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世界設定(随時更新。ネタバレ要素あり、途中で変更・修正する可能性あり)
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ドラゴン・ブレイカー
ドラゴンは長命種で、知性も高くて人間の言葉や文字もすぐに覚えるほどの存在である。
その為、能力の劣っている上に寿命の短い人間を奴隷にしたり、遊びで人間の街をブレスで焼き払って滅ぼしたりとやりたい放題だったが、見かねた聖母竜の助力で傲慢なドラゴンを倒す能力を与えられた者。
その者こそがドラゴン・ブレイカーである。よく伝承歌や英雄歌ではドラゴン殺しの英雄とされているが、必ずしも殺す必要はない。ドラゴンが反省したり、人間にひどい事をする前の未遂なら軽いお仕置きされるだけで許される。
ドラゴン・ブレイカーは世界のどこかの国にランダムで誕生するが、生まれて3~4歳ほどで隠れ里に住む老夫婦の教育を受けて、竜退治の勇者としての厳しい訓練を受ける。
この老人夫婦の住む隠れ里は基本的に世界から位相がずれた場所にあるらしく、老夫婦の許可なしではドラゴン・ブレイカーすら入ることはできない。
ドラゴン・ブレイカーは男性・女性共に五分五分の確率で生まれる。
ドラゴン・ブレイカーが死亡すると、次世代のドラゴン・ブレイカーが生まれるのは早くて100年。普通は200年ほど後の時代とドラゴンが人間に危害を加える時期を見計らったかのように次世代のドラゴン・ブレイカーは誕生してくる。
これはドラゴンが新たに生まれて成長して、生意気盛りの世代になる個体に成長するまでの時間だと、シルバーホーンやその他ドラゴン・ブレイカーの関係者は考えている。
ドラゴンの体は優れた武器や防具の材料になる上に、その血液や眼球はうまく使えば、寿命を延ばすことさえも可能にするが、ドラゴンは頭が良くて魔法も使えるので最低でもAランクの冒険者パーティーが6~7は必要。
その為、借金の返済などで余裕のない冒険者のみがドラゴンと戦うが、生命力、魔力、身体能力の全てが人間とは比べ物にならないほど強いので、生き残れる冒険者はほとんどいないので普通の冒険者はドラゴン討伐は命知らずの愚行というのが一般的な常識。
冒険者パーティの生還率の低さもあるが、互いに繰り出した魔法攻撃による余波によって周辺の村や街が損害を受けることになりかねないので、こればかりは冒険者ギルドのギルドマスターも強制させることはできず、ドラゴン・ブレイカーに倒してもらうのが一番確実で犠牲者が出ないので、ドラゴンが出没したという情報が出た場合は倒す前に近隣の住民の避難誘導と同時にその情報の真偽を確認する為に冒険者達を討伐ではなく、調査の為に動員させるのが一般的である。
軍隊なら一個軍団を投入しても地形や天候によってはドラゴンを倒せないまま全滅ということも珍しくない。
ドラゴンを襲う命知らずの冒険者達の集団が原因で、怒ったドラゴンが冒険者達の故郷の村を襲って滅んだことも過去にあったので、ドラゴン・ブレイカーは竜を殺す力をもっているからこそ、見つけ次第殺すということは許されず、何があったのかをドラゴンに聞いて事の真相を確かめないといけない。
これだとドラゴンが嘘をついていたらわからないと思われるだろうが、聖母竜の戦士に対してドラゴンは嘘をつくことができずに、正直に話さないといけない。
これはドラゴンの血に潜む本能といえるもので、破ればドラゴン・ブレイカーが殺した罪深いドラゴン達と同様に、死後は聖母竜の領域に転送され、その魂は無数の聖母竜の分身達によって反省するまでお説教され続けることになる。
ドラゴンは長命種で寿命の短い個体でも1000年。通常は2000年で長老と呼ばれる個体は3000年以上生きている。
長老や数百年を生きたドラゴンなら大人しくて無害だが、若いドラゴンほど慢心して暴れやすい傾向にある。
ドラゴン・ブレイカー同士での殺し合いを避けるため、一人しか世界に存在せず、ドラゴンであれば亜種であってもさまざまな種類のブレスや魔法、特殊攻撃などを完全に無効化し、さらに魔法や魔力の込められた武器でしか傷つかないドラゴンの鱗を素手であっさりと貫く能力をもっている。
また倒したドラゴンの魂は聖母竜の元へと転送され、彼女の無数の分身からひたすらお説教され続けて、心底から反省しない限りそのお説教は永遠に続く。
ドラゴン・ブレイカーは亜種であれ正当なものであれ、竜なら倒した個体から2~3パーセントほどの能力を吸収できる。
その為、竜種なら倒せばその分だけ強くなれるので、レッサードラゴンを大量虐殺して絶滅寸前まで狩りそうなドラゴン・ブレイカーもいそうだが、老人夫婦の鬼のような教育のせいでそのような愚行に出たドラゴン・ブレイカーは一人も出ていない。
まさにドラゴンの天敵ともいうべき存在のドラゴン・ブレイカーは竜と人間の仲介者であり、調停者でもある。
一見すると無敵の存在にして最強ともいえるドラゴン・ブレイカーだが最初はドラゴンを倒していないので、その力は弱く、歴代のドラゴン・ブレイカー専用の竜の骨を削り、加工したドラゴン・アーマーやドラゴン・ブレードなどを装備していないと、オーガやトロール程度の相手でも殺される危険性がある(だからこそ、簡単に殺されない為に老人夫婦の元で地獄の特訓を受けることになるのだが)。
さらにドラゴン以外の敵だと特殊攻撃、ブレス、魔法などを無効化できないので数百から数千の軍勢だと相手によっては相性が悪くて治癒魔法が追いつかないで苦戦したり、時には倒しきれないで一時、戦術的撤退をすることもある。
過去に竜が魔族との戦いで数が激減した事があり、その際に聖母竜は人間を竜に変える秘術を長老たちに授けたことがあり、お互いの合意があって初めて成り立つ術であるが、ドラゴン・ブレイカーは一度だけ竜になった人間を、元の人の姿に戻すことができる。
逆にドラゴンが人の姿になることはできない。これは初代ドラゴンのエンヴィレッサという女王竜がドラゴンとしての誇りを失わないように、と末代に至るまでの子孫たちに施した術であるため、ドラゴンが人の姿になれば寿命も短くなるし、戦闘能力も、その他の能力も激減するが、人間と付き合っている内に人間の男女と恋愛関係になったドラゴンがドラゴン・ブレイカー(正確には聖母竜の力を通してもらう仲介役として)に頼んで一回だけドラゴンから人の姿になることができる。
当然ながらその個体は人間になったので、数十年で老死するので本当に人の姿になりたいのかをドラゴン・ブレイカーは何度も質問して、一時の気の迷いではないのかということを確認してから、聖母竜に頼んでドラゴンから人の姿になることが許される。
またドラゴン・ブレイカーはその卓越した戦闘能力とドラゴンのもつ能力を使うことができる為、直接的に国家間の戦争には参加することはしないで常に中立の姿勢をとることが歴代のドラゴン・ブレイカーに伝わる鉄の掟の一つだが、ドラゴンが関係していれば調査の為に参加することはある。
