お風呂とトイレは3階と4階に付いている。3階と4階は家の中に階段があって繋がってる。
普通の2階建ての家みたいな感じだ。
皆で仲良くが基本だけど、あんまりお互いのチームに踏み込まないように階数を分けたみたいだった。
真紀さんが養子にした七海ちゃんは、4月に中学3年生になる14歳だ。
七海ちゃんは瞳の色が青碧色をしてた。お通夜の時は遠かったから気付かなかった。
皆で夕飯を食べてるときに遼が言った。
「七海ちゃんはちょっと桂斗と目の色が似てるな」
遼がそう言うと七海ちゃんは苦笑いした。
「生粋の日本人なんですけどね、先祖返りみたいで、東北だとたまにいるんですよ、瞳の色の薄い人が」
「元は東北なの?」
「はい、親が青森の人で、青森で生まれました」
「それにしては訛り無いね?」
「育ったのは東京なので。……瞳の色の事では……結構からかわれました」
「苛められたの?」
僕が聞くと七海ちゃんはまた苦笑いした。
「苛めってほどじゃないけど、結構きつかったかな」
「そんな奴らはみんな訴訟起こして有り金ふんだくってやるわ!」
真紀さんがご飯を食べながら怒ってた。
七海ちゃんは笑った。
「そう言えば、今大事な事を思い出した!」
遼が急に大きな声を出してびっくりした。
「どしたの?」
「桂斗、お前の家ってさ、にっこの他にもう一匹猫飼ってただろ?」
「うん、ミケっていうお姉ちゃんが飼ってた猫いた」
「そいつ、今どこにいるんだよ?」
「え? 分かんないよ。にっこは外に遊びに行っても必ずうちに帰って来てたけど、ミケは遊びに出ちゃうと帰って来ないのはいつもの事だったから。最後に見たのは去年の11月に仔猫を家で産んで……それから外に行って、それっきりだよ」
「じゃあ、火事の時家に居たなんて事は無いんだな?」
「僕に聞いても分かんないよ」
「消防署の方に確認しておくわよ。火災現場の写真が残ってると思うから」
「あ、真紀さん、ありがとう」
遼がそう言うと、七海ちゃんがぽつりと言った。
「動物は子供を大事にするもんだと思ってたけど、産みっ放しで面倒も見ない奴もいるんだね。……まるで、人間みたい」
「動物でもたまに育児放棄する奴はいるよ。たまにじゃないか、結構多いよ?」
「そっか」
獣医の遼が言うんだから間違いない。
七海ちゃんは毒を吐いたけど、遼に癒されたっぽかった。
食事を終えて遼がお皿を洗ってると、真紀さんが手伝いに来た。
「料理は遼が作ってくれたんだから、皿洗いくらいやるわよ?」
「いいよ別に、真紀さんは七海ちゃんや桂斗と遊んでて? 俺結構家事好きだしさ、綺麗好きなんだよね。真紀さんて仕事はキチキチやるけど、家の事とか全くダメそう」
それを聞いて七海ちゃんが笑ってた。どうやら図星だったみたいだ。
「七海~~! 笑うなぁ~!」
「きゃははは」
二人で楽しそうにしてる。僕は遼のお手伝いをしようと隣にじっと立っていた。
「そこに足台あるだろ? 持って来てフキンで食器拭いて?」
「は~い」
僕が食器を拭いてると、遼が僕に聞いて来た。
「どうだ? 真紀さんと七海ちゃんは。仲良くやれそう?」
「うん。二人とも優しい」
「……真紀さんの事も、お母さんて呼ばなきゃいけないよ?」
「うん」
お手伝いが終わったら皆でゲームをして遊んだ。
南天堂のズズイッチで遊んだ。
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