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第十章
どうしてこうなった
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「と、いうわけなんです……」
「と、いうわけかー……」
うーん。ものの見事に1歩先んじられてるね。
ついでに、ダブルブッキング。
これはないだろうと除外したものが、見事にヒットしている状況だ。
俺はフェブと一緒に机に突っ伏した。
現在の時刻は16時。そろそろ店を出ないと間に合わない時間帯だ。
保険のために叔父に電話してみるが、タイミング悪く繋がらない。
手段はふたつ。大人しく行くか逃げるかだ。
でも、事実上は一択だろう。ここで逃げたら、両種族に罪人と認めるようなものだ。
店の所在も知られている今、一時だけ難を逃れたとしても根本解決にはならない。デメリットだけでメリットがない。
それに、行きさえすれば、仮にたまごろーが相手の探し物だったとしても、片方の種族の恨みを買うだけで済む。
つまり、逃げるのに比べて、デメリットもリスクも半分で済むわけだ。
(まさか、両種族の探し物が同じってことはないよね……?)
考えたくないのは、竜人の卵をドワ-フが宝として扱っていた場合。
さすがにそれはないと信じたい。
フェブの話では、両種族とも少なくとも話し合いに応じるのは確かだ。
もし、たまごろーが目当ての物だったとしても、緊急時だったあのときの状況を説明すると、どうにかなるかもしれない。
例えば、北エルフの女王、デッドさんに仲介してもらう手もある。
彼女もあの場にいた当事者だけに、説得力はあるだろう。
ここに風精霊のシルフィがいることも、優位に働くかもしれない。
ともかく、まずは会ってみてからの話だ。
後は野となれ山となれ、臨機応変に対応しよう。
棚の上からたまごろーを下ろし、以前にも使った保温バッグへと詰め込んだ。
以前はバッグの空いたスペースに入ったものだが、今ではたまごろーだけで完全にバッグの中身が埋まってしまう。大きくなったものだ。
「ボクも行きます!」
立ち上がりかけたフェブを手で制した。
「フェブはお留守番ね」
「でも、こうなったのはボクのせいで――」
「だから、誰のせいとかは止めにしようよ。どうしても誰かの責任にしたいのなら、店で起こったことは店長である俺の責任だよ。なにせ、こう見えても責任者だからね。はは」
「アキト店長……」
「ま、そんなに遅くはならないと思うから。遅くなるようなら、宿に戻って……」
「アキト店長が帰ってくるまで待ってます!」
せめてここだけは譲りません!、という断固としたフェブの口調に、それ以上の説得は諦めた。
「じゃあ、詳細は帰ってからね。行ってくるよ」
そういい残し、保温バッグを抱えて店を後にした。
◇◇◇
とまあ、フェブにはかっこつけて言ったものの、内心では不安いっぱいだった。
なにせ、相手の探し物が本当にたまごろーであった場合、どう言い逃れしようとも、あの地下洞窟から黙って持ち帰ったのは俺自身なのだ。
故意だろうと過失だろうと、その点についてはどう転んでも変わらない。
状況によっては緊急脱出も視野に入れて、疾風丸に乗って向かうことにした。
ただし、脱出はあくまで最後の手段。身の危険を覚えた場合のみだ。
できれば、穏便に済ませたい。
「これも役に立ってくれるといいけど……」
疾風丸の荷台に積んだ積荷をぽんぽんと叩く。
今となっては保険程度かもしれないが、気休めにはなるだろう。
