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第10章 消えた賢者
賢者を求めて王城へ ③
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「それでは、わたくしは母王様に会ってまいりますわ。タクミ様は、本当にこのような場所でお待ちいただきよろしいのですか?」
「お気遣いなく」
王女様には貴賓室で待つことを勧められましたが、なにせ私は不法侵入――もといアポなしの身。貴賓扱いなどと、大それたことでしょう。
取り次ぎを待つだけでしたら、廊下の隅で充分ですし。
「安心してくれ、シシリー。師匠のお相手は私に任せてもらいたい。むしろ是非に!」
「……それも心配の種のひとつだと言っているのですわ。あまりタクミ様にご迷惑をおかけしてはなりませんわよ?」
「失敬だな、私がいつそんなことをした?」
王女様が、固まった笑顔で無言のまま、片足立ちで蹴りの素振りをしました。
はっとして後頭部を押さえるクリスくんの様子が、なんとも微笑ましいですね。
「母王様は執務室にいるはずです。すぐに戻りますわ。しばしのお待ちを」
「よろしくお願いします」
王女様はメイド服を翻しながら、廊下の向こうに消えていきました。
「さて……これで邪魔者は消えましたね、師匠! これで心ゆくまで存分に語らえるというものです!」
王女様の忠告虚しく、瞬く間に再燃してしまいました。
クリスくんに再び熱く手を握られます。
仕える国の王女様を邪魔者呼ばわりもなんですが、それもまた幼馴染同士の気軽さというものでしょう。
仲が良さそうで、微笑ましい限りです。
ただそれはそれとして……人通りも少なく、こんな目立たない廊下の端で、13歳の子供とふたりきりで密着する図とは、これ如何に。客観的には大いなる誤解を受けかねませんよね。
孫ほどの歳の差の子から慕ってもらえるのは爺冥利に尽きるのですが、少し離れてもらわないと、不法侵入の罪状の他に、不名誉な社会的制裁まで受けそうです。
角が立たないよう、どういうふうに言い含めたものかと思案していますと、廊下の向こうに新たな通行人が現われました。
公爵家としての体面を重んじるクリスくんだけに、すぐにぱっと私から離れます。
これは助かりましたね、通りがかりの方。
「って、エイキではないですか」
肩で風を切りつつ、廊下の中央を我が物顔で練り歩いてくるのはエイキでした。
今日はよく知人に会う日ですね。
「お? アンちゃんじゃん。なにしてんの、こんなとこで?」
私に気づいたエイキが、小走りでやって来ました。
アンカーレン城砦以来の再会になりますね。
井芹くんはまだ戻っていませんから、どうやらひとりのようです。例の首輪も鎖も着けていませんね。
「女王様に所用でして。エイキこそ、その格好はどうしたのですか? ずいぶんと汚れているようですが……」
お城の中ながらに鎧を身に着け、全身のどころどころに泥汚れがこびりついたままです。
きれい好きなイメージがあるエイキにしては、珍しいことですね。
「いんや、ちょっと人捜してるんだけどさ。おっかしいなぁ、今日は城に来てるって聞いたんだけど」
つまらなさそうに、ぼりぼりと頭を掻いています。
しかしその手が、私の陰にいたクリスくんの存在を目にして、はたと止まりました。
「これは『勇者』殿。ご機嫌よう」
「あ、あ~……いたんだ。わかんなかったよ。よっす、クリスちゃん」
(クリス……ちゃん?)
