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第9章 訓練兵と神隠し
師弟コンビ ①
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「暇ですねぇ……」
午前中から、こうしてのんびりしているのは久しぶりです。
最近は調査で一日中出歩き、その前は連日連夜で訓練漬けでしたからね。忙しさに慣れてしまったのか、こうもなにもしないというのも、暇を持て余してしまいます。
窓から見渡す外は晴天です。この陽気では散歩にでも出たいところですが、レナンくんから今日は出歩くのを控えるように言われていますし……困ったものです。
「どしたの、オリン? 窓際で黄昏ちゃってさ」
ちょうど軒下を連れ立って通りがかったのは、アーシアさんとランドルさんでした。
朝食時に会ったっきりで見かけないと思っていましたら、外出中でしたか。
なにやら小脇に大小さまざまの紙袋をたくさん抱えていますね。
「これか? 大漁だろ? いやぁ、そこの通りのほうに出店がやたらと出ていてな。せっかくなんで、ちょっと買い出しによ」
「そうそう、屋台の食べ物って、なんでか美味しそうに見えるのよね~」
特にアーシアさんはほくほく顔です。
なにやらいい匂いがすると思っていましたが、それ全部食べ物でしたか。
よくよく見ますと、紙袋の口からは串などが飛び出していますね。
そういえば、おふたりは特に外出禁止など受けていませんでしたので、おふたりにとっては今日は単なる休日なわけですね。羨ましい。
「シロンさんはご一緒では?」
シロンさんは珍しく起きる時間がずれたのか、朝食時にも顔を合わせずじまいでしたね。
「……シロン? 知らないけど」
「? そうですか。知らなければ別にいいのですが……」
何気なく訊ねたつもりだったのですが、おふたりは不思議そうに顔を見合わせていました。
はて。なにかおかしなことでも訊きましたかね、私。
このところは調査以外では訓練兵4人で集まっていることが多かったですからね。
シロンさんも見かけなかったので、てっきりアーシアさんたちと行動を共にしているかと思ったのですが……まあ、休日まで一緒にいないといけないわけでもありませんから、せっかくのお休み、シロンさんはシロンさんで自由に過ごしているのでしょう。
「これから戦利品の品評会をするんだが、オリンも来るか?」
「う~ん、せっかくのお誘いですが、ご遠慮させていただきますよ」
見かけ通りの若人であるおふたりと違い、見かけ通りではない私はそれほど健啖家でもありませんからね。どちらかというと小食なほうですし。
今からそんな山ほど食してしまうと、確実に昼食が入らなくなります。残してしまうのは勿体ない上、作ってくれた方にも悪いですから。
「そっか。オリンは食が細いしね。気が向いたらおいでよ。じゃねー」
「ええ、ではまた」
すでに興味は手元の食べ物に移っているらしく、おふたりはわいわいと賑やかに話しながら行ってしまいました。
ここアンカーレン城砦は軍施設ですから、娯楽の類に乏しいですからね。特に訓練兵という立場では、楽しみといえば食事くらいです。
おふたりが年相応に浮かれてしまうのも、無理ないことかもしれません。
「出店ですか……」
施設をふたつほど挟んだ先には、広めの通用路があります。
本来なら城砦を通り抜けるための道なのですが、一部商人に解放されている区画もあります。出店が出ているとしたら、そこでしょう。
これまで、地面に布を広げた露店くらいはちらほら見かけたことがありましたが、おふたりの話しぶりではそんな規模ではなさそうです。
やはり、本日の女王様の訪問に関連しているのでしょうか。どんな感じなのか興味ありますね。
「……女王様の来訪は正午からでしたよね」
まだ数時間ほども余裕があります。
私がこうして引き篭もっているのは、女王様に見つからないためであり、つまりはこの時間では出歩いても問題ないということですよね。
「行ってみますか」
どこからかレナンくんの怒る声が聞こえたような気もしましたが、そこはお目こぼしいただきたい。
◇◇◇◇◇
通りに出てみますと、そこはまさに日本でいうところの縁日のような賑やかさでした。
道の両脇に居並ぶ屋台をはじめとした出店の数々に、大道芸を披露する旅芸人までいます。それ以上に、視界を埋め尽くす人の波のすごいこと。
通りには軍服や鎧を纏った軍関係者のみならず、一般人も多く見受けられます。
これは絶対にアンカーレン城砦に常駐している人ばかりではありませんね。普段は訪れないような近隣の町や村の住人まで押しかけてきているようです。
これは間違いなく、女王様を一目見ようとの目的で集まった方々でしょう。
