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第一章
はじめてのお使い 1
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異世界生活4日目。
俺はいまだに叔父の征司一家のお世話になっていた。
単に厚意に甘えているかというと、語弊があるかもしれない。
驚愕、というほどではないが、叔父から告げられた事実は『最低でも1週間は戻れない』――だった。
なんでも、異世界を行き来する方法――魔術だか秘術だかは、連続では使えないらしい。
少なくとも充填する期間が必要で、それが1週間とのことだった。
こちらに来るときにも見たペンダント状の鉱石がそれだった。
表面上は石なのだが半透明になっており、内側に青紫色の液体が見える。
水の入ったガラス小瓶でも想像するとわかりやすいかもしれない。
内部をこの液体が満たしたときが、充電?完了ということらしい。
今で半分ちょっと。昨日、見せてもらったときよりは、なるほど若干増えている。仕組みはわからないが。
充電といえば、スマホのソーラー充電器を持ってきていて助かった。
有り体に言うと、異世界とはいえ暇なのである。やることがない。
リィズさんは家事万能の超人で、下手に手を出そうものなら逆に足手まといになる。
一度、掃除と洗濯を手伝ってみたが、結果は悲惨なものだった。
掃除なら掃除機といきたいが、そんなものはどこにもない。洗濯機も当然ない。
昭和初期を髣髴させる道具での家事は、専用スキルも必要になってくるらしい。文明の利器に頼り過ぎてたのが実感できるほど、役立たずだった。
だったら、井戸の水汲みや薪割り、男手の力を発揮しようと思い立ってはみたものの――なんか、ガロン単位で水を汲んだり、大木丸ごとなます切りにする叔父を見て諦めた。
今では、もっぱら、リオ嬢の遊び相手がメインとなっている。
ただそれも幼子ならではというか、体力の限界まで遊んでぱったりと力尽きて寝てしまうため、時間の空きが出る。
そこで思い出したのが、持参していたスマホの存在だったのだが――なんとこの異世界、電波が届いていた。
正確には、祖父宅の押入れと繋がったあの森から来ているのだろう。
森に近づくと電波が強くなるし、離れると弱くなる。
人は無理でも電波は通れるものらしい。家の中にいると、低速通信で辛うじて2本アンテナが立っていた。
おかげで、妹にもメッセージを入れることができた。
のんびりしたいから祖母宅でしばらく過ごす、というもの。
こうしておくと両親にも伝わり、心配をかけることもないだろう。
ゲームや動画は重いので、主にお気に入りの巡回や通販サイトなどを眺める。
「お、やった。あの怪しいTシャツ、値が上がった。趣味が悪い奴もいるもんだ」
住んでいるアパートを出る前、出品していた服に数人の入札がついていた。
全面赤に白のボーダー柄、胸には漢字で『祝』の一文字という悪趣味なTシャツだ。どれだけ目出度いんだ、とツッコみたい。
しかも10枚組。以前に大学のサークルのビンゴで当たった景品だった。
「なんだ、それ?」
タオル片手に、肩越しに覗き込んできたのは叔父だった。
裏庭でいつもの鍛錬をしていた戻りらしい。
そういえば、先ほどまで聞こえていた暴風のような素振り音が、いつの間にか止んでいた。
「モバイルパソコンもそこまで小さくなったか?」
「パソコンが小さくなったというより、携帯電話が大きくなったような感じかな」
「……それは便利なのか不便なのか? で、なにそれ、買うの? 趣味いいな」
叔父が見ていたのは、出品していたTシャツの画像だった。
「買わない、買うわけないでしょ、こんなの。こっちが売りに出しているの!」
「なに、おまえ学生なのに働いてんの?」
「インターネットを使って、今では個人で簡単に売買できるんだよ。業者が用意したアプリで、匿名で結構自由にやれる。手数料はかかるけど。不要品処分のフリーマーケットみたいな使い方や、本物のオークションみたいに高額の美術品を出品している人もいれば、プラチナチケットやレア物を転売するプロもいるくらい」
