30 / 32
第四章
30 三月の手紙
しおりを挟む
家を出て、いつものバス停を通り過ぎる。
ああ、ここで彼女と話をすることもあった。ほんの少し前のことなのに、懐かしさのような感情で胸が締めつけられた。
彼女はあそこにいる。なぜかそんな予感がして、優太は駆け出した。
スーパーマーケットの前を通って、大通りの横断歩道を渡る。そうしたら、右に曲がって商店街を目指す。
頬や首筋に当たる冬風を心地よいと思うほど、体は熱く火照っていた。
今にも叫んで泣き出したい気分だ。
彼は、優しい人が好きだった。他人のことを思いやり、人の悲しみを憂い、涙を流せるような人。
だから、優太はいつも失恋してしまう。
優太が好きになる優しい人は、彼の苦しむ姿で、まるで自分のことのように心を痛めてしまう。まして、自分の傍にいることで、自分と同じ悲しみを背負わせてしまうのだ。
自分が傍にいることで、その大好きな人のことをずっと悲しませることになってしまう。それが申し訳なくて耐えられなくて、自分からその幸せを諦めた。
だから、真志の傍は安心した。彼はずっと、苦しむ優太の姿を見ても、心を痛める素振りを見せなかったから。
そんな訳がないのに。
真志は優太のどうしようもない矛盾を知って、本心を隠し続けてまで傍にいてくれたのだ。
赤信号で足を止め、優太は彼女の手紙に視線を落とす。
彼女は一体、どんな想いでこの手紙を書いてくれたのだろう。どれだけ勇気を出してくれたのだろう。
今度は自分が、答える番だ。
優太は携帯電話を操作し、電話帳から彼女の名前を探し出す。
もう迷いはなかった。
優太は通話ボタンを押下して、携帯電話を耳に当てた。
二つ目のミルクティーの缶を開け、三月は空を見上げた。
薄い青色の空は高く澄んでいて、どうしても自分が書いた手紙を思い出す。大丈夫だと思っていても、やはり落ち着かない。
現に、先程まで当てもなく町を彷徨っていたのだ。
商店街を抜けた先にある公園。この場所に辿り着いたのは、やはり優太のことが強く頭にあるからだろう。
その一つしかないベンチに座り、かれこれ数十分ほどここにいるだろうか。そろそろ体も冷えてきたし、これを飲んだら家へ帰ろうか。
三月は息を吹きかけながら、ミルクティーを口に含む。熱さで痺れた舌が、遅れてじんわりと甘さを感じとる。
このミルクティーは、優太が好きだと教えてくれたものだった。離れていても、彼の事が頭に浮かぶ。三月は寂しげに苦笑した。
真志はきちんと手紙を届けてくれたはずだ。
後は優太がそれを読み、そして自分の気持ちが彼に届くかどうか。
気づくと、鞄の中で携帯電話が鳴っていた。長く継続的なバイブ音は、メールではない。友人からだろうかと軽い気持ちで鞄を開けて、携帯電話を取り出す。
画面に表示されていた名前に、三月は思わず声を発した。
「え……」
『神崎先輩』。見間違いじゃない、確かに彼からの電話だ。
指の震えを止める為、もう片方の手をぎゅっと握り締めて、三月は通話ボタンを押した。
「も、もしもし……」
『中山さん? その、久しぶりだね』
優太の声だ。三月の唇は震えてしまって、上手く言葉が出てこない。耳に響く彼の声が、とても懐かしいものに聞こえる。
『手紙読んだよ。ありがとう』
手紙という言葉で、心臓が大きく跳ねた。辛うじて、はいという相槌だけは打つ。
『それで、僕どうしても、中山さんに伝えたいことがあるんだ』
「つ、伝えたいことって、なんですか?」
『今は、言えない』
その声は切れ切れに聞こえてくる。息遣いも荒い。走ってでも、いるかのようだ。
『散々、中山さんのこと避けてたくせに、今さらなんだけど。これは絶対に、直接会って伝えたいんだ。とっても大切なことだから、ちゃんと君の目の前で、ちゃんと言いたい。聞いてくれるかな?』
三月は震える唇に指を当てて、大きく深呼吸をした。
「もちろん、当たり前じゃないですか!」
夢中で電話越しの優太に返事をする。彼が息を呑む音が聞こえて、続いて柔らかい声が鼓膜を震わせた。
「――良かった」