その場合はドラゴンが人間を脅していたりと本当にドラゴンが黒幕であった場合は退治するが、戦争には参加しないでそのまま行方をくらましてしまう。
このようにドラゴン・ブレイカーは竜と人の間を取り持つ調停者であり、竜族に対して強い発言権をもっているせいか、人間およびその他、各種知的生物達が治める各国家の上層部は、ドラゴン・ブレイカーは竜族を従えることができる=戦争したら、喧嘩両成敗で複数のドラゴンの群れに国が滅ぼされると考えており、実際にドラゴン・ブレイカーにはそんな気はないのだが、時間はかかるが決して不可能ではないということで世界各国の首脳陣からは畏怖の目で見られている。
各国のトラブルで話し合いで決着がつかない場合はその国の代表たちが勢揃いして、臨時の議会場に集まりドラゴン・ブレイカーに最終的な判断を委ねる風習がこの数千年の間に続けられている。
またドラゴンと戦うので多くの魔物を相手にする勇者とは別の意味で危険なので、従者や仲間は強力な魔法やブレスによって命を落とす事が多い上にドラゴンは頭がいいので、仲間や従者を人質にとられた事も過去に何度かあったので、基本的にドラゴン・ブレイカーはどの世代でも一人で戦うことが多い。
勇者
勇敢なる者にして、竜や魔族を討伐する者達に授けられる称号であり、この世界にはドラゴン専門の勇者のドラゴン・ブレイカーと魔族を討伐する勇者の二種類が存在する。
元々はドラゴン・ブレイカーのみだったが、魔族の数が増えてその眷属である魔物や魔獣の数が多くなり、とても一人(ドラゴン・ブレイカーは世界に一人だけの存在で死ねば数数十年から数百年後にまた次代のドラゴン・ブレイカーが生まれる)では対処しきれないので、創造神が聖母竜や他の神々の意見を聞いて魔族討伐にふさわしい勇者を世界から選ぶことにした。
選ばれた勇者は剣も魔法も一般人より上だが、ドラゴン・ブレイカー同様に無敵の存在ではない。
この勇者もドラゴン・ブレイカー同様に一世代につき一人だけであり、ドラゴン・ブレイカーとは違って生まれてくる時期に明確なものはなく、勇者が死亡した数年後に次代の勇者が誕生したという記録もあり、生まれてくる年代は完全にランダムでその正確な時期は神のみぞ知る、ということで謎である。
勇者は魔族と戦う為に生まれてきたがドラゴン・ブレイカーのように謎の老人夫婦に地獄の特訓を受けたわけではないので、一人だけでは限界があるので仲間の戦士や魔術師、盗賊などを雇って魔物達を退治する。
魔物の脅威は世界共通なので、手の甲に創造神が付けた印をもった勇者は誕生した国が責任をもって育てて魔族や魔獣退治に赴くように教育しないといけない。
勇者は男性で生まれる確率が高く、記録に残っている限りでは男性が七割、女性の勇者の誕生率が三割といった感じである。
もちろん魔王退治した後は勇者の自由だが、育ててくれた国に対する恩があるせいか、大抵の場合は故郷の村の幼馴染か、王家や上級貴族の子息や令嬢と結婚するのがお約束である。
魔物の数が多い場合はドラゴン・ブレイカーも手伝って間引く為に共闘することがあるが、報酬や魔物の遺体の解体による目玉や鱗、臓器、爪といった価値のある物の取り分について揉めることがあるので、ドラゴン・ブレイカーと勇者はよほどの非常事態でもない限りはお互いに関わらないのが鉄則になっている。
ドラゴン
この世界の創造神が他の世界の創造されたドラゴンに魅了された為、とにかくやたらと長生きできるように設定されている。
種類も一般的なドラゴンや小型のレッサードラゴン、長老たちのようなエルダードラゴンの他に地竜、水竜といった種が存在する。
聖母竜という存在がいるのも創造神のドラゴンフェチによるもの。その為、ドラゴンが世界中で生きていけるようになっているため、街や村の外に一歩出れば魔獣や猛獣と遭遇することになってしまい、冒険者や傭兵に頼んで狩ってもらっても、短くて数日後、長くて一月後には街道で何度も猛獣や魔獣と遭遇することになってしまう。
その為、傭兵や冒険者は各街や村に一定期間の間定住する契約を結んで村や街の防衛の為に生活したり、商人の護衛として共に旅をしたりといろいろと需要があるが、薬草取りはうかつにできないのでランクD以上の冒険者パーティが複数で集団で一緒に行動しないとすぐに新米の冒険者は死ぬので、危険な世界である事には変わりない。
これも全てドラゴンに対する愛情を注ぐ創造神の祝福のせいであり、狩っても狩っても季節や土地柄など関係なく魔獣や猛獣がほぼ無制限に湧いて出るので、ドラゴン達は餌に困ることはない。
ドラゴンは長寿、頭脳明晰で記憶力が高く、さらに魔法を使うことができる生物、と創造神からえこひいきされている種族。
さらにこの世界のドラゴンは魔法も使う事ができるので、ブレスの他に攻撃魔法を使って街を己の楽しみの為だけに破壊するので、人間やエルフ、ドワーフ、獣人にとっては災厄の権化としてドラゴンを忌み嫌っている者が多い。
悪知恵を働かせるドラゴンもおり、直接的にはドラゴンが動いていないが人間の犯罪者を利用して、生贄と称して人間を集めさせて密かに食べていたという事例も過去に数例あった。
その場合は本当に罪のない人間を食べていたドラゴンは二体だが、残りは犯罪者やこいつを生かしておくと、罪のない者が死ぬことになる、という重犯罪者のみを食べていたドラゴンが3体いたので、この場合は重犯罪者を野放しにしておくとまずいので歴代のドラゴン・ブレイカー達は軽い説教程度で済ませるようにしている。
レッサードラゴン
ドラゴンよりも小型で人一人をやっと乗せられるだけのドラゴン。小さいが当たると火炎球の魔法に匹敵する爆発する火の球を吐いてくる。
一体だけならランクBクラスの冒険者パーティでも倒せるだろうが、あいにくこのレッサードラゴンは集団で生息しているため、うかつに戦うと大量の当たると爆発する火の球のブレスを食らうことになる。
見た目こそはドラゴンよりも小さいのでスモールドラゴンとも呼ばれるが、飛行能力は高くて持久力は高い。
さすがにゴブリンほどではないが、魚や蟹、ワニなどの水棲生物も好んで食べる為、繁殖力旺盛でたまにダンジョンから溢れた怪物達を集団で狩って食べているので、スタンピードによるダンジョン周囲への街や村が滅びないのはこのレッサードラゴンのお陰なのだということがこの数百年の冒険者やドラゴン・ブレイカーの調査でわかってきた
レッサードラゴンの乱獲はスタンピードを止める者がいなくなるので結果的に、人間が自分の首を絞めることになるので、各冒険者ギルドはレッサードラゴンがよほど大量に増えない限りは放置しておくことにしている。
その為、主に南部から北部までのほぼ世界の全域に生息しており、雑食性。基本的に木の実や猛獣、魔獣などを食べているが、人間も縄張りの中に入ってくると、集団で襲って容赦なく食い殺すという獰猛な一面もある。
そのタフな飛行能力と獰猛さを利用できないかと、帝国や諸外国の面々は飼いならそうとした時期があったが、あまりにも凶暴なので飼いならすという努力は全て無駄に終わってしまい、竜騎士というのはこの世界には存在しない。
