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第十一章
一家で野営中です
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定刻通り、翌日の昼過ぎに叔父さん率いる俺たち一行は出発した。
現代日本で、家族旅行というものは和気藹々とお喋りでもして風景を愛で、軽く飲食を摂りつつ――というものだろうが、さすがに異世界でそこまで望むのは無理だった。
なにぶん、距離が長い割に手段が限られているので、道中はもっぱら移動自体に専念しないといけない。
俺は疾風丸に跨って風の魔法石の制御中だ。
初めてで慣れない道の上、進むのは道なき道なので、ハンドル捌きにも慎重な注意が必要だった。
「うおー! はおー!」
そんなこちらの事情はお構いなしに、俺の股の間に座って、ずっとご機嫌なのはリオちゃんだ。
シートの前部を陣取りつつ、出発時からずっと手足をばたつかせて奇声を上げている。
時折、遠吠えまでしているのは獣人の血か、まさにハイテンション。
家族一緒でのお出かけだからか、単に疾風丸に乗せてもらっているからか、はたまた1年ぶりの里帰りゆえか、あるいはその全部なのか……なんにせよ、よほど嬉しいらしい。
その疾風丸を挟んで、リィズさんと叔父が併走している。
現在の疾風丸のスピードメーターが示す速度は時速80キロ。それに平然と付いてこれるふたりの脚力には、元からわかってはいても唖然とするしかない。
リィズさんは背中にかなり大きいリュックを背負っている。縦横1メートルはありそうな、登山用のものだ。
昨年まではリオちゃんを背負っていたそうなので、今年は荷物を持っていけて助かると、リィズさんが密かに喜んでいるのを目にしたのだが、あの大荷物いったいなにが入っているのやら。
叔父に至っては、鎧こそ着ていないものの、脅威の大鉈・惨殺丸を肩に担いで持参している。
推定重量200~300キロ? トライアスロンというより拷問のような気もするが、叔父は慣れた様子で涼しい顔だ。
1歩ごとの足跡が地面にめり込んでいるので、万有引力の法則は等しく生じているらしい。
俺としては、できれば重力制御の特殊能力くらいでも持っていてくれたほうが納得できそうなものだが、そんなものはないらしい。
白木家の先祖の血には鬼神でも混じっていたのだろうかと本気で思うようになってきた今日この頃である。
「よーし、だいぶ日も暮れてきたし、今日はこの辺で野営するか!」
叔父の号令のもと、一行が停止したのは出発から5時間ほども経った頃だった。
運転に集中していたせいで意外にあっという間に感じたが、確かに見慣れぬ風景の中の山脈に、日が落ちかけてきている。
足を止めた叔父とリィズさんに、呼吸の乱れらしきものはない。
あっても、ほんのジョギング程度に息が弾むくらいだろう。
(いやいや、どういう体力なの!)