優太の声が、電話越しと後ろから同時に聞こえ、三月は弾かれたように振り返る。
そこには携帯電話を耳に当て、肩で息をする優太が立っていた。
「せんぱい」
「なんとなく、ここにいるかなって、思って」
三月はゆっくりとベンチから立ち上がり、優太と向かい合った。彼の背後には、どこまでも青い空が広がっている。
寂しい冬の景色がどこか、優しく見えた。
「僕といればきっと、君をたくさん悲しませることになると思う。たくさん傷つけてしまうと思う。それでも――」
優太は息を整えると、三月をどこか愛おしげに見つめた。そして嬉しげに、顔を綻ばせる。
「うん。やっぱり、そうだ」
「何が、ですか?」
優太のふわりとした笑顔が、三月の胸に熱を生む。まるで一足先に春がきたみたいだ。
「僕も、中山さんの笑顔大好きだ」
三月は瞳を潤ませ、大きく頷いた。
神崎優太様
初めての手紙ですね。なんだか緊張します。
でも、どうしても伝えたいことがあったので、手紙を書きました。
宮本先輩から神崎先輩のことを聞きました。悲しい事があった人と夢を共有して、その人の悲しみを請け負う能力のこと。
正直驚きました。
でも先輩はずっと前から、ミーコが死んだ時から私のこと助けてくれていたんですよね。そのことが分かって、嬉しかったです。
あの時は本当にありがとうございました。
そして、あの公園で見た夢が先輩の見ていた夢だと分かって、先輩が見ている夢を見て、私にも少しだけ分かりました。
先輩のやっていることがどれだけすごくて、同時にとても辛いことだってことが。だから、先輩が私のことを思って、僕には近づかない方がいいって言ってくれたんだってこと。ちゃんと分かってるつもりです。
でも、私、どうしても納得できないんです。
先輩は現実でも夢の中でも、いつも私を慰めて元気づけてくれていたのに、私は先輩の心配すらさせてもらえないなんて、不公平だから。
それに、「自分の夢のせいで苦しむ人がいるなんて、耐えられないから」、「悲しい想いをさせたくないから」なんて言われたら、こっちは何も言えなくなっちゃいますよね。
先輩はずるいと思います。だって、私も先輩と同じで、大切な人が悲しむ顔なんて見たくないんですから。
先輩は私に「私の笑顔が好きだ」って、言ってくれましたよね。
実は私も、先輩の笑顔が大好きなんです。先輩の笑顔を見てるとほっとして、なんだか、幸せな気分になれるんです。
だから先輩の笑顔が見られないのは、私にとって何よりも辛いことなんです。例えそのせいで、悲しい夢を見たとしても。
「悲しいのも腹立たしいのも全部誰かに押しつけちゃったら、少しはその人楽になるんじゃないか」って、先輩が言ってた言葉です。
私もそう思います。
だから、傍にいさせて下さい。
先輩も私にいろいろ押しつけちゃって良いんです。私はきっとまだまだ迷惑かけちゃうと思いますから。お互い様です。
先輩が夢の中でいつも誰かとやっているように、お互い辛くて悲しいことを押しつけ合って、迷惑かけ合って、どんどん分け合って半分にしちゃいましょう。
泣いたって、互いに元気づけて元気づけられて。
それで最後は二人で笑いあえたら、とっても素敵だと思います。
中山三月
ああ、ここで彼女と話をすることもあった。ほんの少し前のことなのに、懐かしさのような感情で胸が締めつけられた。
彼女はあそこにいる。なぜかそんな予感がして、優太は駆け出した。
スーパーマーケットの前を通って、大通りの横断歩道を渡る。そうしたら、右に曲がって商店街を目指す。
頬や首筋に当たる冬風を心地よいと思うほど、体は熱く火照っていた。
今にも叫んで泣き出したい気分だ。
彼は、優しい人が好きだった。他人のことを思いやり、人の悲しみを憂い、涙を流せるような人。
だから、優太はいつも失恋してしまう。
優太が好きになる優しい人は、彼の苦しむ姿で、まるで自分のことのように心を痛めてしまう。まして、自分の傍にいることで、自分と同じ悲しみを背負わせてしまうのだ。
自分が傍にいることで、その大好きな人のことをずっと悲しませることになってしまう。それが申し訳なくて耐えられなくて、自分からその幸せを諦めた。
