2 / 164
1巻
1-2
しおりを挟む
案内されたのは貴賓室で、格調高い家具と豪華な調度品が飾られた部屋でした。
テーブルには軽めの飲食物が用意されており、案内してくれた女中さんの話では、ここでしばし待機したあとに、あらためて個別の部屋に案内されるそうです。
その女中さんも礼儀正しくお辞儀したあとに退室していきまして、部屋には私たち四人だけが取り残されました。
扉の外には、同行してきた兵隊さんたちが待機しているのでしょうが、こうして四人が落ち着いた状況で話し合えるのは、こちらに来てから初めてのことです。
他の三名の様子はといいますと――
「あー、リアルメイドって初めて見た! カフェとかよりも、本物はちょっと地味めなのな!」
高校生の子はリラックスした感じで、さっそくソファーに横になり、テーブルのお菓子を齧っています。
「ちっ……やはりスマホは使えないか……」
ジャケットの男性は部屋の隅で携帯を弄りながら、ぶつぶつ呟いています。
霧崎さんは、すでに自己紹介を済ませた私に寄り添うように立っています。
せっかく得た機会ですし、この時間を有効活用しまして、話し合う必要があるでしょう。
それに、先ほど聞いた明日の魔王軍の大侵攻とやらも、伝えておかないといけませんし。
「皆さん、こうしてお会いしたのも、なにかの縁。よろしければ、自己紹介をしませんか?」
私はできる限り友好的に切り出してみました。
最近の若い方は、内向気味であると聞き及んでいます。こうしたことも、年長者の役目でしょう。
「ああ、巻き込まれ召喚のアンちゃん! だっせ、ウケる! ははははは」
巻き込まれ召喚?
なんでしょう、初めて耳にする言葉です。悪気はないようですが、小馬鹿にされた感はありますね。
少年はソファーで足をばたばたさせています。
最近の子が内向的という情報は、間違いだったのでしょうか。
「キミ! 目上の人に対して、そんな言い方はないんじゃない!?」
唖然とする私に代わって食ってかかったのは、霧崎さんでした。
「目上って、神官でレベル1なのに? 俺、勇者だし、目上っていうと俺のほうじゃねー?」
ソファーで寝転がってなおも大笑いする少年に、霧崎さんが詰め寄りますと――少年がぴたりと笑いをやめまして、ソファーから起き上がりました。
「あー、わりわり。マジになんないでよ。俺ってケーハクなんで、こんな感じだけどさ。別にアンタの彼氏を貶したつもりはねーんだよね。カンベンしてよ、聖女のねーちゃん」
「つ、付き合ってるわけじゃありません!」
霧崎さんは、顔を赤くして叫んでいました。
そりゃあ、こんなお祖父ちゃんと孫のような歳の差で、恋人扱いされたら怒りますよね。はは。
「そなの? どっちでもいいけどさ。イケメンのアンちゃんもカンベンな」
笑いながら、私は背中をバンバン叩かれました。
なんといいますか、とてもフレンドリーな子ですね。学生さんにしてみれば、こんなお爺ちゃんといってもいい私に。
イケメンとか、アンちゃんとか、言われたのも初めてですよ。
「自己紹介だっけ? んじゃ、ワビも兼ねて俺からな。田中詠希ね。高二の十六。ついさっきから勇者やってます、なんて。田中は平凡すぎて嫌いなんで、エイキって呼んでな」
「ははっ、詠希君ですね?」
「君とかいんねーから。カタカナふうにエイキで」
カタカナふうって。
面白い子ですね。詠希君――いえ、エイキでしたか。他人を下の名前で呼び捨てなど、これまでほとんどしたことないのですが、本人が望むのでしたら尊重しましょう。
「じゃあ次な。俺の次はそこのメガネ賢者ね」
「誰かメガネ賢者だ!? そもそもその流れで、なんで僕に振る!?」
ジャケットの青年が驚いていました。
私も今の流れでは、次は自分の番かと思っていたところです。
突拍子もないところは、若さゆえでしょうか。本当に楽しい子ですね。
「にしし。興味なさそうなふりしてたけど、やっぱ聞いてた。駄目でしょ、男で誘われ待ちとか?」
「誰がだ、このガキ! だから、ガキは嫌いなんだよ……ちっ、まあいい。鷹内顕司だ。二十三歳。個人投資家をやっている」
「賢者で顕司とか、ダブっててウケる」
「ほっとけ!」
「じゃあ皆、このメガネくんはケンちゃんで、よろしく」
「なんで最年長の僕がちゃん付けなんだ!?」
「えー? 普通、ファンタジーものなら名前呼びでしょ?」
「う、それには同意しないでもないが……でも、ちゃんはないだろう!」
「だって、賢者だよ? 勇者エイキみたいに、ケンジャケンジとか呼ばれると、ややこしくね?」
「賢者ケンちゃんとどう違う!?」
「あーもう、わがままだなぁ。じゃあ、ケンジャンで決定ということで」
「混ぜるな!」
ふたりはなおもぎゃあぎゃあと言い争っていましたが、最終的にはエイキが押し切りまして、あだ名は〝ケンジャン〟で決定したようです。