「そりゃすごい。時代も進歩したなぁ」
叔父はスマホをひょいと持ち上げると、物珍しそうに掌で回して観察していた。
「電話はもちろん、ネットやゲームもできるし、電子マネーって言って財布の代わりにもなる。GPSでナビにもなるし、ほんと多機能で便利だよ」
「ほ~ほ~。ふむ……」
感心して眺めていた叔父だが、不意に真顔になり、うずっとした様子でスマホの両端を握り締めた。
「待ち待ちっ! なんでいきなりへし折ろうとしてるの!?」
「え? あんまし薄いからよ。こういうのって耐久力を試してみたくなんねえ?」
「ならないならない!」
「そっか……昔、折り畳み携帯が出たばっかりの頃も、誘惑に勝てずに真っ二つにして怒られたっけな。兄貴の」
(父さん、お気の毒に)
親子二代に渡って悲劇に見舞われずによかった。
どうにか叔父の手からスマホを救出することに成功した。
「冗談はさておいて」
叔父は本気だったはずだ。
「秋人も家の中ばっかりじゃあ、退屈だっただろ? 異世界を少し探検してみないか?」
思いがけない言葉だった。これまでは当の叔父にやんわりと止められていたため自粛していたのだが、せっかくの異世界で興味を持つなというのが無理がある。
「え、いいの? 本当に?」
「おう。ただし、俺はこれから用があって、ちょっと出なければならん。付いていってやれないから、冒険者の真似事とかは無理だけどな。安全なところを散歩ってところか」
「ああ、一緒じゃないんだ……」
同行してもらえると思い込んでいたので、上がりかけたテンションがやや消沈する。
情けないと思うなかれ。成人であろうと男であろうと、さすがに見知らぬ場所どころか見知らぬ異世界で、気軽にひとり歩きしろと言われては不安も残る。
異種族をはじめ、野生の獣や魔獣はもとより、魔族や魔王なんてものも存在する世界だ。
叔父のようにチート級の超絶な腕っ節でもあるなら別だが、こちとらチートどころかスキルもない、ごくごく普通の凡人。むしろ運動は不得手といえる。
「そんな不安そうな顔をすんな。俺の甥だ、なんとかなる! 根拠はない!」
根性論だった。
俺はいまだに叔父の征司一家のお世話になっていた。
単に厚意に甘えているかというと、語弊があるかもしれない。
驚愕、というほどではないが、叔父から告げられた事実は『最低でも1週間は戻れない』――だった。
なんでも、異世界を行き来する方法――魔術だか秘術だかは、連続では使えないらしい。
少なくとも充填する期間が必要で、それが1週間とのことだった。
こちらに来るときにも見たペンダント状の鉱石がそれだった。
表面上は石なのだが半透明になっており、内側に青紫色の液体が見える。
水の入ったガラス小瓶でも想像するとわかりやすいかもしれない。
内部をこの液体が満たしたときが、充電?完了ということらしい。
今で半分ちょっと。昨日、見せてもらったときよりは、なるほど若干増えている。仕組みはわからないが。
充電といえば、スマホのソーラー充電器を持ってきていて助かった。
有り体に言うと、異世界とはいえ暇なのである。やることがない。
リィズさんは家事万能の超人で、下手に手を出そうものなら逆に足手まといになる。
一度、掃除と洗濯を手伝ってみたが、結果は悲惨なものだった。
掃除なら掃除機といきたいが、そんなものはどこにもない。洗濯機も当然ない。
昭和初期を髣髴させる道具での家事は、専用スキルも必要になってくるらしい。文明の利器に頼り過ぎてたのが実感できるほど、役立たずだった。
だったら、井戸の水汲みや薪割り、男手の力を発揮しようと思い立ってはみたものの――なんか、ガロン単位で水を汲んだり、大木丸ごとなます切りにする叔父を見て諦めた。
今では、もっぱら、リオ嬢の遊び相手がメインとなっている。
ただそれも幼子ならではというか、体力の限界まで遊んでぱったりと力尽きて寝てしまうため、時間の空きが出る。
そこで思い出したのが、持参していたスマホの存在だったのだが――なんとこの異世界、電波が届いていた。
正確には、祖父宅の押入れと繋がったあの森から来ているのだろう。
