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第10章 消えた賢者
賢者を求めて王城へ ①
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野を越え、山を越え、谷を越え。
急いだ甲斐もありまして、その日の日暮れ前には王都カレドサニアに辿り着くことができました。
そこまではよかったのですが……
たった今、王城の門番さんにあえなく摘み出された次第です。
お城の営業時間スレスレだったようで、ちょうど門番さんが正門を閉めるところでしたので、「女王様に取り次いでください」と頼んだのですが、ダメでした。
よくよく考えますと、一国の中枢で国主の住む城に、いきなり押しかけるのは無茶でしたね。
いくら女王様に面識があるとはいいましても、しょせんは身分も肩書もない一般人、アポイントなしでは無理からぬことでした。
思い起こしますと、以前にも同じような失敗をやった覚えがなきにしも。
あの頃から、全然進歩がないということでしょうか……我ながら、がっくしです。
あのときには、ちょうどケンジャンが立ち寄ってくれましたから、無事に中に入ることができましたが、今回はそのケンジャンが失踪中とは、なんとも皮肉なものですね。
門番さん曰く、私のような平民が女王様に会う機会など、よほど緊急性のある陳情以外には、一般謁見の公募に申し込むくらいしかないらしく。
女王様は復位してからというもの、能動的に国民の声に耳を傾けているそうですが、あまりに拝謁を望む希望者が多く、申請してから一月近い順番待ちの上、抽選なので確実でもないそうです。
以前の不人気なメタボさんと違い、女王様は民衆に人気があるようで本来は喜ばしいことなのですが、今回ばかりは参りましたね。
ケンジャンの安否を思いますと、気ばかりが急いてしまいます。
かくなる上は、こっそりと忍び込む……のはできなくもありませんが、さすがにまずいでしょうね。
お城に無断で侵入するなど、当然ながら大問題でしょう。今度こそ本物の賞金首になりかねません。
「もし、そこなお方?」
困り果てていますと、不意に背後から声をかけられました。
「あら。やはりタクミ様ではありませんか」
そこに佇んでいたのは、買い物袋片手に侍女服を着たメイドさん。もとい、王太女のシシリア王女でした。
「ややっ、これは王女様じゃないですか。こんなところで奇遇ですね。ご無沙汰……というほどではないかもしれませんが」
「そうですわね。その節はありがとうございました。またお目にかかれて光栄ですわ」
王女様は余った片手でスカートの裾をちょんと持ち、可愛らしく挨拶してきました。
相変わらず、にこやかで柔らかい雰囲気を持つお嬢さんです。
予期しておらずに意表を突かれて驚きましたが、そういえばここは王都の、しかも王城前でしたね。
王女様は王城に住んでいますから、言わばここは実家の庭先。奇遇でもなんでもありませんでした。
ですが、どうして王城に戻ってまで、またメイドの格好なのでしょうね。
王太女という身分にある方が、使用人の服装でいいのでしょうか。
「趣味ですわ」
私の問いにも、なんとも迷いの欠片もない、晴れやかな笑顔でした。
好きでしていることに、他人がとやかくいうのも無粋ですね。気にしないでおきましょう。
「それで、タクミ様はどうしてこのような場所に? 城になにか御用でも?」
「ああっ、そうそう、そうでした! 御用ありました! 実は――」
王女様でしたら、確実に女王様に取り次いでもらえるに違いありません。
これぞまさに天啓ですね。
仮にこれも無意識の『神』の力でしたら、私の自作自演になっちゃいますが。
ケンジャンの失踪を聞きつけて訪れたことを手短に告げますと、王女様は若干眉根を寄せたようでした。
「不躾ながら、どちらでそのことをお聞きになられましたか?」
「井芹くん――『剣聖』のイセリュートくんからです」
「……そうでしたか。そういえば『剣聖』様は、先日から休暇で城を留守にされておられましたわね。救国の三英雄の一角たる『賢者』様の失踪は、国民に多大なる動揺を与えかねませんわ。城内には母王様の命で、緘口令が敷かれていたものですから」
どこから情報が漏洩したか、気にされていたのはそこでしたか。
私としてはありがたかったのですが、たしかに秘匿したい側にしてみますと、そう軽々と吹聴して回られては堪ったものではありませんよね。
