『 リベンジ 謀略の果の恋 』

二市アキラ(フタツシ アキラ)

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ハイスクール ペイバック

【 発端/恩を仇で返す 】

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    俺は自分に割り当てられたロッカーを開けた。
   しかしそこに入れたはずの自分の制服がない。
    嫌な予感がする。
    填められた!

    森山まで共謀してやがったのだ。
    同じ出身中学校で、しかも只でさえ少ない高校の友人だからって、何も考えずに森山を信用したのが間違いだった。
     何が「一度だけでも体験入部してくれ。俺は柔道部の再建に命を掛けてる」だ。
   「エントリー前の今、オマエに断られるとオレは身動き取れなくなる。なっ?名前だけで良いんだ」だと?そりゃそうだろうよ。 

『誰が今時、こんな汗臭い部活に入って来るんだ、しかも中途だぞ、……でもそれがお前の一番いいとこなんだけどな』そんな風に考えたのが失敗だったのだ。
    確かに、形だけの挨拶代わりの入部練習は軽いメニューだったし、森山が新たに組み立て直したという現役の柔道部員達は良い奴ばかりだった。

    それが森山含めて、全員、消・え・て・いた。
    今、俺の周りにいるのは見知らぬ連中ばかりだった。


    でもどうすればいいのかわからない。
    何を言うべきなのだろう?どうすればいい?
「あの……制服」
     俺が言いかけたのを遮るように、自分は百年前からこの暗がりに住んでいたと言わんばかりに、漆田ががたんと腰掛けていた傘立てを鳴らして立ち上がった。
     はぐれ柔道部員で札付きの不良で知られている奴だ。
    こんな時だけ顔をだす。
   しかも柔道部を廃部寸前まで追い込んだ原因、"腐った柔道部"の裏の顔役だ。
    高校での有名人で知らない人間はいない。

「返してほしいんか?」
    俺の目の前に立つ漆田の身体は華奢な俺に比べるとずっと大きく、威圧感があった。

「なんでこんなことを……」
「質問してんのはこっちや」
     杭を打つような漆田の低い声に、たじろいでしまう。
    別に俺は気が弱い訳じゃない。
    恐らく平均的な高校生よりは世の中のことを少しは知っていて度胸もある筈だ。
    だからこそ逆に漆田の悪質性がよく分かった。
    暴力団顔負け、いずれその辺りの人間になるのだろう。

「……返してくれへん!」
     つけあがる猿には弱みを見せてはいけない。           
     俺は漆田を睨み返し、きっぱりとした声で言った。
     けれど漆田の表情は少しも揺らがない。
     後ろの2人も相変わらずにやにやとした笑みを浮かべている。

「返してほしいんやったらなぁ、少し俺らと遊ぼうや」
    漆田の不気味な表情と声に、俺は少しずつ恐怖を覚え始めていた。
    こいつら本気だ。

     漆田を思い切り突き飛ばし、部室の出口へと走る。
     だが俺の力では大柄な漆田の身体を崩すことができない。
     最近でこそ部活に姿を見せないが元はエース級と呼ばれた柔道高校生でもある。
     たちまち俺は漆田に右手首を捕まれ、振りほどけないくらいの力で制止される。

    俺は自分の無力を呪った。
    "ケンカに勝つ強い自分"に憧れている同級生達を馬鹿にしていたが、こんな時に自分の身を守れないのはさすがに辛い。

     足掻く間もなく、いつの間にか俺の背後に回っていた3人のうちの1人が俺の口にガムテープを巻いた。
    用意してたってわけだ、それに手慣れている。
    動転している俺など、彼ら3人にとっては赤子も同然だろう。

    漆田が俺の柔道着の帯を手際よくほどき、それを後ろ手に回した彼の両手首に巻き付け、縛る。
     俺の動きが拘束されたことを確認すると、漆田は俺の身体を突き飛ばす。

    俺は成す術もなく肩から地面に倒れた。
     縛られた手首をぐっと引き上げられ俺は膝立ちの姿勢を強いられた。

「なぁ、これから何されるか、わかる?」
    耳元で、囁くような漆田の声。
    俺の目は恐れで自然に潤んでいる。
    泣きたくはない。
    でも、怖い。
    確かに普段でも男を相手にするが、これはレイプだ。
   ソレとは 訳が違う。