さらにドラゴンと違って頭は良くないので人の言葉を喋ることができず、凶暴。集団で襲い掛かってくるのである意味ドラゴンよりも危険な種である。
このレッサードラゴンはドラゴンほど強力ではないが、とにかく数が多いので集団で吐いてくるブレスは、一般の人間にとってはかなりの脅威で冒険者パーティーを複数用意してやっと討伐が可能になる。
この劣等種の間引きもドラゴン・ブレイカーにとって重要な任務の一つである。
ワイバーン
基本的にドラゴンより少しだけ体格が小さいドラゴンの亜種。ドラゴンと違って前足はもっておらず、尻尾を振り回して攻撃してくる。かなり獰猛で荒野などによく出没する。
この尻尾には猛毒が含まれており、その尻尾の先は矢じりのようになっており、刺されると強力な解毒剤か治癒魔法を使わないと、3日以内に死ぬ。
このワイバーンもレッサードラゴンほどではないが、10体前後の集団で生活しているので冒険者や傭兵だけで退治するのは難しい。知性も低く、凶暴だがワイバーンがいるお陰で荒野にいる獰猛な魔獣・野獣が増え過ぎることはないので、絶滅させると他の魔物の数を間引く者がいなくなり、結果的に荒野の生態系のバランスを乱すことになるので、腕利きの傭兵や冒険者もある程度までは減らしてもいいが、ワイバーンを減らす程度で全滅はさせないようにと、世界各地の冒険者ギルドのマスター達から厳命されている。
ドラゴンスレイブ
竜の奴隷という言葉通り、元々はリザードマンだった者達がドラゴンを崇拝している内にドラゴニュートに進化した姿。
その姿は竜が小さくなって人型になったような姿である。上位種となるとブレスも吐くし、背中から生えた羽で短時間ではあるが空を飛ぶことができる。
何よりも恐ろしいのはドラゴンのもつ再生能力と驚異的な膂力である。
ドラゴニュートに進化しただけあって、一体のドラゴニュートだけでトロール3体を秒殺するほどの力をもっている。
一応話は通じるが、中にはドラゴンを崇める狂信者というのも存在し、ドラゴン・ブレイカーを敵視して襲い掛かってくる者も少数ではあるが存在する。
基本的にリザードマンが進化した姿ではあるが、ドラゴンを大切にしている人間には無害である。
たまに人間の男女にほだされて恋愛関係にまでなったドラゴニュートも過去に5名ほどいたという。
魔族
この世界に生きとし生ける者の害悪と一般的に見られている存在。
魔物や魔獣のトップに君臨する存在であり、ドラゴンほどではないが知力、魔力において人間よりも優れているためにドラゴン同様に人間を見下す存在が大多数。
人間が寿命が短いのを馬鹿にしており、自分達こそがこの世界の支配者にふさわしいと豪語しているが、ドラゴン達からは、人間やその他知的生物を食べたり、殺すのは駄目でも魔族なら攻撃された場合のみ、反撃してもいい(または人間その他の知的種族が危機に陥っている所を助けた場合など)状況なら魔族でも殺していいと歴代のドラゴン・ブレイカー達から言われているので、ドラゴンとも敵対関係にある。
滅多にあることではないがドラゴンをそそのかして犯罪行為に手を染めるように誘惑する魔族もいる。
もっとも魔族もドラゴンも能力が高い上に寿命も長いのでプライドが高く、互いに手を組むような事をするという考えは浮かんでも実行に移す者はほとんどおらず、互いに敵視して潰し合っている状況である。
魔物と魔獣との違いは知性をもち、言語を喋ることができる者が下級魔族になる。
中級魔族となると魔法を使える者で、これも使える魔法の種類や魔力の強さ、制御力が優れた者ほど同じ中級魔族でもランクが上がっていく。
どういうわけか上級魔族はどれも人型であり、人間との違いは肌の色が青黒い事や角や翼が生えていること。そして全員が強力な魔法を使える点にある。
上級・中級の魔族はそれぞれ仲が良くて連携がとれてはいるものの、下級魔族は上、中、のいずれの階級からも同族とは見られず、奴隷と同じような扱いをされている。
下級魔族のオークやゴブリン、コボルドなどが増え過ぎると、人間の街や村に襲うようになるのがセオリーだが、勇者によって八大魔王の一人が倒されると、勇者に滅ぼされるのを警戒して、勇者が存命中の間は魔王同士でゲームと称して下級魔族同士で殺し合いをさせて暇潰しの余興にするという。
その為、オークやコボルドの中には遊びで殺し合いをさせられるのが嫌なあまりに人間の方に寝返った者達もかなり多い。
上級魔族の遊びの為に同族同士で殺し合いをさせられることに同情した人間達も多く、現在では寝返ったオークやコボルドなどは差別を受けやすいものの、辺境の村や街で魔獣・猛獣などの襲撃に対する兵士としてそれなりに重宝されているので、人間とオークのハーフ。
または人間とコボルドのハーフが生まれることもあり、魔族からの寝返り組は現在ではほぼ全員が、後述のシャイニング・ファングという組織に参加している。
盗賊・山賊
世界中の人のいない辺境に主に出没する。元々は暗黒神を崇拝する邪教徒だった。
現在では人口が増えて同じ神を崇める者同士でも思想の違いから王都や帝都にいられなくなり、過激派と呼ばれる信者とその賛同者や子分が盗賊や山賊として辺境に逃げ延びたというケースが多い。
また冒険者や傭兵でも自己中心的で仲間や新米の者を使い捨てたり、冤罪や濡れ衣を着せたり、八つ当たりで仲間や後輩の傭兵や冒険者を攻撃して追放された者や、盗賊ギルドの掟を破って街や村に住めなくなった者など、事情はさまざまである。
実際の所は創造神がドラゴンフェチの為に世界中に猛獣や魔獣が出没しているので、辺境ほど危険なのだが、彼等は数が多く、勝手に砦などを作ったりしてそこに住み、旅人や商人の商隊を襲ったりしているが、レッサードラゴンや魔獣などといった天敵が多いため、彼等の住処やその近くを通らない限りは無害である。
とはいえ、数が多い上に魔術師くずれの者も多いし、弓矢を放つ者も多いので村や街を出る時は必ず冒険者や傭兵を雇って一緒に行動するのが彼等盗賊に対抗する唯一の手段だといっていい。
近くを通りかかるとその時間帯にもよるが、大抵の場合は問答無用で攻撃魔法や弓矢を放って遠距離攻撃してくるので、冒険者や傭兵からは盗賊達から攻めてこない限りは防戦に努めるようにしている。
これは山賊達の数が多いからで、冒険者や傭兵も護衛として雇われているので内心では苦々しく思いながらも、盾を構えて飛んでくる攻撃魔法や矢を防ぎながら通過する。
その為、盗賊は魔物よりも凶暴でずる賢いので、歴代のドラゴンブレイカーは魔法や武器の訓練の為に砦や遺跡、廃屋、廃墟などに住み着いている盗賊を積極的に始末して、その戦利品を売って支援組織・シルバーホーンなどに寄付している。
冒険者ギルド
各町や村に住む人達を野盗や魔獣・猛獣などから守る為に結成された組織。
基本的に貴族や商人、軍人、村人や街の住人からの依頼を管理しており、問題のある冒険者の監視・追放などといった厳しい部分も取り扱う。