ただ、ケンジャンが諦めたというかたちでしたが。仲良きことはいいことですね。
疲れ果ててソファーに蹲るケンジャンと、テーブルの上で勝ち名乗りを上げるエイキを見まして、霧崎さんは若干苦笑していました。
「え~、では次。あたしということで……すごく自己紹介しにくい空気だけど。霧崎寧々です。大学三年の二十一歳です」
「聖女ネネちゃん?」
「この流れで名前呼びなのは諦めたけど、〝ちゃん〟はやめてね。あと、聖女も。お願いだから」
「んじゃ、ネネさんね」
おや。今度はエイキはあっさり引きましたね。
「ネネちゃんって言いにくいから、間違ってネーちゃんって呼んじゃいそーだし。ウチ、ひとつ上の姉貴がいてさ。昔、うっかりダチの前で〝ねーちゃん〟って大声で呼んで、甘えっ子ってからかわれたのがすっごい恥ずくてさ。トラウマなんだよねー」
なるほど。微笑ましいトラウマですね。
そんな些細なことを恥ずかしいと気にするあたりは年相応というべきでしょうか。
「……えっと、タクミさんもネネって呼んでくださいね。そういう空気みたいですから! ええ、他意はなく!」
「わかりました、ネネさん」
「……〝さん〟はいらないですよ?」
「それはちょっとご容赦ください。ははは」
さすがに、年頃の女性を名前で呼び捨てというのは抵抗があります。
年甲斐もなく照れてしまうではないですか。
「え~、では最後になってしまって恐縮ではありますが、私は斉木拓未と申します。六十歳、先日、定年を迎えまして今は無職です。よろしくお願いしますね」
私は頭を下げました。
「あははっ、やだなータクミさん。その設定、まだ引きずってたんですか? どう見ても、あたしと同じくらいですよね?」
「アンちゃん、つまんないって。そんな若作りの爺さん、いないっての」
「そうだな。六十歳のエルフです、とでも言ったほうが、まだウケが取れたものを」
「うっわ~……ケンジャン、そりゃないわー。絶望的につまんねー」
「なんだと!?」
エイキとケンジャン、おふたりのじゃれ合いは置いておくとして。
設定? 若作り? どういうことでしょう?
設定とは、ネネさんは謁見の間でも言われていましたね。
先ほどから皆さんの言動の端々に、違和感を覚えていたのですが……
考え込むときの癖で、顎のラインを指でなぞったとき――決定的な違和感がありました。
咄嗟に、自分の指を見ますと、そこにあるのは長年見慣れてきたものではありませんでした。
顎を触り直してみますが、それもまた違和感しかありません。
私の手は、肌は――いつからこんな皺ひとつなく若々しくなってしまったのでしょうか。
室内を見回しますと、暖炉の上に大きめの鏡が据えられていました。
私は慌てふためき、そこまで走ります。
走ってみまして、あまりの身軽さと躍動感に驚きました。
そういえば、もはや慣れ親しんでいた倦怠感を覚えなくなっていたのは、いつからでしょう。
持病だった腰痛は。膝のリウマチは。五十肩は。
覆い被さるように、両手を壁について向かい合った鏡に映し出されていたのは――
どう見ても、私の顔ではありませんでした。
ほぼ白髪で覆われ灰色っぽくなっていた頭髪は、黒く艶やかに変わっていまして、顔中に深く刻まれていたはずの皺は、すべてなくなってしまっています。
そこにいるのは――精悍そうな青年でした。
今朝、起床して洗面台で顔を洗ったときには、いつも通りだったはずです。
それがどうして別人の――
いえ、これは……
よくよく見ますと、この顔にはどこか見覚えがあります。
写真を残す習慣がなかったので、実に久しぶり――それこそ、四十年ぶりにお目にかかったのですが。
確かに、二十歳くらいの私の顔でした。
どうやら私は、神隠しに遭ったばかりか、若返ってしまっていたようです。
「どうしたの、タクミさん?」
ネネさんの言葉に、私は我に返りました。
突拍子もない行動に、心配をかけてしまったようですね。
「これは失敬。皆さん、お騒がせしまして、申し訳ありません」
どうやら、この四人の中で容姿が変わってしまったのは、私だけのようです。
他のお三方からは、そういった気配が窺えません。
これはもしや、先ほどのステータスで見た『神』という職業が関係しているのでしょうか。
ですが、異界だか異世界だかのこの混乱した状況下で、さらなる疑問を投じるのは下策というものでしょう。
今のところ、実害があるわけではないようですので、まだ黙っていたほうがいいでしょうね。
余計な混乱を避けるためにも、見た目の年相応の振る舞いに徹しないと。
「でも、アンちゃんが六十歳つっても、案外ポイかも。なんか妙に口調が丁寧ってか、古臭い感じするし」
鋭いですね、エイキ。
「言われてみると確かに。物腰がじじ臭いしな」
ケンジャンまで同意して……
おふたりとも、さっきまで喧嘩されてませんでしたか? こんなときだけ意気投合するのはどういうわけです?
「あたしも少しだけ……あ! あくまでいい意味でだからね、タクミさん! 田舎のおじーちゃんと話してるみたいで、あたしは好きってだけで! あたし、おじーちゃん子だったから!」
ああ、ネネさんまで。
「ネネちん、それってフォローできてないから」
「ええ、嘘!? って、ネネちんってなに!? あたしにはさん付けするんじゃなかったの?」
「しっくりこないからやめた」
「キミ、自由すぎだよ……」
これは言動を意識する必要がありそうですね。
中身は老体なのですが、老人らしくするなとは難儀なものですね。
もうちょっとフランクに喋るといいのでしょうか?
付け焼き刃では、すぐにボロが出てしまいそうですが……
いつの間にか、ネネさんも敬語が取れてしまったようですし、若い世代とはこんな感じなのでしょう。
見た目が同世代ぽいという、ネネさんの言葉にできるだけ倣ってみるとしますか。
「冗談はこのくらいにしといてさ、ちょっと話し合ってみないかい?」
「……アンちゃん、顔赤いけど」
そこは指摘しないでくださいね、エイキ。
慣れない喋り方は恥ずかしいんですよ、実際。
やっぱり、無理はするなということですね。
やめておきましょう。人間、自然が一番ですよね。
「さっきお城の兵隊さんに聞いたのですが……皆さん、心を静め、落ち着いて聞いてくださいね。なんと明日、魔王軍とやらが攻めてくるそうです。彼らはそこで、私たちを戦わせようとしています……これは危機的状況ですよ」
「へっ! さっそくのバトルイベントかよ、燃える!」
「ふっ、この大賢者の実力を示してくれよう……まさか、ゲームではなく、本物の魔法が使える日がくるとはな、楽しみだ」
……おや? 想定していた反応と違うのですが。
「相手の軍勢は、こちらの十倍もの大軍らしいのですが」
「十倍! いいね、いいねー。大規模バトル!」
「ほほう? ここは我が戦略級大魔法の出番のようだな」
エイキがはしゃぐ一方で、ケンジャンは私以上に言動がおかしくなっていませんか? 〝我が〟ってなんです?
「はっ! もしや、おふたりには戦闘経験が……?」
「昔、少しヤンチャしてたくらい?」
「ないな。運動は苦手だ」
ああ、なんて根拠のない自信なのでしょう。
近代兵器のない戦争は数の勝負。複数人に前後から挟まれただけでも、並の人では簡単に負けてしまうというのに、それが武器を持った十倍の数ですよ?
こちらが千人いたとしまして、私たちを加えても千四人対一万人。どう考えても勝てるわけないでしょう。
「タクミさん、あたしどうしよう……? 勝てるわけないよ、そんなの……」
ネネさんが私の服の裾を掴んで震えています。
そう、こちらのほうが当然の反応なのですよね。
「なに、ビビッてんの? ネネちん、大丈夫だって!」
エイキはどこまでもポジティブです。
しかしこれは、単なる楽観の類でしょう。
安易な思考は身を滅ぼします。褒められたものではありません。
「なんだよ、アンちゃんまで渋い顔しちゃってさー。まあいいや、だったら見せてやるから。この勇者の力をさー」
エイキは私とネネさんの間に割り込み、それぞれの腕を取りました。
「ステータス、オープン!」
エイキが叫んだことにより、魔法で彼のステータスが空中に現われます。
通常と違うのは、彼のステータスなのに、私にも見えているところです。
「驚いた? さっき、魔術師のおっさんに聞いたんだけど、ステータスって相手に触ってると見えるらしいんだよねー。ほら、見てよ。俺のステータス」
レベル42
HP 3200
MP 1930
ATK 780
DEF 694
INT 428
AGL 596
職業 勇者
「へへん、どう?」
「あのー、このHPやATKというのは……?」
「うわ、マジ? そっから? アンちゃん、どこの蛮族出よ?」
そう言いつつも、エイキは丁寧に教えてくれました。
HPは体力、MPは魔力、ATKは攻撃力、DEFは防御力、INTは賢さ、AGLは素早さの英語の略で、ゲーム用語らしいです。
若者には一般常識らしく、ネネさんも知っていました。
つまり、彼らにとってここでの出来事は、現実にもかかわらず、まさしくゲーム感覚なのでしょう。
「でさ、ここでの平均レベルって、一般兵でも20くらいで、パラメータの平均値は100以下なんだってさ。相手の魔物だとせいぜい70以下。ね? これだったら、十倍くらいの数相手でも余裕でしょ?」
うーん。そんな安易なものなのでしょうか?