だから、真志の傍は安心した。彼はずっと、苦しむ優太の姿を見ても、心を痛める素振りを見せなかったから。
そんな訳がないのに。
真志は優太のどうしようもない矛盾を知って、本心を隠し続けてまで傍にいてくれたのだ。
赤信号で足を止め、優太は彼女の手紙に視線を落とす。
彼女は一体、どんな想いでこの手紙を書いてくれたのだろう。どれだけ勇気を出してくれたのだろう。
今度は自分が、答える番だ。
優太は携帯電話を操作し、電話帳から彼女の名前を探し出す。
もう迷いはなかった。
優太は通話ボタンを押下して、携帯電話を耳に当てた。
二つ目のミルクティーの缶を開け、三月は空を見上げた。
薄い青色の空は高く澄んでいて、どうしても自分が書いた手紙を思い出す。大丈夫だと思っていても、やはり落ち着かない。
現に、先程まで当てもなく町を彷徨っていたのだ。
商店街を抜けた先にある公園。この場所に辿り着いたのは、やはり優太のことが強く頭にあるからだろう。
その一つしかないベンチに座り、かれこれ数十分ほどここにいるだろうか。そろそろ体も冷えてきたし、これを飲んだら家へ帰ろうか。
三月は息を吹きかけながら、ミルクティーを口に含む。熱さで痺れた舌が、遅れてじんわりと甘さを感じとる。
このミルクティーは、優太が好きだと教えてくれたものだった。離れていても、彼の事が頭に浮かぶ。三月は寂しげに苦笑した。
真志はきちんと手紙を届けてくれたはずだ。
後は優太がそれを読み、そして自分の気持ちが彼に届くかどうか。
気づくと、鞄の中で携帯電話が鳴っていた。長く継続的なバイブ音は、メールではない。友人からだろうかと軽い気持ちで鞄を開けて、携帯電話を取り出す。
画面に表示されていた名前に、三月は思わず声を発した。
「え……」
『神崎先輩』。見間違いじゃない、確かに彼からの電話だ。
指の震えを止める為、もう片方の手をぎゅっと握り締めて、三月は通話ボタンを押した。
「も、もしもし……」
『中山さん? その、久しぶりだね』
優太の声だ。三月の唇は震えてしまって、上手く言葉が出てこない。耳に響く彼の声が、とても懐かしいものに聞こえる。
『手紙読んだよ。ありがとう』
手紙という言葉で、心臓が大きく跳ねた。辛うじて、はいという相槌だけは打つ。
『それで、僕どうしても、中山さんに伝えたいことがあるんだ』
「つ、伝えたいことって、なんですか?」
『今は、言えない』
その声は切れ切れに聞こえてくる。息遣いも荒い。走ってでも、いるかのようだ。
『散々、中山さんのこと避けてたくせに、今さらなんだけど。これは絶対に、直接会って伝えたいんだ。とっても大切なことだから、ちゃんと君の目の前で、ちゃんと言いたい。聞いてくれるかな?』
三月は震える唇に指を当てて、大きく深呼吸をした。
「もちろん、当たり前じゃないですか!」
夢中で電話越しの優太に返事をする。彼が息を呑む音が聞こえて、続いて柔らかい声が鼓膜を震わせた。
「――良かった」
優太の声が、電話越しと後ろから同時に聞こえ、三月は弾かれたように振り返る。
そこには携帯電話を耳に当て、肩で息をする優太が立っていた。
「せんぱい」
「なんとなく、ここにいるかなって、思って」
三月はゆっくりとベンチから立ち上がり、優太と向かい合った。彼の背後には、どこまでも青い空が広がっている。
寂しい冬の景色がどこか、優しく見えた。
「僕といればきっと、君をたくさん悲しませることになると思う。たくさん傷つけてしまうと思う。それでも――」
優太は息を整えると、三月をどこか愛おしげに見つめた。そして嬉しげに、顔を綻ばせる。
「うん。やっぱり、そうだ」
「何が、ですか?」
優太のふわりとした笑顔が、三月の胸に熱を生む。まるで一足先に春がきたみたいだ。
「僕も、中山さんの笑顔大好きだ」
三月は瞳を潤ませ、大きく頷いた。
神崎優太様
初めての手紙ですね。なんだか緊張します。
でも、どうしても伝えたいことがあったので、手紙を書きました。
