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第一部
6 白木さん
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にっこが入院したことを言ったらお母さんはびっくりしてた。
僕はたまに菱田さんと公園で話していた事をお母さんに言った。
するとお母さんはご挨拶に行かなきゃ! と菱田さんの所におめかしをして挨拶をしに行った。
そして夕方、僕がいつもの公園のブランコで遊んでると菱田さんが僕を呼んだ。
「おい、桂斗!」
「あっ! 菱田さん!」
僕はとととっと菱田さんの座るベンチの隣に座った。菱田さんが僕に缶ジュースをくれた。いつものオレンジの味だ。菱田さんはコーヒーを飲んでいる。
「にっこ、たいぶ良くなったぞ。明日連れて帰ってもいいぞ」
「本当に!? 良かった!」
「いつもは金曜の夜に伯父さんの所に行ってるって言ったよな?」
「うん、……明日金曜……。僕ちゃんと言えるかな……」
「俺が……お前の家に行こうか?」
「え? 菱田さんが? どうして?」
「お前の母ちゃんがこないだうちの病院に来た。その時ちょっと話したんだ。で、仲良くなった」
「それって……菱田さんが僕のお父さんになるってこと……?」
「……いや、それは無い。俺はゲイだ」
「ゲイって何?」
「男が好きな男のこと」
「じゃあ、お母さんは女の人だからダメなんだ?」
「そういう事だな」
「何だ……。菱田さん優しいから、お父さんになってくれたら嬉しいのになぁ」
「……桂斗、お礼足りないんだ。もっと貰っていいか?」
「え? 僕、上げられる物ないよ? お金ももう無いし」
僕がそう言って菱田さんを見上げると、菱田さんはぺろっと僕のほっぺたを舐めた。
「お礼貰ったからな」
「菱田さんて……にっこみたい」
「ああ"?」
「にっこもよく僕の顔舐めるし、凄く目つき悪い所が似てる」
「俺はあの猫みたいにブサイク顔じゃねぇぞ?」
「え~? にっこはブサイク顔じゃないよ? 渋い顔だよ?」
「まぁ、いずれ俺様の真の姿を見せてやる」
と菱田さんが言うと、近くに立っていたサングラスを掛けた黒いスーツのおじさんが笑っていた。
「おい、遼! 真の姿って何だよ? 俺見た事ねぇよ! お前の真の姿。俺にも見せてくれよ! ぷっ、くくくくっ」
そのおじさんはめちゃめちゃ菱田さんの事を笑ってた。
「何だよ伸欣、いるなら居るって言いやがれ! 恥ずいだろうが! どこから見てた?」
「礼が足りないってその子のほっぺた舐めた所から」
「……最悪だ」
サングラスのおじさんは僕の前に立って頭をくしゃくしゃっと撫でた。
「名前は?」
「泉桂斗です。6歳です」
「ちゃんと自己紹介できるんだな。偉い偉い。俺はこいつのいとこでダチ。白木伸欣って言う。よろしくな」
僕はベンチを下りてお辞儀した。
「よろしくお願いします」
「礼儀正しいな。ってか、遼、仕事だ」
「こんな時間にかよ~」
「金が欲しいんだろ? 文句言わねぇでさっさと付いて来い」
「分かったよ! じゃあな、桂斗、明日の夜な?」
「本当に来るの?」
「あっ、にっこはついでに俺が連れて行く! だから、伯父さんの家には行くな。分かったな?」
「うん!」
菱田さんは白木さんに連れて行かれた。
僕は明日菱田さんが自分の家に来ると聞いて嬉しくなった。
僕はたまに菱田さんと公園で話していた事をお母さんに言った。
するとお母さんはご挨拶に行かなきゃ! と菱田さんの所におめかしをして挨拶をしに行った。
そして夕方、僕がいつもの公園のブランコで遊んでると菱田さんが僕を呼んだ。
「おい、桂斗!」
「あっ! 菱田さん!」
僕はとととっと菱田さんの座るベンチの隣に座った。菱田さんが僕に缶ジュースをくれた。いつものオレンジの味だ。菱田さんはコーヒーを飲んでいる。
「にっこ、たいぶ良くなったぞ。明日連れて帰ってもいいぞ」
「本当に!? 良かった!」
「いつもは金曜の夜に伯父さんの所に行ってるって言ったよな?」
「うん、……明日金曜……。僕ちゃんと言えるかな……」
「俺が……お前の家に行こうか?」
「え? 菱田さんが? どうして?」
「お前の母ちゃんがこないだうちの病院に来た。その時ちょっと話したんだ。で、仲良くなった」
「それって……菱田さんが僕のお父さんになるってこと……?」
「……いや、それは無い。俺はゲイだ」
「ゲイって何?」
「男が好きな男のこと」
「じゃあ、お母さんは女の人だからダメなんだ?」
「そういう事だな」
「何だ……。菱田さん優しいから、お父さんになってくれたら嬉しいのになぁ」
「……桂斗、お礼足りないんだ。もっと貰っていいか?」
「え? 僕、上げられる物ないよ? お金ももう無いし」
僕がそう言って菱田さんを見上げると、菱田さんはぺろっと僕のほっぺたを舐めた。
「お礼貰ったからな」
「菱田さんて……にっこみたい」
「ああ"?」
「にっこもよく僕の顔舐めるし、凄く目つき悪い所が似てる」
「俺はあの猫みたいにブサイク顔じゃねぇぞ?」
「え~? にっこはブサイク顔じゃないよ? 渋い顔だよ?」
「まぁ、いずれ俺様の真の姿を見せてやる」
と菱田さんが言うと、近くに立っていたサングラスを掛けた黒いスーツのおじさんが笑っていた。
「おい、遼! 真の姿って何だよ? 俺見た事ねぇよ! お前の真の姿。俺にも見せてくれよ! ぷっ、くくくくっ」
そのおじさんはめちゃめちゃ菱田さんの事を笑ってた。
「何だよ伸欣、いるなら居るって言いやがれ! 恥ずいだろうが! どこから見てた?」
「礼が足りないってその子のほっぺた舐めた所から」
「……最悪だ」
サングラスのおじさんは僕の前に立って頭をくしゃくしゃっと撫でた。
「名前は?」
「泉桂斗です。6歳です」
「ちゃんと自己紹介できるんだな。偉い偉い。俺はこいつのいとこでダチ。白木伸欣って言う。よろしくな」
僕はベンチを下りてお辞儀した。
「よろしくお願いします」
「礼儀正しいな。ってか、遼、仕事だ」
「こんな時間にかよ~」
「金が欲しいんだろ? 文句言わねぇでさっさと付いて来い」
「分かったよ! じゃあな、桂斗、明日の夜な?」
「本当に来るの?」
「あっ、にっこはついでに俺が連れて行く! だから、伯父さんの家には行くな。分かったな?」
「うん!」
菱田さんは白木さんに連れて行かれた。
僕は明日菱田さんが自分の家に来ると聞いて嬉しくなった。
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