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アノン
18 ※BLあり
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アライアは目を見開いて驚いたが、シェルビーは冷静なようだった。
「……そ」
「大好きだ」
アライアの真っ赤になる顔を眺める。アライアは顔を赤くしたまま俯き、目を逸らしながら言った。
「お、俺も」
「ん?」
アライアは恥ずかしそうに小さく呟く。
「……好きだよ」
アライアの唇が小さく震え、シェルビーはそれを見て嬉しそうに笑った。
そして、ハッと何かを思い付いて、アライアの手を両手で握り自分の胸に引き寄せる。
「もう1つできた」
「ん?」
「外に出たら、一緒に暮らそう」
「シェルビー」
「だってさ、こうして話してるだけでも楽しくてさ、町でみんなと集まって話してる時も楽しかったんだから、みんなで暮らしたらきっともっと楽しいよな」
「……二人だけで暮らすんじゃないのかよ」
「はあ? 何で怒ってるんだ? 何でそうなったんだ?」
アライアは拗ねたように、そして恥ずかしそうに、しかしはっきりとした声で言った。
「だって二人きりの時しかキスしてくれないじゃないか」
「アホか!?」
「――声が大きい」
アライアに注意され、シェルビーは声を潜めながら言う。
「そんなの、みんなの前ですればいい」
「は? いやだよ恥ずかしい」
「みんな応援してくれると思うんだけど」
「そんなにうまくいくか?」
「気にしないだろ、あいつらなら。むしろ祝福してくれるよ」
アライアは視線を下にして少し考える。
「……そうかもしれないな。……でもみんなの前ではいやだ」
「何でだよ」
「だって麗土とラヴィラが俺達の目の前で普通にキスしたらどう思う?」
「うわ、見てらんない。こっちが恥ずかしくなる」
「それを何度もやるんだぞ」
「少しイラッとさえする。二人きりのところでしてくれ」
「ほらね」
「でも一、二回なら微笑ましいと思うんだけどな」
「まあな、あの二人ちゃんと付き合うかな……」
「パン屋と肉屋だぞ。サンドイッチの話(はなし)してから肉屋になりたいとか言い出したんだあいつは」
「単純すぎるな。将来の夢がサンドイッチで決まるとか……」
シェルビーは少し考えてから、アライアの瞳を見ながら呟く。
「……二人で暮らすか」
「急にどうしたんだ?」
「たくさんくっつきたいし、たくさんキスしたいし。二人きりがいいなって。思って。さ」
アライアはくすくすと口元とお腹を押さえて笑う。
「何がおかしいんだよ」
「何で、もっとこう。堂々と口説いてくれないのかなってさ」
「くど!?」
アライアは笑いながら、小指を差し出してきた。
「一緒に暮らそうな、約束」
それに、シェルビーは小指を合わせようとしない。
「約束はしない」
「えー」
「……誓う」
恥ずかしそうに言うシェルビーに、アライアはいつもの仏頂面のまま言う。
「口説いたつもり?」
「あーもうお前うるさい。そこにいちいち突っ込むなよ。お前昔からそう言うところあるよな」
「は? どう言う意味」
「そこも好きー」
「こっち見て言えよ」
そっぽを向くシェルビーの顔を捕まえて、アライアは自分の方へ向かせようとする。
「おい。おいやめろ」
「こっち見て言え」
仏頂面が増してから、直ぐに威圧的な笑顔になる。
「好きだよシェルビー。俺も大好き。ほら、俺のこと好きって言え」
「さっき言っただろ」
「素直になれ」
アライアの真顔による威圧に、シェルビーは冷や汗を垂らし観念して言う。
「す、好きだ」
「もっと」
「好きだ」
「誰を?」
「お前」
「名前」
睨みつけられて、ムカついて一周回って素直になると。
「アライアが好き」
「俺もシェルビーが好きだ」
同じように素直に返された。
シェルビーは赤くなったアライアの顔を見て照れ臭くなる。
「も、もうやめないか?」
「好き」
「おい」
「好きだ」
「おい……」
「好きだよ」
アライアの手は冷たく、震えているように感じた。寒さで震えているのかとも思ったが、あの実験してきた施設に連れ戻されるんじゃないかと、悪い方向に考えているのだとすぐに分かった。
……アライア。
そう呼びかけようとした、その時。……だった。
「いたぞ!」
「――――ッ!?」
「――――――――ッ!!」
「な、なんで――」
「――行こう! シェルビー、一か八かだ!」
奥からこちらを覗き込む男はまだダクトへ入ってこれていない。
シェルビーとアライアは急いで四方と下方に合わさるダクトから下方に降り、排水溝の中に飛び込む、水に勢いよく流され、息を止めながら進んでいった。壁の中の蓋から流れ込む激しい雨で勢いが増し、かなりの速さで外に出られる――…………
――――……が、出口の周りは既に警備員らしき者達に取り囲まれていた。
「シェルビー……」
「アライア……」
手を繋ぎ、顔を見合わせる二人。
雨が全身を濡らし、二人とも疲れた顔をして佇んでいた。
シェルビーが眉を寄せて笑って言った。
「俺もアライアが好きだよ」
二人は大人達に捕らえられ、引き離される。
「シェルビー、シェルビー!」
「アライア……」
必死に名前を呼びこちらに手を伸ばすアライアを見て。
シェルビーの頭の中に、あの実験の光景が思い出される。
「絶対に、絶対に、見つけ出すから、助けに行くから――アライア――……」
こちらからも手を伸ばすが、届くどころか引き離されていく。