宮本先輩から神崎先輩のことを聞きました。悲しい事があった人と夢を共有して、その人の悲しみを請け負う能力のこと。
正直驚きました。
でも先輩はずっと前から、ミーコが死んだ時から私のこと助けてくれていたんですよね。そのことが分かって、嬉しかったです。
あの時は本当にありがとうございました。
そして、あの公園で見た夢が先輩の見ていた夢だと分かって、先輩が見ている夢を見て、私にも少しだけ分かりました。
先輩のやっていることがどれだけすごくて、同時にとても辛いことだってことが。だから、先輩が私のことを思って、僕には近づかない方がいいって言ってくれたんだってこと。ちゃんと分かってるつもりです。
でも、私、どうしても納得できないんです。
先輩は現実でも夢の中でも、いつも私を慰めて元気づけてくれていたのに、私は先輩の心配すらさせてもらえないなんて、不公平だから。
それに、「自分の夢のせいで苦しむ人がいるなんて、耐えられないから」、「悲しい想いをさせたくないから」なんて言われたら、こっちは何も言えなくなっちゃいますよね。
先輩はずるいと思います。だって、私も先輩と同じで、大切な人が悲しむ顔なんて見たくないんですから。
先輩は私に「私の笑顔が好きだ」って、言ってくれましたよね。
実は私も、先輩の笑顔が大好きなんです。先輩の笑顔を見てるとほっとして、なんだか、幸せな気分になれるんです。
だから先輩の笑顔が見られないのは、私にとって何よりも辛いことなんです。例えそのせいで、悲しい夢を見たとしても。
「悲しいのも腹立たしいのも全部誰かに押しつけちゃったら、少しはその人楽になるんじゃないか」って、先輩が言ってた言葉です。
私もそう思います。
だから、傍にいさせて下さい。
先輩も私にいろいろ押しつけちゃって良いんです。私はきっとまだまだ迷惑かけちゃうと思いますから。お互い様です。
先輩が夢の中でいつも誰かとやっているように、お互い辛くて悲しいことを押しつけ合って、迷惑かけ合って、どんどん分け合って半分にしちゃいましょう。
泣いたって、互いに元気づけて元気づけられて。
それで最後は二人で笑いあえたら、とっても素敵だと思います。
中山三月
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
初愛シュークリーム
吉沢 月見
ライト文芸
WEBデザイナーの利紗子とパティシエールの郁実は女同士で付き合っている。二人は田舎に移住し、郁実はシュークリーム店をオープンさせる。付き合っていることを周囲に話したりはしないが、互いを大事に想っていることには変わりない。同棲を開始し、ますます相手を好きになったり、自分を不甲斐ないと感じたり。それでもお互いが大事な二人の物語。
第6回ライト文芸大賞奨励賞いただきました。ありがとうございます
2011年3月11日 金曜日
みるく♪
現代文学
西日本の地へ嫁いでいた見紅は、里帰りを明日にひかえ、おおはしゃぎしながら旅支度をしていた。
帰省先は、福島県相馬市松川浦。
まだ一度も見たことがない故郷であった。
嫁いだ後に、父の仕事の関係で、両親は当地に転居していたからである。
とある夫婦の平凡な日常
曇戸晴維
ライト文芸
『平凡』という言葉が一体なにを指すのかわからないけど、きっと私達は平凡な夫婦なのだろう。 変わりゆく季節と共に深まっていく信頼。 それは、私達にとって大事な日常。
もう一度、キミと冬を過ごしたい
久住子乃江
ライト文芸
山下夏樹は、過去の出来事から自分を責め、人との関わりを絶ってきた。友達も作らずに高校生活を過ごしていた夏樹は、会ったこともない先輩、水無華蓮に話しかけられる。
いきなり告白され、自分が変わるきっかけになるかもしれないと思い、付き合ってみることにした。
華蓮と過ごす中で、夏樹に変化が見られたとき、『ミライのボク』を名乗る人物からメールが届く。
そのメールに書かれている内容通りの未来がやってくることになる。
果たして、そのメールは本当に未来の自分からなのだろうか?
そして、華蓮の秘密とは──
残りの時間は花火のように美しく
雨宮 瑞樹
ライト文芸
人に興味が薄く、恋に興味がない大学四年生・大隈怜(おおくま・れい)と病に苦しむ伊藤美羽は、恋をしないと決めていた。
それなのに、二人には誘いや告白が絶えずに悩んでいた。
そんな時、
「お互い、人を好きにならない者同志。
付き合っていることにしよう。」
と、偶然であった怜に美羽は提案する。
この作戦にのれば、誰かに好意を寄せられることも告白されることも減る。
日々の煩わしさから解放される。
あくまで偽物の恋人として、のらりくらりと残された学生生活を穏やかに過ごせばいい。
ただし。
どちらかが相手を好きになってしまったら、この関係は解消するという条件付きで約束を交わす。
そんな二人は、次第に惹かれていくのだが美羽の病気は少しずつ進んでゆく。
喋る黒猫とうそつきの麦わら
香澄 翔
ライト文芸
‘高校には行かずにひとりずっと旅をしている少年、謙人。
廃線になった路線の線路上を歩いていた時に出会ったのは、自らをありすと名乗る少し変わった麦わら帽子の少女だった。
変わっていたのは彼女だけでなく、ありすの飼い猫のミーシャは唐突に皮肉めいた台詞を話し始める。
猫が喋るというあり得ないはずの事実に謙人は少し混乱していたが、ありすはそんな謙人をよそに、ずっと出来ていなかった自分の村のお祭り「春渡し」に参加してほしいと願う。
謙人は混乱しつつもそれを受け入れて、数日間だけ村に滞在する約束をして、訪れた村の中でありすの友人の女の子たちも含めて交流を深めていく。
だけどその中で皆はそろって「最後の夏だから」と気になる事を告げていた。
どうして最後の夏なのかは、誰も答えない中、「春渡し」は始まっていく。
祭りが進むにつれて、謙人は一つの村の、そしてありすの秘密を知っていく。
うそつきの麦わらのついていた、たった一つの嘘の秘密を――
彼女の秘密とは、うそとは、最後の夏の意味とは何なのか。
謙人は意味を知ると共に、探していた旅の目的を見つけていく。
このお話は少しだけ不思議な、切なくて、だけど優しいお話です。
イラストはテンさんにいただきました! テンさん、本当にありがとうございます!!
第6回ライト文芸大賞で奨励賞をいただきました。
応援してくださった皆様、そして選考してくださった編集部の方々、本当にありがとうございました。
私の少ない命あなたなら幸せにしてくれる
mikadozero
ライト文芸
俺には、小さな頃から幼馴染がいる。その幼馴染とは小中高と全部同じところを選んでいる。
高校生になってからは、ほとんど話していない生活を送っていた。
だが高校二年生の進級して間のないある日、彼女が屋上へと俺を呼んだ。俺は、珍しいと思ったが久々に彼女の顔を見れるので少し期待していた。
彼女は、手すりの寄っかかり遠くの景色を見ていた。
俺が来たことに気が付いたのか、俺の方を見る。
彼女が、一歩一歩俺の方に近づいてその差は二歩差になった。
彼女が衝撃の事実を明かす。俺は、その事実を受け止めたくはなかったのだった。
※エントリー作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる