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最終章
最終話 新たな冒険
しおりを挟む「では……メイドさんになったヴァントリア様のつとめです。僕の服を脱がせてください」
「何でだよ!?」
「あの時だってそうしたじゃありませんか。愛していますよ、ヴァントリア様」
ず、ズルい……。あの時聞きたかった言葉をこんな段階で言うなんて。
そっとヒオゥネに近づくと、彼の服のボタンに手をかける。好きな人の服を脱がしていくのはやっぱりドキドキしたし、肌が見え始め、触れてしまうようになった頃にはもうどうにかなりそうだった。
ズボンを脱がせた後、硬直する。
目の前のトランクスが最後だ。このトランクスさえ脱がせばこの気まずい空気も終わる……でも次はもっと気まずい空気になるだろ! 全裸だぞ全裸!
そっとトランクスに指を入れ、ゆっくりと下に下ろしていく。
「まだ脱がされてないのに、そんなに見られると流石に恥ずかしいです」
「だ、黙ってろ!」
ヒオゥネが片足を上げてトランクスは完全に脱がし終える。顔を上げられずにいると、「今度は私の番ですね。メイドさんはベッドの上へ移動してください」なんて言ってくる。
立ち上がると、ベッドに押し倒される。
「いい眺めですね」
「もう感想はいいから早くしてくれ……!」
「そんなに早くしたいんですか?」
「違う!」
「こう言う時間も大切にしないといけませんよ」
ヒオゥネの手がスカートを捲るように太ももを撫でる。
「ひ、ヒオゥネ……!」
「やはりこの姿の貴方は萌えますね」
「萌えますね、じゃない! 変態くさいぞ! 変態!」
「はい、僕は変態ですから」
くそぅ、開き直りやがって! 変態なら何でもしていいって言うのか!
睨み上げると、ポッと頬を赤く染める。そう言えば睨まれるの好きだったな。
そ、それよりヒオゥネの胸板が――ヒオゥネの肌が、それより、ヒオゥネに押し倒されてる、俺、押し倒されてる!
は、恥ずかしい~~~~!!
「腕を上げてください」
そう言われ、素直にあげると、スカート部分を持ち一気に脱がされる。メイド服とカチューシャは地面へ投げ捨てられた。もう用無しらしい。
それより何より何なんだこの俺の格好はあああああ!
スケスケの羽織の下に、男なのに女物のように作られたレースの男物のブラジャーとパンツを着たこの状況。
ヒオゥネの口から、ほぅ……と感動するようなため息が出てくる。
「綺麗です……ヴァントリア様、愛しています」
「あうううう……」
「羽織、自分で脱いでくれますか?」
こくこくと頷くと、ヒオゥネは背中に手を差し入れてきて俺を抱き起こした。
恥ずかしくて背中を向けながら羽織を脱ぐと、後ろから抱きしめられる。
肌と肌が直接触れ合って、ヒオゥネの熱い体温が伝わってきて、鼓動が限界まで早まる。
もう、どうにかなってしまう――――!! 恥ずかしい、嬉しい、恥ずかしい、嬉しい、恥ずかしい!!
ヒオゥネの指がブラと肌の間に入ってきて、胸を揉みしだく。
「な、何をして……! ひゃん!」
変な声出た! 思わず口を押さえると、「聞かせてください」と耳元で呟かれて頭がオーバーヒートを起こす。
ベッドの上に転ばされ、仰向けになると、ヒオゥネは胸に顔を近づけていく。
つ、次は何をする気だこの変態……!
ヒオゥネの唇が胸の中央を掠めると、ブラの中央部分を噛みながら上へと引き上げられる。
胸と乳首が丸出しになり、小さく悲鳴をあげる。
どんな脱がせ方だ……!!