森に近づくと電波が強くなるし、離れると弱くなる。
人は無理でも電波は通れるものらしい。家の中にいると、低速通信で辛うじて2本アンテナが立っていた。
おかげで、妹にもメッセージを入れることができた。
のんびりしたいから祖母宅でしばらく過ごす、というもの。
こうしておくと両親にも伝わり、心配をかけることもないだろう。
ゲームや動画は重いので、主にお気に入りの巡回や通販サイトなどを眺める。
「お、やった。あの怪しいTシャツ、値が上がった。趣味が悪い奴もいるもんだ」
住んでいるアパートを出る前、出品していた服に数人の入札がついていた。
全面赤に白のボーダー柄、胸には漢字で『祝』の一文字という悪趣味なTシャツだ。どれだけ目出度いんだ、とツッコみたい。
しかも10枚組。以前に大学のサークルのビンゴで当たった景品だった。
「なんだ、それ?」
タオル片手に、肩越しに覗き込んできたのは叔父だった。
裏庭でいつもの鍛錬をしていた戻りらしい。
そういえば、先ほどまで聞こえていた暴風のような素振り音が、いつの間にか止んでいた。
「モバイルパソコンもそこまで小さくなったか?」
「パソコンが小さくなったというより、携帯電話が大きくなったような感じかな」
「……それは便利なのか不便なのか? で、なにそれ、買うの? 趣味いいな」
叔父が見ていたのは、出品していたTシャツの画像だった。
「買わない、買うわけないでしょ、こんなの。こっちが売りに出しているの!」
「なに、おまえ学生なのに働いてんの?」
「インターネットを使って、今では個人で簡単に売買できるんだよ。業者が用意したアプリで、匿名で結構自由にやれる。手数料はかかるけど。不要品処分のフリーマーケットみたいな使い方や、本物のオークションみたいに高額の美術品を出品している人もいれば、プラチナチケットやレア物を転売するプロもいるくらい」
「そりゃすごい。時代も進歩したなぁ」
叔父はスマホをひょいと持ち上げると、物珍しそうに掌で回して観察していた。
「電話はもちろん、ネットやゲームもできるし、電子マネーって言って財布の代わりにもなる。GPSでナビにもなるし、ほんと多機能で便利だよ」
「ほ~ほ~。ふむ……」
感心して眺めていた叔父だが、不意に真顔になり、うずっとした様子でスマホの両端を握り締めた。
「待ち待ちっ! なんでいきなりへし折ろうとしてるの!?」
「え? あんまし薄いからよ。こういうのって耐久力を試してみたくなんねえ?」
「ならないならない!」
「そっか……昔、折り畳み携帯が出たばっかりの頃も、誘惑に勝てずに真っ二つにして怒られたっけな。兄貴の」
(父さん、お気の毒に)
親子二代に渡って悲劇に見舞われずによかった。
どうにか叔父の手からスマホを救出することに成功した。
「冗談はさておいて」
叔父は本気だったはずだ。
「秋人も家の中ばっかりじゃあ、退屈だっただろ? 異世界を少し探検してみないか?」
思いがけない言葉だった。これまでは当の叔父にやんわりと止められていたため自粛していたのだが、せっかくの異世界で興味を持つなというのが無理がある。
「え、いいの? 本当に?」
「おう。ただし、俺はこれから用があって、ちょっと出なければならん。付いていってやれないから、冒険者の真似事とかは無理だけどな。安全なところを散歩ってところか」
「ああ、一緒じゃないんだ……」
同行してもらえると思い込んでいたので、上がりかけたテンションがやや消沈する。
情けないと思うなかれ。成人であろうと男であろうと、さすがに見知らぬ場所どころか見知らぬ異世界で、気軽にひとり歩きしろと言われては不安も残る。
異種族をはじめ、野生の獣や魔獣はもとより、魔族や魔王なんてものも存在する世界だ。
叔父のようにチート級の超絶な腕っ節でもあるなら別だが、こちとらチートどころかスキルもない、ごくごく普通の凡人。むしろ運動は不得手といえる。
「そんな不安そうな顔をすんな。俺の甥だ、なんとかなる! 根拠はない!」
根性論だった。
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