37 / 81
37、天竜人の女の子
しおりを挟む
女の子に案内されて宮殿まで歩いて行く道すがら、ベルモンテの街並みを見て気付いたのだけど、このベルモンテという街は恐らく、王都よりも洗練された文明・文化を持つ都市だった。
そういう考えを持つに至った理由は、単純に魔法が街の至る所で使われているからだった。それ以外にも街の造りが端正で洒落たものになっているというのがそういうイメージを持つシナジーにもなったけど、でもやはり一番は街の人達が当たり前のように魔法を使っていたり、街の至る所に魔力を動力源とする施設があるためで、この光景にはさすがのマルカも驚いて、
「わあ、すごーい」
などまるで子どものように感嘆の声を上げていた。
30分ほど歩くと、街を抜けて小高い山の麓に着いた。そこには大理石で作られた石段が設けられていて、右に左に蛇行しながら一番上にある立派な建物へと続いていた。それを指差し、
「あれが?」
とそう聞いてみると、
「そうだ、あれが宮殿だ」
と今まで何も喋らずにモクモクと歩いていた女の子がそう言った。
そこでこれから登ることになる階段をマジマジと見てみた。そうしたらけっこうな長さがあり、終わりまで歩いたらそれだけで一時間近くかかってしまいそうだった。一から登って行くなんて私の怠惰な心が許さなかったから、
「ちょっと待って、もしかしてこれ全部登るの? あのさ、言い忘れたんだけど、私達実は闘空士なんだよね。つまり空飛べるの。申し訳ないんだけど、飛んで行っちゃっていいかな? もちろん君のことも運んで行くから」
とその子にそう提案してみた。するとその子、
「何を言ってるんだ?」
と言ったあとに石段の隣にある石で出来た鏡台みたいな物を指差し、
「これを使えば宮殿なんてすぐだろ」
とそう続けた。出たよ、自分の世界の特殊ルールが全世界共通のものだと思ってるやつ、と思った私が、
「じゃあちょっと聞くけど、あんた納豆をご飯に乗せて食べるとかそういうの知ってるわけ?」
と聞いてみると、すぐにその子に、
「知ってるよ、逆に納豆を単品で食べたりパンに乗せたりするわけないだろ」
と返されたから、私はそれを聞いて驚き、思わず、
「え、知ってんの!?」
とそう素っ頓狂な声を上げてしまった。
「知ってるよ」
「あのネバネバしたやつだよ?」
「そうだよ、あのにおう発酵食品のことだろ?」
「そうだけど、え、ていうか何で知ってんの? この世界にもあるの?」
「あるわね」
と今度そう答えたのはマルカだった。
「え、そうなの? あれ日本だけの物だと思ってた。この世界にもあるんだ」
「あるよ。ていうか何だ、この世界とか、ニホンって。それじゃお前、別の世界から来たみたいじゃないか」
「そうだよ、私は別の日本っていう国からこの世界に来たんだよ。んで、今光の戦姫やってんの」
「えっ、救世主の降臨に成功したっていうのは聞いてたけど、まさかお前だったのか? そうか、その称号光の戦姫のものか」
「そうだよ、すごいだろ?」
「いや、すごいっていうか、普通にこの国の行く末が心配になってきたな。だから驚いた。お前救世主の貫禄全くないじゃないか」
「失礼だな、こう見えてもあれだからな。ここに来る前タウリの街でイオタっていうギガ・アーク倒してるからな」
「え、そうなのか?」
「ああ、そうだよ」
「へー、やるじゃんか。それより何だ? 何でさっき納豆の話出したんだ」
「いや、あんたがその石指差して使い方知ってるのが当然みたいな言い方したから、そんなものローカルルールに過ぎないってことを教えたくてそう言ったんだ」
「下らない例えだな」
「あんたの脳みそがお粗末だから、下らないように聞こえるんだろ」
「何だ、その言い方」
「お前が何だ、この野郎」
「これ多分ワープか何かに使うのよね?」
