夏休み ユナちゃんの小さな冒険物語

ゆきもと けい

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5章 公園とお友達

夏休み ユナちゃんの小さな冒険物語

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 少し歩くと公園に着いた。それほど大きな公園ではないが、飛行機型の雲梯や象さんの滑り台やブランコなど、一通りの遊具は揃っているようだ。
 ユナちゃんは公園の入り口で立ち止まっている。公園内には小さい子供連れた母親が滑り台に乗っている子供をみている。
 真夏の炎天下・・・いくら夏休みとはいえ、遊ぶ子供たちも少ないのだろう・・・

『中に入ってみるかい?』

 公園遊びなど久しくしていない。たぶん、最後に公園に来たのは1年以上前かもしれない。家族でどこかへ旅行へ行った際に公園で遊んだ記憶があるだけだ。
 ユナちゃんは、

「ウン」

 頷いた。
 公園内に入り、土の地面の上を歩き、ブランコへ近寄って行く。ブランコに乗ってみようかと思った。
 すると、後ろから

「結城さん?」

 声をかけられた。

(又後ろから・・・)

 ユナちゃんは、

(今日はよく後ろから声をかけられる)

 と思った。

 振り返ると、公園の入り口付近に、同じクラスの女子の正木さんと岩井さんが立っている。別段、仲が良いというわけではないが、悪くもない。至って普通の友達だ。

「あれ?ユナちゃんの家って、この近くだっけ?」

 正木さんが訊いた。正木さんは女子の中でも身長は高い方だ。可愛いキャラクターのTシャツにズボンを履いている。2人横並びで立っている。岩井さんは正木さんよりも背が低い。正木さんと同じようにTシャツとズボン姿。

「ううん・・・あっちの方かな?」

 ユナちゃんは、恐らく家のある方向を指さした。

「そうだよね。ここで会ったことないもんね・・・」

 正木さん達がユナちゃんに近づいていく。

「正木さん家は近いの?」

「あそこ」

 正木さんが指さしたのは、すぐ近くの2建ての家だった。

「ふーん」

「公園に遊びに来たんだったら、一緒に遊ぼうよ。ユナちゃんとは一度も遊んだことないし・・・」

 今度は岩井さんが、そうだ、といわんばかりに言った。

「うん、そうしようよ、あそぼ・・・」

 正木さんも頷く。

 ユナちゃんがちょっと考えていると、後ろからトラちゃんが、

『せっかくだから遊んでおいでよ。僕は待ってるからさ・・・』

 声をかける。

「じゃぁ、ちょっとだけ・・・」

 3人は雲梯にぶら下がったり、ブランコに座って漕いで、誰が一番遠くまで飛べるか・・・

 ユナちゃんはすごく楽しかった。こんなに楽しく遊んだのはいつ以来だっただろうか・・・改めて考える。

 無理して飛び過ぎると、転んだりする。
 みんなで笑う・・・
 それも又楽しい・・・

 ユナちゃんの服は汚れたりするが、さして気にもかけないで遊んだ。

 どれくらい遊んだだろうか・・・お日様がさっきより傾いているので、1時間以上は遊んだのだろう・・・

 バイバイして2人と別れた。明後日、天気だったら、又、遊ぶ約束をした。

(ここまでの道を覚えておかなくちゃ・・・)

『楽しかったかい?』

 日陰で休んでいたトラちゃんが出できた。

「ウン」

『服、汚れちゃったね・・・』

「ウン」

 ユナちゃんは汚れた服をはたきながら、嬉しそうに頷いた。

『じゃぁ、又歩こうか』


  5章 公園とお友達 完 続く
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