    指先に何かが当てられる。
    硬く暖かい感触。
   それは、漆田の怒張したペニスに他ならない。

「今からコイツを、オマエのケツの穴にぶち込んだる」
    俺は自分の耳を疑った。 
    何でこんな奴らに?
    漆田の舌が、俺の耳の穴を舐める。
   背筋を走る悪寒が恐怖を煽る。

「……ンっ!?」
    先ほど俺の口を塞いだほうの男が、俺のペニスを柔らかくさすった。
    それはどう見ても愛撫の手つきだったが、怯える俺にとっては、性器を握られているという恐怖感しか浮かびはしない。
    もう1人は何やら、そいつのものらしい鞄を探っている。

   ヒト一人は入りそうな大きなボストンバッグ。
    そこから男が取り出したのは、一台のビデオカメラだった。
    準備周到、ここまで来ると森山が俺を仮入部に誘ったのは、この為だったのではないかと云う気さえする。

「そう縮こまんでええやろ……ちゃんと気持ちよーしたるからなぉ。おい深道。」
    深道と呼ばれた男が、ビデオカメラを取り出した同じ鞄かあるものを漆田に放る。
     透明な液体の入った、プラスチックの瓶。
    粘性を持った液体が、瓶の中で踊る。

「脱がすぜ」
    帯が外されて緩んだ柔道着の下を、漆田が膝まで降ろす。
    露わにされた俺の性器は恐怖に小さくなっている。

「へっ、可愛いチンポだな」
「毛も生えとらん。いや噂通りそってるんやな」

 性器を見られていることと、漆田らの容赦ない恥虐の言葉に、俺は思わず赤くなる。
    第一、学校では下の剃毛を知られるような場面は一切無いはずなのに、なんでそれを知っている。

   ふいに、漆田が背中にやった手を押し、俺を床に這い蹲らせる。
    両足でふくらはぎを押さえ込まれ、手首を握る腕が強く引かれることで、尻を突き上げた体勢にされる。
    あまりの羞恥に、いよいよ俺はくやし涙をにじませる。

「これからが本番や。まだ泣くのは、はようおまっせ、」
     俺の恐怖を煽るようなふざけた漆田の言葉に、他の2人がくっくと声を出して笑う。
    先ほどの液体が俺の臀部の谷間に垂らされる。
    その冷たさに身体が反応し、俺は小さく跳ねた。
    それが漆田の被虐心をさらに高揚させる。

「これからコイツの表情は羞恥に歪み、痛みに歪み、そして避けられぬ快感に三度歪むことになる。」
    漆田はそんな事を考え、それで自分の身体を疼かせているのだろう。
   漆田の中指が液体の筋を辿り、やがて肛門にまでたどり着く。
    その指が十分に濡れていることを確認すると、ゆっくりとその穴に差し込み始める。

「ンうーっ、ふうっ!」

     突然の異物感に、身体が大きく拒否反応を起こし跳ね上がる。
    痛みは他の男達がやるようにさほど無いが、ただ、それが受け入れがたく気持ち悪い。
    身体を揺するが、漆田の力は強く、足はびくとも動かない。

「動くなよ、このままぶち込むぞ」
     そう言った先ほどの漆田の言葉を思い出し、その恐怖に、再び身体が凍り付く。
     お金も義理も好みも、勿論愛情も、どれ一つとして関わらない一方的なアナルセックス。

「強姦」いや、死に至るような「暴力」。

「じっとしてたらちゃんと馴らしたる。せっかくのおもちゃや、壊すのはもったいないからな」
    漆田の指が俺の尻の中で、うねうねと動く。
     まるで何かを探るように、回転させ引き抜き、また奥まで差し込まれる。
     俺は悔しい事にその感触にどうにかなってしまいそうだった。

「使えそうか?噂がほんまやったら、金ださんと抱けへんぐらいええ感じらしいで」
    川村が漆田に言う。

「あぁ、ええ感じや。そんなに汚れてないしな。」
「案外、初心やったりしてな」
     川村が言い、他の2人が笑う。
    それらの声が、俺にはどこか遠くから響いてくるものに感じられた。

    視界は滲んで、もはや何も見えない。
    はっきりしているのはふくらはぎの痛みと尻の中で暴れる漆田の指の感触だけ。

「うぅ…うんっ」
     前置きなく指が増やされ、尻の穴の圧迫感が高まる。

「きっついなぁ。コレ入るんかいな?」
「ねじ込んじまえよ」
「そうやな。なーんも遠慮することあらへんかったんや、お待ちかねの本番タイムといこか」

    尻の指が引き抜かれ、言葉に言い表せない感覚が肛門から背中を駆け上がる。
   抜かれてみるといつものように本来あるべきものが無くなったような空虚感がそこに残った。
    だが漆田らは、俺に考えさせる暇も与えない。
    肛門の入り口に暖かいものが当てられる。
   見なくてもわかる、それは漆田のペニスだ。 
   漆田のペニスはこれ以上大きくなれないほどに膨れ上がり、先端からは止めどない先走りが溢れている。

     俺は最後の抵抗で身体を揺するが、それはもはや何の意味も成さない。

「ほら、入っていくで、入ってなぁ」
ずる、ずるとその先端が俺の肛門を押し広げる。
「ンーーーーーっ!!」
「亀の頭が入りましたー」
「今チンポがおまえのケツん中に入ってる。どんな気持ちや?オカマの気持ち、勉強したいもんやな。」
「うぅ……!ふン!……」

     指とは違う、弾力のある感触。
     だが半ば無理矢理押し広げられた肛門は、これまでに味わったことの無いような種類の痛みに悲鳴を上げている。
    いつもはこれも気持ちいいのになんで?

「きっつ。おい、少しは力抜けよ、痛いやろが!」
     漆田が言う。
     だが俺には自身の力をコントロールする余裕など勿論残っていない。
    ただ塞がれた口で呻き、首を振るだけで精一杯だ。

「しょうがねぇなー、オラっ」
     尻にペニスが刺さったまま、漆田は俺の身体を引き上げ、再び膝立ちにさせる。

「川村、オマエ得意やろ、いつもハヤトにやってるみたいにフェラしたれよ。」
     深道と呼ばれた男は、待ちかねたようにニヤリと口端を歪ませ、早速とばかりに俺の露出したペニスをくわえ込んだ。
    ぬるりとした舌が性器を執拗に攻める。
   慣れてる!!

「おし、緩んだ。おまえケツとチンポ、両方で感じてみ。ぶっ飛んだらええんや。」
    再び進入を開始した漆田のペニス。
   今度はさっきよりはすんなりと尻の奥へねじ込まれていく。
    その痛みも先ほどよりマシにはなっていたが、迎え入れるつもりのない男の逸物のどうしようもない異物感と、身体の内側をまさぐられるような気持ち悪さはどうあっても耐えがたい。
    悪寒と快感が同時にこみ上げる。

「ふっふぁ、むぅっんっ」
「ほーら、根本まで入った。どや感想は。おっーすまん喋れへんかったな」
    そう言って、漆田は俺の口のガムテープを乱暴にはがした。

「大きい声出すなよ。まぁ誰もけえへんと思うけどな。ほら、目ぇ開けて前見てみ」
     言われたとおり、目を開くと、そこには俺に向けられたカメラの黒いレンズがある。
    深道は微妙に角度を変えながら、俺の姿を舐めるように撮っている。

「どうする?このビデオばらまいたら、おもしろいやろなぁ。今度の○○屋の二階借り切って上映会でもやるか?」
    嫌だ、許せない、こんな阿呆どもに。
   せり上がってくる吐き気と戦いながら、俺はぎゅっと目を閉じる。

「で、どうなんや、感想は」
「……もうやめて……」
「聞かれたことにだけ答えてろよっと」
「ん、あああっ痛い!」
    一度引き抜かれ、一気に奥まで突かれる。
    激しい痛みが俺を再び襲う。

「ちゃんと言え、尻の穴にチンポ詰め込まれて気持ちええって。もっと突いてって言え」
「う…あ…」
「言えよ、オラァ」
    またずるずると引き抜かれる。
    次に来る痛みを想像して、その恐怖に俺は屈する。

「し……尻の穴に……」
「聞こえへんなぁ」
「うっ……しっ、尻の穴にっ、チン……チンポ突っ込まれて、気持ちいいです!」
    絶対、復讐してやると思いながら口でかわす。
    男は抜かれると急激に内圧が下がる。
    これは経験済みだ。
    ・・今、抵抗しても仕方がない。
    後で復讐してやる、絶対、ブチ殺してやる!その思いにすがるしかない。

「おお、そうなんか、ほんだらもっと突いたる」
「ひっあぅっ、うあああああ!!」
    抜かれ、突かれ、そのたびに入り口の部分が擦れる。
   その痺れるような痛み、そして、内奥を突かれる鈍い痛み。
    時折やってくる、得体の知れない悪寒。
   声が思わず漏れてしまう。

   それはなにも痛みからくるものだけではない。
   頭の芯が溶解し、形を崩していくのが俺自身にもわかる。
   くっそっ、こんな時に!
   耳元の漆田の荒い息。
   川村がペニスを吸う水っぽい音。
   それらが徐々に遠ざかり、消える直前に混じり合う。
   混沌。

「ふぅっ……う、く……」
    漆田はまだ止めない。
   自分はこのまま壊されてしまうのだろうか?そんな考えが頭をよぎり、そして、消えた。
   後には真っ白な空白だけが残った。

「ああ……ああああああ!!」
     びくん、びくんと二度、身体が脈打ち、精液が川村の口内に発射される。
   川村はそれを一滴も逃さず飲み込む。
   粘つくような、独特の喉越しが彼を高揚させたのか、その顔に恍惚を浮かび上がらせる。
     惜しむように最後の一滴まで舐めとり、舌に残った幾らかの白濁液を、口づけでそれを俺の体内に戻してくる。
    きっとこいつは毎日、こんなふうに周りの男達のものを舐めているに違いない。

「ケツ掘られるのが気持ちよすぎて、ビュービューイッたんやな?大した変態や」
「うあっ!あっあぅ!」
    それでも、漆田の腰の動きは止まらない。
   フィニッシュへ向け、一層加速する。
    仕方がないのか…いつもやってる事だからこんな場面でもこうなってしまうのかありえない!

「ほらっ俺も行くで。どこに出してほしいか言うてみ! 口で味わうんか、ケツの中ザーメンでいっぱいにしてほしいんか、はよ言え!」
「はぁっあっ、尻っ、尻の中にっ」
    こうなったら早く終わらせよう。
    大体の男はだしたら終わりだ。

「物覚え悪ぃなー、ちゃんとお願いしなあかんやろ」
「いあっ!あっ、おっ、お尻の中に、出して……っ、ください!」
「ええでぇ、たっぷりぶっ放したる!」

    一際ピストンが速まる。と、次の瞬間に、漆田は俺の中で果てた。
     俺の声にならない、喘ぎとも悲鳴ともとれるような声を最後に、更衣室は一瞬の静寂に包まれる。
    内側の、生暖かな感触、それ自体が意志を持った生き物のように形を変える漆田のペニス。
    ゆっくりそれが引き抜かれると、緩んだ肛門からどろりと精液がこぼれた。

    俺は自分の身体を支えることもできず、漆田が手首を握る手を離すと、そのままそこにへたりこんだ。

「次が控えてるんや。休んでる暇なんかないで」
     ぐっと髪を掴んで、顔を上げさせる。
    場所を交代するように、今度は川村が後ろに回った。

「おまえのケツで汚れたんや、ちゃんとキレイにせいよ。さっきやってもろたみたいにな」
    涙と鼻水、涎に混じる自らの精液。
   ぐしゃぐしゃの顔で、俺は縋るように漆田のペニスを舐める。
    何度もえづきながら、何度も、何度も。




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