またこの世界ではドラゴンは攻撃魔法を使って田舎の村や街を攻撃してくる為、地下の居住区などを開発しているが、それでもさまざまな種類の攻撃魔法で生き埋めになったりして、生存率が少し上がるだけでドラゴンに破壊されるので、中央から派遣される役人達もどうせドラゴンに壊されると無力感に悩まされる者がほとんどなので、結局は地方に住む現地の者が頭をひねって考えて、どうにか生活しているのが現状である。
人材を育てて魔獣や猛獣、ダンジョンに巣食う野盗や魔物などを狩るように育てる為、ギルドマスターの国の上層部への発言権は強い。
魔獣や猛獣は一部の人間しか知らないとはいえ、ドラゴンを愛する創造神が祝福を与えて絶滅しないようにしているせいで、大きな街でない限りは冒険者や傭兵が四季を問わずにほとんど毎日狩りに出ないと、逆に村や街が魔獣や猛獣に滅ぼされるので、辺境や田舎ほど狩りをする冒険者や傭兵の数が多い。
また辺境や田舎など人の住んでいない地域であるほど、盗賊が勝手に建てた砦や廃村を利用した拠点が多く存在しており、中には猛獣を操る魔術師もいる為、冒険者パーティーが複数で挑んでも盗賊達は、数の多さで補って戦闘を挑んでくるため、リスクが高すぎるので村や街に住む冒険者は薬草取りや猛獣・魔獣退治をする場合がほとんどで、こうした夜盗や盗賊の存在は野放しになっているのが現状である。
これが大きな街や村なら討伐隊を編成して盗賊狩りをしなければいけないところだが、廃墟や廃屋に潜んでおり、人数が多いので討伐は容易ではない。何より田舎の方では魔獣や猛獣に対しての防戦に忙しいので(本当は予算がなかなか下りないからだが)、盗賊を野放しにして猛獣や魔獣や魔物(ゴブリンやコボルドなど)と潰し合ってくれればこちらの労苦も減るので、盗賊の存在は放置している街や村は結構多い(事実、村の外で戦闘音が聞こえてきたりするので盗賊達が魔獣・猛獣と戦っている姿は遠目ではあるが、意外とよく見る。弱い盗賊なら捕縛したり討伐しなくても、勝手に猛獣にやられてくれるのである意味、盗賊達も魔獣・猛獣への人身御供になっているともいえる)
その為、田舎や辺境に建てられた村や街は税金が安いが、その分だけ田舎の森はほぼ例外なくゴブリンやコボルドといった人型の凶悪な魔物の集落があり、それらの集落は潰しても、潰しても半年から一年後には再度作られるのでかなり危険なので大きな街や王都・帝都に移住しようとする若者は後を絶たず、地元に残る者がほとんどいないので後任の冒険者がなかなか育たないで常に人手不足。この慢性的な人手不足が冒険者ギルドとしては悩みの種である。
傭兵ギルド
元々は冒険者ギルドから派生した組織。冒険者のように皮を剥いだり、猛獣や魔獣の解体が上手にできないけれど魔物や猛獣を毒無しで素早く殺せる者達が集まった組織。
その為、魔獣や猛獣の遺体は「すばやく殺す」ことでかなり惨い状態で解体しても大した価値はないものばかりであるが、護衛対象の命は守られるので依頼者は文句を言うことはできない。
遺体の解体の才能がない者ばかりのせいか、実は遺体を上手に解体できる冒険者を羨ましく思っており、二つのギルド間の関係は良好で、戦闘では傭兵がメインで戦って、戦闘が終わると冒険者は傭兵が周囲を監視している中で魔獣や猛獣の遺体を解体するという、互いの不足した部分を補うという関係になっており、現在では商人や貴族は冒険者と傭兵の両方を雇うのが一般的な常識になっている。
ちなみに傭兵はあくまで戦闘のプロなので罠の解除は苦手であり、冒険者と組んで山賊や盗賊のアジトを襲撃することもあるが、盗賊達のアジトの中には罠が設置されていたりして危険なのでよほどの熟練者以外はやらないのがお約束になっているのが現状。
また古代遺跡をアジトにしている盗賊もいるが、リスクが高いので遺跡の調査はランクD以上の冒険者や傭兵でないと務まらないので普段は一般人の護衛や薬草採取する冒険者の護衛、畑を耕す農夫の護衛など、魔獣や猛獣の退治などの仕事がメインになっている。
シルバーホーン
歴代のドラゴン・ブレイカーは脳筋かつ天然の者が多いので、彼等ドラゴン退治専門の勇者をサポートする支援系組織。
辺境はドラゴンが人間の軍隊が少ないので襲いやすいという事から、主に辺境や田舎の村や街に住む者達が歴代のドラゴン・ブレイカーによって救われた事で恩返しの為に、ドラゴン・ブレイカーを応援するという動機で誕生した組織で、過去にドラゴンから人間になった者や、獣人であっても白眼視することなく助けてくれたドラゴン・ブレイカーに感謝しており、冒険者や商人、傭兵はもちろんのこと、依頼の信憑性やドラゴンや魔族の情報の把握など盗賊や情報屋、暗殺者といった日陰者も多数存在している。
世界中にシルバーホーンの構成員がおり、ある意味ドラゴン・ブレイカーの熱狂的信者の集団である。
権力の奴隷になるのを殊更、嫌がるドラゴン・ブレイカーの為に、偽造した身分証明書の発行や物品の売買なども担当しており、ドラゴン・ブレイカーの嫌がる事はしないというのが鉄則。
この組織はドラゴン・ブレイカーを恐れ、かつ敬い、何とかして手なずけておきたい世界中の国家の首脳陣にとっては厄介な存在だが、好奇心を司るトリックスターの神、ゼナリウスと創造神が密かに応援しており、こっそり構成員に二種類の加護を与えているので、捕まえて拷問しようとしても、何故かいつも失敗して逃げられており、あるいは手を出したら厄介な事態になるという状況に必ず追い込まれるという形になり、未だにこの組織の構成員がそれぞれの街や村に何名いるのかといった些末な情報もガセネタが多くてつかめないでいる。
シャイニング・ファング
ハーフエルフ、魔族と人間のハーフの半魔族といった混血児や獣人が人間からの迫害や差別を回避する為に誕生した組織。
元々は他の種族と人間の混血児や獣人がまともに生活できるために生まれた組織であるが、酷い差別を受けて歪んでしまった獣人も多く、主に傭兵として商人の護衛として村から村へ、街から王都へといった旅路に出現する魔物や猛獣、盗賊の集団を相手に戦うことで生活費を稼いでいる。
それでも商人の中には獣人の傭兵を快く思わない者がいるので、戦争が起きれば傭兵の需要が上がる上にハーフや獣人に対する差別もほとんどなくなることから、どこかで大きな戦争や魔物の大繁殖でも起きないかと、争いを司る暗黒神ゾリュンタスを崇拝する獣人も多く、彼等はシャイニング・ファングの中でも過激派と呼ばれており、全ての構成員が暗黒神を崇めているわけではない。
昔は数が多かったが、ドラゴン・ブレイカーや勇者が各国の首脳陣に対して獣人に対する差別をしないようにと何世代にも渡って言及した為、現在では混血児や人間の構成員の数は多くない。
逆に寝返った下級魔族のオークやコボルドなどの構成員が多くて彼等は傭兵や小間使いなど、人間の生活を支える労働力になっている。
田舎では村や街や畑の警護、街の城壁の拡張などの工事の雑工として貴重な戦力になっている。
魔族にとっても上級や中級などの階級を問わず、竜を退治、または折檻するドラゴン・ブレイカーには一目置いて警戒している。シルバーホーンの構成員でなくても寝返った魔族を迫害しないようにと、元・魔王軍のオーク達を庇った歴代のドラゴン・ブレイカーを尊敬し、密かに崇めている獣人や混血児、オーク達も多い。