基督教徒みたいですね。ではなく、どうして”ちゃん”付けなのでしょうね。
心なしか、エイキの背筋が伸びたように見えました。
「『勇者』殿は、また王都周りの哨戒ですか? 精が出ますね」
「いやっ、はは。これも『勇者』の役割ってーか使命ってーか? か弱い者を守るのは、俺の務めみてーなもんだし?」
「素晴らしい心がけですね。『勇者』殿の善行に、いかに城下の者も安らぎを得ているか……民を代表して、私からも謝意を述べさせてください」
「いいって、いいって、そんなの! ま、まあ――今日もまた、はぐれ魔物の群れが暴れてたから、軽~く成敗してきたとこなんだけどよ! 10――いや、50匹はいたかな? 並の連中だったら大苦戦したかもしんないけど、『勇者』の俺の手にかかれば、いちころってね! 楽勝だよ、らくしょー!」
「それはすごいですね。さすがは英雄として名高き『勇者』殿、その手腕お見事です」
「そ、そうかな、やっぱ? 国軍も奴らも腑抜けてるからさ、この俺がやることやんないとな! 王都は俺が守る――なんてさ! ははははっ――!」
……エイキのテンションがなにやらおかしいのですが。
勇者の使命に目覚めたという割には、使命感っぽい誠実さが微塵も感じられません。
あのエイキが顔を赤くして、舞い上がってしまっています。どうしたというのでしょう。
「んで、なんで……クリスちゃんがアンちゃんと一緒にいんの? いやさ、別に気になるってわけじゃねーし! ただちょっと、なんでかなーって?」
「タクミ様とは、かつてとある事件を切っ掛けに交流を持たせていただきまして。今では、心の師と仰がせてもらっています」
「へ、へ~……そーなんだ」
ちらりとこちらを仰ぎ見たエイキの視線に、そこはかとない殺気を感じたのですが。
ただそれも一瞬で、再びクリスくんに顔を向けたエイキの表情は緩みまくっていました。
「ま、まあ! 俺とアンちゃんはダチだからさ。むしろ、しんゆーっての?」
そうだったんですか?
年の離れた友人のつもりではいましたが、親友とまで評価されていたとは初耳ですね。
「おおっ、それは素晴らしいです!」
クリスくんが先ほどまでの私への勢いそのままに、エイキの手を鷲掴みにしていました。
「師匠の友とあれば、私の師とも同じこと! これからも、いっそうのよしなを!」
「……お、おお」
「おっと、これは失礼しました。つい、興奮してしまいまして、お許しを」
我に返ったクリスくんが離れたことに、エイキは戸惑ったような残念そうな微妙な顔つきをしています。
「き、気にすんなっての、はははのはー! さーてっと、明日も王都の平和のために頑張んなきゃな、『勇者』は辛いぜ! はははははは――」
「頼もしいですね。ありがとうございます」
……ふぅむ、これはもしや。
「あ、シシリーが戻ってきたようですね」
クリスくんが手を挙げる先には、王女様のメイド姿がありました。
そうこうしている内に、それなりに時間が経っていたみたいですね。
クリスくんが出迎えに私たちから離れたところで、エイキがすすすっと私の隣に並んできました。
「くぅ~~~……クリスちゃん、マジ天使! アンちゃんも、そう思わねえ? クールビューティっての? やっぱ、かなりクるよね。もろにタイプなんだけど!」
ほほお、なるほど。
「アンちゃん、知ってっか? あれであの子、すげー強い魔法使いなんだぜ? 一度、前に模擬戦したことあんだけど、いつもは落ち着いてて物静かなくらいなのに、熱くなると高飛車な女王様みたいになんの。それもまたギャップ萌えってーか」
知ってます。実際に燃やされかけられましたからね。
普段は自制していても、興奮すると昔から培った名残りが出るみたいですね、クリスくん。
「わかってると思うけど……いくらアンちゃんでも手ぇ出したら許さねえから」
「ははっ、まさか」
エイキは16歳。クリスくんは13歳。あのくらいの子たちで年の差3歳程度では、お似合いかもしれませんね。
性別が同性な点を除いては。
以前に井芹くんが言っていた”エイキを御する適任者”とは、もしかしなくてもクリスくんのことみたいですね。
王女様の”困ったことをしてくれた”の台詞からも、あの女性っぽい見た目から、性別を勘違いして一目惚れしたエイキを井芹くんが勘違いさせたまま――といいますか、余計に深めるほうに誘導したということでしょうか。
それで、惚れた相手に格好いいところを見せようと、エイキが真人間に……井芹くん、恐ろしいまでの策略にして策士です。
当の相手のクリスくん本人は、この策謀に気づいているのでしょうかね。
どうもそのような素振りは見えませんが。
「アンちゃんも応援してよ。な?」
「もちろんですよ」
それでいいのでしたら。
……いいのでしょうかね?
「お気遣いなく」
王女様には貴賓室で待つことを勧められましたが、なにせ私は不法侵入――もといアポなしの身。貴賓扱いなどと、大それたことでしょう。
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「失敬だな、私がいつそんなことをした?」
王女様が、固まった笑顔で無言のまま、片足立ちで蹴りの素振りをしました。
はっとして後頭部を押さえるクリスくんの様子が、なんとも微笑ましいですね。
「母王様は執務室にいるはずです。すぐに戻りますわ。しばしのお待ちを」
「よろしくお願いします」
王女様はメイド服を翻しながら、廊下の向こうに消えていきました。
「さて……これで邪魔者は消えましたね、師匠! これで心ゆくまで存分に語らえるというものです!」
王女様の忠告虚しく、瞬く間に再燃してしまいました。
クリスくんに再び熱く手を握られます。
仕える国の王女様を邪魔者呼ばわりもなんですが、それもまた幼馴染同士の気軽さというものでしょう。
仲が良さそうで、微笑ましい限りです。
ただそれはそれとして……人通りも少なく、こんな目立たない廊下の端で、13歳の子供とふたりきりで密着する図とは、これ如何に。客観的には大いなる誤解を受けかねませんよね。
孫ほどの歳の差の子から慕ってもらえるのは爺冥利に尽きるのですが、少し離れてもらわないと、不法侵入の罪状の他に、不名誉な社会的制裁まで受けそうです。
角が立たないよう、どういうふうに言い含めたものかと思案していますと、廊下の向こうに新たな通行人が現われました。
公爵家としての体面を重んじるクリスくんだけに、すぐにぱっと私から離れます。
これは助かりましたね、通りがかりの方。
「って、エイキではないですか」
肩で風を切りつつ、廊下の中央を我が物顔で練り歩いてくるのはエイキでした。
今日はよく知人に会う日ですね。
「お? アンちゃんじゃん。なにしてんの、こんなとこで?」
私に気づいたエイキが、小走りでやって来ました。
アンカーレン城砦以来の再会になりますね。
井芹くんはまだ戻っていませんから、どうやらひとりのようです。例の首輪も鎖も着けていませんね。
「女王様に所用でして。エイキこそ、その格好はどうしたのですか? ずいぶんと汚れているようですが……」
お城の中ながらに鎧を身に着け、全身のどころどころに泥汚れがこびりついたままです。
きれい好きなイメージがあるエイキにしては、珍しいことですね。
「いんや、ちょっと人捜してるんだけどさ。おっかしいなぁ、今日は城に来てるって聞いたんだけど」
つまらなさそうに、ぼりぼりと頭を掻いています。
しかしその手が、私の陰にいたクリスくんの存在を目にして、はたと止まりました。
「これは『勇者』殿。ご機嫌よう」
「あ、あ~……いたんだ。わかんなかったよ。よっす、クリスちゃん」
(クリス……ちゃん?)