数値が十倍なら十倍の数に対応できる、という単純なものでもないような気がしますが……
「ついでだから、ネネちんのステータスも見せてよ!」
「え、あたしのも? じゃあ……」
レベル51
HP 2023
MP 5230
ATK 130
DEF 261
INT 830
AGL 356
職業 聖女
「うっわ、レベル高っ! でも、全体的にパラメータ低めなのは、スキルで補うタイプなんかなー? ほら、ケンジャンもボッチしてないで見せてよ」
「ふふん? そうか、どうしても見たいなら仕方ないな……」
「出たよ、誘われ待ち。うっざ」
「なんだと!」
「あー、冗談冗談。ごめんて」
「……ちっ。寛大な僕に感謝しろよ。見ろ」
なんだかんだで、結局は見せるんですね。
……見てもらいたかったんですね、ケンジャン。
レベル40
HP 1502
MP 8900
ATK 89
DEF 112
INT 980
AGL 279
職業 賢者
「ケンジャンさんは、見事に魔法特化型なんですね……」
「叡智を極めし賢者だからな、僕は」
「でもさ、レベル一番低いし、女に身体パラメータ負けてるってのもどーよ?」
「うるさい! 賢者だからいいんだよ!」
「やっぱ勇者が一番だね。主役だし」
「勇者が主役だと誰が決めた!?」
「ちょ、ふたりとも、やめてよ! くっついてる状態で暴れないで!」
皆さん、仲いいですね。
私はずっと置いてけぼりですよ。全然ついていけていません。
「あの……」
私は手を挙げてみました。
「私もステータス、ですか。見てもらってもいいでしょうか?」
この際です。こうして実際に見せ合えるのでしたら、私よりもその道に詳しい人たちに判断を仰ぐのが正解かもしれません。
専門知識のない私では、どうせひとりで悩んでいても、答えなど出ないのですから。
申し出たのですが、三者三様に反応は微妙でした。
「うーん、でもアンちゃん。レベル1だよねえ。今さらそんなの見ても、シラけるっていうか……ねえ?」
「僕も興味はないな」
「あの、あたしも自慢するみたいで気が引けるというか……ごめんなさいっ!」
ネネさんにいたっては、謝られてしまいました。
無理強いできることでもありませんし、仕方ありませんね。
――こんこんっ。
「失礼いたします」
私たちのいる貴賓室のドアがノックされました。
どうやら、時間となってしまったようですね。
まず、たくさんの勲章をつけた制服姿の恰幅のいい方々がやってきまして、エイキを連れ出してしまいました。
「じゃね、皆~。またあとでー!」
エイキは手をひらひらと振りながら、陽気に去っていきました。
次に入室してきたのは、先ほども会った宮廷魔術師の方です。
背後に同じような外套を身に着けた人々を控えさせています。
「……ふん」
ケンジャンは、こちらを一瞥しただけで行ってしまいました。
最後に入ってきたのは、白衣に金刺繍という神聖な感じのする身綺麗な集団でした。
一見して、神に仕える聖職者であろうことは私にも見て取れます。
その集団はネネさんを取り囲みまして、祈るポーズで彼女の足元にひれ伏しています。
「ネネさん、大丈夫ですよ。皆さん、お優しそうな方々ばかりですから。またのちほどお会いしましょう」
ネネさんがどうしたものかと縋る視線を向けてきましたので、私のほうから声をかけました。
少しはお力になれたようで、ネネさんの顔に笑みが浮かびます。
小さく手を振って退出していくネネさんに、私もまた手を振って応えました。
大勢の人々がやってきては去り、とうとう室内には私と戻ってきた女中さんのふたりだけになってしまいました。
私は、どうしたらよいのでしょうね?
「奥に寝室もございますので、ご自由にお使いください。では、失礼いたします」
私が問いかけようとする前に、事務的な口調で女中さんはそう告げますと、さっさと退出してしまいました。
どうやら、ここでも私は置いてけぼりのようですね。
レベルでしたっけ。役に立たない者は必要ない、ということでしょうか。
勝手に連れてきておきながら、重ねて勝手なものです。
身体が若返っていますから驚くほど疲れはありませんが、精神的には疲れました。
気疲れというやつですね。
六十年も生きてきまして、これほど波乱に満ちた日は初めてですよ。
「ステータス、オープン」
私はソファーに座り、唱えてみました。
すぐにまた、ステータス画面が目の前に表示されます。何度見ても不思議なものです。
レベル1
HP 999999
MP 999999
ATK 99999
DEF 99999
INT 99999
AGL 99999
職業 神
皆さんと違い、9が並んでいるのはどう解釈すればいいのでしょうか?
レベルの数を重要視されていたみたいですから、レベルが1の私は皆さんより能力が低いことはわかるのですが……
難しいものですね。
テーブルには軽めの飲食物が用意されており、案内してくれた女中さんの話では、ここでしばし待機したあとに、あらためて個別の部屋に案内されるそうです。
その女中さんも礼儀正しくお辞儀したあとに退室していきまして、部屋には私たち四人だけが取り残されました。
扉の外には、同行してきた兵隊さんたちが待機しているのでしょうが、こうして四人が落ち着いた状況で話し合えるのは、こちらに来てから初めてのことです。
他の三名の様子はといいますと――
「あー、リアルメイドって初めて見た! カフェとかよりも、本物はちょっと地味めなのな!」
高校生の子はリラックスした感じで、さっそくソファーに横になり、テーブルのお菓子を齧っています。
「ちっ……やはりスマホは使えないか……」
ジャケットの男性は部屋の隅で携帯を弄りながら、ぶつぶつ呟いています。
霧崎さんは、すでに自己紹介を済ませた私に寄り添うように立っています。
せっかく得た機会ですし、この時間を有効活用しまして、話し合う必要があるでしょう。
それに、先ほど聞いた明日の魔王軍の大侵攻とやらも、伝えておかないといけませんし。
「皆さん、こうしてお会いしたのも、なにかの縁。よろしければ、自己紹介をしませんか?」
私はできる限り友好的に切り出してみました。
最近の若い方は、内向気味であると聞き及んでいます。こうしたことも、年長者の役目でしょう。
「ああ、巻き込まれ召喚のアンちゃん! だっせ、ウケる! ははははは」
巻き込まれ召喚?
なんでしょう、初めて耳にする言葉です。悪気はないようですが、小馬鹿にされた感はありますね。
少年はソファーで足をばたばたさせています。
最近の子が内向的という情報は、間違いだったのでしょうか。
「キミ! 目上の人に対して、そんな言い方はないんじゃない!?」
唖然とする私に代わって食ってかかったのは、霧崎さんでした。
「目上って、神官でレベル1なのに? 俺、勇者だし、目上っていうと俺のほうじゃねー?」
ソファーで寝転がってなおも大笑いする少年に、霧崎さんが詰め寄りますと――少年がぴたりと笑いをやめまして、ソファーから起き上がりました。
「あー、わりわり。マジになんないでよ。俺ってケーハクなんで、こんな感じだけどさ。別にアンタの彼氏を貶したつもりはねーんだよね。カンベンしてよ、聖女のねーちゃん」
「つ、付き合ってるわけじゃありません!」
霧崎さんは、顔を赤くして叫んでいました。
そりゃあ、こんなお祖父ちゃんと孫のような歳の差で、恋人扱いされたら怒りますよね。はは。
「そなの? どっちでもいいけどさ。イケメンのアンちゃんもカンベンな」
笑いながら、私は背中をバンバン叩かれました。
なんといいますか、とてもフレンドリーな子ですね。学生さんにしてみれば、こんなお爺ちゃんといってもいい私に。
イケメンとか、アンちゃんとか、言われたのも初めてですよ。
「自己紹介だっけ? んじゃ、ワビも兼ねて俺からな。田中詠希ね。高二の十六。ついさっきから勇者やってます、なんて。田中は平凡すぎて嫌いなんで、エイキって呼んでな」
「ははっ、詠希君ですね?」
「君とかいんねーから。カタカナふうにエイキで」
カタカナふうって。
面白い子ですね。詠希君――いえ、エイキでしたか。他人を下の名前で呼び捨てなど、これまでほとんどしたことないのですが、本人が望むのでしたら尊重しましょう。
「じゃあ次な。俺の次はそこのメガネ賢者ね」
「誰かメガネ賢者だ!? そもそもその流れで、なんで僕に振る!?」
ジャケットの青年が驚いていました。
私も今の流れでは、次は自分の番かと思っていたところです。
突拍子もないところは、若さゆえでしょうか。本当に楽しい子ですね。
「にしし。興味なさそうなふりしてたけど、やっぱ聞いてた。駄目でしょ、男で誘われ待ちとか?」
「誰がだ、このガキ! だから、ガキは嫌いなんだよ……ちっ、まあいい。鷹内顕司だ。二十三歳。個人投資家をやっている」
「賢者で顕司とか、ダブっててウケる」
「ほっとけ!」
「じゃあ皆、このメガネくんはケンちゃんで、よろしく」
「なんで最年長の僕がちゃん付けなんだ!?」
「えー? 普通、ファンタジーものなら名前呼びでしょ?」
「う、それには同意しないでもないが……でも、ちゃんはないだろう!」
「だって、賢者だよ? 勇者エイキみたいに、ケンジャケンジとか呼ばれると、ややこしくね?」
「賢者ケンちゃんとどう違う!?」
「あーもう、わがままだなぁ。じゃあ、ケンジャンで決定ということで」
「混ぜるな!」
ふたりはなおもぎゃあぎゃあと言い争っていましたが、最終的にはエイキが押し切りまして、あだ名は〝ケンジャン〟で決定したようです。
