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第九章
213話 うじむし!
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サイオンの左掌に魔法陣が現れる――魔法を使おうとするその手すら叩き落とし、彼の襟首を掴んで叫んだ。
「兄様のアホっ!! 俺だって兄様達なんか大っ嫌いだ!」
「なっ」
「大っ嫌いだ、何度も死んじまえって思ったし何度も城のバルコニーから突き落とそうとした!」
「ヴァントリア貴様……! 余の前でよくそんなことが言えたな!」
いつも冷たい目で見て来るそいつの顔を、両手の爪を立てて引っ掻く。
「ぐああっ! き、貴様、何を――」
「泣かせてやる……泣かせてやる! 救ってくれないって言うんなら弱者に引き摺り下ろしてやる! いや、お前なんて性根が腐ってるから弱者より下だ糞に集る蛆虫だ! このうじむし!」
「う、うじ――貴様っ」
ガッと両手で首を掴み、力を込める。
「このうじむし!!」
「貴様……! いいだろう、そこまで言うなら特別に昔と同じことをしてやる。いや、成長に合わせて変えてやるべきか。それ以上のことをして貴様を泣かせてやる。泣き喚いて昔みたいに怯えていろ」
力を込めるが相手はビクともしない。
「今更そんなことで、俺が怯える訳ないだろ」
「フン、確かに貴様はいじめを繰り返すうちに突然泣くのをやめたな。あれはどういう心境だったのだ? されるが儘に身を任せるだけ。つまらなすぎていじめるのもやめにしようかとも思った。何度もだ。だがそれが狙いだったのだろう? だから余はやめなかった。懇願してこようと、死にかけようと余はやめるつもりはなかった。なのにシストが止めに入る。仕事があるだの父が呼んでいるだの言ってな。後悔したさ、シストさえいなければ止められることはなかったというのに。なぜ止めて欲しくないか分かるか? 貴様が死んでくれた方が良かったからだ」
「……俺はもう既に死んでる」
「へえ? 心がか? そうじゃないぞ、余は貴様ごとこの世界から消滅して欲しいんだ」
「……俺は半分なんだ。拷問だって、ずっと受けてきた。泣けなくなったんだ、いつもされていることより、マシだったから。今だってそうだ、お前にいじめられてるから泣いてるんじゃない、俺は悔しくて泣いてるんだ。お前に勝てない自分が嫌で泣いてるんだ。誰かを助けられるほどの力を持たない自分が大嫌いで泣いてるんだ! お前に泣かされてるんじゃない! 自分に泣かされてるんだ!」
「ほざけ」
そう冷たく言い放つサイオンが俺の身体ごと起き上がり、彼の左拳が右頬に打ち込まれる。今度は俺が馬乗りされる番だった。
「よせ、サイオン兄さん! やめろ……!!」
「こいつに洗脳でもされたのかディスゲル。貴殿はこいつを嫌っていたように見えたが?」
「さっき話した通り、誤解だったんだ。頼むサイオン兄さん、オマエはシストの兄なんだ、長男なんだ、オマエが認めれば上層階の奴らも黙る、シストもオマエの意見なら聞かざるを得ない。シストの上に立てるのは兄さんだけだ、あいつを導いてやれるのも兄さんだけなんだ!」
「……確かに、ロベスティゥには出来ないな」
「あ、そっか。ロベスティゥもいたんだ」
忘れてたのかよ。
「だがそれとこれとは別だ」
そう言い放つサイオンの手が首元に迫る。
「ヴァントリア、分かるか? 余は貴様さえいなければ民を助けてやってもいいと言ってるんだ。……今ここで死ね」
「な……っ」
ディスゲルが驚きの声を上げる。
「い・や・だ!!」
「んなあああ!?」
更にそれ以上の驚きの声を上げる。
「貴様ァアアア」
「頼みを聞かないってんなら命令してやる。サイオン、手を貸せ命令だ」
「聞くわかないだろうがたわけ」
近づいて来ていたサイオンの掌に魔法陣が出現し、ディスゲルが焦る。
「お、おい何する気だ!」
「貴殿には分からないか? こうするんだ」