二人の距離はどんどん、遠のいていく。
「――――アライアあああああああああああああああああああああ!」
「……そ」
「大好きだ」
アライアの真っ赤になる顔を眺める。アライアは顔を赤くしたまま俯き、目を逸らしながら言った。
「お、俺も」
「ん?」
アライアは恥ずかしそうに小さく呟く。
「……好きだよ」
アライアの唇が小さく震え、シェルビーはそれを見て嬉しそうに笑った。
そして、ハッと何かを思い付いて、アライアの手を両手で握り自分の胸に引き寄せる。
「もう1つできた」
「ん?」
「外に出たら、一緒に暮らそう」
「シェルビー」
「だってさ、こうして話してるだけでも楽しくてさ、町でみんなと集まって話してる時も楽しかったんだから、みんなで暮らしたらきっともっと楽しいよな」
「……二人だけで暮らすんじゃないのかよ」
「はあ? 何で怒ってるんだ? 何でそうなったんだ?」
アライアは拗ねたように、そして恥ずかしそうに、しかしはっきりとした声で言った。
「だって二人きりの時しかキスしてくれないじゃないか」
「アホか!?」
「――声が大きい」
アライアに注意され、シェルビーは声を潜めながら言う。
「そんなの、みんなの前ですればいい」
「は? いやだよ恥ずかしい」
「みんな応援してくれると思うんだけど」
「そんなにうまくいくか?」
「気にしないだろ、あいつらなら。むしろ祝福してくれるよ」
アライアは視線を下にして少し考える。
「……そうかもしれないな。……でもみんなの前ではいやだ」
「何でだよ」
「だって麗土とラヴィラが俺達の目の前で普通にキスしたらどう思う?」
「うわ、見てらんない。こっちが恥ずかしくなる」
「それを何度もやるんだぞ」
「少しイラッとさえする。二人きりのところでしてくれ」
「ほらね」
「でも一、二回なら微笑ましいと思うんだけどな」
「まあな、あの二人ちゃんと付き合うかな……」
「パン屋と肉屋だぞ。サンドイッチの話(はなし)してから肉屋になりたいとか言い出したんだあいつは」
「単純すぎるな。将来の夢がサンドイッチで決まるとか……」
シェルビーは少し考えてから、アライアの瞳を見ながら呟く。
「……二人で暮らすか」
「急にどうしたんだ?」
「たくさんくっつきたいし、たくさんキスしたいし。二人きりがいいなって。思って。さ」
アライアはくすくすと口元とお腹を押さえて笑う。
「何がおかしいんだよ」
「何で、もっとこう。堂々と口説いてくれないのかなってさ」
「くど!?」
アライアは笑いながら、小指を差し出してきた。
「一緒に暮らそうな、約束」
それに、シェルビーは小指を合わせようとしない。
「約束はしない」
「えー」
「……誓う」
恥ずかしそうに言うシェルビーに、アライアはいつもの仏頂面のまま言う。
「口説いたつもり?」
「あーもうお前うるさい。そこにいちいち突っ込むなよ。お前昔からそう言うところあるよな」
「は? どう言う意味」
「そこも好きー」
「こっち見て言えよ」
そっぽを向くシェルビーの顔を捕まえて、アライアは自分の方へ向かせようとする。
「おい。おいやめろ」
「こっち見て言え」
仏頂面が増してから、直ぐに威圧的な笑顔になる。
「好きだよシェルビー。俺も大好き。ほら、俺のこと好きって言え」
「さっき言っただろ」
「素直になれ」
アライアの真顔による威圧に、シェルビーは冷や汗を垂らし観念して言う。
「す、好きだ」
「もっと」
「好きだ」
「誰を?」
「お前」
「名前」
睨みつけられて、ムカついて一周回って素直になると。
「アライアが好き」
「俺もシェルビーが好きだ」
同じように素直に返された。
シェルビーは赤くなったアライアの顔を見て照れ臭くなる。
「も、もうやめないか?」
「好き」
「おい」
「好きだ」
「おい……」
「好きだよ」
アライアの手は冷たく、震えているように感じた。寒さで震えているのかとも思ったが、あの実験してきた施設に連れ戻されるんじゃないかと、悪い方向に考えているのだとすぐに分かった。
……アライア。
そう呼びかけようとした、その時。……だった。
「いたぞ!」
「――――ッ!?」
「――――――――ッ!!」
「な、なんで――」
「――行こう! シェルビー、一か八かだ!」
奥からこちらを覗き込む男はまだダクトへ入ってこれていない。
シェルビーとアライアは急いで四方と下方に合わさるダクトから下方に降り、排水溝の中に飛び込む、水に勢いよく流され、息を止めながら進んでいった。壁の中の蓋から流れ込む激しい雨で勢いが増し、かなりの速さで外に出られる――…………
――――……が、出口の周りは既に警備員らしき者達に取り囲まれていた。
「シェルビー……」
「アライア……」
手を繋ぎ、顔を見合わせる二人。
雨が全身を濡らし、二人とも疲れた顔をして佇んでいた。
シェルビーが眉を寄せて笑って言った。
「俺もアライアが好きだよ」
二人は大人達に捕らえられ、引き離される。
「シェルビー、シェルビー!」
「アライア……」
必死に名前を呼びこちらに手を伸ばすアライアを見て。
シェルビーの頭の中に、あの実験の光景が思い出される。
「絶対に、絶対に、見つけ出すから、助けに行くから――アライア――……」
こちらからも手を伸ばすが、届くどころか引き離されていく。
二人の距離はどんどん、遠のいていく。
「――――アライアあああああああああああああああああああああ!」
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