まるで、丘に向かうのが死刑執行台に上っている気分だった。
丘は丘でもゴルゴタだ。
しかも、いまだ自分の罪状すら不明とくる。
なにもかもが行き当たりばったりで、どうにもスリリングすぎた。
なるべく時間をかけて向かいたかったが、考え込んでいたので一瞬で着いたくらいにしか感じなかった。
夕焼けに照らされる丘には、街の人から1本樹と呼ばれている木の長い影が伸びている。
目を凝らすと、木の影の他にも、そこに居並ぶ数人分の人影が長く伸びていた。
片や、やたらと長い影がひとつ。片や、ずんぐりとした短い影が5つ。大小のギャップが凄まじい。
竜人とドワーフ、フェブから聞いていた通りの特徴だった。
「お待たせしました」
表情がわかるくらいの距離まで近づくと、お互いにそっぽを向いていた両種族が、同時にこちらに向き直った。
背が異様に高い、筋骨隆々の竜顔のほうが竜人。
(すごい、本当に見た目は竜なんだ)
髭を生やした樽のような、一見愛嬌のある5人組がドワーフ。
(できれば、違う形で会いたかったけれど)
両者は、かなり居心地が悪そうにしていた。
(……ああ、そうか。なるほどね。申し訳ないことをしたかも)
フェブの話では、それぞれ個別にやってきたと聞いた。
だったら、こうして別種族が同じような目的を持ってこの場に居合わせたことは、お互いに寝耳に水だったろう。
そもそもが会う機会の少ない珍しい種族だ。
ここで鉢合わせたときの戸惑いなんて、容易に想像がつく。
(これが心情的に悪いほうに働かないでいてくれると、嬉しいけれど……無理かなぁ)
また心労がひとつ増えたのは、言うまでもない。
「お主がアキト店長か?」
「アキト店長か」
両種族が同時に声をかけてきた。
まるで狙ったようなタイミングだっただけに、お互いが顔を見合わせて口を噤み、またなんとも言えない空気が流れる。
(勘弁してくれー)
胸中で盛大に泣き言を漏らすが、顔には出さない。
「店長はいらないです。秋人でいいですよ」
表情筋を総動員して、できるだけ余裕の笑みを見せる。
これは商人ギルドの長、アンダカーレン会長の教えだ。
商人たるのも、どんな不測の事態でも表面に出しては足元を掬われる。
まずは笑みを絶やさない。ここぞとばかりに微笑んでやるものだ、と。
「おふた方のご用件は、店員から聞いています。ウチで保管してある卵についてですよね。まずは現物を確認していただきたいと思い、ここに持参しました」
肩に担いでいた保温バッグを地面に降ろした。
さあ、ここが正念場だ。吉と出るか凶と出るか――
……まさか、大凶とかはないよね?
「と、いうわけかー……」
うーん。ものの見事に1歩先んじられてるね。
ついでに、ダブルブッキング。
これはないだろうと除外したものが、見事にヒットしている状況だ。
俺はフェブと一緒に机に突っ伏した。
現在の時刻は16時。そろそろ店を出ないと間に合わない時間帯だ。
保険のために叔父に電話してみるが、タイミング悪く繋がらない。
手段はふたつ。大人しく行くか逃げるかだ。
でも、事実上は一択だろう。ここで逃げたら、両種族に罪人と認めるようなものだ。
店の所在も知られている今、一時だけ難を逃れたとしても根本解決にはならない。デメリットだけでメリットがない。
それに、行きさえすれば、仮にたまごろーが相手の探し物だったとしても、片方の種族の恨みを買うだけで済む。
つまり、逃げるのに比べて、デメリットもリスクも半分で済むわけだ。
(まさか、両種族の探し物が同じってことはないよね……?)
考えたくないのは、竜人の卵をドワ-フが宝として扱っていた場合。
さすがにそれはないと信じたい。
フェブの話では、両種族とも少なくとも話し合いに応じるのは確かだ。
もし、たまごろーが目当ての物だったとしても、緊急時だったあのときの状況を説明すると、どうにかなるかもしれない。
例えば、北エルフの女王、デッドさんに仲介してもらう手もある。
彼女もあの場にいた当事者だけに、説得力はあるだろう。
ここに風精霊のシルフィがいることも、優位に働くかもしれない。
ともかく、まずは会ってみてからの話だ。
後は野となれ山となれ、臨機応変に対応しよう。
棚の上からたまごろーを下ろし、以前にも使った保温バッグへと詰め込んだ。
以前はバッグの空いたスペースに入ったものだが、今ではたまごろーだけで完全にバッグの中身が埋まってしまう。大きくなったものだ。
「ボクも行きます!」
立ち上がりかけたフェブを手で制した。
「フェブはお留守番ね」
「でも、こうなったのはボクのせいで――」
「だから、誰のせいとかは止めにしようよ。どうしても誰かの責任にしたいのなら、店で起こったことは店長である俺の責任だよ。なにせ、こう見えても責任者だからね。はは」
「アキト店長……」
「ま、そんなに遅くはならないと思うから。遅くなるようなら、宿に戻って……」
「アキト店長が帰ってくるまで待ってます!」
せめてここだけは譲りません!、という断固としたフェブの口調に、それ以上の説得は諦めた。
「じゃあ、詳細は帰ってからね。行ってくるよ」
そういい残し、保温バッグを抱えて店を後にした。
◇◇◇
とまあ、フェブにはかっこつけて言ったものの、内心では不安いっぱいだった。
なにせ、相手の探し物が本当にたまごろーであった場合、どう言い逃れしようとも、あの地下洞窟から黙って持ち帰ったのは俺自身なのだ。
故意だろうと過失だろうと、その点についてはどう転んでも変わらない。
状況によっては緊急脱出も視野に入れて、疾風丸に乗って向かうことにした。
ただし、脱出はあくまで最後の手段。身の危険を覚えた場合のみだ。
できれば、穏便に済ませたい。
「これも役に立ってくれるといいけど……」
疾風丸の荷台に積んだ積荷をぽんぽんと叩く。
今となっては保険程度かもしれないが、気休めにはなるだろう。
まるで、丘に向かうのが死刑執行台に上っている気分だった。
丘は丘でもゴルゴタだ。
しかも、いまだ自分の罪状すら不明とくる。
なにもかもが行き当たりばったりで、どうにもスリリングすぎた。
なるべく時間をかけて向かいたかったが、考え込んでいたので一瞬で着いたくらいにしか感じなかった。
夕焼けに照らされる丘には、街の人から1本樹と呼ばれている木の長い影が伸びている。
目を凝らすと、木の影の他にも、そこに居並ぶ数人分の人影が長く伸びていた。
片や、やたらと長い影がひとつ。片や、ずんぐりとした短い影が5つ。大小のギャップが凄まじい。
竜人とドワーフ、フェブから聞いていた通りの特徴だった。
「お待たせしました」
表情がわかるくらいの距離まで近づくと、お互いにそっぽを向いていた両種族が、同時にこちらに向き直った。
背が異様に高い、筋骨隆々の竜顔のほうが竜人。
(すごい、本当に見た目は竜なんだ)
髭を生やした樽のような、一見愛嬌のある5人組がドワーフ。
(できれば、違う形で会いたかったけれど)
両者は、かなり居心地が悪そうにしていた。
(……ああ、そうか。なるほどね。申し訳ないことをしたかも)
フェブの話では、それぞれ個別にやってきたと聞いた。
だったら、こうして別種族が同じような目的を持ってこの場に居合わせたことは、お互いに寝耳に水だったろう。
そもそもが会う機会の少ない珍しい種族だ。
ここで鉢合わせたときの戸惑いなんて、容易に想像がつく。
(これが心情的に悪いほうに働かないでいてくれると、嬉しいけれど……無理かなぁ)
また心労がひとつ増えたのは、言うまでもない。
「お主がアキト店長か?」
「アキト店長か」
両種族が同時に声をかけてきた。
まるで狙ったようなタイミングだっただけに、お互いが顔を見合わせて口を噤み、またなんとも言えない空気が流れる。
(勘弁してくれー)
胸中で盛大に泣き言を漏らすが、顔には出さない。
「店長はいらないです。秋人でいいですよ」
表情筋を総動員して、できるだけ余裕の笑みを見せる。
これは商人ギルドの長、アンダカーレン会長の教えだ。
商人たるのも、どんな不測の事態でも表面に出しては足元を掬われる。
まずは笑みを絶やさない。ここぞとばかりに微笑んでやるものだ、と。
「おふた方のご用件は、店員から聞いています。ウチで保管してある卵についてですよね。まずは現物を確認していただきたいと思い、ここに持参しました」
肩に担いでいた保温バッグを地面に降ろした。
さあ、ここが正念場だ。吉と出るか凶と出るか――
……まさか、大凶とかはないよね?
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