たとえ王都に暮らしていても、女王様の姿なんて見る機会がありませんからね。しかもベアトリー女王は、生来の病魔を克服し、悪評高かった前王を排して王座に返り咲いた英傑。国のための改革を推し進める革新派で、国民からの人気も高いと聞きます。
だからこそこの機会に――と誰しもが考えてしまうのは、当然なのかもしれません。
ただ……なんといいますか、お忍びの慰労のはずが情報だだ漏れですね。内密とはこれいかに。
しかしながら、私にとっては嬉しいばかりです。
これだけ人が混み合っているのでしたら、そうそう知人に会うこともないでしょう。仮にこの場に女王様が現われたとしても、人混みに紛れて私の存在には気づかれないはずです。
なにより、こうして活気があることはいいことです。それこそ縁日ではないですが、心持ちうきうきしてきます。
大勢の人と一所にいるだけで、元気をわけてもらえるような気がしますね。
道行く人を眺め、出店を冷やかし、大道芸に拍手を送り――心行くまで楽しんでいますと、不意に背後から肩をぽんぽんと叩かれました。
「はい?」
振り返りますと、背後にいた男性と目が合いました。二十歳ほどの小太りの男性です。
その男性は慌てた様子で、即座に首と手を同時に振っていました。顎のたるんだお肉までぶるんぶるん揺れています。
…………? 顔見知りでは……ありませんよね、多分。
「そっちではないわ、戯け」
「痛ふっ」
いきなり真下の死角から声がして、顎をかちあげられました。
実際には痛くありませんでしたが、思わず変な声が出てしまったではないですか。
「ししょー、なにやってんの?」
そして、横からはもうひとつの声。
目深に被ったフード付きの黒っぽい外套姿のふたり組――まさか例の!?
「って……お? なんだよ、誰かと思えばアンちゃんじゃん。おっひさ」
「ふむ。相変わらずの隙だらけよな」
――といいますか。どちらも聞き覚えのある声なのですが。
「井芹くんとエイキではないですか!」
ふたりがフードをはだけますと、そこには刀を肩に担いで呆れ顔の井芹くんと、にやけ顔で斜に構えているエイキの姿がありました。
ずいぶんと久しぶりな感じがします。
このような場所で会えるとは、なんとも奇遇なことですね。
「息災か、斉木?」
「ええ、もちろんです」
つい今しがた、刀で顎を殴られて怪我しそうになった以外は。
王都で別れてからどうしていたのか、なぜこの場所にいるのか、などと――話したいことはいろいろあるのですが、まず真っ先に訊きたいことがひとつだけ。
「その鎖……なんです?」
エイキの首には首輪があり、そこから伸びた鎖が井芹くんの手に収まっています。
なにがどうしてそうなったので?
午前中から、こうしてのんびりしているのは久しぶりです。
最近は調査で一日中出歩き、その前は連日連夜で訓練漬けでしたからね。忙しさに慣れてしまったのか、こうもなにもしないというのも、暇を持て余してしまいます。
窓から見渡す外は晴天です。この陽気では散歩にでも出たいところですが、レナンくんから今日は出歩くのを控えるように言われていますし……困ったものです。
「どしたの、オリン? 窓際で黄昏ちゃってさ」
ちょうど軒下を連れ立って通りがかったのは、アーシアさんとランドルさんでした。
朝食時に会ったっきりで見かけないと思っていましたら、外出中でしたか。
なにやら小脇に大小さまざまの紙袋をたくさん抱えていますね。
「これか? 大漁だろ? いやぁ、そこの通りのほうに出店がやたらと出ていてな。せっかくなんで、ちょっと買い出しによ」
「そうそう、屋台の食べ物って、なんでか美味しそうに見えるのよね~」
特にアーシアさんはほくほく顔です。
なにやらいい匂いがすると思っていましたが、それ全部食べ物でしたか。
よくよく見ますと、紙袋の口からは串などが飛び出していますね。
そういえば、おふたりは特に外出禁止など受けていませんでしたので、おふたりにとっては今日は単なる休日なわけですね。羨ましい。
「シロンさんはご一緒では?」
シロンさんは珍しく起きる時間がずれたのか、朝食時にも顔を合わせずじまいでしたね。
「……シロン? 知らないけど」
「? そうですか。知らなければ別にいいのですが……」
何気なく訊ねたつもりだったのですが、おふたりは不思議そうに顔を見合わせていました。
はて。なにかおかしなことでも訊きましたかね、私。
このところは調査以外では訓練兵4人で集まっていることが多かったですからね。
シロンさんも見かけなかったので、てっきりアーシアさんたちと行動を共にしているかと思ったのですが……まあ、休日まで一緒にいないといけないわけでもありませんから、せっかくのお休み、シロンさんはシロンさんで自由に過ごしているのでしょう。
「これから戦利品の品評会をするんだが、オリンも来るか?」
「う~ん、せっかくのお誘いですが、ご遠慮させていただきますよ」
