110 / 184
第八章
鍛冶屋のお仕事 3
しおりを挟む
「鎧は男のロマンっす!」
「なーにが、ロマンだい。どうせ鎧を作るなら、まともなもんを作れってんだよ。なに、その無駄な装飾とか」
部分部分に無意味に文様が彫られていたり、実用性皆無な装飾などが付けられているが――単純にいうと、かっこいい。
他にもいろいろ置いてあるので、次々に手に取っていく。
「装甲もぺらっぺらっで弓矢の1本も防げそうにない。ついでに大事な箇所を防護すらしていない鎧に、なんの価値があるんだい? 練習用のくず鉄だって、タダじゃないんだ。もっと真面目にやりな!」
たしかに肩や胸の装甲はあっても腹部が丸出し、装甲と装甲の隙間が妙に広く、明らかに外見重視の形状は実用的ではない。実用性を重んじるこの世界では邪道の極みだろう。
「極めつけは、これ! 鎧を舐めてんのかい?」
チナツ姐さんが爪先で小突くビキニアーマーなど、決して理解されることもないだろう。
この異世界ならば。しかし!
「あんちゃーん! ひどいと思わないっすか、この言い様!? かっこいいと思うっすよね? ね?」
「……正直、思う」
「あんちゃんまでひどいっす~……って、かっこいい? 本当すか!?」
よほど、これまで同意を得られたことがないのだろう。問いかけたナツメのほうが驚嘆していた。
実際、ナツメの感性は、現代世界というか現代日本のファンタジー好きの趣向にマッチしている。
ディティールもなにかの作品の主人公が着てそうなハイクオリティなものばかりだ。異世界の感性では「?」にしかならないものばかりだろうが。
それらの鎧はもとより、独学でビキニアーマーまで到達した感性にも恐れ入る。
というか、思わず引く。
「いやー。こんなところに同志が居てくれて嬉しいっす! 理解してくれたのは、あんちゃんでふたり目っすよ~」
感涙しそうな勢いで、ナツメがすがり付いてきた。
よほど嬉しかったらしい。
「ふたり目って、ひとり目は?」
「ひとり目っていうか、その人が元祖なんすけどね~。昔、自分が子供の頃にウチに来ていたお客さんで、顔も覚えてはないんすけど、地面にいろんな鎧や武器を描いて遊んでくれて! 落書きとは思えないやけに緻密な絵で、もう一瞬で虜になっちゃったんすよ~。こんな斬新な鎧があるのかって。子供心に衝撃を受けたのは忘れられないっす~」
オチが読めた。どうりで現代日本ふうなわけだ。
そういえば、15年くらい前の、あの国民的人気シリーズのゲームに出てくるような鎧だな、これ。
あとこっちは、あの作品かな? 見覚えがある。
とはいえ、そんな元ネタがあったとしても、作品としてここまで昇華させたのはナツメの感性と鍛冶の腕によるものだろう。
「これって、塗装とかできるのかな? さすがに地金のままだとなんともわびしい……」
「できるっすよ。塗るのは得意っす。でも、地金に直接塗れる塗料って、いいもんがないんすよ……一度やろうと思って、余計に見栄え悪くなったんで、やめたっす」
金物への塗装は実用性がないので、異世界での塗料の発展はそんなものだろう。
塗料はあちらのものを使うとして解決できる。
「ここは黒でこっちは全面的な白……ここは青かな? でもって、こっちを赤のワンポイント入れるといいかも」
「お、あんちゃん。わかってるっすね~。でもここは、意外性の黄色をお勧めするっす」
「なるほど、さすがだ」
「いえいえ~」
試作の鎧の山を前にして、やいのやいのはしゃぐ男ふたりを前に、チナツ姐さんは呆れた様子で頭を掻いていた。
「ちなみに、ナツメ。これの製作っていくらぐらいかかってる? 製作期間は?」
「そうすね~。材料は、他の依頼品を作った余りで出たものっすから……まあ、格安のくず鉄の部類っすからね。正規の値段に直すと……5000ゼンくらいっすかね。製作期間は、他の仕事をサボって3日くらいだったっす」
「サボってんじゃないよ」
「痛いっす」
チナツ姐さんに拳骨を喰らっていた。
それにしても、思ったよりも材料費が安い。
大量購入なら、まだ安価も可能かも。
手も早く、このクオリティで3日なら、塗装も含めて1週間でお釣りが来そうだ。
「チナツ姐さん、折り入ってご相談が」
「な、なんだい、アキ坊。気持ち悪いね」
「ナツメの作る鎧を、ウチに卸してもらえないでしょうか? 材料費と塗料についてはウチで持ちますんで、ひとつ当たりの報酬はこれくらいで」
掌に指で数字をなぞると、チナツ姐さんの目が見開かれた。
「……本気かい?」
「おおマジです」
「ナツメ、でかした!」
「痛いです!」
ナツメがチナツ姐さんに盛大に背中を張られていた。
ものすごい音がしたので変な口調になっている。
ナツメは背中を押さえて、床に撃沈していた。
褒められても怒られても結局は叩かれるんだな。
気の毒にナツメ……合掌。
「あんたは、いつかはやる男だと思っていたが、今だったか! いや、めでたい! 親父様にも報告してこないと!」
チナツ姐さんは大股でばたばたと工房のほうに去って行ってしまった。
ともかくこれで、目処が立った。
既製品の革鎧でさえ、一部層には大好評だったのだ。
今度はオーダーメイドも可能となれば、かの一部層に受けないはずがない。
しかも、このディティールとクオリティ――なにせ、こちらは本職なのだ。並大抵の自作のものに引けを取るとは思えない。
しかも大手はコストの面から製品化は難しいだろう。なんというニッチ市場。
さっそく、塗装を済ませた分をサイトにアップすると――瞬く間に買い手がついた。
もともと革鎧の件で一部からの評価は高かったらしい。
今回からはオークションやフリマのみならず、通販サイトにも登録してある。
オーダーメイドなら、さぞかし喜ぶ人も多いだろう。
――その後。
鎧の匠と呼ばれるショップが一部で話題となったが、それはまた別のお話。
「なーにが、ロマンだい。どうせ鎧を作るなら、まともなもんを作れってんだよ。なに、その無駄な装飾とか」
部分部分に無意味に文様が彫られていたり、実用性皆無な装飾などが付けられているが――単純にいうと、かっこいい。
他にもいろいろ置いてあるので、次々に手に取っていく。
「装甲もぺらっぺらっで弓矢の1本も防げそうにない。ついでに大事な箇所を防護すらしていない鎧に、なんの価値があるんだい? 練習用のくず鉄だって、タダじゃないんだ。もっと真面目にやりな!」
たしかに肩や胸の装甲はあっても腹部が丸出し、装甲と装甲の隙間が妙に広く、明らかに外見重視の形状は実用的ではない。実用性を重んじるこの世界では邪道の極みだろう。
「極めつけは、これ! 鎧を舐めてんのかい?」
チナツ姐さんが爪先で小突くビキニアーマーなど、決して理解されることもないだろう。
この異世界ならば。しかし!