魔法陣から溢れて来る炎が、顔の肉を焼こうとする。
「うあああああッ」
「サイオン! こんなのはあんまりだ!! ヴァントリアはオレ達の弟だろう!?」
「弟……こいつは地上で生まれた汚いぞうきんだ。弟じゃない。ゴミだ」
「サイオン!!」
「黙れッ!! こいつはゴミだッ!! 存在自体が許されぬ汚物だッ!! この世界には必要のない存在なんだッ!!」
このままじゃダメだ、ダメだ。ざわざわと、ざわざわと這い上がってくる。死なせはしないと、逃がしはしないと、手が伸びてくる。
溢れる、この感じは、あの時と同じ。ラルフが傷付けられた時と同じ、溢れて来る、呪いが。
黒い砂が空気中に集まって来る。サイオンはそれに気が付いていないらしい。
「うああああああああああああああああッ」
「はははっどうした、怯えないんじゃなかったのか?」
「や、やめろ、サイオン! 様子がおかしい、さっきもこうなったんだ!」
「いいじゃないか! もっと苦しめ!」
「このクズ野郎!!」
「ふふふ、ふふふふふ。クズか、貴殿からそんなことを言われる日が来るとはな。だが止めるな、やっと、こいつがいなくなるんだ」
這い上がって来る、喉を締め付けようとする感覚がする。それを剥がそうとする感覚もする。まるで、何かと何かが、何かを取り合って争っているかのような、そんな感覚に襲われる。
サイオンの手を握ると、自分の手に黒い紋様が浮かんでいるのが見え、じゅーじゅーと音を立て、サイオンの手に黒い紋様が移動するのが見える。
「やめ、やめろ、だめだ、サイオン……だめだ」
来る。
あいつが来る。
このまま続ければ、奴が、来てしまう。
「やめると思うのかたわけ! もっと苦しめ! 喚け! 泣き叫べ!」
興奮した様子のサイオンに、声を振り絞りながら伝える。
「逃げろ……」
「何だと?」
一瞬、呆けたサイオンと、その下にいる俺を包み込むように、黒い砂のようなものがぶわっと包み込むように俺達を襲った。
意識が徐々に引っ張られるような感覚に合い、サイオンの身体が倒れかかって来るのがぼんやりと見える。そんな霞んだ視界も途切れ、ぷつりと、暗転した世界へと向かった。
「兄様のアホっ!! 俺だって兄様達なんか大っ嫌いだ!」
「なっ」
「大っ嫌いだ、何度も死んじまえって思ったし何度も城のバルコニーから突き落とそうとした!」
「ヴァントリア貴様……! 余の前でよくそんなことが言えたな!」
いつも冷たい目で見て来るそいつの顔を、両手の爪を立てて引っ掻く。
「ぐああっ! き、貴様、何を――」
「泣かせてやる……泣かせてやる! 救ってくれないって言うんなら弱者に引き摺り下ろしてやる! いや、お前なんて性根が腐ってるから弱者より下だ糞に集る蛆虫だ! このうじむし!」
「う、うじ――貴様っ」
ガッと両手で首を掴み、力を込める。
「このうじむし!!」
「貴様……! いいだろう、そこまで言うなら特別に昔と同じことをしてやる。いや、成長に合わせて変えてやるべきか。それ以上のことをして貴様を泣かせてやる。泣き喚いて昔みたいに怯えていろ」
力を込めるが相手はビクともしない。
「今更そんなことで、俺が怯える訳ないだろ」
「フン、確かに貴様はいじめを繰り返すうちに突然泣くのをやめたな。あれはどういう心境だったのだ? されるが儘に身を任せるだけ。つまらなすぎていじめるのもやめにしようかとも思った。何度もだ。だがそれが狙いだったのだろう? だから余はやめなかった。懇願してこようと、死にかけようと余はやめるつもりはなかった。なのにシストが止めに入る。仕事があるだの父が呼んでいるだの言ってな。後悔したさ、シストさえいなければ止められることはなかったというのに。なぜ止めて欲しくないか分かるか? 貴様が死んでくれた方が良かったからだ」
「……俺はもう既に死んでる」
「へえ? 心がか? そうじゃないぞ、余は貴様ごとこの世界から消滅して欲しいんだ」
「……俺は半分なんだ。拷問だって、ずっと受けてきた。泣けなくなったんだ、いつもされていることより、マシだったから。今だってそうだ、お前にいじめられてるから泣いてるんじゃない、俺は悔しくて泣いてるんだ。お前に勝てない自分が嫌で泣いてるんだ。誰かを助けられるほどの力を持たない自分が大嫌いで泣いてるんだ! お前に泣かされてるんじゃない! 自分に泣かされてるんだ!」
「ほざけ」
そう冷たく言い放つサイオンが俺の身体ごと起き上がり、彼の左拳が右頬に打ち込まれる。今度は俺が馬乗りされる番だった。
「よせ、サイオン兄さん! やめろ……!!」
「こいつに洗脳でもされたのかディスゲル。貴殿はこいつを嫌っていたように見えたが?」
「さっき話した通り、誤解だったんだ。頼むサイオン兄さん、オマエはシストの兄なんだ、長男なんだ、オマエが認めれば上層階の奴らも黙る、シストもオマエの意見なら聞かざるを得ない。シストの上に立てるのは兄さんだけだ、あいつを導いてやれるのも兄さんだけなんだ!」
「……確かに、ロベスティゥには出来ないな」
「あ、そっか。ロベスティゥもいたんだ」
忘れてたのかよ。
「だがそれとこれとは別だ」
そう言い放つサイオンの手が首元に迫る。
「ヴァントリア、分かるか? 余は貴様さえいなければ民を助けてやってもいいと言ってるんだ。……今ここで死ね」
「な……っ」
ディスゲルが驚きの声を上げる。
「い・や・だ!!」
「んなあああ!?」
更にそれ以上の驚きの声を上げる。
「貴様ァアアア」
「頼みを聞かないってんなら命令してやる。サイオン、手を貸せ命令だ」
「聞くわかないだろうがたわけ」
近づいて来ていたサイオンの掌に魔法陣が出現し、ディスゲルが焦る。
「お、おい何する気だ!」
「貴殿には分からないか? こうするんだ」
魔法陣から溢れて来る炎が、顔の肉を焼こうとする。
「うあああああッ」
「サイオン! こんなのはあんまりだ!! ヴァントリアはオレ達の弟だろう!?」
「弟……こいつは地上で生まれた汚いぞうきんだ。弟じゃない。ゴミだ」
「サイオン!!」
「黙れッ!! こいつはゴミだッ!! 存在自体が許されぬ汚物だッ!! この世界には必要のない存在なんだッ!!」
このままじゃダメだ、ダメだ。ざわざわと、ざわざわと這い上がってくる。死なせはしないと、逃がしはしないと、手が伸びてくる。
溢れる、この感じは、あの時と同じ。ラルフが傷付けられた時と同じ、溢れて来る、呪いが。
黒い砂が空気中に集まって来る。サイオンはそれに気が付いていないらしい。
「うああああああああああああああああッ」
「はははっどうした、怯えないんじゃなかったのか?」
「や、やめろ、サイオン! 様子がおかしい、さっきもこうなったんだ!」
「いいじゃないか! もっと苦しめ!」
「このクズ野郎!!」
「ふふふ、ふふふふふ。クズか、貴殿からそんなことを言われる日が来るとはな。だが止めるな、やっと、こいつがいなくなるんだ」
這い上がって来る、喉を締め付けようとする感覚がする。それを剥がそうとする感覚もする。まるで、何かと何かが、何かを取り合って争っているかのような、そんな感覚に襲われる。
サイオンの手を握ると、自分の手に黒い紋様が浮かんでいるのが見え、じゅーじゅーと音を立て、サイオンの手に黒い紋様が移動するのが見える。
「やめ、やめろ、だめだ、サイオン……だめだ」
来る。
あいつが来る。
このまま続ければ、奴が、来てしまう。
「やめると思うのかたわけ! もっと苦しめ! 喚け! 泣き叫べ!」
興奮した様子のサイオンに、声を振り絞りながら伝える。
「逃げろ……」
「何だと?」
一瞬、呆けたサイオンと、その下にいる俺を包み込むように、黒い砂のようなものがぶわっと包み込むように俺達を襲った。
意識が徐々に引っ張られるような感覚に合い、サイオンの身体が倒れかかって来るのがぼんやりと見える。そんな霞んだ視界も途切れ、ぷつりと、暗転した世界へと向かった。
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