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第9章 訓練兵と神隠し
アンカーレン城砦の訓練兵 ③
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「にしても、オリンってば昔と比べるとホント雰囲気変わったよねー?」
「え? そ、そうですか?」
アーシアさんがどきりとすることを言ってきます。
「うん。前は、いっつもビクビクうじうじブツブツって陰気ーな感じだったけど、今はなんか余裕があって堂々としてる。別人みたい」
実際、別人ですし。
「なに、なんか心境の変化でもあった?」
心境どころか、外身からして変わっていますからね。
違って見えるのは当然かもしれません。
「ああ、たしかにそれはあるな。訓練にも積極的で目立ってるし、最近はダラダラもたもたグズグズしてないよな。前はそれでかなりイラッとしたもんだけど」
ランドルさんが追従します。
「ああ~、わかるわかる!」
いくら同期で忌憚なくとはいいましても、本人?を前に、おふたりとも開けっ広げすぎますね。
言葉のチョイスはともかくとして、多感な年ごろですから、他人の機微にも敏感なのでしょうけど。
しかしながら、オリンさんもこの酷評……ここでどういう生活を送っていたのでしょうね。
ここはせっかくの機会ですから、少しばかりオリンさんの評価を上げておきますか。
「私も、国に仕える兵士としての自覚が芽生えまして。心機一転しました」
自信を持って胸を張ります。
「でも、なんか空回りしている感はあるよなー。よくやらかして、鬼教官に雷落とされているし。ランニングに出たまま道間違って帰ってこなかったり、塹壕掘る訓練じゃあひとりだけ落とし穴みたいになってたし。その他もろもろ。この間も訓練用の模擬剣、素振りで何本も圧し折って大目玉喰らってなかったか?」
「そそ。座学の戦術論でも、ドヤ顔で”そこは正面突破です”とか言い張るし。魔物との遭遇戦での対処法は、”殲滅です”とか……あの鬼教官が口開けて固まってたわね。でさ、前に自信満々に言ってた”魔物を纏うと魔物ガードになります”ってなに? いまだに意味不明なんだけど」
おや。
私と入れ替わった後も、評価の傾向があまり変わっていないのは気のせいでしょうか。
もしや”目立っている”や”堂々として”って、そう意味なのですか? がっくしです。
「ま、それでもオリンは前より今のほうが、ずいぶんマシだと思うぜ?」
「あたしもそう思う。実はあのときの実地訓練でオリンが”神隠し”に遭ってて、それで性格変わっちゃったんじゃないかって陰で噂されもしてたけど……こうして話した感じ、普通みたいだね。安心した」
「? その”神隠し”というのは……?」
聞き慣れない単語に、思わず聞き返していました。
「あれ? 知らない?」
「ええ、とんと」
そう返しますと、アーシアさんがわずかに走る速度を弛めました。
「あちゃ~。まずったね、こりゃ。訓練兵でまだ知らない人、いたんだ」
すぐに速度を戻して並走しつつ、アーシアさんは私の鼻先に指を突きつけてきました。
「この際だから、まあいっか。ちなみに、誰に聞かれたか尋ねられたときは、ランドルに聞いたって答えてね?」
「なんでだよっ!?」
「いい? これは誰にも言っちゃ駄目だよ?」
噂が広まる常套台詞ですね。
ランドルさんの抗議を完全無視して、アーシアさんが教えてくれました。
臨場感たっぷりで、まるで夏の恒例番組の怪談話でしたが、それはさて置き。
このアンカーレン城砦では、近頃、不可解な現象がたびたび起きているそうです。
なんでも、なんの前触れもなく人が消えてしまい、翌日には何事もなかったようにひょっこりと帰ってくるというものです。
どこにいたのか、なにをしていたのか。
体験した人にはその間の記憶がいっさいなく、それどころか性格まで豹変してしまう――付いた呼び名が”神隠し”。『神』にとっての風評被害です。
士官、下士官、兵士、軍属、果ては通りすがりの旅商人や食堂のおばちゃんと、職種や性別も問わず。
正確な人数までは把握されてないそうですが、その数は日ごとに増え続けて、今や百人に上るとも囁かれているとか。
終息を見せない事態に、当初は楽観視していた軍上部もついに重い腰を上げ、調査に乗り出したそうです。
つまり、私はそんな”神隠し”と勘違いされかけていたわけですね。
まあ、傍目にはある日突然、オリンさんの性格が変わったように見えたでしょうから、そう疑われるのも仕方のないことでしょう。
私が事実を隠したので、ある意味”神隠し”ではありますけれどね。
先ほど、エステラード教官の話にもあった”よからぬ噂”とは、このことでしたか。
なんのことか、気にはなっていたのですが。
「で、大きな声では言えないが、俺たち訓練兵の中にも被害は出てるんだ」
「ええっ、そうなんですか?」
「あれ見ろよ」
ランドルさんが、前方を顎でしゃくりました。
少し前を走る集団からひとり離れて、ぶつぶつ呟きながら走る訓練兵の青年がいます。
「あいつ、うるさいくらいに陽気な奴だったんだがよ。夜中に散歩に出ると言い残したまま、ふらっと姿を消して……翌朝に帰ってきたときには、もうあんな感じだった。意識ははっきりしてたんだけどよ、なにがあったか訊いても要領は得ないし……以来ずっと、あんなでよ。俺とは結構うまの合う奴だったんだ、参るぜ、ったく」
悔しそうに吐き捨てています。
身近でそんな由々しき事態が起こっていたとは。
彼の以前の人柄を知りませんでしたから、ああいう性格の人で照れ屋さんくらいにしか思わずに。
「あと、もうひとりね。こっちは、おそらくそう、くらいしかわからないんだけど……え~っと、いた。あの子ね、シロン」
シロンさん?
