上 下
1 / 1

ひまつぶしとひつまぶし

しおりを挟む
     食べ物に関しては人一倍興味関心がある積りでいたけど、コレは知らなかったと思える1品に遭遇しました。

      その名は「ぼく飯」。 
      浜名湖地方独特の郷土料理です。養殖池で出荷を逃れ人の腕ほどに太ってしまった鰻が棒杭のようなので「ぼっくい」「ぼく」と呼ぶそうです。 
     この「ぼく飯」、刻んだ鰻と牛蒡を混ぜたご飯で、牛蒡が鰻の臭みをとるんだとか。
     地域に根ざした食べ物の名前って面白いですね。
     「ぼく」という響きがイイなぁ。

     生粋の大阪人でご年配の方は「ほな、マムシ丼でもどうや?」とか時々おっしゃいます。  マムシ?蛇の?初めて聞いた時はビックリしました。
   まあ「まぶし」という言葉を知っていましたから、鰻の事だろうとすぐに察しは付きましたが(笑)。

    まぶしは「ひつまぶし」の短縮形ですね。
    名古屋に行ったら美味しいのが食べられます。

     蒲焼にしたウナギの身を切り分け、お櫃などに入れたご飯に乗せ(まぶし)提供したものを、客側が茶碗に取り分け食べるのが基本的なスタイルです。 
    この(まぶし)が料理名の由来となっている。そのまま通常の鰻飯として食べてしまうこともできますが、一般的にワサビや刻み海苔・刻みネギなどの薬味、出汁やお茶などが添えられて提供されるため、それらを客の好みに合わせて、取り分けた鰻飯に掛けたり、お茶漬けにすることにより、味の変化を楽しみながら食べることができるようになっています。
     今で言う味変ですね。
     どうして名古屋なのかというと、この味変食事スタイルを広げた元祖が、熱田神宮前の「あつた蓬莱軒 神宮店」らしいからです。
     食材として味の濃い鰻だから出来る味変食事スタイルですが、これを最初に考えた人は素敵な食いしん坊さんですね。

しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...