ドラゴンは長命種で、知性も高くて人間の言葉や文字もすぐに覚えるほどの存在である。
その為、能力の劣っている上に寿命の短い人間を奴隷にしたり、遊びで人間の街をブレスで焼き払って滅ぼしたりとやりたい放題だったが、見かねた聖母竜の助力で傲慢なドラゴンを倒す能力を与えられた者。
その者こそがドラゴン・ブレイカーである。よく伝承歌や英雄歌ではドラゴン殺しの英雄とされているが、必ずしも殺す必要はない。ドラゴンが反省したり、人間にひどい事をする前の未遂なら軽いお仕置きされるだけで許される。
ドラゴン・ブレイカーは世界のどこかの国にランダムで誕生するが、生まれて3~4歳ほどで隠れ里に住む老夫婦の教育を受けて、竜退治の勇者としての厳しい訓練を受ける。
この老人夫婦の住む隠れ里は基本的に世界から位相がずれた場所にあるらしく、老夫婦の許可なしではドラゴン・ブレイカーすら入ることはできない。
ドラゴン・ブレイカーは男性・女性共に五分五分の確率で生まれる。
ドラゴン・ブレイカーが死亡すると、次世代のドラゴン・ブレイカーが生まれるのは早くて100年。普通は200年ほど後の時代とドラゴンが人間に危害を加える時期を見計らったかのように次世代のドラゴン・ブレイカーは誕生してくる。
これはドラゴンが新たに生まれて成長して、生意気盛りの世代になる個体に成長するまでの時間だと、シルバーホーンやその他ドラゴン・ブレイカーの関係者は考えている。
ドラゴンの体は優れた武器や防具の材料になる上に、その血液や眼球はうまく使えば、寿命を延ばすことさえも可能にするが、ドラゴンは頭が良くて魔法も使えるので最低でもAランクの冒険者パーティーが6~7は必要。
その為、借金の返済などで余裕のない冒険者のみがドラゴンと戦うが、生命力、魔力、身体能力の全てが人間とは比べ物にならないほど強いので、生き残れる冒険者はほとんどいないので普通の冒険者はドラゴン討伐は命知らずの愚行というのが一般的な常識。
冒険者パーティの生還率の低さもあるが、互いに繰り出した魔法攻撃による余波によって周辺の村や街が損害を受けることになりかねないので、こればかりは冒険者ギルドのギルドマスターも強制させることはできず、ドラゴン・ブレイカーに倒してもらうのが一番確実で犠牲者が出ないので、ドラゴンが出没したという情報が出た場合は倒す前に近隣の住民の避難誘導と同時にその情報の真偽を確認する為に冒険者達を討伐ではなく、調査の為に動員させるのが一般的である。
軍隊なら一個軍団を投入しても地形や天候によってはドラゴンを倒せないまま全滅ということも珍しくない。
ドラゴンを襲う命知らずの冒険者達の集団が原因で、怒ったドラゴンが冒険者達の故郷の村を襲って滅んだことも過去にあったので、ドラゴン・ブレイカーは竜を殺す力をもっているからこそ、見つけ次第殺すということは許されず、何があったのかをドラゴンに聞いて事の真相を確かめないといけない。
これだとドラゴンが嘘をついていたらわからないと思われるだろうが、聖母竜の戦士に対してドラゴンは嘘をつくことができずに、正直に話さないといけない。
これはドラゴンの血に潜む本能といえるもので、破ればドラゴン・ブレイカーが殺した罪深いドラゴン達と同様に、死後は聖母竜の領域に転送され、その魂は無数の聖母竜の分身達によって反省するまでお説教され続けることになる。
ドラゴンは長命種で寿命の短い個体でも1000年。通常は2000年で長老と呼ばれる個体は3000年以上生きている。
長老や数百年を生きたドラゴンなら大人しくて無害だが、若いドラゴンほど慢心して暴れやすい傾向にある。
ドラゴン・ブレイカー同士での殺し合いを避けるため、一人しか世界に存在せず、ドラゴンであれば亜種であってもさまざまな種類のブレスや魔法、特殊攻撃などを完全に無効化し、さらに魔法や魔力の込められた武器でしか傷つかないドラゴンの鱗を素手であっさりと貫く能力をもっている。
また倒したドラゴンの魂は聖母竜の元へと転送され、彼女の無数の分身からひたすらお説教され続けて、心底から反省しない限りそのお説教は永遠に続く。
ドラゴン・ブレイカーは亜種であれ正当なものであれ、竜なら倒した個体から2~3パーセントほどの能力を吸収できる。
その為、竜種なら倒せばその分だけ強くなれるので、レッサードラゴンを大量虐殺して絶滅寸前まで狩りそうなドラゴン・ブレイカーもいそうだが、老人夫婦の鬼のような教育のせいでそのような愚行に出たドラゴン・ブレイカーは一人も出ていない。
まさにドラゴンの天敵ともいうべき存在のドラゴン・ブレイカーは竜と人間の仲介者であり、調停者でもある。
一見すると無敵の存在にして最強ともいえるドラゴン・ブレイカーだが最初はドラゴンを倒していないので、その力は弱く、歴代のドラゴン・ブレイカー専用の竜の骨を削り、加工したドラゴン・アーマーやドラゴン・ブレードなどを装備していないと、オーガやトロール程度の相手でも殺される危険性がある(だからこそ、簡単に殺されない為に老人夫婦の元で地獄の特訓を受けることになるのだが)。
さらにドラゴン以外の敵だと特殊攻撃、ブレス、魔法などを無効化できないので数百から数千の軍勢だと相手によっては相性が悪くて治癒魔法が追いつかないで苦戦したり、時には倒しきれないで一時、戦術的撤退をすることもある。
過去に竜が魔族との戦いで数が激減した事があり、その際に聖母竜は人間を竜に変える秘術を長老たちに授けたことがあり、お互いの合意があって初めて成り立つ術であるが、ドラゴン・ブレイカーは一度だけ竜になった人間を、元の人の姿に戻すことができる。
逆にドラゴンが人の姿になることはできない。これは初代ドラゴンのエンヴィレッサという女王竜がドラゴンとしての誇りを失わないように、と末代に至るまでの子孫たちに施した術であるため、ドラゴンが人の姿になれば寿命も短くなるし、戦闘能力も、その他の能力も激減するが、人間と付き合っている内に人間の男女と恋愛関係になったドラゴンがドラゴン・ブレイカー(正確には聖母竜の力を通してもらう仲介役として)に頼んで一回だけドラゴンから人の姿になることができる。
当然ながらその個体は人間になったので、数十年で老死するので本当に人の姿になりたいのかをドラゴン・ブレイカーは何度も質問して、一時の気の迷いではないのかということを確認してから、聖母竜に頼んでドラゴンから人の姿になることが許される。
またドラゴン・ブレイカーはその卓越した戦闘能力とドラゴンのもつ能力を使うことができる為、直接的に国家間の戦争には参加することはしないで常に中立の姿勢をとることが歴代のドラゴン・ブレイカーに伝わる鉄の掟の一つだが、ドラゴンが関係していれば調査の為に参加することはある。
その場合はドラゴンが人間を脅していたりと本当にドラゴンが黒幕であった場合は退治するが、戦争には参加しないでそのまま行方をくらましてしまう。