「なんといいますか……私の友人が申し訳ありません」
「いいえ、そのようなことは決して。お相手がタクミ様でしたら、なんら問題はありませんわ。それに……わたくしも『剣聖』様とお会いしてからさほど間はありませんが、あの方は冒険者というお立場からか、とても”自由”でいらっしゃいますし……」
実に説得力のある言葉ですね。
あの井芹くんが、王家の方々の前だからといって、態度を改めるとも思えません。
きっと、いろいろとやっちゃったのでしょうね……容易に想像がつくあたり、良くも悪くも井芹くんらしいといいますか。
「困った人ですからね」
「そうですわね。本当に困ったことをしてくれました……」
はて。妙に実感が籠もっていますね。
なにやら現在進行系で、その”困ったこと”が継続しているように取れなくも。
「あの……それで、女王様への取り次ぎの件はいかがでしょうか?」
「これは失礼いたしましたわ。それはもちろん。タクミ様の申し出とあれば、なにを置いても優先させていただきますわ。とはいえ、正規の手順では、わずかなりとも時間がかかります。ここはいっそ、母王様に直接、上申することにいたしましょう」
「いいのですか? こちらとしては、正直なところ助かります」
横紙破りが好ましくないことはわかっていますが、ケンジャンの安否がかかっているからには、そうも悠長にいっていられません。
謁見を待つ方々には、順番に割り込みしてしまい申し訳ないのですが、ここは厚意に甘えさせてもらうことにしましょう。
「では、こちらへ。参りましょう、タクミ様」
「ええ。……って、どちらへです?」
王女様が向かう先は、城門と反対方向でした。
城壁を囲う堀沿いに迂回することしばらく、目立たない辺鄙な場所に出ました。
視線の先には、城壁越しに相変わらずの王城の威風。その手前には左右に伸びる水を湛えた堀はあれど、肝心な橋らしきものがありません。しかも、入り口すら。
「……実はわたくし、お忍びで城下に出ておりまして。衛兵に見つかるのは、立場上、少々体裁が悪いと申しますか……賓客たるタクミ様にこのような扱い、心苦しい限りなのですが……」
なるほど、お忍びで。どうりでメイド服なわけですね。
変装もかねて、こっそりお城から抜け出たということでしたか。
ただし、この服装が街中でのお忍び行動に適するかといいますと、微妙に返答に困ったりしますが。
「いえいえ、お気になさらず。ですが、どうして城下に?」
「新しいメイド服の専門店が城下にオープンいたしまして。お恥ずかしながら、居ても立ってもいられずに……」
大事そうに抱えている紙袋は、戦利品でしたか。
ちょっと気恥ずかしそうにするあたり、可愛いものです。
王女様はまだ12歳という若年ながら、周囲の環境からか落ち着いていて大人びて見えますからね。
多少は趣味に我を忘れるくらいのほうが年相応に健全で、微笑ましいですね。
それはいいのですが、メイド服の専門店……メイドさん以外に、そんなに需要のあるものなのですかね。よくわかりません。
そうこうしている間にも、王女様が十メートルほどもある外堀を、向こう岸まで一足飛びに飛び移っていました。
さすがは『拳王』の王女様。ひらひらの服装に似つかわず、少女ながらに惚れ惚れするほど素晴らしい身のこなしです。
私も王女様に遅れじと、堀を飛び越えてその隣に並びました。
目の前にそびえ立つのは王城の高い城壁。
よじ登るのは目立ちすぎる上、王族の取る手段としてはあんまりでしょうから、どこかに隠し扉か秘密の抜け道でもあるのでしょうかね。
「こちらですわ」
王女様が城壁の表面に、右手の掌をぺったりと添えています。
なにか仕掛けが……と思いきや、どう見てもなんの変哲もない石壁ですよね。
「少しだけ下がっていただけますか?」
「下がる……ですか? はぁ、構いませんが」
疑問に思いつつも、私が数歩後ずさった直後――
「はぁっ――!」
気合一閃、王女様が手を添えた部分の城壁がぽっかりと崩れ落ちてしまいました。
なんといいますか……これは、発勁とかいうやつですかね。拳法映画で観たことあるような。
「どうぞ、ご用意が整いましたわ。後ほど、わたくしの<修復>スキルで塞ぎますから、証拠隠滅も完璧ですわ。ふふ」
「……これはどうも、ご丁寧に……はは」
これって、お城から出るときも同じ手法だったということですよね。
