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第八章
195話 自分のためだ
しおりを挟む改めて説明しよう、椅子に座っているのはジノと俺、ジノの向かいに俺が座る形だ。そして俺の膝の上にイルエラ、傍のベッドにウォルズ、ラルフ、テイガイアの順番で座っている。
ジノの隣にテイガイアが座っていて、俺の隣にウォルズが座っている状態だ。円状の机を出来る限りベッドに近付けている。
俺達の部屋から椅子を持ってきても良かったかもしれないな。
この部屋の窓際のベンチの所へ机を運んでも良かったのだが、2つのベッドが並び、その中央にはラルフの分なのか敷布団があったのでそのまま端っこで食べることになった。
酒場に行けば席は沢山あるし、座るなら酒場の方がいいんだけど……。作戦の話をするんだし、酒場は止めておこうと俺が言って、ウォルズ達の部屋で食事を取ることになったのだ。
ご飯食べてから集まっても良かったかもな。でも皆で食事を囲んでワイワイしながら食べるのは案外楽しい。
「それで、結局作戦はどうなったんだ?」
「奴隷達をどう解放するかは決まったよ」
「自分達に来て貰うことにしました」
「え……自分達に来て貰うって……」
どう言うことだ……?
奴隷達に自らの意思で来て貰う、と言う意味で間違いないなら、一体どうやって……。
「奴隷達を逃がす件は問題ないんだけど、俺達が逃げる方が難しくて……ビレストでも大変なのに、ダンデシュリンガーまで来ちゃったし確実に詰んでるんだよね」
「俺とシストの契約もあるしな……」
居場所が分かってしまうのは絶対に困るよな。……あれ、でも居場所が分かるならどうして今来ないんだろう。疑問に思ってそのまま尋ねれば、ウォルズがその質問に答えた。
「シストは明日帰るって情報が入ってるんだ。だから本人が来ることはないと思う。もしかしたら居場所は伝えてあって、あっちも作戦を立ててるのかも」
「そう言う情報ってどこから仕入れてるんだ?」
「もちろん、踊り子グループ、ランシャの皆さんからだよ」
ウォルズがそう答えれば、テイガイアがそれに付け足して言った。
「彼女達は顔が広いですから。兵士の皆さんはもちろん、町の人々、貴族の方々にも愛されていますしね」
今度はそれを聞いたジノが食事の手を止めて答える。
「オチリスリの噂も凄いんだ。踊り子さん達だけじゃなくて、僕やウォルズが歩いてるだけで「あの子の名前を教えてくれ」とか、「今度の舞台はいつだ」とか。しかもこの間開かれたばかりなのに、何故かまた舞台をやることになってしまってるんだ」
ウォルズがジノの言葉にうんうんと頷いてから俺に向き直って言う。
「そう言うわけで、万には囮役をしていただくことになりました。謎の美少女、オチリスリ。噂がこれだけ広まってれば、皆気になってるんじゃない? 引き篭ってる一般人も、奴隷を買いに来た貴族様も、そして奴隷を売ってる商人も領主様も、全員引きつけようじゃないか。〝もう一度イベント開催だー!〟作戦! パチパチパチ~!」
「そ、そんなこと出来るのか!?」
イベント開催って……かなり大変なんじゃ。
「主催者はランシャのオーナー! オーナーは主催者側の経験が豊富だからね、心配しなくても注目度は集まる。舞台に出ていた出演者達がこの階層に結構滞在していたし、有名所にオーナーが声を掛けてくれたみたいだ。しかも今回、ランシャはオープニングとクロージングを担当する。オープニングで万には皆を引き付けてもらって、クロージングでも出ると考えるお客さん達は足止めになる。他の出演者も有名な人達ばかりだから、見て行こうと思う人も多い筈だ」
ウォルズが言い終えれば、さっきから肉しか食べていないラルフが語り出した。
「注目度を上げるためなら方法はいくらでもあるからな。中でも簡単なのは、効果的な噂を流すことだ。例えば、王様も見惚れた美少女が領主様に会いたがってると、屋敷の周りで触れ回ったりだとか。そうすれば領主様は、どんな人が……と、見に来たがるだろ。一般人相手なら、王様がオチリスリに求婚しようとしているだとか、今度そのオチリスリ――謎の美少女がイベントに出るだとか。これだけで注目度はMAXだ。王様の名前を出すだけで影響力は凄いだろうからな。この地下都市において王と言う存在は注目度で言ったらトップ中のトップだ。利用しねえ手はねえよ」
「はあ……そんなことしていいのでしょうか。王の逆鱗に触れたら……バン様が、万が一にでも王宮に連れて行かれた時、心配です」
「していいんですよゾブド先輩。そもそもこの噂は既に広まってしまっているものだし、それをあの手この手で大事にしてしまおうってだけだからな」
「そして私達の強みは、足が速い人が4人いることですね」
4人……ハイブリッドであるジノとイルエラ、2人より足が速いウォルズ、そして魔獣もどきのラルフか。あれ、魔獣もどきと言えば……
「テイガイアは?」
「私は指揮する側でしたので、体力はないのです。ラルフくんのように呪いのコントロールも出来ないですし……」
「な、なるほど」
「けど頭脳は一流だから」
ウォルズがそう言えば、テイガイアが少し照れくさそうに頬を掻く。
「頭脳なら俺タチだって負けないぜ。なんたってアトクタで実験ばっかりしてたような奴らの集合体だからな」
ラルフがそう言えば、テイガイアがそれは保証すると言うように深く頷く。すると、ジノが椅子から立ち上がり、ぴょんと飛んだり、手足を動かして様子を見るような動きをした後に言う。
「僕もこの姿での身体の動かし方が分かってきた。いつもより足が長い分早く移動出来るけど、いつもより身体が重たい気がする……」
「ジノくんの身軽さが使えないと言うことですね」
「高く飛べないってこと?」
俺がそう尋ねれば、ジノが不満げに頷く。
「この姿じゃ狭い場所を通り抜けることも出来ねぇよ」
ジノが眉間に皺を寄せれば、ラルフが俺の皿から肉を奪ってから言う。……オイ。
「だがヴァンを抱えて運ぶことが可能になった」
ウォルズが饅頭にハマったのか饅頭の籠を独り占めしながら言う。……オイ。
「だから万はジノと行動して貰うことにしたんだ。イルエラと博士は一緒に行動。博士を担げる腕力があるのは元の姿のイルエラくらいだからね。ラルフと俺は一人で行動する。俺達も姿は元に戻る。髭があるだけなのに気になっていつもの調子が出ないし」
「俺タチも前が見えにくい」
睫毛って伸びると前が見えにくくなるのか。ラルフが食べようとする肉を奪って食べれば、キッと睨まれる。お前が悪い。それを見ていたウォルズが自分の肉を俺の皿に乗せてきた。優しい……。
「つまり、ジノと万だけが元の姿に戻らないってことだ。もし正体がバレたら万はすぐに元の姿に戻ってくれ。女の子の身体よりは、男の身体の方が動きやすいだろ?」
「そうだな、走る時胸が邪魔だ。足を開くとスースーして変な感じがするし」
ただ、身体が軽いからか、体力は以前よりある気がする。踊りの時も疲れは感じなかったし。……しかし歩幅が小さい分いつもより足は遅い。
「ん? でもジノに運んで貰うなら、女の子の時の方が軽くていいんじゃないか?」
「戦闘になった時が心配かな。薬飲んでる暇なんかないだろうし」
そうか、戦闘になる可能性も考えないといけないのか。
テイガイアに頼んでアイテムポーチから双剣といつも俺が腰に付けている剣をベッドの上に出してもらって、席を立ち、持ってみるが……。結構重たく感じる。
持てないことはないけど、振り回せそうにないな。一応女の子以上の力はあったんだな、ヴァントリアよ。
「この身体じゃ剣は無理か……」
呟いたらジノがフン、と鼻を鳴らして言った。
「剣を使えたとしても足でまといなのは変わんねえだろ」
「うっ……」
だから自分の身を守れるくらいにはなろうって鍛錬をしてたんだろ! 意地悪!
ツンツンツンツンしててもデレがないと可愛くないんだぞ! 生意気なガキンチョは可愛いけど、生意気過ぎたら面倒がられるんだからな!
「ハア。本当は毎日ウォルズに稽古つけて欲しいけど……ビレストだらけのこの階層じゃあ無理だよなぁ……」
〝今のこの姿じゃ〟も付け足しておこう。それにこの剣を持っているだけで正体がバレるだろう。
「アイテムポーチって1個しかないのか?」
「全員分作ってあります。今から配ろうと思っていたところです」
渡されたアイテムポーチの中に自分の剣を入れて、ウォルズが双剣をあげると言ってくれたのでそれも仕舞っておく。
…………これって……。
「ウサピョン入ってないよな……?」
「1匹ずつ入ってます」
「なんで!?」
「――冗談です」
心臓に悪いぞ!