基督教徒みたいですね。ではなく、どうして”ちゃん”付けなのでしょうね。
心なしか、エイキの背筋が伸びたように見えました。
「『勇者』殿は、また王都周りの哨戒ですか? 精が出ますね」
「いやっ、はは。これも『勇者』の役割ってーか使命ってーか? か弱い者を守るのは、俺の務めみてーなもんだし?」
「素晴らしい心がけですね。『勇者』殿の善行に、いかに城下の者も安らぎを得ているか……民を代表して、私からも謝意を述べさせてください」
「いいって、いいって、そんなの! ま、まあ――今日もまた、はぐれ魔物の群れが暴れてたから、軽~く成敗してきたとこなんだけどよ! 10――いや、50匹はいたかな? 並の連中だったら大苦戦したかもしんないけど、『勇者』の俺の手にかかれば、いちころってね! 楽勝だよ、らくしょー!」
「それはすごいですね。さすがは英雄として名高き『勇者』殿、その手腕お見事です」
「そ、そうかな、やっぱ? 国軍も奴らも腑抜けてるからさ、この俺がやることやんないとな! 王都は俺が守る――なんてさ! ははははっ――!」
……エイキのテンションがなにやらおかしいのですが。
勇者の使命に目覚めたという割には、使命感っぽい誠実さが微塵も感じられません。
あのエイキが顔を赤くして、舞い上がってしまっています。どうしたというのでしょう。
「んで、なんで……クリスちゃんがアンちゃんと一緒にいんの? いやさ、別に気になるってわけじゃねーし! ただちょっと、なんでかなーって?」
「タクミ様とは、かつてとある事件を切っ掛けに交流を持たせていただきまして。今では、心の師と仰がせてもらっています」
「へ、へ~……そーなんだ」
ちらりとこちらを仰ぎ見たエイキの視線に、そこはかとない殺気を感じたのですが。
ただそれも一瞬で、再びクリスくんに顔を向けたエイキの表情は緩みまくっていました。
「ま、まあ! 俺とアンちゃんはダチだからさ。むしろ、しんゆーっての?」
そうだったんですか?
年の離れた友人のつもりではいましたが、親友とまで評価されていたとは初耳ですね。
「おおっ、それは素晴らしいです!」
クリスくんが先ほどまでの私への勢いそのままに、エイキの手を鷲掴みにしていました。
「師匠の友とあれば、私の師とも同じこと! これからも、いっそうのよしなを!」
「……お、おお」
「おっと、これは失礼しました。つい、興奮してしまいまして、お許しを」
我に返ったクリスくんが離れたことに、エイキは戸惑ったような残念そうな微妙な顔つきをしています。
「き、気にすんなっての、はははのはー! さーてっと、明日も王都の平和のために頑張んなきゃな、『勇者』は辛いぜ! はははははは――」
「頼もしいですね。ありがとうございます」
……ふぅむ、これはもしや。
「あ、シシリーが戻ってきたようですね」
クリスくんが手を挙げる先には、王女様のメイド姿がありました。
そうこうしている内に、それなりに時間が経っていたみたいですね。
クリスくんが出迎えに私たちから離れたところで、エイキがすすすっと私の隣に並んできました。
「くぅ~~~……クリスちゃん、マジ天使! アンちゃんも、そう思わねえ? クールビューティっての? やっぱ、かなりクるよね。もろにタイプなんだけど!」
ほほお、なるほど。
「アンちゃん、知ってっか? あれであの子、すげー強い魔法使いなんだぜ? 一度、前に模擬戦したことあんだけど、いつもは落ち着いてて物静かなくらいなのに、熱くなると高飛車な女王様みたいになんの。それもまたギャップ萌えってーか」
知ってます。実際に燃やされかけられましたからね。
普段は自制していても、興奮すると昔から培った名残りが出るみたいですね、クリスくん。
「わかってると思うけど……いくらアンちゃんでも手ぇ出したら許さねえから」
「ははっ、まさか」
エイキは16歳。クリスくんは13歳。あのくらいの子たちで年の差3歳程度では、お似合いかもしれませんね。
性別が同性な点を除いては。
以前に井芹くんが言っていた”エイキを御する適任者”とは、もしかしなくてもクリスくんのことみたいですね。
王女様の”困ったことをしてくれた”の台詞からも、あの女性っぽい見た目から、性別を勘違いして一目惚れしたエイキを井芹くんが勘違いさせたまま――といいますか、余計に深めるほうに誘導したということでしょうか。
それで、惚れた相手に格好いいところを見せようと、エイキが真人間に……井芹くん、恐ろしいまでの策略にして策士です。
当の相手のクリスくん本人は、この策謀に気づいているのでしょうかね。
どうもそのような素振りは見えませんが。
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