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エンタイア
最終話
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数か月後。
アリシアは、ング・エンタ第六研究基地C棟――地下最下階へ向かっていた。
重たい音を立て、鉄扉が両側に開かれていく。
暗い部屋に明かりが入り、中にいた黒いモノはゆっくりと顔を上げた。
アリシアがそれに近づくと、それの手は彼女の背を押して、扉の外へ出した。
『nlj、jljlbkgzjjejbz』
黒いモノが告げ、アリシアは背を向けたまま、扉の閉まっていく音を聞く。
鉄扉は重たい音を立て、闇と光の境目を、完全に断ち切った。
◇◇◇
西暦三〇〇九年。
「逃げ出した子供達を始末しろ」
ング・エンタ研究基地C棟はサイレンが鳴り響き、慌ただしく施設員達が動き回っていた。
そんな中、一人の青年の、冷静な冷たい声が響く。
「エンタイアを出せ」
地下室の鉄扉が重たい音を立てて開いていく。
猫背のように丸まった背中には大量の巨大な翼が生えており、血のような体液をボタボタと流し続ける。落ちた体液は床を溶かし、身体の側面についた眼球からはずっと緑色の涙が溢れ続ける。
その奥から現れたのはこの世のものとは到底思えない――怪物――いや。
化け物だった。
◆◆◆
オレは、ひとりぼっちだ。
アリシアは、ング・エンタ第六研究基地C棟――地下最下階へ向かっていた。
重たい音を立て、鉄扉が両側に開かれていく。
暗い部屋に明かりが入り、中にいた黒いモノはゆっくりと顔を上げた。
アリシアがそれに近づくと、それの手は彼女の背を押して、扉の外へ出した。
『nlj、jljlbkgzjjejbz』
黒いモノが告げ、アリシアは背を向けたまま、扉の閉まっていく音を聞く。
鉄扉は重たい音を立て、闇と光の境目を、完全に断ち切った。
◇◇◇
西暦三〇〇九年。
「逃げ出した子供達を始末しろ」
ング・エンタ研究基地C棟はサイレンが鳴り響き、慌ただしく施設員達が動き回っていた。
そんな中、一人の青年の、冷静な冷たい声が響く。
「エンタイアを出せ」
地下室の鉄扉が重たい音を立てて開いていく。
猫背のように丸まった背中には大量の巨大な翼が生えており、血のような体液をボタボタと流し続ける。落ちた体液は床を溶かし、身体の側面についた眼球からはずっと緑色の涙が溢れ続ける。
その奥から現れたのはこの世のものとは到底思えない――怪物――いや。
化け物だった。
◆◆◆
オレは、ひとりぼっちだ。
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