とそこで私とその子がケンカしそうになったところで、口論を止めるためなのか、マルカがそう口を挟んできた。すると私を鋭い目で見ていたその子が私から視線を外して、
「ああ、そうだよ」
とマルカに向けそう言った。
「ああ、やっぱりそうなのね。どうやって使うの?」
「ん? 下界にはウィジャ板ないのか?」
「ええ、ないわね。騎士団にいた時に色々な所を転戦したけど、こういう物は見たことがないから、ここだけの物だと思う」
「そうなのか?」
「ええ、そうよ」
「ふーん。ちなみに、使い方は簡単だよ。ウィジャ板に掌をかざすと指定された場所の光景が何個か浮かんでくるから、行きたい場所が出るまで掌でタップして、行きたい場所が出て来たらその中に入る。それだけだ」
「そうしたら、どうなるの?」
とそこで私が質問をすると、
「どうなるってワープするに決まってるだろ。そのまま消えたり素通りして終わりなわけないだろ」
と答えるその子。
「ああ、そっか」
「お前あれだろ、絶対頭悪いだろ」
と言われたところでピキッときて、
「ああ?」
とそう言った。そうしたら相手、私の方に向き直って、
「お前さっきからうるせえんだよ。ぶっ殺すぞコラ」
と売ったケンカを買う姿勢を示してきた。
「上等だ、かかって来い、このクソ」
と私が声を荒げてそう言ったところで、マルカが、
「ツバシ落ち着いて。これも個性の一つだから」
とそうなだめてくるのだけど、それくらいで私の怒りは収まらなくて、
「お前調子乗んなよさっきからっ。あんまり度の過ぎた言動取ってると本当に泣かすからなっ」
と私を見て殺意の込もった目を向けているそいつに啖呵を切ってやった。すると相手、
「もうお前殺すわ」
と私の怒りの炎に油を注ぐようなことを言ってきたから、そこで私は相手の肩をドンとど突いた。そして、こう言う。
「やってみろっ」
本当に頭に来ていたから、両手を光らせて手動砲の準備をする。それを見てそいつが、
「面白い、じゃあどっちかが死ぬまでドンパッチしようか?」
と私の胸倉を掴んできた。本当に手動砲をぶっ放してやろうかと思ったところで、
「宮殿の前ってことは、ここは聖域ってことじゃないの? ここでこういう争いをしていいの?」
とマルカが少し怒ったような口調で私達を諌めてきた。私はそれくらいで引くつもりはなかったのだけど、そいつはそれを聞いて、
「ちぇ」
とそう言って掴んでいた私の胸倉から手を離した。激烈に険悪なムードだったけど、その子はブスッとした顔のまま、
「こっちだ」
とそう言って、ウィジャ板の前まで行き、掌をかざして入り口でも見たような光の膜を出したかと思うと、それを何度かタップして、映る映像が宮殿のものになったところで手を離した。そして、
「じゃ、先に入ってるからな」
と言ってそのまま自分だけ中に入って行った。そのあとマルカと顔を見合わせ、
「どうする?」
というアイコンタクトを交わしたのだけど、先に行動に表したのがマルカで、
「じゃ、私が先に行くわね」
と言ったかと思うとウィジャ板の中をくぐり、繋がっているのであろう向こうの世界まで行ってしまった。初めてジェットコースターに乗るような心境でちょっと勇気がいったのだけど、
「よし、行くか」
と腹を決めてウィジャ板の中をくぐってみることにした。するとすぐに光景が変わって、宮殿をバックグラウンドにして立っている2人が見えた。
そういう考えを持つに至った理由は、単純に魔法が街の至る所で使われているからだった。それ以外にも街の造りが端正で洒落たものになっているというのがそういうイメージを持つシナジーにもなったけど、でもやはり一番は街の人達が当たり前のように魔法を使っていたり、街の至る所に魔力を動力源とする施設があるためで、この光景にはさすがのマルカも驚いて、
「わあ、すごーい」
などまるで子どものように感嘆の声を上げていた。
