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第九章
貴族からの招待状 2
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「……お?」
エールを飲みつつ、カードを弄んでいた叔父の手がにわかに止まった。
「カードの差出人の名前、フェブラント・アールズ――『伯爵』の記載がないな」
「……本当だ。でもそれが?」
「するってぇと、こりゃあじっさまのほうじゃなく、孫のほうだな」
「孫が同じ名前なの?」
「ああ。貴族にはよくある風習だ。偉大なる先人のようになれるように、ってな。俺が最後に会ったときには、まだほんのチビだったな。今はたしか……13歳くらいになるんじゃなかったか」
不意に叔父が目を細める。
「そっか……あの人たちの息子か……もう9年になるんだな」
「……叔父さん?」
わずかに遠い眼をした叔父だったが、エールの残りを飲み干したときには、もう普段の調子に戻っていた。
「あのチビのほうだったら問題なさそうだな。貴族さま特有の気まぐれってやつか。少なくとも悪巧みの類で、わざわざ家名出して正式にギルドを通してくることもないだろ。せっかくのご招待だ、受けてやったらいいさ。異世界の物珍しいものでも見れるかもしれねえぞ?」
「いいの?」
物珍しいもの――しかも異世界のと言われては、どうしても興味を惹かれてしまう。
「ああ。指定された場所は、ベルデン城郭都市だな。戦時中は南の一大防衛拠点として知られたところだ。アールズ家の別宅もあったはずだから、目的地はそこだろうな。距離もさほどないし、きちんとした街道もある。早馬で半日、馬車で2日、疾風丸なら4時間くらいだな」
「おお~、城郭都市!」
4時間なら充分に日帰りできる距離だ。
しかも街道まであるのなら、道中で前回のような心配もないだろう。
なによりその名称に心惹かれる。
城郭都市、素晴らしい。
久しぶりにわくわくしてきた。
「ベルデンは入都が厳しいからな。ギルドで発行してもらった会員証があるだろう? あれがそのまま身分証になるから、忘れずに持ってけよ。あと、招待状のカードが入ってた封筒があったろ? あれも忘れずにな」
(……封筒?)
ギルドで受け取ったときのあれだろう、封蝋が施してあったやつ。
破いて中のカードを取り出して……そのまま丸めてゴミ箱に捨てたような気がしないでも。
「あれ、ないとまずいの……か、な?」
その反応で見透かされたようで、軽くデコピンを喰らった。割と痛かった。
「やっちまったか。まあ、そうだよな。日本の学生感覚じゃあ、そんなもんか」
肩をすくめ、やれやれと嘆息する叔父の目は、どこか楽しげだ。
「あれがそのまま通行許可証になる。なんたって、領主の家紋入りの封蝋付きだ。これ以上ない証文だからな。あれ見せて、領主に呼ばれたと一言伝えれば、厄介な手続きもなく、たいていの場合はフリーパスだ」
「げ。この招待状のカードを見せてもダメかな?」
「普通は門番なんかに中身を見せていいものじゃないな。まあ、常識疑われつつも通れはするだろうが、逆に必ず聞かれるぞ? 『封筒はどうした』ってな。破って捨てたなんて言えば、その場で不敬罪扱いになるかもな」
叔父が首筋をとんとんと手刀で叩く。斬首ということだろう。
どうりでギルドで封筒を開けたとき、会長たちがびっくりしていたわけだ。
「どうしよう……」
両手を床について、がっくりとうなだれるしかなかった。
部屋の隅から眺めていたリオちゃんがとてとてとやってきて、意味もわからずに頭をさすってくれた。ありがとう。
そのとき、ふと気づく。
「ずいぶん詳しいけど……叔父さん?」
「うむ、バレたか。実は俺も昔にやっちまっててな! 公爵とやらから貰った封筒を目の前で破って開けたら、危うく打ち首になるところだった! はっはっ!」
公爵とは爵位の最上級。さすがのスケールのでかさだった。
「封筒や菓子折りの包み紙なんて、一気に破り捨てるよな、ふつー?」
しかも、菓子折りと同等扱いとくる。
同意はしたいが、目の前でそれをやられては、公爵家が怒っても仕方ないかもしれない。
「というわけで、ペーパーナイフくらいは持っといたほうがいいぞ。ほいこれ」
叔父が戸棚から小振りのナイフを取り出して手渡してくれた。
今後もこういったことが突然起こるかもしれないし、ありがたく貰っておくことにした。
「でも、実際問題、どうしようか……すでに封筒は捨てちゃったし、上手いこと見つけても破れてぐちゃぐちゃじゃあ逆効果だよね、きっと」
リオちゃんを膝に抱えて、先ほどのお返しに頭を撫でていた。
もこもこの髪質が気持ちよかった。リオちゃんはご満悦に喉を鳴らしていた。
「安心しろ、方法がないわけじゃない。俺も昔はよくあそこに通ったからな、ツテがある。門番に顔馴染みのおっちゃんがいてな。門番一筋30年のベテランで、まだまだ現役引退しそうになかったから、今でも門番やってるだろ。都市に着いたら、俺に電話するといい。なんとかするから」
「うん、ありがと。すごく助かるよ」
その後もいくつか話し合い、訪問日時は明後日に決まった。
招待状で指定はされていなかったが、早すぎるのも遅すぎるのも非礼に当たるらしい。
面倒なことだが、やはり期待も大きい。
カルディナ以外にはじめて訪れることになる大きな街というだけでなく、なにせ城郭都市、つまりはお城。異世界のお城!なのである。
否応なしに高揚感も、もりもり高まってくる。
(待ってろよ、ベルデン城郭都市!)
意気込む俺の頭からは、すっかり当初の貴族に会いにいく目的は消えていた。
余談だが、叔父渾身作の日本のお城のほうは、翌日未明に急襲したリオ獣によってあえなく陥落したそうな。
エールを飲みつつ、カードを弄んでいた叔父の手がにわかに止まった。
「カードの差出人の名前、フェブラント・アールズ――『伯爵』の記載がないな」
「……本当だ。でもそれが?」
「するってぇと、こりゃあじっさまのほうじゃなく、孫のほうだな」
「孫が同じ名前なの?」
「ああ。貴族にはよくある風習だ。偉大なる先人のようになれるように、ってな。俺が最後に会ったときには、まだほんのチビだったな。今はたしか……13歳くらいになるんじゃなかったか」
不意に叔父が目を細める。
「そっか……あの人たちの息子か……もう9年になるんだな」
「……叔父さん?」
わずかに遠い眼をした叔父だったが、エールの残りを飲み干したときには、もう普段の調子に戻っていた。
「あのチビのほうだったら問題なさそうだな。貴族さま特有の気まぐれってやつか。少なくとも悪巧みの類で、わざわざ家名出して正式にギルドを通してくることもないだろ。せっかくのご招待だ、受けてやったらいいさ。異世界の物珍しいものでも見れるかもしれねえぞ?」
「いいの?」
物珍しいもの――しかも異世界のと言われては、どうしても興味を惹かれてしまう。
「ああ。指定された場所は、ベルデン城郭都市だな。戦時中は南の一大防衛拠点として知られたところだ。アールズ家の別宅もあったはずだから、目的地はそこだろうな。距離もさほどないし、きちんとした街道もある。早馬で半日、馬車で2日、疾風丸なら4時間くらいだな」
「おお~、城郭都市!」
4時間なら充分に日帰りできる距離だ。
しかも街道まであるのなら、道中で前回のような心配もないだろう。
なによりその名称に心惹かれる。
城郭都市、素晴らしい。
久しぶりにわくわくしてきた。
「ベルデンは入都が厳しいからな。ギルドで発行してもらった会員証があるだろう? あれがそのまま身分証になるから、忘れずに持ってけよ。あと、招待状のカードが入ってた封筒があったろ? あれも忘れずにな」
(……封筒?)
ギルドで受け取ったときのあれだろう、封蝋が施してあったやつ。
破いて中のカードを取り出して……そのまま丸めてゴミ箱に捨てたような気がしないでも。
「あれ、ないとまずいの……か、な?」
その反応で見透かされたようで、軽くデコピンを喰らった。割と痛かった。
「やっちまったか。まあ、そうだよな。日本の学生感覚じゃあ、そんなもんか」
肩をすくめ、やれやれと嘆息する叔父の目は、どこか楽しげだ。
「あれがそのまま通行許可証になる。なんたって、領主の家紋入りの封蝋付きだ。これ以上ない証文だからな。あれ見せて、領主に呼ばれたと一言伝えれば、厄介な手続きもなく、たいていの場合はフリーパスだ」
「げ。この招待状のカードを見せてもダメかな?」
「普通は門番なんかに中身を見せていいものじゃないな。まあ、常識疑われつつも通れはするだろうが、逆に必ず聞かれるぞ? 『封筒はどうした』ってな。破って捨てたなんて言えば、その場で不敬罪扱いになるかもな」
叔父が首筋をとんとんと手刀で叩く。斬首ということだろう。
どうりでギルドで封筒を開けたとき、会長たちがびっくりしていたわけだ。
「どうしよう……」
両手を床について、がっくりとうなだれるしかなかった。
部屋の隅から眺めていたリオちゃんがとてとてとやってきて、意味もわからずに頭をさすってくれた。ありがとう。
そのとき、ふと気づく。
「ずいぶん詳しいけど……叔父さん?」
「うむ、バレたか。実は俺も昔にやっちまっててな! 公爵とやらから貰った封筒を目の前で破って開けたら、危うく打ち首になるところだった! はっはっ!」
公爵とは爵位の最上級。さすがのスケールのでかさだった。
「封筒や菓子折りの包み紙なんて、一気に破り捨てるよな、ふつー?」
しかも、菓子折りと同等扱いとくる。
同意はしたいが、目の前でそれをやられては、公爵家が怒っても仕方ないかもしれない。
「というわけで、ペーパーナイフくらいは持っといたほうがいいぞ。ほいこれ」
叔父が戸棚から小振りのナイフを取り出して手渡してくれた。
今後もこういったことが突然起こるかもしれないし、ありがたく貰っておくことにした。
「でも、実際問題、どうしようか……すでに封筒は捨てちゃったし、上手いこと見つけても破れてぐちゃぐちゃじゃあ逆効果だよね、きっと」
リオちゃんを膝に抱えて、先ほどのお返しに頭を撫でていた。
もこもこの髪質が気持ちよかった。リオちゃんはご満悦に喉を鳴らしていた。
「安心しろ、方法がないわけじゃない。俺も昔はよくあそこに通ったからな、ツテがある。門番に顔馴染みのおっちゃんがいてな。門番一筋30年のベテランで、まだまだ現役引退しそうになかったから、今でも門番やってるだろ。都市に着いたら、俺に電話するといい。なんとかするから」
「うん、ありがと。すごく助かるよ」
その後もいくつか話し合い、訪問日時は明後日に決まった。
招待状で指定はされていなかったが、早すぎるのも遅すぎるのも非礼に当たるらしい。
面倒なことだが、やはり期待も大きい。
カルディナ以外にはじめて訪れることになる大きな街というだけでなく、なにせ城郭都市、つまりはお城。異世界のお城!なのである。
否応なしに高揚感も、もりもり高まってくる。
(待ってろよ、ベルデン城郭都市!)
意気込む俺の頭からは、すっかり当初の貴族に会いにいく目的は消えていた。
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