272 / 293
第十四章
269話 大勢の協力者
しおりを挟むノス・イクエアへ向かう人やその帰りの人が生み出す流れに乗りそうになると、ヘイルレイラに腕を掴まれて引き戻された。
「おいクソ赤ヤロウ、さりげなく離れようとするんじゃねえよ」
「お前も波に乗れば分かる。どうしようもなくなるんだ」
「なぁにが、波に乗れば、だ」
ヘイルレイラはそう言って人混みの中へ入る。まっすぐ進んでいるように見えたが、途中でUターンして来た。大量の汗を流しながら荒い息を吐く。かなり無理をしてまっすぐ進もうとしていたらしい。
それがウォルズの好奇心に火をつけたのか、彼は人の波の中へ入って行ってしまう。慌ててついていけば、彼の佇まいに目を奪われた人々は彼に道を開けていくではないか。
そう言えば、前世のゲームでも通りやすいように人が避けてたような……。ヘイルレイラはここまでの人混みに入ったことがなかったな。
ウォルズは急に立ち止まり、必死についてきた俺達に振り返ってドヤ顔を向ける。その顔を見て何だか記憶を失う前のウォルズを思い出して、穏やかな気持ちになっていると、ウォルズに訝しげな目で見られる。
「気持ち悪い奴だな」
「あはは……」
テイガイアとラルフと待ち合わせている喫茶店へと向かっている最中だった。白い服を着た人の流れの中に、灰色の服を着た人が二人立つ姿を発見する。まるで川の中に石が置かれたかのように流れは彼らを避けていく。
ウォルズ以外にも人混みに呑まれない人がいたのか。あの灰色の服……。
少しずつ彼らに近づいていき、その輪郭が確かなものになった時に息を呑む。
「イルエラ……ジノ!」
喫茶店までもう少しと言うところで、彼らは俺を待ち構えるように立っている。
彼らは何もせず、何も言わず、ただ人形のように立ち尽くしているばかりだ。
思わずウォルズの前を行き人の流れにつっこむと、「おい!」と言うヘイルレイラの静止の声が聞こえてくる。人を掻き分け、途中で流されたり二人を見失ったりしながら、彼らの元へ辿り着く。
「イルエラ、ジノ」
二人の肩を叩いてみると、彼らはやっとこちらに目を向ける。
「どうしてここに? ウロボスの王宮にいたんじゃなかったのか?」
「…………」
「…………」
「と、とにかくここを離れよう」
二人の他に灰色の集団がいるかもしれない。全く反応を示さない二人の手を引き、人混みから抜け出す。テイガイアとラルフのいる喫茶店へ向かおうとすると、誰かに肩を掴まれた。
「ウォルズ……」
振り返ると、相手は険しい顔をしている。
「こいつらとはどう言う関係だ?」
後からやってきたヘイルレイラも険しい顔をしている。
「囚人達だ。また利用しようとしているらしいな」
「大事な仲間だ、利用しようとなんてしてない」
「ハッ、仲間だと? テメエに仲間なんていねえよ」
その言葉にムッとして、彼らを無視し、喫茶店の中へ入る。もしかしたらテイガイアとラルフならイルエラとジノの洗脳を解くことができるかもしれないと期待して。
「バン様あああああああ!」
「うぎゃあああああああああ!?」
いきなり抱きつかれて、悲鳴をあげてしまう。
「会いたかったです、貴方がいない日々はまるで暗闇と同じで何の色もなくて」
「セルみたいなこと言うんだな」
「セル? もしかしてウロボス帝のことですか? あの方は確かバン様のような赤色が好き……はっ! 何かされたんですか!?」
「…………」
「バン様?」
「テイガイアがいてくれて良かったよ」
「ば、バン様、今のはもしかしてプロポーズ……」
「なんでそうなるんだ!?」
離れろともがいていれば、ついてきていたらしいヘイルレイラが口を開け放って突っ立っていた。
「お、思った以上に利用されてるな……」
軽く引き気味だ。まあ……仕方がないよな。
「テイガイアは甘えん坊なんだ。大人だけど」
「甘えん坊ですまさないで下さい。私は貴方を愛しているんですバン様」
「もうやめて説明できなくなる!」
「この俺だってバンのことを愛してるぞ!」
「そこでラルフまで入ってこないで!」
ラルフはムッと口を尖らせる。
「この俺のことはディオンと呼べ。身体はラルフだが意思はもうこの俺だけだからな」
「ラル……ディオン。呼び慣れるのにまだ時間がかかりそうだけど頑張るよ」