ただ、ケンジャンが諦めたというかたちでしたが。仲良きことはいいことですね。
疲れ果ててソファーに蹲るケンジャンと、テーブルの上で勝ち名乗りを上げるエイキを見まして、霧崎さんは若干苦笑していました。
「え~、では次。あたしということで……すごく自己紹介しにくい空気だけど。霧崎寧々です。大学三年の二十一歳です」
「聖女ネネちゃん?」
「この流れで名前呼びなのは諦めたけど、〝ちゃん〟はやめてね。あと、聖女も。お願いだから」
「んじゃ、ネネさんね」
おや。今度はエイキはあっさり引きましたね。
「ネネちゃんって言いにくいから、間違ってネーちゃんって呼んじゃいそーだし。ウチ、ひとつ上の姉貴がいてさ。昔、うっかりダチの前で〝ねーちゃん〟って大声で呼んで、甘えっ子ってからかわれたのがすっごい恥ずくてさ。トラウマなんだよねー」
なるほど。微笑ましいトラウマですね。
そんな些細なことを恥ずかしいと気にするあたりは年相応というべきでしょうか。
「……えっと、タクミさんもネネって呼んでくださいね。そういう空気みたいですから! ええ、他意はなく!」
「わかりました、ネネさん」
「……〝さん〟はいらないですよ?」
「それはちょっとご容赦ください。ははは」
さすがに、年頃の女性を名前で呼び捨てというのは抵抗があります。
年甲斐もなく照れてしまうではないですか。
「え~、では最後になってしまって恐縮ではありますが、私は斉木拓未と申します。六十歳、先日、定年を迎えまして今は無職です。よろしくお願いしますね」
私は頭を下げました。
「あははっ、やだなータクミさん。その設定、まだ引きずってたんですか? どう見ても、あたしと同じくらいですよね?」
「アンちゃん、つまんないって。そんな若作りの爺さん、いないっての」
「そうだな。六十歳のエルフです、とでも言ったほうが、まだウケが取れたものを」
「うっわ~……ケンジャン、そりゃないわー。絶望的につまんねー」
「なんだと!?」
エイキとケンジャン、おふたりのじゃれ合いは置いておくとして。
設定? 若作り? どういうことでしょう?
設定とは、ネネさんは謁見の間でも言われていましたね。
先ほどから皆さんの言動の端々に、違和感を覚えていたのですが……
考え込むときの癖で、顎のラインを指でなぞったとき――決定的な違和感がありました。
咄嗟に、自分の指を見ますと、そこにあるのは長年見慣れてきたものではありませんでした。
顎を触り直してみますが、それもまた違和感しかありません。
私の手は、肌は――いつからこんな皺ひとつなく若々しくなってしまったのでしょうか。
室内を見回しますと、暖炉の上に大きめの鏡が据えられていました。
私は慌てふためき、そこまで走ります。
走ってみまして、あまりの身軽さと躍動感に驚きました。
そういえば、もはや慣れ親しんでいた倦怠感を覚えなくなっていたのは、いつからでしょう。
持病だった腰痛は。膝のリウマチは。五十肩は。
覆い被さるように、両手を壁について向かい合った鏡に映し出されていたのは――
どう見ても、私の顔ではありませんでした。
ほぼ白髪で覆われ灰色っぽくなっていた頭髪は、黒く艶やかに変わっていまして、顔中に深く刻まれていたはずの皺は、すべてなくなってしまっています。
そこにいるのは――精悍そうな青年でした。
今朝、起床して洗面台で顔を洗ったときには、いつも通りだったはずです。
それがどうして別人の――
いえ、これは……
よくよく見ますと、この顔にはどこか見覚えがあります。
写真を残す習慣がなかったので、実に久しぶり――それこそ、四十年ぶりにお目にかかったのですが。
確かに、二十歳くらいの私の顔でした。
どうやら私は、神隠しに遭ったばかりか、若返ってしまっていたようです。
「どうしたの、タクミさん?」
ネネさんの言葉に、私は我に返りました。
突拍子もない行動に、心配をかけてしまったようですね。
「これは失敬。皆さん、お騒がせしまして、申し訳ありません」
どうやら、この四人の中で容姿が変わってしまったのは、私だけのようです。
他のお三方からは、そういった気配が窺えません。
これはもしや、先ほどのステータスで見た『神』という職業が関係しているのでしょうか。
ですが、異界だか異世界だかのこの混乱した状況下で、さらなる疑問を投じるのは下策というものでしょう。
今のところ、実害があるわけではないようですので、まだ黙っていたほうがいいでしょうね。
余計な混乱を避けるためにも、見た目の年相応の振る舞いに徹しないと。
「でも、アンちゃんが六十歳つっても、案外ポイかも。なんか妙に口調が丁寧ってか、古臭い感じするし」
鋭いですね、エイキ。
「言われてみると確かに。物腰がじじ臭いしな」
ケンジャンまで同意して……
おふたりとも、さっきまで喧嘩されてませんでしたか? こんなときだけ意気投合するのはどういうわけです?
「あたしも少しだけ……あ! あくまでいい意味でだからね、タクミさん! 田舎のおじーちゃんと話してるみたいで、あたしは好きってだけで! あたし、おじーちゃん子だったから!」
ああ、ネネさんまで。
「ネネちん、それってフォローできてないから」
「ええ、嘘!? って、ネネちんってなに!? あたしにはさん付けするんじゃなかったの?」
「しっくりこないからやめた」
「キミ、自由すぎだよ……」
これは言動を意識する必要がありそうですね。
中身は老体なのですが、老人らしくするなとは難儀なものですね。
もうちょっとフランクに喋るといいのでしょうか?
付け焼き刃では、すぐにボロが出てしまいそうですが……
いつの間にか、ネネさんも敬語が取れてしまったようですし、若い世代とはこんな感じなのでしょう。
見た目が同世代ぽいという、ネネさんの言葉にできるだけ倣ってみるとしますか。
「冗談はこのくらいにしといてさ、ちょっと話し合ってみないかい?」
「……アンちゃん、顔赤いけど」
そこは指摘しないでくださいね、エイキ。
慣れない喋り方は恥ずかしいんですよ、実際。
やっぱり、無理はするなということですね。
やめておきましょう。人間、自然が一番ですよね。
「さっきお城の兵隊さんに聞いたのですが……皆さん、心を静め、落ち着いて聞いてくださいね。なんと明日、魔王軍とやらが攻めてくるそうです。彼らはそこで、私たちを戦わせようとしています……これは危機的状況ですよ」
「へっ! さっそくのバトルイベントかよ、燃える!」
「ふっ、この大賢者の実力を示してくれよう……まさか、ゲームではなく、本物の魔法が使える日がくるとはな、楽しみだ」
……おや? 想定していた反応と違うのですが。
「相手の軍勢は、こちらの十倍もの大軍らしいのですが」
「十倍! いいね、いいねー。大規模バトル!」
「ほほう? ここは我が戦略級大魔法の出番のようだな」
エイキがはしゃぐ一方で、ケンジャンは私以上に言動がおかしくなっていませんか? 〝我が〟ってなんです?
「はっ! もしや、おふたりには戦闘経験が……?」
「昔、少しヤンチャしてたくらい?」
「ないな。運動は苦手だ」
ああ、なんて根拠のない自信なのでしょう。
近代兵器のない戦争は数の勝負。複数人に前後から挟まれただけでも、並の人では簡単に負けてしまうというのに、それが武器を持った十倍の数ですよ?
こちらが千人いたとしまして、私たちを加えても千四人対一万人。どう考えても勝てるわけないでしょう。
「タクミさん、あたしどうしよう……? 勝てるわけないよ、そんなの……」
ネネさんが私の服の裾を掴んで震えています。
そう、こちらのほうが当然の反応なのですよね。
「なに、ビビッてんの? ネネちん、大丈夫だって!」
エイキはどこまでもポジティブです。
しかしこれは、単なる楽観の類でしょう。
安易な思考は身を滅ぼします。褒められたものではありません。
「なんだよ、アンちゃんまで渋い顔しちゃってさー。まあいいや、だったら見せてやるから。この勇者の力をさー」
エイキは私とネネさんの間に割り込み、それぞれの腕を取りました。
「ステータス、オープン!」
エイキが叫んだことにより、魔法で彼のステータスが空中に現われます。
通常と違うのは、彼のステータスなのに、私にも見えているところです。
「驚いた? さっき、魔術師のおっさんに聞いたんだけど、ステータスって相手に触ってると見えるらしいんだよねー。ほら、見てよ。俺のステータス」
レベル42
HP 3200
MP 1930
ATK 780
DEF 694
INT 428
AGL 596
職業 勇者
「へへん、どう?」
「あのー、このHPやATKというのは……?」
「うわ、マジ? そっから? アンちゃん、どこの蛮族出よ?」
そう言いつつも、エイキは丁寧に教えてくれました。
HPは体力、MPは魔力、ATKは攻撃力、DEFは防御力、INTは賢さ、AGLは素早さの英語の略で、ゲーム用語らしいです。
若者には一般常識らしく、ネネさんも知っていました。
つまり、彼らにとってここでの出来事は、現実にもかかわらず、まさしくゲーム感覚なのでしょう。
「でさ、ここでの平均レベルって、一般兵でも20くらいで、パラメータの平均値は100以下なんだってさ。相手の魔物だとせいぜい70以下。ね? これだったら、十倍くらいの数相手でも余裕でしょ?」
うーん。そんな安易なものなのでしょうか?
数値が十倍なら十倍の数に対応できる、という単純なものでもないような気がしますが……
「ついでだから、ネネちんのステータスも見せてよ!」
「え、あたしのも? じゃあ……」
レベル51
HP 2023
MP 5230
ATK 130
DEF 261
INT 830
AGL 356
職業 聖女
「うっわ、レベル高っ! でも、全体的にパラメータ低めなのは、スキルで補うタイプなんかなー? ほら、ケンジャンもボッチしてないで見せてよ」
「ふふん? そうか、どうしても見たいなら仕方ないな……」
「出たよ、誘われ待ち。うっざ」
「なんだと!」
「あー、冗談冗談。ごめんて」
「……ちっ。寛大な僕に感謝しろよ。見ろ」
なんだかんだで、結局は見せるんですね。
……見てもらいたかったんですね、ケンジャン。
レベル40
HP 1502
MP 8900
ATK 89
DEF 112
INT 980
AGL 279
職業 賢者
「ケンジャンさんは、見事に魔法特化型なんですね……」
「叡智を極めし賢者だからな、僕は」
「でもさ、レベル一番低いし、女に身体パラメータ負けてるってのもどーよ?」
「うるさい! 賢者だからいいんだよ!」
「やっぱ勇者が一番だね。主役だし」
「勇者が主役だと誰が決めた!?」
「ちょ、ふたりとも、やめてよ! くっついてる状態で暴れないで!」
皆さん、仲いいですね。
私はずっと置いてけぼりですよ。全然ついていけていません。
「あの……」
私は手を挙げてみました。
「私もステータス、ですか。見てもらってもいいでしょうか?」
この際です。こうして実際に見せ合えるのでしたら、私よりもその道に詳しい人たちに判断を仰ぐのが正解かもしれません。
専門知識のない私では、どうせひとりで悩んでいても、答えなど出ないのですから。
申し出たのですが、三者三様に反応は微妙でした。
「うーん、でもアンちゃん。レベル1だよねえ。今さらそんなの見ても、シラけるっていうか……ねえ?」
「僕も興味はないな」
「あの、あたしも自慢するみたいで気が引けるというか……ごめんなさいっ!」
ネネさんにいたっては、謝られてしまいました。
無理強いできることでもありませんし、仕方ありませんね。
――こんこんっ。
「失礼いたします」
私たちのいる貴賓室のドアがノックされました。
どうやら、時間となってしまったようですね。
まず、たくさんの勲章をつけた制服姿の恰幅のいい方々がやってきまして、エイキを連れ出してしまいました。
「じゃね、皆~。またあとでー!」
エイキは手をひらひらと振りながら、陽気に去っていきました。
次に入室してきたのは、先ほども会った宮廷魔術師の方です。
背後に同じような外套を身に着けた人々を控えさせています。
「……ふん」
ケンジャンは、こちらを一瞥しただけで行ってしまいました。
最後に入ってきたのは、白衣に金刺繍という神聖な感じのする身綺麗な集団でした。
一見して、神に仕える聖職者であろうことは私にも見て取れます。
その集団はネネさんを取り囲みまして、祈るポーズで彼女の足元にひれ伏しています。
「ネネさん、大丈夫ですよ。皆さん、お優しそうな方々ばかりですから。またのちほどお会いしましょう」
ネネさんがどうしたものかと縋る視線を向けてきましたので、私のほうから声をかけました。
少しはお力になれたようで、ネネさんの顔に笑みが浮かびます。
小さく手を振って退出していくネネさんに、私もまた手を振って応えました。
大勢の人々がやってきては去り、とうとう室内には私と戻ってきた女中さんのふたりだけになってしまいました。
私は、どうしたらよいのでしょうね?
「奥に寝室もございますので、ご自由にお使いください。では、失礼いたします」
私が問いかけようとする前に、事務的な口調で女中さんはそう告げますと、さっさと退出してしまいました。
どうやら、ここでも私は置いてけぼりのようですね。
レベルでしたっけ。役に立たない者は必要ない、ということでしょうか。
勝手に連れてきておきながら、重ねて勝手なものです。
身体が若返っていますから驚くほど疲れはありませんが、精神的には疲れました。
気疲れというやつですね。
六十年も生きてきまして、これほど波乱に満ちた日は初めてですよ。
「ステータス、オープン」
私はソファーに座り、唱えてみました。
すぐにまた、ステータス画面が目の前に表示されます。何度見ても不思議なものです。
レベル1
HP 999999
MP 999999
ATK 99999
DEF 99999
INT 99999
AGL 99999
職業 神
皆さんと違い、9が並んでいるのはどう解釈すればいいのでしょうか?
レベルの数を重要視されていたみたいですから、レベルが1の私は皆さんより能力が低いことはわかるのですが……
難しいものですね。
70
お気に入りに追加
13,730
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは

聖女業に飽きて喫茶店開いたんだけど、追放を言い渡されたので辺境に移り住みます!【完結】
青緑
ファンタジー
聖女が喫茶店を開くけど、追放されて辺境に移り住んだ物語と、聖女のいない王都。
———————————————
物語内のノーラとデイジーは同一人物です。
王都の小話は追記予定。
修正を入れることがあるかもしれませんが、作品・物語自体は完結です。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。

月が導く異世界道中extra
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。