どちらかというと、俺のほうが息切れしていた。
実際に身体こそ動かしていないものの、長時間の運転は、風の魔法石の制御も相まって、精神的のみならず体力的にも結構疲弊する。
身体強化の魔石と風精霊のシルフィのサポートがあった上でこの有様だけに、自力では早々に根を上げていた自信がある。
「シルフィ、お疲れさま」
人差し指を立てると、シルフィが指の周りを楽しそうにくるくると回っていた。
「リオちゃんもお疲れさま」
そのリオちゃんは、疾風丸の座席ですでに寝入っている。
無理もないけど、あのテンションは1時間ほどで力尽きた。その後はずっと夢の中の人である。
俺が疾風丸の整備、というか泥落としを行なっていると、野営用の天幕を張っていた叔父の作業も終わったようだ。
相変わらずの見かけによらない叔父の几帳面さ。寸分違わず正方形に打ち込まれた杭はもとより、ロープの張り具合さえ妥協がない。なんて、精確無比なシンメトリー。ここまでやるかとちょっと引く。
リィズさんもそれがわかっているのか、天幕についてはいっさい口も手も出さない。リィズさんはリィズさんで、黙々と調理の準備を行なっていた。
例のリュックから、一抱えはありそうな中華鍋が登場したときには、さすがに驚いた。次いで出てくる出てくる、調味料や調理器具の数々。
おそらくリュックの中身は、ほぼすべてこれらで占められていた模様。こちらはこちらで、野営であろうとも料理に手を抜くつもりは微塵もないらしい。
ああ、なんて似た者夫婦。
「じゃあ、飯の用意だ。二手に別れて食材探しな!」
「あーい」
いつの間にか、リオちゃんも復帰していた。
返事はしたもののまだ寝ぼけ眼なので、『飯』の言葉に反応しただけらしい。
「りお、おなかへった。おにくがいいー」
盛大な欠伸交じりに、リオちゃんが言う。
「よっし! んじゃ、獲物狩り班と、付け合わせの前菜採り班に別れるか。秋人とリオは俺と同行な!」
「えっ! 俺、狩りはちょっと……できれば、採取班のほうがいいかなぁ」
叔父の狩りとなると、シラキ屋での魔獣素材の前例がある。血みどろでドロドロの壮絶な様相になりそうなことは容易に想像できた。
君子危うきに近寄らず、できれば避けておきたい。
「ん? だから俺のほうだろ? 狩りはそこに、専門家がいるだろうーが」
叔父が親指でちょいちょいと示すほうに目を向けると――迷彩ジャケットに、束ねたロープを肩に掛け、腰の厚手のベルトには各種ハンティンググッズを備えての完全武装。大型ナイフを口に咥えて、邪魔にならないように髪を結わえている最中のリィズさんがいた。
表情はいつも通り穏やかでにこやかなのに、心なしか瞳の奥が異様に輝いているようにも見える。
なんというか、楽しそうな。
「うん、了解」
妙に説得力があったので、それ以上は突っ込まないことにした。
結局、リィズさんが単独、叔父・俺・リオちゃんの3人が連れ立って、近場の森に足を踏み入れることになった。
森の奥からリィズさんっぽい声色の、雄叫びというか遠吠えが聞こえた気がしたが、聞こえなかったことにした。
「秋人、それとそれとそれは食える。そのキノコも摘んどけよ。あ、そっちは我慢するとなんとかイケる」
「……我慢しないと食べられないのは、やめとこうよ」
さすがは元冒険者。叔父はサバイバル経験も豊富で、指示も的確だった。
知識さえあれば、自然は野生の食材の宝庫で、持参した籠は瞬く間に多種多様な食材でいっぱいになった。
「ま、こんなもんだろ。そろそろ戻るか」
「そうだね。リオりゃん、帰るよー」
「あーい」
食材を集めるというより、その辺の気になるものを収集していたリオちゃんが、なにやら大きな物体を抱えて戻ってきた。
「りお、みつけたー」
その物体は、リオちゃんがどうにか持ち上げられるくらいの、一抱えもある大きな卵だった。
「…………」
「おおっ! リオ、でかしたな! 目玉焼きかゆで卵か――食いではありそうだな、はっはっ!」
リオちゃんの手の中で、びくんっと卵が震えたように見えた。
「…………」
「りお、えらい?」
「おお、偉いなー! さすがは俺の娘! 今夜は玉子料理三昧だな!」
なんか、卵がおろおろしているように見えなくもない。
「…………たまごろー?」
リオちゃんの腕で卵の殻がぱかんと割れ、中から飛び出たまんまるの雛鳥が、すてててーと地面を走ってそのまま俺の身体を駆け上がり、頭の上にすちゃっと着地した。
「……おおぅ。うまれたー」
リオちゃんが両拳を握り締め、感動に目を輝かせている。
叔父は、難しい顔をして顎に手を添え、
「……ふむ。焼き鳥、か?」
やめてあげて。
(ってか、なんで付いてきちゃったのー?)
頭上のたまごろーを恨めしそうに見上げると、たまごろーは「来ちゃった」とばかりに、ぽっと頬を染めていた。
なんだそれ。
現代日本で、家族旅行というものは和気藹々とお喋りでもして風景を愛で、軽く飲食を摂りつつ――というものだろうが、さすがに異世界でそこまで望むのは無理だった。
なにぶん、距離が長い割に手段が限られているので、道中はもっぱら移動自体に専念しないといけない。
俺は疾風丸に跨って風の魔法石の制御中だ。
初めてで慣れない道の上、進むのは道なき道なので、ハンドル捌きにも慎重な注意が必要だった。
「うおー! はおー!」
そんなこちらの事情はお構いなしに、俺の股の間に座って、ずっとご機嫌なのはリオちゃんだ。
シートの前部を陣取りつつ、出発時からずっと手足をばたつかせて奇声を上げている。
時折、遠吠えまでしているのは獣人の血か、まさにハイテンション。
家族一緒でのお出かけだからか、単に疾風丸に乗せてもらっているからか、はたまた1年ぶりの里帰りゆえか、あるいはその全部なのか……なんにせよ、よほど嬉しいらしい。
その疾風丸を挟んで、リィズさんと叔父が併走している。
現在の疾風丸のスピードメーターが示す速度は時速80キロ。それに平然と付いてこれるふたりの脚力には、元からわかってはいても唖然とするしかない。
リィズさんは背中にかなり大きいリュックを背負っている。縦横1メートルはありそうな、登山用のものだ。
昨年まではリオちゃんを背負っていたそうなので、今年は荷物を持っていけて助かると、リィズさんが密かに喜んでいるのを目にしたのだが、あの大荷物いったいなにが入っているのやら。
叔父に至っては、鎧こそ着ていないものの、脅威の大鉈・惨殺丸を肩に担いで持参している。
推定重量200~300キロ? トライアスロンというより拷問のような気もするが、叔父は慣れた様子で涼しい顔だ。
1歩ごとの足跡が地面にめり込んでいるので、万有引力の法則は等しく生じているらしい。
俺としては、できれば重力制御の特殊能力くらいでも持っていてくれたほうが納得できそうなものだが、そんなものはないらしい。
白木家の先祖の血には鬼神でも混じっていたのだろうかと本気で思うようになってきた今日この頃である。
「よーし、だいぶ日も暮れてきたし、今日はこの辺で野営するか!」
叔父の号令のもと、一行が停止したのは出発から5時間ほども経った頃だった。
運転に集中していたせいで意外にあっという間に感じたが、確かに見慣れぬ風景の中の山脈に、日が落ちかけてきている。
足を止めた叔父とリィズさんに、呼吸の乱れらしきものはない。
あっても、ほんのジョギング程度に息が弾むくらいだろう。
(いやいや、どういう体力なの!)
どちらかというと、俺のほうが息切れしていた。
実際に身体こそ動かしていないものの、長時間の運転は、風の魔法石の制御も相まって、精神的のみならず体力的にも結構疲弊する。
身体強化の魔石と風精霊のシルフィのサポートがあった上でこの有様だけに、自力では早々に根を上げていた自信がある。
「シルフィ、お疲れさま」
人差し指を立てると、シルフィが指の周りを楽しそうにくるくると回っていた。
「リオちゃんもお疲れさま」
そのリオちゃんは、疾風丸の座席ですでに寝入っている。
無理もないけど、あのテンションは1時間ほどで力尽きた。その後はずっと夢の中の人である。
俺が疾風丸の整備、というか泥落としを行なっていると、野営用の天幕を張っていた叔父の作業も終わったようだ。
相変わらずの見かけによらない叔父の几帳面さ。寸分違わず正方形に打ち込まれた杭はもとより、ロープの張り具合さえ妥協がない。なんて、精確無比なシンメトリー。ここまでやるかとちょっと引く。
リィズさんもそれがわかっているのか、天幕についてはいっさい口も手も出さない。リィズさんはリィズさんで、黙々と調理の準備を行なっていた。