30分ほど歩くと、街を抜けて小高い山の麓に着いた。そこには大理石で作られた石段が設けられていて、右に左に蛇行しながら一番上にある立派な建物へと続いていた。それを指差し、
「あれが?」
とそう聞いてみると、
「そうだ、あれが宮殿だ」
と今まで何も喋らずにモクモクと歩いていた女の子がそう言った。
そこでこれから登ることになる階段をマジマジと見てみた。そうしたらけっこうな長さがあり、終わりまで歩いたらそれだけで一時間近くかかってしまいそうだった。一から登って行くなんて私の怠惰な心が許さなかったから、
「ちょっと待って、もしかしてこれ全部登るの? あのさ、言い忘れたんだけど、私達実は闘空士なんだよね。つまり空飛べるの。申し訳ないんだけど、飛んで行っちゃっていいかな? もちろん君のことも運んで行くから」
とその子にそう提案してみた。するとその子、
「何を言ってるんだ?」
と言ったあとに石段の隣にある石で出来た鏡台みたいな物を指差し、
「これを使えば宮殿なんてすぐだろ」
とそう続けた。出たよ、自分の世界の特殊ルールが全世界共通のものだと思ってるやつ、と思った私が、
「じゃあちょっと聞くけど、あんた納豆をご飯に乗せて食べるとかそういうの知ってるわけ?」
と聞いてみると、すぐにその子に、
「知ってるよ、逆に納豆を単品で食べたりパンに乗せたりするわけないだろ」
と返されたから、私はそれを聞いて驚き、思わず、
「え、知ってんの!?」
とそう素っ頓狂な声を上げてしまった。
「知ってるよ」
「あのネバネバしたやつだよ?」
「そうだよ、あのにおう発酵食品のことだろ?」
「そうだけど、え、ていうか何で知ってんの? この世界にもあるの?」
「あるわね」
と今度そう答えたのはマルカだった。
「え、そうなの? あれ日本だけの物だと思ってた。この世界にもあるんだ」
「あるよ。ていうか何だ、この世界とか、ニホンって。それじゃお前、別の世界から来たみたいじゃないか」
「そうだよ、私は別の日本っていう国からこの世界に来たんだよ。んで、今光の戦姫やってんの」
「えっ、救世主の降臨に成功したっていうのは聞いてたけど、まさかお前だったのか? そうか、その称号光の戦姫のものか」
「そうだよ、すごいだろ?」
「いや、すごいっていうか、普通にこの国の行く末が心配になってきたな。だから驚いた。お前救世主の貫禄全くないじゃないか」
「失礼だな、こう見えてもあれだからな。ここに来る前タウリの街でイオタっていうギガ・アーク倒してるからな」
「え、そうなのか?」
「ああ、そうだよ」
「へー、やるじゃんか。それより何だ? 何でさっき納豆の話出したんだ」
「いや、あんたがその石指差して使い方知ってるのが当然みたいな言い方したから、そんなものローカルルールに過ぎないってことを教えたくてそう言ったんだ」
「下らない例えだな」
「あんたの脳みそがお粗末だから、下らないように聞こえるんだろ」
「何だ、その言い方」
「お前が何だ、この野郎」
「これ多分ワープか何かに使うのよね?」
とそこで私とその子がケンカしそうになったところで、口論を止めるためなのか、マルカがそう口を挟んできた。すると私を鋭い目で見ていたその子が私から視線を外して、
「ああ、そうだよ」
とマルカに向けそう言った。
「ああ、やっぱりそうなのね。どうやって使うの?」
「ん? 下界にはウィジャ板ないのか?」
「ええ、ないわね。騎士団にいた時に色々な所を転戦したけど、こういう物は見たことがないから、ここだけの物だと思う」
「そうなのか?」
「ええ、そうよ」
「ふーん。ちなみに、使い方は簡単だよ。ウィジャ板に掌をかざすと指定された場所の光景が何個か浮かんでくるから、行きたい場所が出るまで掌でタップして、行きたい場所が出て来たらその中に入る。それだけだ」
「そうしたら、どうなるの?」
とそこで私が質問をすると、