先ほどたしか、”お忍び”と聞いた気がするのですが……可憐な少女の取る手段としては、まさかの力技。豪快すぎて、まったく忍んでない気がしないでもありません。
急いだ甲斐もありまして、その日の日暮れ前には王都カレドサニアに辿り着くことができました。
そこまではよかったのですが……
たった今、王城の門番さんにあえなく摘み出された次第です。
お城の営業時間スレスレだったようで、ちょうど門番さんが正門を閉めるところでしたので、「女王様に取り次いでください」と頼んだのですが、ダメでした。
よくよく考えますと、一国の中枢で国主の住む城に、いきなり押しかけるのは無茶でしたね。
いくら女王様に面識があるとはいいましても、しょせんは身分も肩書もない一般人、アポイントなしでは無理からぬことでした。
思い起こしますと、以前にも同じような失敗をやった覚えがなきにしも。
あの頃から、全然進歩がないということでしょうか……我ながら、がっくしです。
あのときには、ちょうどケンジャンが立ち寄ってくれましたから、無事に中に入ることができましたが、今回はそのケンジャンが失踪中とは、なんとも皮肉なものですね。
門番さん曰く、私のような平民が女王様に会う機会など、よほど緊急性のある陳情以外には、一般謁見の公募に申し込むくらいしかないらしく。
女王様は復位してからというもの、能動的に国民の声に耳を傾けているそうですが、あまりに拝謁を望む希望者が多く、申請してから一月近い順番待ちの上、抽選なので確実でもないそうです。
以前の不人気なメタボさんと違い、女王様は民衆に人気があるようで本来は喜ばしいことなのですが、今回ばかりは参りましたね。
ケンジャンの安否を思いますと、気ばかりが急いてしまいます。
かくなる上は、こっそりと忍び込む……のはできなくもありませんが、さすがにまずいでしょうね。
お城に無断で侵入するなど、当然ながら大問題でしょう。今度こそ本物の賞金首になりかねません。
「もし、そこなお方?」
困り果てていますと、不意に背後から声をかけられました。
「あら。やはりタクミ様ではありませんか」
そこに佇んでいたのは、買い物袋片手に侍女服を着たメイドさん。もとい、王太女のシシリア王女でした。
「ややっ、これは王女様じゃないですか。こんなところで奇遇ですね。ご無沙汰……というほどではないかもしれませんが」
「そうですわね。その節はありがとうございました。またお目にかかれて光栄ですわ」
王女様は余った片手でスカートの裾をちょんと持ち、可愛らしく挨拶してきました。
相変わらず、にこやかで柔らかい雰囲気を持つお嬢さんです。
予期しておらずに意表を突かれて驚きましたが、そういえばここは王都の、しかも王城前でしたね。
王女様は王城に住んでいますから、言わばここは実家の庭先。奇遇でもなんでもありませんでした。
ですが、どうして王城に戻ってまで、またメイドの格好なのでしょうね。
王太女という身分にある方が、使用人の服装でいいのでしょうか。
「趣味ですわ」
私の問いにも、なんとも迷いの欠片もない、晴れやかな笑顔でした。
好きでしていることに、他人がとやかくいうのも無粋ですね。気にしないでおきましょう。
「それで、タクミ様はどうしてこのような場所に? 城になにか御用でも?」
「ああっ、そうそう、そうでした! 御用ありました! 実は――」
王女様でしたら、確実に女王様に取り次いでもらえるに違いありません。
これぞまさに天啓ですね。
仮にこれも無意識の『神』の力でしたら、私の自作自演になっちゃいますが。
ケンジャンの失踪を聞きつけて訪れたことを手短に告げますと、王女様は若干眉根を寄せたようでした。
「不躾ながら、どちらでそのことをお聞きになられましたか?」
「井芹くん――『剣聖』のイセリュートくんからです」
「……そうでしたか。そういえば『剣聖』様は、先日から休暇で城を留守にされておられましたわね。救国の三英雄の一角たる『賢者』様の失踪は、国民に多大なる動揺を与えかねませんわ。城内には母王様の命で、緘口令が敷かれていたものですから」
どこから情報が漏洩したか、気にされていたのはそこでしたか。
私としてはありがたかったのですが、たしかに秘匿したい側にしてみますと、そう軽々と吹聴して回られては堪ったものではありませんよね。
「なんといいますか……私の友人が申し訳ありません」
「いいえ、そのようなことは決して。お相手がタクミ様でしたら、なんら問題はありませんわ。それに……わたくしも『剣聖』様とお会いしてからさほど間はありませんが、あの方は冒険者というお立場からか、とても”自由”でいらっしゃいますし……」