例のリュックから、一抱えはありそうな中華鍋が登場したときには、さすがに驚いた。次いで出てくる出てくる、調味料や調理器具の数々。
おそらくリュックの中身は、ほぼすべてこれらで占められていた模様。こちらはこちらで、野営であろうとも料理に手を抜くつもりは微塵もないらしい。
ああ、なんて似た者夫婦。
「じゃあ、飯の用意だ。二手に別れて食材探しな!」
「あーい」
いつの間にか、リオちゃんも復帰していた。
返事はしたもののまだ寝ぼけ眼なので、『飯』の言葉に反応しただけらしい。
「りお、おなかへった。おにくがいいー」
盛大な欠伸交じりに、リオちゃんが言う。
「よっし! んじゃ、獲物狩り班と、付け合わせの前菜採り班に別れるか。秋人とリオは俺と同行な!」
「えっ! 俺、狩りはちょっと……できれば、採取班のほうがいいかなぁ」
叔父の狩りとなると、シラキ屋での魔獣素材の前例がある。血みどろでドロドロの壮絶な様相になりそうなことは容易に想像できた。
君子危うきに近寄らず、できれば避けておきたい。
「ん? だから俺のほうだろ? 狩りはそこに、専門家がいるだろうーが」
叔父が親指でちょいちょいと示すほうに目を向けると――迷彩ジャケットに、束ねたロープを肩に掛け、腰の厚手のベルトには各種ハンティンググッズを備えての完全武装。大型ナイフを口に咥えて、邪魔にならないように髪を結わえている最中のリィズさんがいた。
表情はいつも通り穏やかでにこやかなのに、心なしか瞳の奥が異様に輝いているようにも見える。
なんというか、楽しそうな。
「うん、了解」
妙に説得力があったので、それ以上は突っ込まないことにした。
結局、リィズさんが単独、叔父・俺・リオちゃんの3人が連れ立って、近場の森に足を踏み入れることになった。
森の奥からリィズさんっぽい声色の、雄叫びというか遠吠えが聞こえた気がしたが、聞こえなかったことにした。
「秋人、それとそれとそれは食える。そのキノコも摘んどけよ。あ、そっちは我慢するとなんとかイケる」
「……我慢しないと食べられないのは、やめとこうよ」
さすがは元冒険者。叔父はサバイバル経験も豊富で、指示も的確だった。
知識さえあれば、自然は野生の食材の宝庫で、持参した籠は瞬く間に多種多様な食材でいっぱいになった。
「ま、こんなもんだろ。そろそろ戻るか」
「そうだね。リオりゃん、帰るよー」
「あーい」
食材を集めるというより、その辺の気になるものを収集していたリオちゃんが、なにやら大きな物体を抱えて戻ってきた。
「りお、みつけたー」
その物体は、リオちゃんがどうにか持ち上げられるくらいの、一抱えもある大きな卵だった。
「…………」
「おおっ! リオ、でかしたな! 目玉焼きかゆで卵か――食いではありそうだな、はっはっ!」
リオちゃんの手の中で、びくんっと卵が震えたように見えた。
「…………」
「りお、えらい?」
「おお、偉いなー! さすがは俺の娘! 今夜は玉子料理三昧だな!」
なんか、卵がおろおろしているように見えなくもない。
「…………たまごろー?」
リオちゃんの腕で卵の殻がぱかんと割れ、中から飛び出たまんまるの雛鳥が、すてててーと地面を走ってそのまま俺の身体を駆け上がり、頭の上にすちゃっと着地した。
「……おおぅ。うまれたー」
リオちゃんが両拳を握り締め、感動に目を輝かせている。
叔父は、難しい顔をして顎に手を添え、
「……ふむ。焼き鳥、か?」
やめてあげて。
(ってか、なんで付いてきちゃったのー?)
頭上のたまごろーを恨めしそうに見上げると、たまごろーは「来ちゃった」とばかりに、ぽっと頬を染めていた。
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