リクゴウシュ

隍沸喰(隍沸かゆ)

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ディノル

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 日が昇り、稲たちは地上に降りて、これからどうするかを話しあっていた。
 稲は広範囲に血液が広がったため、残りを回収しなければならないと話し、楽ドはディーヴァを保護したいと言う。
 そして崩壊した軍隊を内側から構築すると楽ドは言った。
 自分の子供を組織化した家に帰したくない、守りたいと言う茶飯。
 幼い鵺トとお腹の子を自分の里で育てようと言うセイナ。
 稲は楽ドの保護を手伝うと言う。
「私を使え。この力をお前の為の力にしてくれ」
 と。
 目を覚まし、話し合いに参加していた光陰に楽ドが尋ねる。
「お前はどうする?」
「……わからない」
 彼の考えが決まらず、夜になる。もう食料もドラム缶風呂もない。寝袋もなく、皆地べたに川の字になって寝ころんだ。寝袋がないだけで11月の空気はとても冷たく肌を刺した。
 寒さに目を覚ました稲は、光陰がいなくなっていることに気が付いた。楽ドを起こし、一緒に探す。
 しかし、光陰は普通に帰ってきていた。トイレに行ってきただけらしい。楽ドと稲は眠りについた。
 次の日の朝、光陰は仲間たちから離れて妹・奏を起こして話をしていた。
「もう二度と、会う気はない。でも、もし……もしもだが。……もう一度、会えたなら」
 ずっと考えていたことだった。
「………………俺は死神だ。……だから、さよならしような、奏」
「いや……だ」
「……奏?」
 奏は泣きじゃくって、光陰の胸に飛びつく。
「ぃやだぁぁ──……ッ!! いやだ、やだ、お兄ちゃんどこにも行かないでぇ……っ、わたしが悪いことばっかりしたから嫌いになったの……っ、わがまま言わないから、もう勝手に動いたりしないから、お兄ちゃんお願い、一人にしないで、置いてかないで……わたしも一緒に連れてって!」
「奏。……奏。聞いてくれ」
 光陰は奏の肩を掴み、離して顔を覗き込む。
「守りたいから離れるんだ。捨てるなんてことは──」
「なら一緒にいてよ……っ、離れる必要なんてないよ!」
「奏……俺が傍にいたらお前達が危険なんだ。俺は死神なんだよ」
「お兄ちゃんは神さまなんかじゃないっ!! お兄ちゃんは私のお兄ちゃんだよっ……!!」
「奏」
「お兄ちゃん……、お兄ちゃ、お兄ちゃっ……お兄ちゃん、お兄ちゃんっやだよ、やだよぉ……っ」
 光陰は奏の頭を撫でる。
 青い魔方陣が、光陰の手のひらから奏の頭を降りていった。
 忘却の魔術は掛けられる。
 真上をぼうっと見上げる奏を抱きしめて、光陰は言った。

「きっと迎えに行くから、無事でいろ」

 涙を一粒流し、奏の頭を優しく撫でた。

「そしていつか……一緒に家へ帰ろうな」
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