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「ところで、聞いても良い?」
私が声をかけると、なんだ、と小さく口にして、鬼さんがこちらを振り返った。髪で目が隠れているので、私を見ているのかいないのかはよく分からないけど。
「その、あなたはここで何をしているの? さっきのは一体……?」
閻魔サマやら、惚れ薬やら、正直訳が分からない単語がたくさん聞こえていた気がするのだけど。
私の疑問に、鬼さんは少し考えるような素振りを見せて、
「ああ、見た方が早いな」
そう呟くと顎でしゃくるように、私に何か合図を送った。
「え? どういう……きゃあ!?」
私は、不意に背後から誰かの気配を感じて、文字通り飛び上がる。
白装束を来たお婆さんが、私の横をゆっくりと通り過ぎていった。お婆さんは、私の反応にも無反応だ。真っ白な顔色と言い、ぼんやりとした無表情と言い、きっと彼女は生きている人ではない。
鬼さんの言った通り私の姿が見えないらしく、お婆さんは真っ直ぐ前を向いたまま、彼の下へ近づいていった。
「来たな」
鬼さんが着物の合わせ目に手を突っ込むと、そこから瓢箪を一つ取り出した。手のひらサイズでそれほど大きくはない。血のように赤い紐がくびれのところに巻かれ、何か文字の書かれた紙が貼られている。
漢字ばかりでしかも小さくてよく読めないけど、もしかしてお婆さんの名前だろうか。
彼はそれを持ってお婆さんに近づいていき、彼女の肩にポンと片手を置いた。
「あ」
その拍子に、ほろりと、彼女の瞳から一滴の涙が零れ落ちた。なんだかそういうスイッチを押したみたいな、機械的な動きだった。
鬼さんは真珠みたいな涙を、手に持った瓢箪で受け止める。瓢箪の口は小さいのにとても器用だ。
彼は手元のそれを覗き込んで頷き、私に視線を寄越す。
「見ていろ」
そう言った鬼さんの姿が、消えた。
「あれ? え?」
橋からはみ出ないように注意しながら、私は身を乗り出して目を凝らす。
霧がかった景色の向こうに、鬼さんの姿が見える。消えたと思った彼は、河原に広げられたゴザの上で何かの作業をしていた。
消えたのではない。移動する動きが俊敏すぎて、目で追えなかったのである。
今の動きも目で追えないほどではないが、異常なほど素早い。まるで、倍速再生のようだ。
鬼さんはゴザの上で正座をして、膝の前に大きなどんぶり鉢を置いている。その中に周囲にあるモノを次々と放り込んでいた。干からびた蜥蜴のようなものや真っ黒な草のようなもの、乾燥した何かの動物の脚のようなものなどなど。
そして一通り材料を入れ終わると、それらをすりこぎ棒ですり潰し始める。どこからどう見ても、怪しい薬の調合だ。
周囲には、ちょっと表現したくない音が響く。
次に鬼さんは、隣にあった薬研とよばれる道具を手にすると、それを高速で回転させ始めた。ゴリゴリと音を立てて出てきたのは、これまた怪しいショッキングピンクの粉末だ。
鬼さんは、それをすかさずどんぶり鉢の中に入れて、先ほど潰したものと混ぜ合わせる。
ガリガリ、ドンドン、グシャグシャ。
また派手な音が鳴り響く。淡々とした動作なのが、なんだか少し怖い。
そうしてできたモノを、彼は瓢箪の中にサラサラっと入れる。
バンと、鉄砲みたいな破裂音が響いた。
「――できたぞ、ほら。お前も良い人生を送ってきたみたいだな。自信を持って、閻魔サマの所へ行け」
鬼さんはそう言って、瓢箪をお婆さんに手渡す。
え、それ、さっき爆発してたような気がするんだけど。そんなもの渡して大丈夫なの。
私の心配など露知らず、お婆さんは機械的にそれを受け取り、霧の向こうへ去っていく。
それをしばし無言で見届けてから、鬼さんは私の方へ顔を向けた。
「これで分かっただろう?」
「分かりません!!」
今のどこに、状況を理解できる要素があったのか。
鬼さんは不思議そうに首を傾げると、どこか億劫そうに説明を始めた。
「ああー、お前でも閻魔サマは分かるだろう?」
「えっと、死んだ人を裁くカミサマ、だよね?」
私は何かで見た髭の生えた強面のおじさまを思い浮かべる。嘘をつくと舌を抜かれるみたいな話もあったので、怖いイメージがあった。
鬼さんは分厚い前髪を揺らして頷く。
「まあ、簡単に言えばそうだ。閻魔サマの法廷には浄玻璃鏡という、亡者の生前の行為を映し出すものがあり、基本的にそれで裁判を行っていたんだが」
え、生前の行為が上映される。
鬼とは言え、みんなの前で。何それ怖い。
私が背筋を震わせていると、鬼さんがため息混じりに呟いた。
「数百年前、その鏡が事故で割れてしまってな」
「ええ⁉ それって、マズいんじゃない⁉ そんな大切な物が割れる『事故』って、すごくとんでもないことが起こって」
「ああ。鏡の側でシャクを振り回す、なんてことをしでかした閻魔サマは、しばらく地獄の終わりかというほど号泣し続けた」
自分で割ったのね。当時のことを思い出したのか、鬼さんは額を押さえていた。
うん、気持ちは分かる。
「亡者の罪を記した、いわゆる閻魔帳という物もあるにはあるんだが……分厚いし一々めくって確かめるのも面倒という話になり。それで代替え案として採用されたのがこの、死者の涙で惚れ薬を作るという方法だ」
「どんな方法……?」
そういえば「この惚れ薬で陥落させろ」とか言ってたよね。
確かに、女の涙は武器になるとかいうけど、そう言うこと?