「それより……こいつらは一体なんだ?」
ラル……ディオンの言うこいつらとは、俺に着いてきていたヘイルレイラとマリルだ。
俺が悪いことをするんじゃないかと気になって着いてきたらしいウォルズは含まれていない。
「ヘイルレイラとその妹のマリルだ。ヘイルレイラは俺が悪いことしないか監視してる」
「はあ?」
まあ、説明してて俺も変だなとは思ったけど。そんなに顔を歪ませなくても。
ヘイルレイラが気に食わないのか、ディオンは彼とバチバチと攻撃的な視線バトルを繰り広げている。
テイガイアが俺から離れ、イルエラとジノに向き直る。
「テイガイア?」
「イルエラくんとジノくんについてはヒオゥネくんから聞いています」
「え……」
「興味がなくなったから洗脳を解けと言うミッション付きです。恐らく呪いを吸収したから用済みと言うことでしょう」
「ヒオゥネは呪いを吸収するためにイルエラとジノを洗脳したのか?」
「そう言うことになりますね」
「それで、洗脳は解けるのか?」
「恐らく洗脳はヒオゥネくんの疑似呪いでされているでしょう。それさえ吸収できればいいので……ヒオゥネくんに吸収してくださいと頼みました」
「え、本人に頼んじゃったのか?」
「普通の呪いなら薬を作れたのですが、疑似呪いは難しかったので。ちゃんと疑似呪いを吸うために空間を移動して届けに来てくれましたよ」
「え」
「ヴァントリア様は会うのが初めてではないですよね」
そう言ってテイガイアがアイテムポーチの魔法石から取り出したのは、真っ黒な丸い毛玉……真っ黒なウサピョンだった。
「コゲテルです」
「だからネーミングセンス!」
ってそうじゃなくて、ヒオゥネはどんだけこのウサピョンのことを気に入ってるんだ。
「イグソモルタイトでも吸収できたと思うぞ」
「疑似呪いをイグソモルタイトで吸収出来るのか?」
ディオンに尋ねられ、頷く。
「イグソモルタイトもヒオゥネの分身みたいなものらしいんだ」
「そうだとしたら相当、呪いを溜め込んでいることになるな」
「そう言えば、ヒオゥネも実験されていたんだ」
「ヒオゥネくんが?」
「うん、イグソモルタイトに囲まれるようにして……もしかしたら本体が呪いをコントロールできるようになるまで貯めておくものなのかもしれない」
「なるほど……」
三人で黙り込んでいると、コゲテルがテイガイアの手の中で暴れ回る。テイガイアの手を噛み、テイガイアが思わず手を離すと、床に着地して、イルエラとジノへと近づく。
イルエラとジノから黒いモヤが出ていき、今まで黙って話を聞いていたヘイルレイラもウォルズも目を見開く。
黒いモヤはコゲテルの中へ消えていった。
ジノとイルエラが倒れ込み、テイガイアとディオンが支える。
「ジノ! イルエラ……!」
二人を交互に見やると、ゆっくりと、彼らの目が開かれる。
「ヴァン……?」
「ジノ……!」
「どうした、泣いているのか?」
「イルエラ!」
コゲテルは仕事が終わったと言わんばかりに空間を移動して消えていき、イルエラとジノはふらつきながらもディオンとテイガイアの腕から立ち上がる。
「良かった……、本当に良かった」
元の二人に戻った。そして、恐らくだが彼らが灰色の集団に狙われることはもうないだろう。
後はウォルズだけなんだけど。テイガイア達になんて説明したらいいのか。
「心配させてすまなかったな、ヴァン」
沈んでいると、イルエラに頭を撫でられる。この感じも懐かしくて思わず目をぎゅっと瞑って涙を流すと、テイガイアが心配そうにする。
「やっぱりみんなと一緒にいるのが一番幸せだ」
「おいおい、全員にプロポーズはないんじゃねえか?」
「気色悪いこと言わないでくださいラルフさん」
「満更でもねえくせに。それから、この俺はもうディオンだぜ」
「ヴァン、心配させたみたいだな。……今回のことは悪かった。それから……あいつのことが好きなのも、許せないではあるけど、どうせいつかお前を許した時みたいに許すことになるンだと思うから、待っとけ」
「ジノ……!」
「寄るな!」
感動して思わず抱き締めれば、相変わらず照れ屋さんらしい、抵抗されるので頭を撫でておくと大人しくなった。
珍しい、やっぱり再会できて嬉しいんだな。俺も嬉しいぞジノ!
「うるせぇ……」
「何も言ってないけど!?」
ジノは俺から離れると、ウォルズに振り返って言う。
「お前も……悪かったな。こいつの世話大変だっただろ?」
「は?」
「心配かけたな」
イルエラも「すまなかった」と伝えるが、ウォルズは何のことだか分かっていない様子だ。記憶がないから当たり前だ。様子のおかしいウォルズに、イルエラもジノもテイガイアもラルフも首を傾げる。
「実は、ゼクシィルに重傷を負わされてからウォルズの記憶がないんだ」
「記憶が? いつからのですか!?」
「俺達と過ごしてた記憶全部だよ」
「そ、そんな、私達はともかく、ウォルズさんがバン様のことを忘れるだなんて」
テイガイアの言葉に、ウォルズは眉間の皺を深める。
「俺とそいつがどう言う関係だったかは知らないが、君達と共に行動していたことは納得されてやるよ」
「ま、待てよ。俺様は納得されないぞ。テメエらはヴァントリアに利用されてるんだ!」
「こいつのことを知らない出会ったばかりの奴が、偉そうにヴァンのことを語るな!」
ヘイルレイラはジノの剣幕に怯む。それぞれが彼を睨みつけて責めていたので思わずヘイルレイラを背に庇ってしまう。
「ま、待ってくれ。今まで俺がしてきたことに対してヘイルレイラは怒ってるんだ、いい奴なんだ」
「はあ!?」
その言葉に驚きを示しているのはヘイルレイラだ。
「どうしてテメエが俺様を庇ってるんだよ!」
「ヘイルレイラ、黙ってたけど、ヴァントリアは実は悪いことをしながら人を助けていて……」
「はあ?」
どう説明したらいいんだああ……!
「バン様、私から説明します」
そう言って、テイガイアが連れてきたのは喫茶店の外だ。ヘイルレイラとウォルズは何でこんなところにと文句を言う。
「と言うより、みんなに説明してもらいます」
「へ?」
テイガイアが拡声魔法を使い、「皆さん、ヴァントリア・オルテイル様がいらしています」と突然紹介し始める。
「ちょっと!?」
「大丈夫です、バン様」
テイガイアはウインクをしてから、「見てください」とネクトヘイヴの人々へ手を指し示す。
「ヴァントリア様!」
「ヴァントリア様……! ヴァントリア・オルテイル様だ!」
「奴隷や娼婦を死体と偽り別の階層に運んでいたと言うあの……!」
「王族の証を手放さなかったのも彼らを助けるための資金に使っていたからだとか!」
「別の階層へ逃がすためだとも聞いたぞ!」
「私達も奴隷解放運動の署名を書いたんですよ!」
「ひとりぼっちじゃありません!」
「貴方の活動を応援します、俺達に何でも言ってください!」
人々のそんな声を聞きながら、俺はただぼうっと突っ立っていた。
なぜ彼らがそんなことを知っているのか、なぜ彼らが力になってくれようとしているのか、それは、あの時の。
14歳のヴァントリアとの会話を覚えていた人々がいて、それを他の人達にも伝えていたからだ。
つまり、あの時。
ヒオゥネはネクトヘイヴの人達の記憶を、消さなかったんだ……!
ヘイルレイラもウォルズも彼らの声に耳を傾け、ヴァントリアのしてきたことが証明されて驚愕している。
それでも誰かを傷つけた俺は、少しばかり気まずい気持ちになっていたが、14歳のヴァントリアがしてきたことが認められた気もして、すごく、嬉しかった。
10
お気に入りに追加
1,928
あなたにおすすめの小説
R18の乙女ゲーに男として転生したら攻略者たちに好かれてしまいました
やの有麻
BL
モブとして生まれた八乙女薫風。高校1年生。
実は前世の記憶がある。それは自分が女で、25の時に嫌がらせで階段から落とされ死亡。そして今に至る。
ここはR18指定の乙女ゲーム『愛は突然に~華やかな学園で愛を育む~』の世界に転生してしまった。
男だし、モブキャラだし、・・・関係ないよね?
それなのに次々と求愛されるのは何故!?
もう一度言います。
私は男です!前世は女だったが今は男です!
独身貴族を希望!静かに平和に暮らしたいので全力で拒否します!
でも拒否しても付きまとわれるのは何故・・・?
※知識もなく自分勝手に書いた物ですので何も考えずに読んで頂けると幸いです。
※高校に入るとR18部分が多くなります。基本、攻めは肉食で強行手段が多いです。ですが相手によってラブ甘?
人それぞれですが感じ方が違うため、無理矢理、レイプだと感じる人もいるかもしれません。苦手な方は回れ右してください!
※閑話休題は全て他視点のお話です。読んでも読まなくても話は繋がりますが、読むとより話が楽しめる内容を記載しております。
エロは☆、過激は注)、題名に付けます。
2017.12.7現在、HOTランク10位になりました。有難うございます。
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
【完結】ハードな甘とろ調教でイチャラブ洗脳されたいから悪役貴族にはなりたくないが勇者と戦おうと思う
R-13
BL
甘S令息×流され貴族が織りなす
結構ハードなラブコメディ&痛快逆転劇
2度目の人生、異世界転生。
そこは生前自分が読んでいた物語の世界。
しかし自分の配役は悪役令息で?
それでもめげずに真面目に生きて35歳。
せっかく民に慕われる立派な伯爵になったのに。
気付けば自分が侯爵家三男を監禁して洗脳していると思われかねない状況に!
このままじゃ物語通りになってしまう!
早くこいつを家に帰さないと!
しかし彼は帰るどころか屋敷に居着いてしまって。
「シャルル様は僕に虐められることだけ考えてたら良いんだよ?」
帰るどころか毎晩毎晩誘惑してくる三男。
エロ耐性が無さ過ぎて断るどころかどハマりする伯爵。
逆に毎日甘々に調教されてどんどん大好き洗脳されていく。
このままじゃ真面目に生きているのに、悪役貴族として討伐される運命が待っているが、大好きな三男は渡せないから仕方なく勇者と戦おうと思う。
これはそんな流され系主人公が運命と戦う物語。
「アルフィ、ずっとここに居てくれ」
「うん!そんなこと言ってくれると凄く嬉しいけど、出来たら2人きりで言って欲しかったし酒の勢いで言われるのも癪だしそもそも急だし昨日までと言ってること真逆だしそもそもなんでちょっと泣きそうなのかわかんないし手握ってなくても逃げないしてかもう泣いてるし怖いんだけど大丈夫?」
媚薬、緊縛、露出、催眠、時間停止などなど。
徐々に怪しげな薬や、秘密な魔道具、エロいことに特化した魔法なども出てきます。基本的に激しく痛みを伴うプレイはなく、快楽系の甘やかし調教や、羞恥系のプレイがメインです。
全8章128話、11月27日に完結します。
なおエロ描写がある話には♡を付けています。
※ややハードな内容のプレイもございます。誤って見てしまった方は、すぐに1〜2杯の牛乳または水、あるいは生卵を飲んで、かかりつけ医にご相談する前に落ち着いて下さい。
感想やご指摘、叱咤激励、有給休暇等貰えると嬉しいです!ノシ
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
転生したらBLゲーの負け犬ライバルでしたが現代社会に疲れ果てた陰キャオタクの俺はこの際男相手でもいいからとにかくチヤホヤされたいっ!
スイセイ
BL
夜勤バイト明けに倒れ込んだベッドの上で、スマホ片手に過労死した俺こと煤ヶ谷鍮太郎は、気がつけばきらびやかな七人の騎士サマたちが居並ぶ広間で立ちすくんでいた。
どうやらここは、死ぬ直前にコラボ報酬目当てでダウンロードしたBL恋愛ソーシャルゲーム『宝石の騎士と七つの耀燈(ランプ)』の世界のようだ。俺の立ち位置はどうやら主人公に対する悪役ライバル、しかも不人気ゆえ途中でフェードアウトするキャラらしい。
だが、俺は知ってしまった。最初のチュートリアルバトルにて、イケメンに守られチヤホヤされて、優しい言葉をかけてもらえる喜びを。
こんなやさしい世界を目の前にして、前世みたいに隅っこで丸まってるだけのダンゴムシとして生きてくなんてできっこない。過去の陰縁焼き捨てて、コンプラ無視のキラキラ王子を傍らに、同じく転生者の廃課金主人公とバチバチしつつ、俺は俺だけが全力でチヤホヤされる世界を目指す!
※頭の悪いギャグ・ソシャゲあるあると・メタネタ多めです。
※逆ハー要素もありますがカップリングは固定です。
※R18は最後にあります。
※愛され→嫌われ→愛されの要素がちょっとだけ入ります。
※表紙の背景は祭屋暦様よりお借りしております。
https://www.pixiv.net/artworks/54224680
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします。……やっぱり狙われちゃう感じ?
み馬
BL
※ 完結しました。お読みくださった方々、誠にありがとうございました!
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、とある加護を受けた8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 独自設定、造語、下ネタあり。出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
甥っ子と異世界に召喚された俺、元の世界へ戻るために奮闘してたら何故か王子に捕らわれました?
秋野 なずな
BL
ある日突然、甥っ子の蒼葉と異世界に召喚されてしまった冬斗。
蒼葉は精霊の愛し子であり、精霊を回復できる力があると告げられその力でこの国を助けて欲しいと頼まれる。しかし同時に役目を終えても元の世界には帰すことが出来ないと言われてしまう。
絶対に帰れる方法はあるはずだと協力を断り、せめて蒼葉だけでも元の世界に帰すための方法を探して孤軍奮闘するも、誰が敵で誰が味方かも分からない見知らぬ地で、1人の限界を感じていたときその手は差し出された
「僕と手を組まない?」
その手をとったことがすべての始まり。
気づいた頃にはもう、その手を離すことが出来なくなっていた。
王子×大学生
―――――――――
※男性も妊娠できる世界となっています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる