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アノン
25 ※BLあり
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次の日、シェルビーはアライアと結果をまとめた資料を施設印刷機で印刷し、リーダーに提出した。いろいろと質問されたがどれも曖昧に答えて回避した。
資料は好成績の結果が出て、アノンを今後も連れ出せるようになる。
また、回を重ねるごとに目隠しの仮面も外されるようになった。
半月後、SSチームに新しいメンバーが加わった。
國哦伐翡翠だった。
彼はSチーム止まりの優秀さだったが、研究施設のお偉いさんの知り合いらしく、SSチームに入れられた。
アライアはその頃にはもう、シェルビーの家に泊まることもできるようになっており、研究に興味を持ったアライアとシェルビーは共に協力して家で実験を行っていた。
二人が行った実験は、二人の精液とバシリを使った実験だった。二人は魔術を扱える新しい生命体を生み出そうとしていたのだ。まあ本音は子供が欲しかったからと言えよう。二人はその実験に【人工生命体S・A実験】と名付け、始めたが、生命を弄ぶそれを良しとはせず、一回の実験で成功させる策を考えた。人工生命体と言う難しい課題は目も向けられない結果ばかりを残した。そんな時、何でも吸収する力を持つ白龍子と、最も操りやすい力を持つ赤龍子と言う物質をシェルビーが使うことを提案して、二人の頭の中の実験や彼らの作った資料で今までより確率が高い成功の結果が出る。シェルビー達は自分達の精液と、白龍子と赤龍子、緑龍子を使う実験を行った。
同じ実験体で失敗を繰り返し、しかし諦めず続けたところ、ついに完成したその人型の生命体に、シェルビー達は《ギゼル》と言う名を与えた。施設に利用されないためにその存在を知らせず、家で育てることとした。
――数週間後、お偉いさんから招待され、施設統括にヒグナル・バルマディッジと言う男がやって来た。研究者達も、その上司も頭が上がらない様子だった。
ヒグナルと言う男はアノンに興味を持っているらしく、シェルビー達の前で研究者達を「今まで研究成果が出ないのはアノンを調教しないせいだ!!」とヒステリックに罵倒した。
ヒグナルはアノンの調教を始め、アノンのストレスは急上昇する。シェルビーが呼ばれ、彼の頭を撫でたり抱き締めたりしてストレスを減少させるが、ヒグナルは彼の存在をよく思わなかったのか、ぞっとするような目でシェルビーを睨み付けた。
ストレス減少のため、またヒグナルから遠ざけるために、シェルビーとアノンは町で暮らすようになった。
ベッドにアライアを座らせ、服を脱がせる。
調教で鞭を使ったのか、上半身のいたるところに傷跡と蚯蚓腫れの跡が残っている。胸から背中に掛けて、シェルビーは塗り薬を塗っていく。痛みを我慢するように身体を震わせるアライアを見て、傷に触れないよう頭を胸に抱きこむ。
アライアはされるがままだった。どこかぼうっとしているアライアの前に座り直し、シェルビーは俯く彼の両頬を両手で包み込んで、持ち上げる。青い瞳が輝いて、シェルビーの瞳とかち合う。
「今日は基地に行ってみないか。久しぶりだろ」
「ああ……久しぶりに行ってみたい」
ギゼルのことは隠しながら運び、お爺さんの家に住んでいるお孫さんに預けた。シェルビーが学校に通う際、よくお世話になっている。ギゼルは様々な知識を持って生まれてきた生命体で、人の言葉は簡単に理解出来た。その分寂しい思いをさせているだろうが、夕方迎えに来て夜には一緒に寝て、朝、登校する際にお孫さんに預ける。アライアが泊まる日は一緒に世話をするし、これからは毎日アライアがいる日が続く。
シェルビーも休暇を取っており学校に通わなくていい。休暇を取ったと言うよりは研究者達に出されたと言った方が正しかった。
水路の橋の下へ着くと、アライアはシェルビーと繋いでいた手を離し、いつの日かエリティと向が白い石で落書きしていたコンクリートを触わる。
シェルビーが地面に座ると、真似するようにアライアもその隣に座った。アライアがシェルビーの手を取り、遠くを見ながら言った。
「みんな元気にしてるかな?」
「え……」
「ん?」
アライアがシェルビーに振り向くと、彼はぽたぽたと涙を流していた。
「ど、どうしたんだ?」
アライアが慌てて手を振ると、シェルビーは泣きじゃくりながら言った。
「みんな……焼却炉で……そう聞いたから」
「あの研究者に言われたのか?」
シェルビーは首を振る。
「両親の灰が届いた頃、そんな噂話を聞いたんだ」
「そうか……そんなことがあったのか。大丈夫、全員、見つけられなかったってあの研究者が言ってたんだ」
「そっか……そっか……みんな、生きてたんだな」
「…………きっと、元気にしてるよ」
「ああ……きっとみんなで楽しく過ごしてる」
アライアはシェルビーの涙を拭い、その顔に顔を近づける。口づけすると、シェルビーはアライアの後頭部に手を回していた。背中にも手が当てられ、彼等は長い間そうした。