ブラはそのままに、両方の乳首を交互に口付けてきて顔中に熱が集まる。
「ぁ、あ……や、変態……!」
「かわいいですね」
「それしか言えないのか! ん……っ」
背中に回ってきた手にブラを外され、空中に投げ捨てられる。それを視界に捉えながらも、意識は胸に集中していた。赤ん坊のように胸を吸うヒオゥネの顔に釘つげになった。
え、えっちだ……。
「あっ、ひあぁ……」
艶めく赤い唇を眺めていたら、そんな甘い声が口から漏れ出す。
とろりと舌が胸を舐め上げて行き、ヒオゥネはやっと唇を離す。
自分の胸を今までしゃぶっていた唇に、熱っぽいキスをされる。熱に浮かされたような状態の二人の熱であたり一面の空気ががゆらゆらと動いて見えた。
ふらふらとする頭を動かして、自らもヒオゥネの唇に吸い付くと、相手からそれ以上に深い口付けを与えられる。
ここからは見えなかったが、ヒオゥネの手がお腹の上を撫でながら下半身へと向かっていく。
パンツにテントを作っていたそれを、上から撫で付け、親指でぎゅっと握り込まれる。
「やぁ……!」
快感に思わず口を離すと、大量の涎が互いの口から垂れて、羞恥でいっぱいになる。
パンツが先走りで濡れ出した頃、ヒオゥネの手がパンツを脱がす。上にのしかかっていたヒオゥネは一度ベッドの端へ移動し、パンツを完全に脱がし切った後、俺の両足を上げてその場に入り込んだ。
自分の格好を見て今まで感じたことのない羞恥を覚える。
「ヴァントリア様」
熱っぽい瞳と目が合う。ふるふると首を振るが、相手はゆっくりとそれに顔を近づけていった。
ぱくっとそれを咥えられ、長めの悲鳴をあげる。
「……ぁ、んっ、あ……!」
ヒオゥネの口に扱かれ、それはビクビクと震えていた。熱を溜め込んだそれは、いっときしてから吐き出され、ヒオゥネの口の中を汚した。
ヒオゥネはそれをごクリと飲み込み、それを見た俺は信じられない物を見るような顔をしただろう。でも、嫌な気持ちではなくて、ただ恥ずかしい。
「ヴァントリア様……僕もそろそろ」
そう言ったヒオゥネの手に眩い光が集まり、透明な瓶が握られる。
「ヒオゥネ……いい。いいから、はやく、あっため……」
「ヴァントリア様、愛しています……」
「ひ、ヒオゥネ……恥ずかしい……」
とろとろと自分の目の前で、自分の下半身にそれは掛けられる。
ヒオゥネの指が、ゆっくりと中に入ってくる。ヒオゥネはそれを熱っぽい瞳でぼうっと見つめていた。かく言う俺も、その光景をぼうっとした頭で眺めていた。
「もう緩いですね」
「…………」
ゼクシィルやアゼンヒルトに開発されていたとは言いづらかった。
「でもちゃんと指に吸い付いてきます、これが普通なんですか?」
「知るか……!」
今はヒオゥネのことだけを考えたくて、かぶりを振る。ヒオゥネの指がある一点を押した時、ビクッと身体が快楽に跳ね上がる。
「ひぁああ! ヒオゥネ……! だめ、そこっ」
「ここですか?」
「あああぁぁぁ! ひぁ、あん!」
ヒオゥネの指をどんどん飲み込み、広がったそれに、ヒオゥネは興奮している様子だった。
そり立ったそれを腰を動かして近づけてくる。
「あ、ぁ、ひ、ヒオゥネの……見たい」
「はい」
余裕がなさそうなヒオゥネは、それでも俺に見せてくれる。
これが今から入るんだ、ヒオゥネの……あれが。
「もういいですか?」
「う、うん……もう、来ていいよ」
「ヴァントリア様……愛しています」
「ひ、ヒオゥネ……っ!」
ぐっと入り口に火傷しそうなほどに熱い熱が当てられ、中にゆっくりと入ってくる。圧迫感と共に入ってくるその熱すぎる熱に驚き、身を捩る。
「ヴァントリア様……吸い付いてきます」
「そ、そう言うの言わなくてい……あ、ぁ、ヒオゥネが、入ってくる」
「んっ……く、ヴァントリアさま」
「ヒオ……ネ」
ぐんっと一気に奥まで入り込まれて、思わず声を上げると、ヒオゥネに強く抱きしめられる。
「動きます」
返事もままならないまま、ヒオゥネが動き出し、腰が火傷しそうな熱に浮かされる。
「あ、ひぁ、きもち……ぃ、ヒオゥネ、ひお……ねっ」
「ヴァントリア様、はぁ、は……僕も、気持ちいいです」
「ヒオゥネ……ぁ、すき、すき」
「愛しています、ヴァントリア様、すき、です……っ」
「ああ、あ……あ、ひあ……! ヒオゥネ、ヒオゥネ……!」
「ヴァントリア様、愛しています」
ヒオゥネのそれが大きくなるのを感じる、熱い体温がさらに熱くなるのを感じる。
一つになっていると感じる。
そうだ、よく考えたら、初めて出会った日にエッチなことしてるんだ、俺たち。
て、て言うかヒオゥネのやつ愛してるって言い過ぎっ……!