実に説得力のある言葉ですね。
あの井芹くんが、王家の方々の前だからといって、態度を改めるとも思えません。
きっと、いろいろとやっちゃったのでしょうね……容易に想像がつくあたり、良くも悪くも井芹くんらしいといいますか。
「困った人ですからね」
「そうですわね。本当に困ったことをしてくれました……」
はて。妙に実感が籠もっていますね。
なにやら現在進行系で、その”困ったこと”が継続しているように取れなくも。
「あの……それで、女王様への取り次ぎの件はいかがでしょうか?」
「これは失礼いたしましたわ。それはもちろん。タクミ様の申し出とあれば、なにを置いても優先させていただきますわ。とはいえ、正規の手順では、わずかなりとも時間がかかります。ここはいっそ、母王様に直接、上申することにいたしましょう」
「いいのですか? こちらとしては、正直なところ助かります」
横紙破りが好ましくないことはわかっていますが、ケンジャンの安否がかかっているからには、そうも悠長にいっていられません。
謁見を待つ方々には、順番に割り込みしてしまい申し訳ないのですが、ここは厚意に甘えさせてもらうことにしましょう。
「では、こちらへ。参りましょう、タクミ様」
「ええ。……って、どちらへです?」
王女様が向かう先は、城門と反対方向でした。
城壁を囲う堀沿いに迂回することしばらく、目立たない辺鄙な場所に出ました。
視線の先には、城壁越しに相変わらずの王城の威風。その手前には左右に伸びる水を湛えた堀はあれど、肝心な橋らしきものがありません。しかも、入り口すら。
「……実はわたくし、お忍びで城下に出ておりまして。衛兵に見つかるのは、立場上、少々体裁が悪いと申しますか……賓客たるタクミ様にこのような扱い、心苦しい限りなのですが……」
なるほど、お忍びで。どうりでメイド服なわけですね。
変装もかねて、こっそりお城から抜け出たということでしたか。
ただし、この服装が街中でのお忍び行動に適するかといいますと、微妙に返答に困ったりしますが。
「いえいえ、お気になさらず。ですが、どうして城下に?」
「新しいメイド服の専門店が城下にオープンいたしまして。お恥ずかしながら、居ても立ってもいられずに……」
大事そうに抱えている紙袋は、戦利品でしたか。
ちょっと気恥ずかしそうにするあたり、可愛いものです。
王女様はまだ12歳という若年ながら、周囲の環境からか落ち着いていて大人びて見えますからね。
多少は趣味に我を忘れるくらいのほうが年相応に健全で、微笑ましいですね。
それはいいのですが、メイド服の専門店……メイドさん以外に、そんなに需要のあるものなのですかね。よくわかりません。
そうこうしている間にも、王女様が十メートルほどもある外堀を、向こう岸まで一足飛びに飛び移っていました。
さすがは『拳王』の王女様。ひらひらの服装に似つかわず、少女ながらに惚れ惚れするほど素晴らしい身のこなしです。
私も王女様に遅れじと、堀を飛び越えてその隣に並びました。
目の前にそびえ立つのは王城の高い城壁。
よじ登るのは目立ちすぎる上、王族の取る手段としてはあんまりでしょうから、どこかに隠し扉か秘密の抜け道でもあるのでしょうかね。
「こちらですわ」
王女様が城壁の表面に、右手の掌をぺったりと添えています。
なにか仕掛けが……と思いきや、どう見てもなんの変哲もない石壁ですよね。
「少しだけ下がっていただけますか?」
「下がる……ですか? はぁ、構いませんが」
疑問に思いつつも、私が数歩後ずさった直後――
「はぁっ――!」
気合一閃、王女様が手を添えた部分の城壁がぽっかりと崩れ落ちてしまいました。
なんといいますか……これは、発勁とかいうやつですかね。拳法映画で観たことあるような。
「どうぞ、ご用意が整いましたわ。後ほど、わたくしの<修復>スキルで塞ぎますから、証拠隠滅も完璧ですわ。ふふ」
「……これはどうも、ご丁寧に……はは」
これって、お城から出るときも同じ手法だったということですよね。
先ほどたしか、”お忍び”と聞いた気がするのですが……可憐な少女の取る手段としては、まさかの力技。豪快すぎて、まったく忍んでない気がしないでもありません。
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