このようにドラゴン・ブレイカーは竜と人の間を取り持つ調停者であり、竜族に対して強い発言権をもっているせいか、人間およびその他、各種知的生物達が治める各国家の上層部は、ドラゴン・ブレイカーは竜族を従えることができる=戦争したら、喧嘩両成敗で複数のドラゴンの群れに国が滅ぼされると考えており、実際にドラゴン・ブレイカーにはそんな気はないのだが、時間はかかるが決して不可能ではないということで世界各国の首脳陣からは畏怖の目で見られている。
各国のトラブルで話し合いで決着がつかない場合はその国の代表たちが勢揃いして、臨時の議会場に集まりドラゴン・ブレイカーに最終的な判断を委ねる風習がこの数千年の間に続けられている。
またドラゴンと戦うので多くの魔物を相手にする勇者とは別の意味で危険なので、従者や仲間は強力な魔法やブレスによって命を落とす事が多い上にドラゴンは頭がいいので、仲間や従者を人質にとられた事も過去に何度かあったので、基本的にドラゴン・ブレイカーはどの世代でも一人で戦うことが多い。
勇者
勇敢なる者にして、竜や魔族を討伐する者達に授けられる称号であり、この世界にはドラゴン専門の勇者のドラゴン・ブレイカーと魔族を討伐する勇者の二種類が存在する。
元々はドラゴン・ブレイカーのみだったが、魔族の数が増えてその眷属である魔物や魔獣の数が多くなり、とても一人(ドラゴン・ブレイカーは世界に一人だけの存在で死ねば数数十年から数百年後にまた次代のドラゴン・ブレイカーが生まれる)では対処しきれないので、創造神が聖母竜や他の神々の意見を聞いて魔族討伐にふさわしい勇者を世界から選ぶことにした。
選ばれた勇者は剣も魔法も一般人より上だが、ドラゴン・ブレイカー同様に無敵の存在ではない。
この勇者もドラゴン・ブレイカー同様に一世代につき一人だけであり、ドラゴン・ブレイカーとは違って生まれてくる時期に明確なものはなく、勇者が死亡した数年後に次代の勇者が誕生したという記録もあり、生まれてくる年代は完全にランダムでその正確な時期は神のみぞ知る、ということで謎である。
勇者は魔族と戦う為に生まれてきたがドラゴン・ブレイカーのように謎の老人夫婦に地獄の特訓を受けたわけではないので、一人だけでは限界があるので仲間の戦士や魔術師、盗賊などを雇って魔物達を退治する。
魔物の脅威は世界共通なので、手の甲に創造神が付けた印をもった勇者は誕生した国が責任をもって育てて魔族や魔獣退治に赴くように教育しないといけない。
勇者は男性で生まれる確率が高く、記録に残っている限りでは男性が七割、女性の勇者の誕生率が三割といった感じである。
もちろん魔王退治した後は勇者の自由だが、育ててくれた国に対する恩があるせいか、大抵の場合は故郷の村の幼馴染か、王家や上級貴族の子息や令嬢と結婚するのがお約束である。
魔物の数が多い場合はドラゴン・ブレイカーも手伝って間引く為に共闘することがあるが、報酬や魔物の遺体の解体による目玉や鱗、臓器、爪といった価値のある物の取り分について揉めることがあるので、ドラゴン・ブレイカーと勇者はよほどの非常事態でもない限りはお互いに関わらないのが鉄則になっている。
ドラゴン
この世界の創造神が他の世界の創造されたドラゴンに魅了された為、とにかくやたらと長生きできるように設定されている。
種類も一般的なドラゴンや小型のレッサードラゴン、長老たちのようなエルダードラゴンの他に地竜、水竜といった種が存在する。
聖母竜という存在がいるのも創造神のドラゴンフェチによるもの。その為、ドラゴンが世界中で生きていけるようになっているため、街や村の外に一歩出れば魔獣や猛獣と遭遇することになってしまい、冒険者や傭兵に頼んで狩ってもらっても、短くて数日後、長くて一月後には街道で何度も猛獣や魔獣と遭遇することになってしまう。
その為、傭兵や冒険者は各街や村に一定期間の間定住する契約を結んで村や街の防衛の為に生活したり、商人の護衛として共に旅をしたりといろいろと需要があるが、薬草取りはうかつにできないのでランクD以上の冒険者パーティが複数で集団で一緒に行動しないとすぐに新米の冒険者は死ぬので、危険な世界である事には変わりない。
これも全てドラゴンに対する愛情を注ぐ創造神の祝福のせいであり、狩っても狩っても季節や土地柄など関係なく魔獣や猛獣がほぼ無制限に湧いて出るので、ドラゴン達は餌に困ることはない。
ドラゴンは長寿、頭脳明晰で記憶力が高く、さらに魔法を使うことができる生物、と創造神からえこひいきされている種族。
さらにこの世界のドラゴンは魔法も使う事ができるので、ブレスの他に攻撃魔法を使って街を己の楽しみの為だけに破壊するので、人間やエルフ、ドワーフ、獣人にとっては災厄の権化としてドラゴンを忌み嫌っている者が多い。
悪知恵を働かせるドラゴンもおり、直接的にはドラゴンが動いていないが人間の犯罪者を利用して、生贄と称して人間を集めさせて密かに食べていたという事例も過去に数例あった。
その場合は本当に罪のない人間を食べていたドラゴンは二体だが、残りは犯罪者やこいつを生かしておくと、罪のない者が死ぬことになる、という重犯罪者のみを食べていたドラゴンが3体いたので、この場合は重犯罪者を野放しにしておくとまずいので歴代のドラゴン・ブレイカー達は軽い説教程度で済ませるようにしている。
レッサードラゴン
ドラゴンよりも小型で人一人をやっと乗せられるだけのドラゴン。小さいが当たると火炎球の魔法に匹敵する爆発する火の球を吐いてくる。
一体だけならランクBクラスの冒険者パーティでも倒せるだろうが、あいにくこのレッサードラゴンは集団で生息しているため、うかつに戦うと大量の当たると爆発する火の球のブレスを食らうことになる。
見た目こそはドラゴンよりも小さいのでスモールドラゴンとも呼ばれるが、飛行能力は高くて持久力は高い。
さすがにゴブリンほどではないが、魚や蟹、ワニなどの水棲生物も好んで食べる為、繁殖力旺盛でたまにダンジョンから溢れた怪物達を集団で狩って食べているので、スタンピードによるダンジョン周囲への街や村が滅びないのはこのレッサードラゴンのお陰なのだということがこの数百年の冒険者やドラゴン・ブレイカーの調査でわかってきた
レッサードラゴンの乱獲はスタンピードを止める者がいなくなるので結果的に、人間が自分の首を絞めることになるので、各冒険者ギルドはレッサードラゴンがよほど大量に増えない限りは放置しておくことにしている。
その為、主に南部から北部までのほぼ世界の全域に生息しており、雑食性。基本的に木の実や猛獣、魔獣などを食べているが、人間も縄張りの中に入ってくると、集団で襲って容赦なく食い殺すという獰猛な一面もある。
そのタフな飛行能力と獰猛さを利用できないかと、帝国や諸外国の面々は飼いならそうとした時期があったが、あまりにも凶暴なので飼いならすという努力は全て無駄に終わってしまい、竜騎士というのはこの世界には存在しない。
さらにドラゴンと違って頭は良くないので人の言葉を喋ることができず、凶暴。集団で襲い掛かってくるのである意味ドラゴンよりも危険な種である。