もうウサピョンは見たくない……。イルエラだけでいい。
膝の上に座るイルエラを抱き直してスリスリしていれば、イルエラもスリスリと身体を擦り付けてくる。あー可愛い。
それを見て、テイガイア、ウォルズ、ラルフ、ジノが言う。
「やっぱり選択肢を間違えてしまいましたか……」
「今度は皆で動物になるか……」
「確かに1番バレないかもな」
「でも動きにくそうだな」
そして、イルエラが「ミュッ!」と鳴く。
「鳴けたのか!?」
かわいい、とスリスリすると擦り寄ってくる。かわいい、かわいい。
「本来のウサピョンの鳴き声ではありませんね」
「え、本当はどんな鳴き声なんだ……」
「ミュウエオエミュミュビュミュオウオウエェ!! ですね」
「流石博士だ、鳴き真似超うまいね」
うそつけ、そんな鳴き声のウサギがいてたまるか。それに修行中はミーミー言ってたぞ。前世のゲームではほとんど鳴かなかったし……あれ、でもそんな声を聞いたことがあるような……。
「ミュ!」
「かわいい~」
考えていたことなど吹っ飛んで、見上げてくるウサピョンの鼻に、ちゅっとキスをすると、テイガイアから悲鳴が上がる。ウォルズは奇声を上げ、ジノは怒声を上げた。
「ご、ごめん……イルエラ、可愛くてつい……」
イルエラが、のそのそと胸に手を当てて登ろうとしてきて、口に口をくっ付けて来ようとするので、許してくれたらしい。優しいなイルエラは。
ウォルズが鼻血を垂らし、ハアハア言いながら、指でカメラアングルを取って話す。
「イルエラ……自分のしようとしてること分かってないだろ。鼻じゃなくて口にしろって言うのはつまりキスをせがんでいると言うことになってだな、つまり人型の時はヴァントリアの胸を揉みながらチューしようとしてるセクハラ野郎だからな」
イルエラの耳がぴょんと立って、前足が胸から離れて膝に座り直す。
ウォルズの言葉を聞いて、人型のイルエラを膝に座らせて彼の鼻にキスしている自分を想像して、とてつもなく、申し訳なくなった。
「もう、二度と、しないから……」
「ミー……」
イルエラもしょんぼりしているので、やはり嫌だったのかもしれない。
「もっとしてよ!? どうしてやめちゃうの!? ヴァントリアがイルエラを膝に乗っけて2人で顔近づけて、ちゅ、ちゅ、ちゅ♡って萌えなんですけどただの萌えなんですけど!? やがて舌を絡ませる深い口付けに変わって胸だけじゃなくてお尻とか揉み出すんだろ知ってる! それでトロトロになったヴァントリアの――むぐ」
食事中だしこれ以上言わせてはならないと思い、ウォルズの口に饅頭を突っ込む。あと気まずくなるからやめろ。
食事を済ませた後も、作戦会議を続ける。テイガイアとラルフと言う頭脳派がいてくれたおかげで、作戦はどんどん立てられていった。
何通りもの作戦を立てた後、ウォルズが今日はこれで解散! と手を叩く。
「作戦開始は、イベント開催の当日! 一週間後の朝だ!」
ウォルズの言葉に、俺も含め、皆顔を引き締める。
「絶対に全員で生き残って、また皆でご飯を食べよう!」
――ベタベタなセリフを吐くんじゃない!
皆は顔を引き締めたまんまだが俺だけ呆れてしまったじゃないか。
でも……
「ありがとう、皆」
そう言えば、皆が不思議そうに首を傾げる。
「……ありがとう」
もう一度そう言って笑えば、今度は分かってくれたのか、皆が笑顔を浮かべる。
俺の伝えたいことを、伝えられたみたい――
「――自惚れるな。お前のためじゃねえ」
「え。ジ、ジノさん今めっちゃいい笑顔だったのに……」
「ミュウエオエミュミュビュミュオウオウエェ!」
「ひえ……っ!? 本当に鳴いたっ……」
「私は私のためです、償うためですから」
「そ、そうだな。俺もそうだ」
「俺タチも、俺タチのために行動するだけだ」
「う、うん」
「俺はこの世界の勇者だから! そしてヴァントリアのために! ――つまり、自分のためだ。だから礼を言う必要なんかないんだよ」
そうか。そうだよな。
俺達は話し合って決めたんだ、奴隷達を、苦しむ人々を助けることを。
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「それでもありがとう。嬉しいかった。……俺は、王宮に戻らない! 俺はみんなと一緒にいたい!」
そうだ、今度こそ、必ず助けてみせる。
ヴァントリア、もう1人なんかじゃないぞ。
皆がいる、皆が一緒に、助けようとしてくれる。協力してくれる。
もう、一人じゃない。
「絶対に成功させて、また皆でご飯を食べような!」
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