抱き締め合ったり、くっついたり、キスをしたり。たくさん、恋人としての時間を過ごした。
手を繋いで帰路につき、途中からギゼルと一緒に家へ帰った。
資料は好成績の結果が出て、アノンを今後も連れ出せるようになる。
また、回を重ねるごとに目隠しの仮面も外されるようになった。
半月後、SSチームに新しいメンバーが加わった。
國哦伐翡翠だった。
彼はSチーム止まりの優秀さだったが、研究施設のお偉いさんの知り合いらしく、SSチームに入れられた。
アライアはその頃にはもう、シェルビーの家に泊まることもできるようになっており、研究に興味を持ったアライアとシェルビーは共に協力して家で実験を行っていた。
二人が行った実験は、二人の精液とバシリを使った実験だった。二人は魔術を扱える新しい生命体を生み出そうとしていたのだ。まあ本音は子供が欲しかったからと言えよう。二人はその実験に【人工生命体S・A実験】と名付け、始めたが、生命を弄ぶそれを良しとはせず、一回の実験で成功させる策を考えた。人工生命体と言う難しい課題は目も向けられない結果ばかりを残した。そんな時、何でも吸収する力を持つ白龍子と、最も操りやすい力を持つ赤龍子と言う物質をシェルビーが使うことを提案して、二人の頭の中の実験や彼らの作った資料で今までより確率が高い成功の結果が出る。シェルビー達は自分達の精液と、白龍子と赤龍子、緑龍子を使う実験を行った。
同じ実験体で失敗を繰り返し、しかし諦めず続けたところ、ついに完成したその人型の生命体に、シェルビー達は《ギゼル》と言う名を与えた。施設に利用されないためにその存在を知らせず、家で育てることとした。
――数週間後、お偉いさんから招待され、施設統括にヒグナル・バルマディッジと言う男がやって来た。研究者達も、その上司も頭が上がらない様子だった。
ヒグナルと言う男はアノンに興味を持っているらしく、シェルビー達の前で研究者達を「今まで研究成果が出ないのはアノンを調教しないせいだ!!」とヒステリックに罵倒した。
ヒグナルはアノンの調教を始め、アノンのストレスは急上昇する。シェルビーが呼ばれ、彼の頭を撫でたり抱き締めたりしてストレスを減少させるが、ヒグナルは彼の存在をよく思わなかったのか、ぞっとするような目でシェルビーを睨み付けた。
ストレス減少のため、またヒグナルから遠ざけるために、シェルビーとアノンは町で暮らすようになった。
ベッドにアライアを座らせ、服を脱がせる。
調教で鞭を使ったのか、上半身のいたるところに傷跡と蚯蚓腫れの跡が残っている。胸から背中に掛けて、シェルビーは塗り薬を塗っていく。痛みを我慢するように身体を震わせるアライアを見て、傷に触れないよう頭を胸に抱きこむ。
アライアはされるがままだった。どこかぼうっとしているアライアの前に座り直し、シェルビーは俯く彼の両頬を両手で包み込んで、持ち上げる。青い瞳が輝いて、シェルビーの瞳とかち合う。
「今日は基地に行ってみないか。久しぶりだろ」
「ああ……久しぶりに行ってみたい」
ギゼルのことは隠しながら運び、お爺さんの家に住んでいるお孫さんに預けた。シェルビーが学校に通う際、よくお世話になっている。ギゼルは様々な知識を持って生まれてきた生命体で、人の言葉は簡単に理解出来た。その分寂しい思いをさせているだろうが、夕方迎えに来て夜には一緒に寝て、朝、登校する際にお孫さんに預ける。アライアが泊まる日は一緒に世話をするし、これからは毎日アライアがいる日が続く。
シェルビーも休暇を取っており学校に通わなくていい。休暇を取ったと言うよりは研究者達に出されたと言った方が正しかった。
水路の橋の下へ着くと、アライアはシェルビーと繋いでいた手を離し、いつの日かエリティと向が白い石で落書きしていたコンクリートを触わる。
シェルビーが地面に座ると、真似するようにアライアもその隣に座った。アライアがシェルビーの手を取り、遠くを見ながら言った。
「みんな元気にしてるかな?」
「え……」
「ん?」
アライアがシェルビーに振り向くと、彼はぽたぽたと涙を流していた。
「ど、どうしたんだ?」
アライアが慌てて手を振ると、シェルビーは泣きじゃくりながら言った。
「みんな……焼却炉で……そう聞いたから」
「あの研究者に言われたのか?」
シェルビーは首を振る。
「両親の灰が届いた頃、そんな噂話を聞いたんだ」
「そうか……そんなことがあったのか。大丈夫、全員、見つけられなかったってあの研究者が言ってたんだ」
「そっか……そっか……みんな、生きてたんだな」
「…………きっと、元気にしてるよ」
「ああ……きっとみんなで楽しく過ごしてる」
アライアはシェルビーの涙を拭い、その顔に顔を近づける。口づけすると、シェルビーはアライアの後頭部に手を回していた。背中にも手が当てられ、彼等は長い間そうした。
抱き締め合ったり、くっついたり、キスをしたり。たくさん、恋人としての時間を過ごした。
手を繋いで帰路につき、途中からギゼルと一緒に家へ帰った。
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