このレッサードラゴンはドラゴンほど強力ではないが、とにかく数が多いので集団で吐いてくるブレスは、一般の人間にとってはかなりの脅威で冒険者パーティーを複数用意してやっと討伐が可能になる。
この劣等種の間引きもドラゴン・ブレイカーにとって重要な任務の一つである。
ワイバーン
基本的にドラゴンより少しだけ体格が小さいドラゴンの亜種。ドラゴンと違って前足はもっておらず、尻尾を振り回して攻撃してくる。かなり獰猛で荒野などによく出没する。
この尻尾には猛毒が含まれており、その尻尾の先は矢じりのようになっており、刺されると強力な解毒剤か治癒魔法を使わないと、3日以内に死ぬ。
このワイバーンもレッサードラゴンほどではないが、10体前後の集団で生活しているので冒険者や傭兵だけで退治するのは難しい。知性も低く、凶暴だがワイバーンがいるお陰で荒野にいる獰猛な魔獣・野獣が増え過ぎることはないので、絶滅させると他の魔物の数を間引く者がいなくなり、結果的に荒野の生態系のバランスを乱すことになるので、腕利きの傭兵や冒険者もある程度までは減らしてもいいが、ワイバーンを減らす程度で全滅はさせないようにと、世界各地の冒険者ギルドのマスター達から厳命されている。
ドラゴンスレイブ
竜の奴隷という言葉通り、元々はリザードマンだった者達がドラゴンを崇拝している内にドラゴニュートに進化した姿。
その姿は竜が小さくなって人型になったような姿である。上位種となるとブレスも吐くし、背中から生えた羽で短時間ではあるが空を飛ぶことができる。
何よりも恐ろしいのはドラゴンのもつ再生能力と驚異的な膂力である。
ドラゴニュートに進化しただけあって、一体のドラゴニュートだけでトロール3体を秒殺するほどの力をもっている。
一応話は通じるが、中にはドラゴンを崇める狂信者というのも存在し、ドラゴン・ブレイカーを敵視して襲い掛かってくる者も少数ではあるが存在する。
基本的にリザードマンが進化した姿ではあるが、ドラゴンを大切にしている人間には無害である。
たまに人間の男女にほだされて恋愛関係にまでなったドラゴニュートも過去に5名ほどいたという。
魔族
この世界に生きとし生ける者の害悪と一般的に見られている存在。
魔物や魔獣のトップに君臨する存在であり、ドラゴンほどではないが知力、魔力において人間よりも優れているためにドラゴン同様に人間を見下す存在が大多数。
人間が寿命が短いのを馬鹿にしており、自分達こそがこの世界の支配者にふさわしいと豪語しているが、ドラゴン達からは、人間やその他知的生物を食べたり、殺すのは駄目でも魔族なら攻撃された場合のみ、反撃してもいい(または人間その他の知的種族が危機に陥っている所を助けた場合など)状況なら魔族でも殺していいと歴代のドラゴン・ブレイカー達から言われているので、ドラゴンとも敵対関係にある。
滅多にあることではないがドラゴンをそそのかして犯罪行為に手を染めるように誘惑する魔族もいる。
もっとも魔族もドラゴンも能力が高い上に寿命も長いのでプライドが高く、互いに手を組むような事をするという考えは浮かんでも実行に移す者はほとんどおらず、互いに敵視して潰し合っている状況である。
魔物と魔獣との違いは知性をもち、言語を喋ることができる者が下級魔族になる。
中級魔族となると魔法を使える者で、これも使える魔法の種類や魔力の強さ、制御力が優れた者ほど同じ中級魔族でもランクが上がっていく。
どういうわけか上級魔族はどれも人型であり、人間との違いは肌の色が青黒い事や角や翼が生えていること。そして全員が強力な魔法を使える点にある。
上級・中級の魔族はそれぞれ仲が良くて連携がとれてはいるものの、下級魔族は上、中、のいずれの階級からも同族とは見られず、奴隷と同じような扱いをされている。
下級魔族のオークやゴブリン、コボルドなどが増え過ぎると、人間の街や村に襲うようになるのがセオリーだが、勇者によって八大魔王の一人が倒されると、勇者に滅ぼされるのを警戒して、勇者が存命中の間は魔王同士でゲームと称して下級魔族同士で殺し合いをさせて暇潰しの余興にするという。
その為、オークやコボルドの中には遊びで殺し合いをさせられるのが嫌なあまりに人間の方に寝返った者達もかなり多い。
上級魔族の遊びの為に同族同士で殺し合いをさせられることに同情した人間達も多く、現在では寝返ったオークやコボルドなどは差別を受けやすいものの、辺境の村や街で魔獣・猛獣などの襲撃に対する兵士としてそれなりに重宝されているので、人間とオークのハーフ。
または人間とコボルドのハーフが生まれることもあり、魔族からの寝返り組は現在ではほぼ全員が、後述のシャイニング・ファングという組織に参加している。
盗賊・山賊
世界中の人のいない辺境に主に出没する。元々は暗黒神を崇拝する邪教徒だった。
現在では人口が増えて同じ神を崇める者同士でも思想の違いから王都や帝都にいられなくなり、過激派と呼ばれる信者とその賛同者や子分が盗賊や山賊として辺境に逃げ延びたというケースが多い。
また冒険者や傭兵でも自己中心的で仲間や新米の者を使い捨てたり、冤罪や濡れ衣を着せたり、八つ当たりで仲間や後輩の傭兵や冒険者を攻撃して追放された者や、盗賊ギルドの掟を破って街や村に住めなくなった者など、事情はさまざまである。
実際の所は創造神がドラゴンフェチの為に世界中に猛獣や魔獣が出没しているので、辺境ほど危険なのだが、彼等は数が多く、勝手に砦などを作ったりしてそこに住み、旅人や商人の商隊を襲ったりしているが、レッサードラゴンや魔獣などといった天敵が多いため、彼等の住処やその近くを通らない限りは無害である。
とはいえ、数が多い上に魔術師くずれの者も多いし、弓矢を放つ者も多いので村や街を出る時は必ず冒険者や傭兵を雇って一緒に行動するのが彼等盗賊に対抗する唯一の手段だといっていい。
近くを通りかかるとその時間帯にもよるが、大抵の場合は問答無用で攻撃魔法や弓矢を放って遠距離攻撃してくるので、冒険者や傭兵からは盗賊達から攻めてこない限りは防戦に努めるようにしている。
これは山賊達の数が多いからで、冒険者や傭兵も護衛として雇われているので内心では苦々しく思いながらも、盾を構えて飛んでくる攻撃魔法や矢を防ぎながら通過する。
その為、盗賊は魔物よりも凶暴でずる賢いので、歴代のドラゴンブレイカーは魔法や武器の訓練の為に砦や遺跡、廃屋、廃墟などに住み着いている盗賊を積極的に始末して、その戦利品を売って支援組織・シルバーホーンなどに寄付している。
冒険者ギルド
各町や村に住む人達を野盗や魔獣・猛獣などから守る為に結成された組織。
基本的に貴族や商人、軍人、村人や街の住人からの依頼を管理しており、問題のある冒険者の監視・追放などといった厳しい部分も取り扱う。
またこの世界ではドラゴンは攻撃魔法を使って田舎の村や街を攻撃してくる為、地下の居住区などを開発しているが、それでもさまざまな種類の攻撃魔法で生き埋めになったりして、生存率が少し上がるだけでドラゴンに破壊されるので、中央から派遣される役人達もどうせドラゴンに壊されると無力感に悩まされる者がほとんどなので、結局は地方に住む現地の者が頭をひねって考えて、どうにか生活しているのが現状である。