「どうなるってワープするに決まってるだろ。そのまま消えたり素通りして終わりなわけないだろ」
と答えるその子。
「ああ、そっか」
「お前あれだろ、絶対頭悪いだろ」
と言われたところでピキッときて、
「ああ?」
とそう言った。そうしたら相手、私の方に向き直って、
「お前さっきからうるせえんだよ。ぶっ殺すぞコラ」
と売ったケンカを買う姿勢を示してきた。
「上等だ、かかって来い、このクソ」
と私が声を荒げてそう言ったところで、マルカが、
「ツバシ落ち着いて。これも個性の一つだから」
とそうなだめてくるのだけど、それくらいで私の怒りは収まらなくて、
「お前調子乗んなよさっきからっ。あんまり度の過ぎた言動取ってると本当に泣かすからなっ」
と私を見て殺意の込もった目を向けているそいつに啖呵を切ってやった。すると相手、
「もうお前殺すわ」
と私の怒りの炎に油を注ぐようなことを言ってきたから、そこで私は相手の肩をドンとど突いた。そして、こう言う。
「やってみろっ」
本当に頭に来ていたから、両手を光らせて手動砲の準備をする。それを見てそいつが、
「面白い、じゃあどっちかが死ぬまでドンパッチしようか?」
と私の胸倉を掴んできた。本当に手動砲をぶっ放してやろうかと思ったところで、
「宮殿の前ってことは、ここは聖域ってことじゃないの? ここでこういう争いをしていいの?」
とマルカが少し怒ったような口調で私達を諌めてきた。私はそれくらいで引くつもりはなかったのだけど、そいつはそれを聞いて、
「ちぇ」
とそう言って掴んでいた私の胸倉から手を離した。激烈に険悪なムードだったけど、その子はブスッとした顔のまま、
「こっちだ」
とそう言って、ウィジャ板の前まで行き、掌をかざして入り口でも見たような光の膜を出したかと思うと、それを何度かタップして、映る映像が宮殿のものになったところで手を離した。そして、
「じゃ、先に入ってるからな」
と言ってそのまま自分だけ中に入って行った。そのあとマルカと顔を見合わせ、
「どうする?」
というアイコンタクトを交わしたのだけど、先に行動に表したのがマルカで、
「じゃ、私が先に行くわね」
と言ったかと思うとウィジャ板の中をくぐり、繋がっているのであろう向こうの世界まで行ってしまった。初めてジェットコースターに乗るような心境でちょっと勇気がいったのだけど、
「よし、行くか」
と腹を決めてウィジャ板の中をくぐってみることにした。するとすぐに光景が変わって、宮殿をバックグラウンドにして立っている2人が見えた。
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
兵器前線異常無し
影武者
SF
<あらすじ>
近未来の敵対する某2国、しかし、時代の流れから核兵器全廃の平和協定を締結した。
それには理由があった、一方の国では、核兵器に変わる兵器が誕生したため、核兵器が不要になったのだ。
そして、新しい部隊が結成される。
それが『降下機動歩兵団(ディセントフォース)』だ…
文 影武者
表紙イラスト 影武者
Ⓒ1991/09/02~ 2005, 2021,2022
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
誤った世界に誤って転生、俺に謝れ
夏派
ファンタジー
魔王が討伐された世界に転生させられた。
魔王を討伐すれば元いた世界に戻ることができる。そう言われて転生させられた俺だが、飛ばされた世界は魔王が討伐された後だった。
魔王を倒さないと戻れないのに魔王がいない。
ならどうするか。
奴を復活させて倒せばいい!!
これは転生者が魔王復活のために結晶を集め復活させる物語。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる