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40、チーノ
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玉座に放置された光の玉を見ながら、
「本当のこと言った方が良かったかね?」
とマルカに聞くと、マルカはイヤと首を横に振ったあとに、
「それを言ったら、私達の立場が悪くなるから黙っているのが賢明ね」
とそう答えた。それを聞いて、
「ああ、こういうところもあるのか」
と素直に驚いた。
「だよね、あれ不可抗力だもんね」
「ええ、あれは私達は悪くないわ。あれは防ぐのは無理よ。どの道もう闘うことになるのだから、ここは原因を作ったから仕方なく闘うのではなく、たまたまこの街に立ち寄ったらたまたま動かないはずの敵が復活してたまたま闘って倒すことになったという体を作りましょう。そうすれば、戦闘が終わったあと感謝もされるから」
「本当の頭の良さって、時にそういうことが平然と出来る人間のことを言うのかもね」
「私は別に頭が良いわけではないけど、時には真実を言わないで隠しておくのも大事っていうことは分かるわ」
「それより天空竜ラムダって強いのかね? 初めてのドラゴン戦なんだけど」
「具体的なことは分からないけど、恐らくかなり強いでしょうね。アークには法則があって、体が大きければ大きいほど戦闘力が高いっていう決まりがあるの。私も何度かドラゴンのアークと闘ったことがあるのだけど、皆どれも強かったわ。ラムダはギガ・アークだからその比じゃないでしょうね」
「え、そうなの?」
「そうよ」
「聞かなきゃ良かった」
「大丈夫、2人で力を合わせれば」
とマルカがその言葉を言い終わらないうちに遠くから風が吹いて来るような音がしたかと思うと、
「はい、到着」
と言って斜め45度の角度からチーノが大砲から飛ばされて来たみたいな感じで私達の前にタンと姿を現した。
そのあとタッタッタと勢いを殺すために数歩駆けて私達の近くまで来る。突然のことだったから、2人で呆気に取られたようにそれを見ていると、
「よお」
と言ってチーノが私達に声をかけてきた。それに返事をする代わりに、
「あれ、あんた空飛べたの?」
と聞いてみると、チーノは、
「天竜人なんだから、飛べるに決まってるだろ。ちなみに、火も吹けるし、岩石もぶん殴って粉砕できるぞ」
と事ここに至って自分のスーパー能力を披露してきた。
「え、火を吹くって、すごいね」
と褒めると、
「うるさい」
と何かムスッとした顔でそう言ってきたけど、こういう性格なんだということを知らされたあとだったから、それには反応せず、
「じゃあ、あれなの? あんたも紋章とかそういうの持ってるの?」
とそう聞いてみた。すると、
「ああ、あるよ。私の場合、紋章っていうかアザみたいなものだけどな」
とチーノ。
「そうなの? 手にあるの?」
「違う、手じゃない」
「じゃあ、どこ?」
と聞いてみたらチーノは突然着ていた上着をバッと脱いで、
「ここ」
と言って自分の胸を見せてきた。そんなことやられて、
「あ、ほんとだ、アザがある」
なんていう平然とした態度を取れるわけがなかった。普通は露わになった上半身、特に女性的な特徴が顕著に出る部分に目がいってしまうもので、
「きゃ」
「でかっ」
などのような反応をしてしまうのだった。そんな私達を見て、
「何だよ、女同士なんだから別にいいだろ」
と豪快なことを言うチーノ。早く隠せばいいのに、
「ていうか、お前らちゃんと見てないだろ? ここだよ、ここ」
と言って自分の左胸の下ら辺を指差し見せてくる。こういうことからも分かると思うのだけど、チーノはかなり豪傑肌で、随分と男性的な部分の強い性格をしているようだった。
「分かったから、もうしまいなって」
と私が言ったらやっと服を着たけど、恥じらいなどはないのか、いきなり人前でトップレス(上半身裸)になったにも関わらず毅然とした顔をして、
「な、アザあったろ? 天竜人はみんなあんな感じの紋様を体に持つんだよ。竜だった頃の名残りだって話だけど、竜が人間になったらアザが出来るっていうのは普通に意味分かんねえよな」
とそのようなことを言ってきた。それを受け、
「あんた本当に女なの? まるで男みたいだね」
と言うと、
「違えよ、失礼だな」
とちょっと怒ったような口調でそう言って、今度は下を脱ごうとしたから、
「やめっ、やめっ」
とそれを止めた。
「いや、だって疑うから」
「だからって普通脱いで証明したりはしないでしょ」
「そっちの方が手っ取り早いんだよ」
「あんたあれか。10分説得すれば解決することでも、面倒くさがって1分でボコボコにして事態解決させちゃうタイプか」
「誰が脳筋だ、バカ野郎」
「言ってないだろ、そんなこと。それより長老様があんたに後事託してたよ。あの玉座の光触ったりした方がいいんじゃないの?」
「ん? ああ」
とチーノはそう言うと、階段を上がって玉座まで行き光の玉を手に取った。その瞬間パッと光の玉が光って消えた。
そのあとしばらくは何も言わないでいたチーノだったけど、
「なるほど、分かった」