人材を育てて魔獣や猛獣、ダンジョンに巣食う野盗や魔物などを狩るように育てる為、ギルドマスターの国の上層部への発言権は強い。
魔獣や猛獣は一部の人間しか知らないとはいえ、ドラゴンを愛する創造神が祝福を与えて絶滅しないようにしているせいで、大きな街でない限りは冒険者や傭兵が四季を問わずにほとんど毎日狩りに出ないと、逆に村や街が魔獣や猛獣に滅ぼされるので、辺境や田舎ほど狩りをする冒険者や傭兵の数が多い。
また辺境や田舎など人の住んでいない地域であるほど、盗賊が勝手に建てた砦や廃村を利用した拠点が多く存在しており、中には猛獣を操る魔術師もいる為、冒険者パーティーが複数で挑んでも盗賊達は、数の多さで補って戦闘を挑んでくるため、リスクが高すぎるので村や街に住む冒険者は薬草取りや猛獣・魔獣退治をする場合がほとんどで、こうした夜盗や盗賊の存在は野放しになっているのが現状である。
これが大きな街や村なら討伐隊を編成して盗賊狩りをしなければいけないところだが、廃墟や廃屋に潜んでおり、人数が多いので討伐は容易ではない。何より田舎の方では魔獣や猛獣に対しての防戦に忙しいので(本当は予算がなかなか下りないからだが)、盗賊を野放しにして猛獣や魔獣や魔物(ゴブリンやコボルドなど)と潰し合ってくれればこちらの労苦も減るので、盗賊の存在は放置している街や村は結構多い(事実、村の外で戦闘音が聞こえてきたりするので盗賊達が魔獣・猛獣と戦っている姿は遠目ではあるが、意外とよく見る。弱い盗賊なら捕縛したり討伐しなくても、勝手に猛獣にやられてくれるのである意味、盗賊達も魔獣・猛獣への人身御供になっているともいえる)
その為、田舎や辺境に建てられた村や街は税金が安いが、その分だけ田舎の森はほぼ例外なくゴブリンやコボルドといった人型の凶悪な魔物の集落があり、それらの集落は潰しても、潰しても半年から一年後には再度作られるのでかなり危険なので大きな街や王都・帝都に移住しようとする若者は後を絶たず、地元に残る者がほとんどいないので後任の冒険者がなかなか育たないで常に人手不足。この慢性的な人手不足が冒険者ギルドとしては悩みの種である。
傭兵ギルド
元々は冒険者ギルドから派生した組織。冒険者のように皮を剥いだり、猛獣や魔獣の解体が上手にできないけれど魔物や猛獣を毒無しで素早く殺せる者達が集まった組織。
その為、魔獣や猛獣の遺体は「すばやく殺す」ことでかなり惨い状態で解体しても大した価値はないものばかりであるが、護衛対象の命は守られるので依頼者は文句を言うことはできない。
遺体の解体の才能がない者ばかりのせいか、実は遺体を上手に解体できる冒険者を羨ましく思っており、二つのギルド間の関係は良好で、戦闘では傭兵がメインで戦って、戦闘が終わると冒険者は傭兵が周囲を監視している中で魔獣や猛獣の遺体を解体するという、互いの不足した部分を補うという関係になっており、現在では商人や貴族は冒険者と傭兵の両方を雇うのが一般的な常識になっている。
ちなみに傭兵はあくまで戦闘のプロなので罠の解除は苦手であり、冒険者と組んで山賊や盗賊のアジトを襲撃することもあるが、盗賊達のアジトの中には罠が設置されていたりして危険なのでよほどの熟練者以外はやらないのがお約束になっているのが現状。
また古代遺跡をアジトにしている盗賊もいるが、リスクが高いので遺跡の調査はランクD以上の冒険者や傭兵でないと務まらないので普段は一般人の護衛や薬草採取する冒険者の護衛、畑を耕す農夫の護衛など、魔獣や猛獣の退治などの仕事がメインになっている。
シルバーホーン
歴代のドラゴン・ブレイカーは脳筋かつ天然の者が多いので、彼等ドラゴン退治専門の勇者をサポートする支援系組織。
辺境はドラゴンが人間の軍隊が少ないので襲いやすいという事から、主に辺境や田舎の村や街に住む者達が歴代のドラゴン・ブレイカーによって救われた事で恩返しの為に、ドラゴン・ブレイカーを応援するという動機で誕生した組織で、過去にドラゴンから人間になった者や、獣人であっても白眼視することなく助けてくれたドラゴン・ブレイカーに感謝しており、冒険者や商人、傭兵はもちろんのこと、依頼の信憑性やドラゴンや魔族の情報の把握など盗賊や情報屋、暗殺者といった日陰者も多数存在している。
世界中にシルバーホーンの構成員がおり、ある意味ドラゴン・ブレイカーの熱狂的信者の集団である。
権力の奴隷になるのを殊更、嫌がるドラゴン・ブレイカーの為に、偽造した身分証明書の発行や物品の売買なども担当しており、ドラゴン・ブレイカーの嫌がる事はしないというのが鉄則。
この組織はドラゴン・ブレイカーを恐れ、かつ敬い、何とかして手なずけておきたい世界中の国家の首脳陣にとっては厄介な存在だが、好奇心を司るトリックスターの神、ゼナリウスと創造神が密かに応援しており、こっそり構成員に二種類の加護を与えているので、捕まえて拷問しようとしても、何故かいつも失敗して逃げられており、あるいは手を出したら厄介な事態になるという状況に必ず追い込まれるという形になり、未だにこの組織の構成員がそれぞれの街や村に何名いるのかといった些末な情報もガセネタが多くてつかめないでいる。
シャイニング・ファング
ハーフエルフ、魔族と人間のハーフの半魔族といった混血児や獣人が人間からの迫害や差別を回避する為に誕生した組織。
元々は他の種族と人間の混血児や獣人がまともに生活できるために生まれた組織であるが、酷い差別を受けて歪んでしまった獣人も多く、主に傭兵として商人の護衛として村から村へ、街から王都へといった旅路に出現する魔物や猛獣、盗賊の集団を相手に戦うことで生活費を稼いでいる。
それでも商人の中には獣人の傭兵を快く思わない者がいるので、戦争が起きれば傭兵の需要が上がる上にハーフや獣人に対する差別もほとんどなくなることから、どこかで大きな戦争や魔物の大繁殖でも起きないかと、争いを司る暗黒神ゾリュンタスを崇拝する獣人も多く、彼等はシャイニング・ファングの中でも過激派と呼ばれており、全ての構成員が暗黒神を崇めているわけではない。
昔は数が多かったが、ドラゴン・ブレイカーや勇者が各国の首脳陣に対して獣人に対する差別をしないようにと何世代にも渡って言及した為、現在では混血児や人間の構成員の数は多くない。
逆に寝返った下級魔族のオークやコボルドなどの構成員が多くて彼等は傭兵や小間使いなど、人間の生活を支える労働力になっている。
田舎では村や街や畑の警護、街の城壁の拡張などの工事の雑工として貴重な戦力になっている。
魔族にとっても上級や中級などの階級を問わず、竜を退治、または折檻するドラゴン・ブレイカーには一目置いて警戒している。シルバーホーンの構成員でなくても寝返った魔族を迫害しないようにと、元・魔王軍のオーク達を庇った歴代のドラゴン・ブレイカーを尊敬し、密かに崇めている獣人や混血児、オーク達も多い。
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