いや、どういうこと?
「俺が力を注いで流させた死者の涙には、生前その者を慕っていた者たちの想いが宿っている。遺された者たちの悲しみが、流した涙が、死者を通じて流れ出てきたと思ってくれればいい。つまり生前の行いが善い者ほど、強力な惚れ薬ができるんだ。その方法が発見されて以降、それを飲んだ閻魔サマが、その者に惚れ込むかどうかを、裁判の判断の基準にすることになったんだ」
「へぇ……」
一瞬頷きかけた私は、そこである疑問が浮かぶ。
遺されたものの悲しみが、死者の流す涙になる。それって、死んでも誰にも悲しんでもらえない人は、特に理由なんてなくても地獄行きってことなのかな。
だったら、私は――。
「長くなったが、これで俺がここで何をしているかが分かっただろう? 分かったら、おとなしくしていろ。俺はこれでも結構、忙しいんだ」
そう言った側から、また橋を渡って死者がやってきた。それに対応している鬼さんを眺めながら、私は左胸に手を当てる。
本当に今ここにあるのか分からない心臓が、確かにズキズキと痛むのを感じていた。
私が声をかけると、なんだ、と小さく口にして、鬼さんがこちらを振り返った。髪で目が隠れているので、私を見ているのかいないのかはよく分からないけど。
「その、あなたはここで何をしているの? さっきのは一体……?」
閻魔サマやら、惚れ薬やら、正直訳が分からない単語がたくさん聞こえていた気がするのだけど。
私の疑問に、鬼さんは少し考えるような素振りを見せて、
「ああ、見た方が早いな」
そう呟くと顎でしゃくるように、私に何か合図を送った。
「え? どういう……きゃあ!?」
私は、不意に背後から誰かの気配を感じて、文字通り飛び上がる。
白装束を来たお婆さんが、私の横をゆっくりと通り過ぎていった。お婆さんは、私の反応にも無反応だ。真っ白な顔色と言い、ぼんやりとした無表情と言い、きっと彼女は生きている人ではない。
鬼さんの言った通り私の姿が見えないらしく、お婆さんは真っ直ぐ前を向いたまま、彼の下へ近づいていった。
「来たな」
鬼さんが着物の合わせ目に手を突っ込むと、そこから瓢箪を一つ取り出した。手のひらサイズでそれほど大きくはない。血のように赤い紐がくびれのところに巻かれ、何か文字の書かれた紙が貼られている。
漢字ばかりでしかも小さくてよく読めないけど、もしかしてお婆さんの名前だろうか。
彼はそれを持ってお婆さんに近づいていき、彼女の肩にポンと片手を置いた。
「あ」
その拍子に、ほろりと、彼女の瞳から一滴の涙が零れ落ちた。なんだかそういうスイッチを押したみたいな、機械的な動きだった。
鬼さんは真珠みたいな涙を、手に持った瓢箪で受け止める。瓢箪の口は小さいのにとても器用だ。
彼は手元のそれを覗き込んで頷き、私に視線を寄越す。
「見ていろ」
そう言った鬼さんの姿が、消えた。
「あれ? え?」
橋からはみ出ないように注意しながら、私は身を乗り出して目を凝らす。
霧がかった景色の向こうに、鬼さんの姿が見える。消えたと思った彼は、河原に広げられたゴザの上で何かの作業をしていた。
消えたのではない。移動する動きが俊敏すぎて、目で追えなかったのである。
今の動きも目で追えないほどではないが、異常なほど素早い。まるで、倍速再生のようだ。
鬼さんはゴザの上で正座をして、膝の前に大きなどんぶり鉢を置いている。その中に周囲にあるモノを次々と放り込んでいた。干からびた蜥蜴のようなものや真っ黒な草のようなもの、乾燥した何かの動物の脚のようなものなどなど。
そして一通り材料を入れ終わると、それらをすりこぎ棒ですり潰し始める。どこからどう見ても、怪しい薬の調合だ。
周囲には、ちょっと表現したくない音が響く。