とそう言うと、私達から見て右の通路を指差して、
「こっちだ、案内する」
と続けた。
「本当のこと言った方が良かったかね?」
とマルカに聞くと、マルカはイヤと首を横に振ったあとに、
「それを言ったら、私達の立場が悪くなるから黙っているのが賢明ね」
とそう答えた。それを聞いて、
「ああ、こういうところもあるのか」
と素直に驚いた。
「だよね、あれ不可抗力だもんね」
「ええ、あれは私達は悪くないわ。あれは防ぐのは無理よ。どの道もう闘うことになるのだから、ここは原因を作ったから仕方なく闘うのではなく、たまたまこの街に立ち寄ったらたまたま動かないはずの敵が復活してたまたま闘って倒すことになったという体を作りましょう。そうすれば、戦闘が終わったあと感謝もされるから」
「本当の頭の良さって、時にそういうことが平然と出来る人間のことを言うのかもね」
「私は別に頭が良いわけではないけど、時には真実を言わないで隠しておくのも大事っていうことは分かるわ」
「それより天空竜ラムダって強いのかね? 初めてのドラゴン戦なんだけど」
「具体的なことは分からないけど、恐らくかなり強いでしょうね。アークには法則があって、体が大きければ大きいほど戦闘力が高いっていう決まりがあるの。私も何度かドラゴンのアークと闘ったことがあるのだけど、皆どれも強かったわ。ラムダはギガ・アークだからその比じゃないでしょうね」
「え、そうなの?」
「そうよ」
「聞かなきゃ良かった」
「大丈夫、2人で力を合わせれば」
とマルカがその言葉を言い終わらないうちに遠くから風が吹いて来るような音がしたかと思うと、
「はい、到着」
と言って斜め45度の角度からチーノが大砲から飛ばされて来たみたいな感じで私達の前にタンと姿を現した。
そのあとタッタッタと勢いを殺すために数歩駆けて私達の近くまで来る。突然のことだったから、2人で呆気に取られたようにそれを見ていると、
「よお」
と言ってチーノが私達に声をかけてきた。それに返事をする代わりに、
「あれ、あんた空飛べたの?」
と聞いてみると、チーノは、
「天竜人なんだから、飛べるに決まってるだろ。ちなみに、火も吹けるし、岩石もぶん殴って粉砕できるぞ」
と事ここに至って自分のスーパー能力を披露してきた。
「え、火を吹くって、すごいね」
と褒めると、
「うるさい」
と何かムスッとした顔でそう言ってきたけど、こういう性格なんだということを知らされたあとだったから、それには反応せず、
「じゃあ、あれなの? あんたも紋章とかそういうの持ってるの?」
とそう聞いてみた。すると、
「ああ、あるよ。私の場合、紋章っていうかアザみたいなものだけどな」
とチーノ。
「そうなの? 手にあるの?」
「違う、手じゃない」
「じゃあ、どこ?」
と聞いてみたらチーノは突然着ていた上着をバッと脱いで、
「ここ」
と言って自分の胸を見せてきた。そんなことやられて、
「あ、ほんとだ、アザがある」
なんていう平然とした態度を取れるわけがなかった。普通は露わになった上半身、特に女性的な特徴が顕著に出る部分に目がいってしまうもので、
「きゃ」
「でかっ」
などのような反応をしてしまうのだった。そんな私達を見て、
「何だよ、女同士なんだから別にいいだろ」
と豪快なことを言うチーノ。早く隠せばいいのに、
「ていうか、お前らちゃんと見てないだろ? ここだよ、ここ」
と言って自分の左胸の下ら辺を指差し見せてくる。こういうことからも分かると思うのだけど、チーノはかなり豪傑肌で、随分と男性的な部分の強い性格をしているようだった。
「分かったから、もうしまいなって」
と私が言ったらやっと服を着たけど、恥じらいなどはないのか、いきなり人前でトップレス(上半身裸)になったにも関わらず毅然とした顔をして、
「な、アザあったろ? 天竜人はみんなあんな感じの紋様を体に持つんだよ。竜だった頃の名残りだって話だけど、竜が人間になったらアザが出来るっていうのは普通に意味分かんねえよな」
とそのようなことを言ってきた。それを受け、
「あんた本当に女なの? まるで男みたいだね」
と言うと、
「違えよ、失礼だな」
とちょっと怒ったような口調でそう言って、今度は下を脱ごうとしたから、
「やめっ、やめっ」
とそれを止めた。
「いや、だって疑うから」
「だからって普通脱いで証明したりはしないでしょ」
「そっちの方が手っ取り早いんだよ」
「あんたあれか。10分説得すれば解決することでも、面倒くさがって1分でボコボコにして事態解決させちゃうタイプか」
「誰が脳筋だ、バカ野郎」
「言ってないだろ、そんなこと。それより長老様があんたに後事託してたよ。あの玉座の光触ったりした方がいいんじゃないの?」
「ん? ああ」
とチーノはそう言うと、階段を上がって玉座まで行き光の玉を手に取った。その瞬間パッと光の玉が光って消えた。
そのあとしばらくは何も言わないでいたチーノだったけど、
「なるほど、分かった」
とそう言うと、私達から見て右の通路を指差して、
「こっちだ、案内する」
と続けた。
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