「あ……っ」
ヒオゥネの熱い息が漏れる、ぎゅうぎゅうと締め付けてしまったのだろう。
ヒオゥネの背中に手を回し、しがみつく。
「ヴァントリア様、もう」
「きて、ヒオゥネ、……いい、から」
「ヴァントリア様、好きです」
「ヒオゥネの熱、もっといっぱい、ほし……」
「ヴァントリア様……!」
「あっためて……ヒオゥネっ」
ヒオゥネの熱い息が漏れる、「くっ……」と声を漏らすと、中に感じたこともない快楽の熱がぶちまけられた。その後自分もすぐにイって、ヒオゥネの身体にしがみつきながら全てを吐き出す。
「ヴァントリア様……」
「ヒオゥネ……愛し、てる……」
「僕もです。愛しています……ヴァントリア様」
「まだ中にいて、ヒオゥネ……」
「はい……」
甘い口づけを交わし、互いにゆっくりと腰を動かす。
二度目の熱を吐き出してやっと、ひとつになるのをやめて、二人してベッドに倒れ込む。
後処理は後でいい、今はこの余韻に浸っていたい。
.。.:✽・゜+.。.:✽・゜+.。.:✽・゜+.。.:✽・゜+.。.:✽・゜+
俺とヒオゥネが地上の町へ辿り着いたのは夜になってからだった。
俺はヒオゥネにお姫様抱っこされて運ばれてきた。ウォルズと連絡を取り、仲間達が待つ広間へ向かう。
噴水の辺りで、仲間達はくつろぎながら待っていた。
「ヴァン!」
「バン様!」
「バン……!」
イルエラ、ジノ、テイガイア、ディオンが駆け寄ってくる。
「ヴァントリア!」
ウォルズが彼らの後ろから歩み寄ってきた。
みんなにぎゅうぎゅうと抱きしめられ、涙を流す彼らに「待たせてごめんな」と伝える。
その日はみんなと宿屋に泊まり、ヒオゥネと婚約したことを告げた。
全員驚いていたし、テイガイアなんて倒れてしまって、大変だった。
次の日、ヒオゥネは人々を救うための研究を始め、希望の力や神童の頭で次々と問題を解決していく。テイガイアが自分達が悩んでた意味があったのか、いる意味があるのかと嘆いていた。
シストは相変わらず地上に進出しても王様だ。サイオンもディスゲル兄様もロベスティゥもそれぞれやりたいことをやっているらしい。まだ会いにいっていないが、忙しそうなのでしばらくしてからにしようと思う。シストには会いに行かなくていいか!
俺とヒオゥネは、第一宮殿蛇煌で暮らすことになった。広すぎるのでその一角で暮らしているのだが、まだまだ宮殿はある。
さらに世界はまだまだ広いようで、俺たちの冒険は、まだまだこれからだと知らしめられた。
前世でゲームは攻略できなかったけど、こんな未来がゲームの結末なのだろうか。
それならA and Zは、ハッピーエンドだな。
「ヒオゥネ、今度は一緒に冒険してみないか?」
「それもいいですね。大体の人の蘇生は完了しましたし」
「は?」
「研究者達には通信の魔石で指示を出せば良いだけですし、なんなら分身を置いていきます」
「お前って……まあいいか」
終わり
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