こちらも周囲から距離を置いて、ひとり寡黙に走っていました。
名前は初耳でしたが、私も見知っていた人物です。
体格がとても小さく華奢な子で、余計なお世話でしょうが、これでよく軍の厳しい訓練に付いていけるものだと感心した覚えがあります。
どうしてこんな子が兵士に、などとそういった逆の意味で、訓練の傍ら目についていました。
普段から引っ込み思案といいますか、終始顔を伏せがちでもじもじしています。声もぼそぼそとどもりがちです。
生来の性格でなく、これもまた”神隠し”によるものだったのでしょうか?
「あの子の場合は前から大人しかったから、どうなんだろ。でも、他は一緒。姿を消して、その間のことは覚えてないってさ。微妙だよね?」
それで、”おそらく”なわけですね。
軍への入隊は14歳の成人以降。16~7歳と思しきアーシアさんが”この子”扱いしていることからも、年齢は最年少かそれに近いくらいでしょう。
そんな歳で親元を離れてひとり頑張っているのに、不可解な事件に巻き込まれるとは、哀れでなりませんね。
シロンさんは、他の方々と走る歩幅も違うためか、懸命に足を踏み出しています。
「…………ふぅむ」
そんな姿を眺めていますと、ふと以前から抱いていた疑問が頭をもたげてきました。
この状況ではまったく関係ないのですが、この子はいったい男の子なのでしょうか女の子なのでしょうかね。
これ以上小さいサイズがなかったのか、だぼだぼの訓練服では外見での判断がつきません。
表情は幼く、どちらといわれても納得しそうです。
少年にしては声が甲高いように聞こえましたが、声変わりがまだな可能性もありますよね。
肩口程度に伸ばしたぼさぼさ髪も、身なりに無頓着だから男というのも暴論でしょうか。
「う~ん、微妙ですよね……」
「そう、微妙なんだよね……」
「は?」
「え?」
ああ、そうそう、”神隠し”のことでしたね。
「え? そ、そうですか?」
アーシアさんがどきりとすることを言ってきます。
「うん。前は、いっつもビクビクうじうじブツブツって陰気ーな感じだったけど、今はなんか余裕があって堂々としてる。別人みたい」
実際、別人ですし。
「なに、なんか心境の変化でもあった?」
心境どころか、外身からして変わっていますからね。
違って見えるのは当然かもしれません。
「ああ、たしかにそれはあるな。訓練にも積極的で目立ってるし、最近はダラダラもたもたグズグズしてないよな。前はそれでかなりイラッとしたもんだけど」
ランドルさんが追従します。
「ああ~、わかるわかる!」
いくら同期で忌憚なくとはいいましても、本人?を前に、おふたりとも開けっ広げすぎますね。
言葉のチョイスはともかくとして、多感な年ごろですから、他人の機微にも敏感なのでしょうけど。
しかしながら、オリンさんもこの酷評……ここでどういう生活を送っていたのでしょうね。
ここはせっかくの機会ですから、少しばかりオリンさんの評価を上げておきますか。
「私も、国に仕える兵士としての自覚が芽生えまして。心機一転しました」
自信を持って胸を張ります。
「でも、なんか空回りしている感はあるよなー。よくやらかして、鬼教官に雷落とされているし。ランニングに出たまま道間違って帰ってこなかったり、塹壕掘る訓練じゃあひとりだけ落とし穴みたいになってたし。その他もろもろ。この間も訓練用の模擬剣、素振りで何本も圧し折って大目玉喰らってなかったか?」
「そそ。座学の戦術論でも、ドヤ顔で”そこは正面突破です”とか言い張るし。魔物との遭遇戦での対処法は、”殲滅です”とか……あの鬼教官が口開けて固まってたわね。でさ、前に自信満々に言ってた”魔物を纏うと魔物ガードになります”ってなに? いまだに意味不明なんだけど」
おや。
私と入れ替わった後も、評価の傾向があまり変わっていないのは気のせいでしょうか。
もしや”目立っている”や”堂々として”って、そう意味なのですか? がっくしです。
「ま、それでもオリンは前より今のほうが、ずいぶんマシだと思うぜ?」
「あたしもそう思う。実はあのときの実地訓練でオリンが”神隠し”に遭ってて、それで性格変わっちゃったんじゃないかって陰で噂されもしてたけど……こうして話した感じ、普通みたいだね。安心した」
「? その”神隠し”というのは……?」
聞き慣れない単語に、思わず聞き返していました。
「あれ? 知らない?」
「ええ、とんと」
そう返しますと、アーシアさんがわずかに走る速度を弛めました。
「あちゃ~。まずったね、こりゃ。訓練兵でまだ知らない人、いたんだ」
すぐに速度を戻して並走しつつ、アーシアさんは私の鼻先に指を突きつけてきました。
「この際だから、まあいっか。ちなみに、誰に聞かれたか尋ねられたときは、ランドルに聞いたって答えてね?」
「なんでだよっ!?」
「いい? これは誰にも言っちゃ駄目だよ?」
噂が広まる常套台詞ですね。
ランドルさんの抗議を完全無視して、アーシアさんが教えてくれました。
臨場感たっぷりで、まるで夏の恒例番組の怪談話でしたが、それはさて置き。
このアンカーレン城砦では、近頃、不可解な現象がたびたび起きているそうです。
なんでも、なんの前触れもなく人が消えてしまい、翌日には何事もなかったようにひょっこりと帰ってくるというものです。
どこにいたのか、なにをしていたのか。
体験した人にはその間の記憶がいっさいなく、それどころか性格まで豹変してしまう――付いた呼び名が”神隠し”。『神』にとっての風評被害です。
士官、下士官、兵士、軍属、果ては通りすがりの旅商人や食堂のおばちゃんと、職種や性別も問わず。
正確な人数までは把握されてないそうですが、その数は日ごとに増え続けて、今や百人に上るとも囁かれているとか。
終息を見せない事態に、当初は楽観視していた軍上部もついに重い腰を上げ、調査に乗り出したそうです。
つまり、私はそんな”神隠し”と勘違いされかけていたわけですね。
まあ、傍目にはある日突然、オリンさんの性格が変わったように見えたでしょうから、そう疑われるのも仕方のないことでしょう。
私が事実を隠したので、ある意味”神隠し”ではありますけれどね。
先ほど、エステラード教官の話にもあった”よからぬ噂”とは、このことでしたか。
なんのことか、気にはなっていたのですが。
「で、大きな声では言えないが、俺たち訓練兵の中にも被害は出てるんだ」
「ええっ、そうなんですか?」
「あれ見ろよ」
ランドルさんが、前方を顎でしゃくりました。
少し前を走る集団からひとり離れて、ぶつぶつ呟きながら走る訓練兵の青年がいます。
「あいつ、うるさいくらいに陽気な奴だったんだがよ。夜中に散歩に出ると言い残したまま、ふらっと姿を消して……翌朝に帰ってきたときには、もうあんな感じだった。意識ははっきりしてたんだけどよ、なにがあったか訊いても要領は得ないし……以来ずっと、あんなでよ。俺とは結構うまの合う奴だったんだ、参るぜ、ったく」
悔しそうに吐き捨てています。
身近でそんな由々しき事態が起こっていたとは。
彼の以前の人柄を知りませんでしたから、ああいう性格の人で照れ屋さんくらいにしか思わずに。
「あと、もうひとりね。こっちは、おそらくそう、くらいしかわからないんだけど……え~っと、いた。あの子ね、シロン」
シロンさん?
こちらも周囲から距離を置いて、ひとり寡黙に走っていました。
名前は初耳でしたが、私も見知っていた人物です。
体格がとても小さく華奢な子で、余計なお世話でしょうが、これでよく軍の厳しい訓練に付いていけるものだと感心した覚えがあります。
どうしてこんな子が兵士に、などとそういった逆の意味で、訓練の傍ら目についていました。
普段から引っ込み思案といいますか、終始顔を伏せがちでもじもじしています。声もぼそぼそとどもりがちです。
生来の性格でなく、これもまた”神隠し”によるものだったのでしょうか?
「あの子の場合は前から大人しかったから、どうなんだろ。でも、他は一緒。姿を消して、その間のことは覚えてないってさ。微妙だよね?」
それで、”おそらく”なわけですね。
軍への入隊は14歳の成人以降。16~7歳と思しきアーシアさんが”この子”扱いしていることからも、年齢は最年少かそれに近いくらいでしょう。
そんな歳で親元を離れてひとり頑張っているのに、不可解な事件に巻き込まれるとは、哀れでなりませんね。
シロンさんは、他の方々と走る歩幅も違うためか、懸命に足を踏み出しています。
「…………ふぅむ」
そんな姿を眺めていますと、ふと以前から抱いていた疑問が頭をもたげてきました。
この状況ではまったく関係ないのですが、この子はいったい男の子なのでしょうか女の子なのでしょうかね。
これ以上小さいサイズがなかったのか、だぼだぼの訓練服では外見での判断がつきません。
表情は幼く、どちらといわれても納得しそうです。
少年にしては声が甲高いように聞こえましたが、声変わりがまだな可能性もありますよね。
肩口程度に伸ばしたぼさぼさ髪も、身なりに無頓着だから男というのも暴論でしょうか。
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