見かけ通りの若人であるおふたりと違い、見かけ通りではない私はそれほど健啖家でもありませんからね。どちらかというと小食なほうですし。
今からそんな山ほど食してしまうと、確実に昼食が入らなくなります。残してしまうのは勿体ない上、作ってくれた方にも悪いですから。
「そっか。オリンは食が細いしね。気が向いたらおいでよ。じゃねー」
「ええ、ではまた」
すでに興味は手元の食べ物に移っているらしく、おふたりはわいわいと賑やかに話しながら行ってしまいました。
ここアンカーレン城砦は軍施設ですから、娯楽の類に乏しいですからね。特に訓練兵という立場では、楽しみといえば食事くらいです。
おふたりが年相応に浮かれてしまうのも、無理ないことかもしれません。
「出店ですか……」
施設をふたつほど挟んだ先には、広めの通用路があります。
本来なら城砦を通り抜けるための道なのですが、一部商人に解放されている区画もあります。出店が出ているとしたら、そこでしょう。
これまで、地面に布を広げた露店くらいはちらほら見かけたことがありましたが、おふたりの話しぶりではそんな規模ではなさそうです。
やはり、本日の女王様の訪問に関連しているのでしょうか。どんな感じなのか興味ありますね。
「……女王様の来訪は正午からでしたよね」
まだ数時間ほども余裕があります。
私がこうして引き篭もっているのは、女王様に見つからないためであり、つまりはこの時間では出歩いても問題ないということですよね。
「行ってみますか」
どこからかレナンくんの怒る声が聞こえたような気もしましたが、そこはお目こぼしいただきたい。
◇◇◇◇◇
通りに出てみますと、そこはまさに日本でいうところの縁日のような賑やかさでした。
道の両脇に居並ぶ屋台をはじめとした出店の数々に、大道芸を披露する旅芸人までいます。それ以上に、視界を埋め尽くす人の波のすごいこと。
通りには軍服や鎧を纏った軍関係者のみならず、一般人も多く見受けられます。
これは絶対にアンカーレン城砦に常駐している人ばかりではありませんね。普段は訪れないような近隣の町や村の住人まで押しかけてきているようです。
これは間違いなく、女王様を一目見ようとの目的で集まった方々でしょう。
たとえ王都に暮らしていても、女王様の姿なんて見る機会がありませんからね。しかもベアトリー女王は、生来の病魔を克服し、悪評高かった前王を排して王座に返り咲いた英傑。国のための改革を推し進める革新派で、国民からの人気も高いと聞きます。
だからこそこの機会に――と誰しもが考えてしまうのは、当然なのかもしれません。
ただ……なんといいますか、お忍びの慰労のはずが情報だだ漏れですね。内密とはこれいかに。
しかしながら、私にとっては嬉しいばかりです。
これだけ人が混み合っているのでしたら、そうそう知人に会うこともないでしょう。仮にこの場に女王様が現われたとしても、人混みに紛れて私の存在には気づかれないはずです。
なにより、こうして活気があることはいいことです。それこそ縁日ではないですが、心持ちうきうきしてきます。
大勢の人と一所にいるだけで、元気をわけてもらえるような気がしますね。
道行く人を眺め、出店を冷やかし、大道芸に拍手を送り――心行くまで楽しんでいますと、不意に背後から肩をぽんぽんと叩かれました。
「はい?」
振り返りますと、背後にいた男性と目が合いました。二十歳ほどの小太りの男性です。
その男性は慌てた様子で、即座に首と手を同時に振っていました。顎のたるんだお肉までぶるんぶるん揺れています。
…………? 顔見知りでは……ありませんよね、多分。
「そっちではないわ、戯け」
「痛ふっ」
いきなり真下の死角から声がして、顎をかちあげられました。
実際には痛くありませんでしたが、思わず変な声が出てしまったではないですか。
「ししょー、なにやってんの?」
そして、横からはもうひとつの声。
目深に被ったフード付きの黒っぽい外套姿のふたり組――まさか例の!?
「って……お? なんだよ、誰かと思えばアンちゃんじゃん。おっひさ」
「ふむ。相変わらずの隙だらけよな」
――といいますか。どちらも聞き覚えのある声なのですが。
「井芹くんとエイキではないですか!」
ふたりがフードをはだけますと、そこには刀を肩に担いで呆れ顔の井芹くんと、にやけ顔で斜に構えているエイキの姿がありました。
ずいぶんと久しぶりな感じがします。
このような場所で会えるとは、なんとも奇遇なことですね。
「息災か、斉木?」
「ええ、もちろんです」
つい今しがた、刀で顎を殴られて怪我しそうになった以外は。
王都で別れてからどうしていたのか、なぜこの場所にいるのか、などと――話したいことはいろいろあるのですが、まず真っ先に訊きたいことがひとつだけ。
「その鎖……なんです?」
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