次に鬼さんは、隣にあった薬研とよばれる道具を手にすると、それを高速で回転させ始めた。ゴリゴリと音を立てて出てきたのは、これまた怪しいショッキングピンクの粉末だ。
鬼さんは、それをすかさずどんぶり鉢の中に入れて、先ほど潰したものと混ぜ合わせる。
ガリガリ、ドンドン、グシャグシャ。
また派手な音が鳴り響く。淡々とした動作なのが、なんだか少し怖い。
そうしてできたモノを、彼は瓢箪の中にサラサラっと入れる。
バンと、鉄砲みたいな破裂音が響いた。
「――できたぞ、ほら。お前も良い人生を送ってきたみたいだな。自信を持って、閻魔サマの所へ行け」
鬼さんはそう言って、瓢箪をお婆さんに手渡す。
え、それ、さっき爆発してたような気がするんだけど。そんなもの渡して大丈夫なの。
私の心配など露知らず、お婆さんは機械的にそれを受け取り、霧の向こうへ去っていく。
それをしばし無言で見届けてから、鬼さんは私の方へ顔を向けた。
「これで分かっただろう?」
「分かりません!!」
今のどこに、状況を理解できる要素があったのか。
鬼さんは不思議そうに首を傾げると、どこか億劫そうに説明を始めた。
「ああー、お前でも閻魔サマは分かるだろう?」
「えっと、死んだ人を裁くカミサマ、だよね?」
私は何かで見た髭の生えた強面のおじさまを思い浮かべる。嘘をつくと舌を抜かれるみたいな話もあったので、怖いイメージがあった。
鬼さんは分厚い前髪を揺らして頷く。
「まあ、簡単に言えばそうだ。閻魔サマの法廷には浄玻璃鏡という、亡者の生前の行為を映し出すものがあり、基本的にそれで裁判を行っていたんだが」
え、生前の行為が上映される。
鬼とは言え、みんなの前で。何それ怖い。
私が背筋を震わせていると、鬼さんがため息混じりに呟いた。
「数百年前、その鏡が事故で割れてしまってな」
「ええ⁉ それって、マズいんじゃない⁉ そんな大切な物が割れる『事故』って、すごくとんでもないことが起こって」
「ああ。鏡の側でシャクを振り回す、なんてことをしでかした閻魔サマは、しばらく地獄の終わりかというほど号泣し続けた」
自分で割ったのね。当時のことを思い出したのか、鬼さんは額を押さえていた。
うん、気持ちは分かる。
「亡者の罪を記した、いわゆる閻魔帳という物もあるにはあるんだが……分厚いし一々めくって確かめるのも面倒という話になり。それで代替え案として採用されたのがこの、死者の涙で惚れ薬を作るという方法だ」
「どんな方法……?」
そういえば「この惚れ薬で陥落させろ」とか言ってたよね。
確かに、女の涙は武器になるとかいうけど、そう言うこと?
いや、どういうこと?
「俺が力を注いで流させた死者の涙には、生前その者を慕っていた者たちの想いが宿っている。遺された者たちの悲しみが、流した涙が、死者を通じて流れ出てきたと思ってくれればいい。つまり生前の行いが善い者ほど、強力な惚れ薬ができるんだ。その方法が発見されて以降、それを飲んだ閻魔サマが、その者に惚れ込むかどうかを、裁判の判断の基準にすることになったんだ」
「へぇ……」
一瞬頷きかけた私は、そこである疑問が浮かぶ。
遺されたものの悲しみが、死者の流す涙になる。それって、死んでも誰にも悲しんでもらえない人は、特に理由なんてなくても地獄行きってことなのかな。
だったら、私は――。
「長くなったが、これで俺がここで何をしているかが分かっただろう? 分かったら、おとなしくしていろ。俺はこれでも結構、忙しいんだ」
そう言った側から、また橋を渡って死者がやってきた。それに対応している鬼さんを眺めながら、私は左胸に手を当てる。
本当に今ここにあるのか分からない心臓が、確かにズキズキと痛むのを感じていた。
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