「あんちゃーん! ひどいと思わないっすか、この言い様!? かっこいいと思うっすよね? ね?」
「……正直、思う」
「あんちゃんまでひどいっす~……って、かっこいい? 本当すか!?」
よほど、これまで同意を得られたことがないのだろう。問いかけたナツメのほうが驚嘆していた。
実際、ナツメの感性は、現代世界というか現代日本のファンタジー好きの趣向にマッチしている。
ディティールもなにかの作品の主人公が着てそうなハイクオリティなものばかりだ。異世界の感性では「?」にしかならないものばかりだろうが。
それらの鎧はもとより、独学でビキニアーマーまで到達した感性にも恐れ入る。
というか、思わず引く。
「いやー。こんなところに同志が居てくれて嬉しいっす! 理解してくれたのは、あんちゃんでふたり目っすよ~」
感涙しそうな勢いで、ナツメがすがり付いてきた。
よほど嬉しかったらしい。
「ふたり目って、ひとり目は?」
「ひとり目っていうか、その人が元祖なんすけどね~。昔、自分が子供の頃にウチに来ていたお客さんで、顔も覚えてはないんすけど、地面にいろんな鎧や武器を描いて遊んでくれて! 落書きとは思えないやけに緻密な絵で、もう一瞬で虜になっちゃったんすよ~。こんな斬新な鎧があるのかって。子供心に衝撃を受けたのは忘れられないっす~」
オチが読めた。どうりで現代日本ふうなわけだ。
そういえば、15年くらい前の、あの国民的人気シリーズのゲームに出てくるような鎧だな、これ。
あとこっちは、あの作品かな? 見覚えがある。
とはいえ、そんな元ネタがあったとしても、作品としてここまで昇華させたのはナツメの感性と鍛冶の腕によるものだろう。
「これって、塗装とかできるのかな? さすがに地金のままだとなんともわびしい……」
「できるっすよ。塗るのは得意っす。でも、地金に直接塗れる塗料って、いいもんがないんすよ……一度やろうと思って、余計に見栄え悪くなったんで、やめたっす」
金物への塗装は実用性がないので、異世界での塗料の発展はそんなものだろう。
塗料はあちらのものを使うとして解決できる。
「ここは黒でこっちは全面的な白……ここは青かな? でもって、こっちを赤のワンポイント入れるといいかも」
「お、あんちゃん。わかってるっすね~。でもここは、意外性の黄色をお勧めするっす」
「なるほど、さすがだ」
「いえいえ~」
試作の鎧の山を前にして、やいのやいのはしゃぐ男ふたりを前に、チナツ姐さんは呆れた様子で頭を掻いていた。
「ちなみに、ナツメ。これの製作っていくらぐらいかかってる? 製作期間は?」
「そうすね~。材料は、他の依頼品を作った余りで出たものっすから……まあ、格安のくず鉄の部類っすからね。正規の値段に直すと……5000ゼンくらいっすかね。製作期間は、他の仕事をサボって3日くらいだったっす」
「サボってんじゃないよ」
「痛いっす」
チナツ姐さんに拳骨を喰らっていた。
それにしても、思ったよりも材料費が安い。
大量購入なら、まだ安価も可能かも。
手も早く、このクオリティで3日なら、塗装も含めて1週間でお釣りが来そうだ。
「チナツ姐さん、折り入ってご相談が」
「な、なんだい、アキ坊。気持ち悪いね」
「ナツメの作る鎧を、ウチに卸してもらえないでしょうか? 材料費と塗料についてはウチで持ちますんで、ひとつ当たりの報酬はこれくらいで」
掌に指で数字をなぞると、チナツ姐さんの目が見開かれた。
「……本気かい?」
「おおマジです」
「ナツメ、でかした!」
「痛いです!」
ナツメがチナツ姐さんに盛大に背中を張られていた。
ものすごい音がしたので変な口調になっている。
ナツメは背中を押さえて、床に撃沈していた。
褒められても怒られても結局は叩かれるんだな。
気の毒にナツメ……合掌。
「あんたは、いつかはやる男だと思っていたが、今だったか! いや、めでたい! 親父様にも報告してこないと!」
チナツ姐さんは大股でばたばたと工房のほうに去って行ってしまった。
ともかくこれで、目処が立った。
既製品の革鎧でさえ、一部層には大好評だったのだ。
今度はオーダーメイドも可能となれば、かの一部層に受けないはずがない。
しかも、このディティールとクオリティ――なにせ、こちらは本職なのだ。並大抵の自作のものに引けを取るとは思えない。
しかも大手はコストの面から製品化は難しいだろう。なんというニッチ市場。
さっそく、塗装を済ませた分をサイトにアップすると――瞬く間に買い手がついた。
もともと革鎧の件で一部からの評価は高かったらしい。
今回からはオークションやフリマのみならず、通販サイトにも登録してある。
オーダーメイドなら、さぞかし喜ぶ人も多いだろう。
――その後。
鎧の匠と呼ばれるショップが一部で話題となったが、それはまた別のお話。
0
お気に入りに追加
538
あなたにおすすめの小説
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる