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第伍章

126話 助けて

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 そろそろと博士に近付けば、ヒオゥネがこちらを向き、ゼクシィルも俺を見る。

 その瞳に捕らえられた途端、逃げようとしたが足が竦んで動けなくなる、ゼクシィルは俺に近付き、腕を取ると博士の前に突き出した。

 背後から抱き竦められて、凍て付いたような手が服の中に乱暴に入り込む。しかし、肌に触れた途端その手は急に大人しくなり、まるで蜘蛛が身体の上を這うような、そろそろとした静かな動きで触れてくる——その気味の悪い感触に寒気がする。

 だが。それには妙な陶酔感が付いてきた。まるで麻薬のようだった、奴の存在に依存するかのごとく身体がゼクシィルを求める。

 ヴァントリアに触られた時も妙に疼いたが、今度は違う。疼くなんてもんじゃない、少し触れただけで心臓が跳ね上がり、視界はぐらつく、熱欲が脳を襲い思考が蕩けそうになる。

 心はどうあれ、身体はゼクシィルの手には敏感だった。

 手だけではない、彼の存在そのものに身体の芯の熱が反応しているのだ。恐ろしいと感じるのに、逃れたいと思うのに、身体が思うように動かない。

 ゼクシィルの手も身体も、冷え冷えとしているのに対して。自分の身体はどんどん鼓動が激しくなり下腹の辺りが熱くなっていく。

「ん、ひ……いやだ、さ、さわ、さわるな」
「ふふふ、久しぶりに触れたな。相変わらず筋肉はないようだが、贅肉が付いたんじゃないか? まあ、触り心地は上玉だが」

 ……ヴァントリアの身体が柔らかい理由って、まさか。甘いものの食べ過ぎか!? 脱獄は良くしていたようだし、街で甘いもの巡りしていてもおかしくはない、あり得る。

 ヒオゥネは棚から薬品を取り出し、台の上に乗せて、博士の傍に集め始めた。機材のコードを繋いだり、配置したり、淡々とした準備を済ませていくが。度々こちらへ振り返るのだ。集中力が乱れている、さっきはどんなにやめさせようとしても無視してたくせに。

 ゼクシィルの手が背中を張ってから蛸足のようにない胸を揉みしだく。

「ふぁっ……やめ、変なところ触るな……っ」
「変な所? ふふふ、ここが好きだったじゃないか。そんな色気のない声を出すな、教えただろう、声の出し方は」
「ぁ……ち、ちが、そんなの、教えて貰ってない……ん、ぁ、だめ、やめろ」

 背中の開いた服の、その隙間に直接手を突っ込まれて男には必要ないと思うそれを指先でコロコロと触られる。

「ど、どこ触ってるんだこの……へんた、ぁっ、ん、な、何これ」

 どうしてこんなに敏感なんだ、俺じゃない。こんなのは俺じゃ。こ、これはヴァントリアの身体だ。まさか、開発済み……と言うやつか!?

 声を抑えようとすれば鼻から音の鳴る息が漏れていく。

「できてるじゃないか……もう一度一から教えてやっても良かったんだが」
「ん、ふ、ん……っ、やめ、さわ、さわるな」
「触って下さいだろう、ヴァントリア」

 耳へ唇が触れて吐息に似た囁きが吹きかけられる。冷たい風が吹き付けるような吐息にゾクゾクと首筋の熱が疼く。

 ぬろぬろと耳の辺りを蠢く冷たく濡れた感触から逃げようと身をよじるが、胸を往復する手に捕まえられてしまう。ズボンの中の手は激しく揺れ、思わず目を瞑った、青い瞳にじっと顔色を観察されているような気がして心臓は警鐘を鳴らしっぱなしだった。

 指先が身体に触れるだけで、吐息が肌を撫でるだけで……名前を呼ばれるだけで、奴の匂いが鼻に付くだけで……胸が苦しくなって、身体中の細胞が焼けるんじゃないかと不安になるくらい、全身が熱くなる。

 呼吸をすることばかりに必死になって、変な声が口から鼻から漏れていく。

「俺の名前を呼べ、ヴァントリア」

 誰が……呼ぶか。

 ——そう思ったのに勝手に口が声を発する。

「ゼクシィル……さま、ゼクシィルさま」
「ふふふふ、思い出してきたようだな。俺と過ごした日々を」

 クククッと笑ったあと、首筋に顔を埋めてきて皮膚を吸い上げられる、小さな痛みが走り身体を仰け反ったが、今度は別の場所へ口を付けてくる。

 ヒオゥネが博士に声を掛けて肩を揺する。

「博士、博士。お目覚めの時間ですよ。いい加減起きたほうがいいんじゃないですか?」

 やめてくれ、こんなの見られたくない。

 ヒオゥネが声かけを繰り返せば、前髪の隙間から不思議な色合いの瞳がゆっくりと開かれていく。ヒオゥネは覚醒を促すように、中途半端に掛けられたままだった博士のサングラスを外した。

 抵抗もできず、されるがままにされて、身体に熱を持ち始める自分が情けなくて、博士と目を合わせたくなくて、知らず知らずに目を閉じる。

「バン……様?」
「み、見ちゃだめだ……テイガイア」

 吐息と一緒に漏れた声を飲み込む、ああ、なんて気味の悪い声だろう。

 博士の息を呑む音がした。声が震えていて「何をして……いるのですか、その男は」と問い掛けられるが、答えることができない。

「ぁっ、……ん、ふ、ぜッ! ゼク、シィルさま」

 男の体の癖に、男相手にどうして反応しているんだ、やめてくれ。

 これは俺の身体だろ、まるで別人のものみたいだ。……くそ、前世の記憶を基準にしてはダメなんだ、昔こいつとの間に何があったのか覚えてないが。ヴァントリアは、俺はこいつに……っ。

 身体が震えて、足が竦んで動けない。


 怖い……。とてつもなく怖い。

 前世でも味わったことない屈辱と、いやに反応する自分。何より背中に密着する奴の冷たい体温が、怖くて仕方がなかった。

 吐き気がする、脳がぐらつく。目を背けたくなる、泣きたくなる。さまざまな感情が渦を巻き乱れ脳に流れ込んでくる。

 気持ちが悪い、気持ち悪い。

 ……気持ち悪い、誰か。

 誰か。

 助けて。




 シスト。

 アゼンヒルト。



「――……ウォルズ」


 晴兄……。


 俺の声は誰の耳にも届かない。誰も助けには来てくれない。ここにはない筈の白い瞳がそう言った気がした。

 博士が震えるまなこを俺からヒオゥネに移して怯えたような声で言った。

「な、にが起きてるんだ……ラルフ君、これは一体——って、君は……ヒオゥネ、君、だったか? なぜ君がここに……」

 ヒオゥネの手の中のモノを見て、ハッと息を呑む博士に、ヒオゥネはいつもの無表情を向けて言った。

「さあ、どうしてでしょう」

 くつくつと声だけ笑うヒオゥネの手には、気味の悪い色の液体を付けられたナイフがあった。ヒオゥネはそれを躊躇なく振り下ろし——博士の太ももの付け根に、突き刺した。

「うああああああああああああああああッあああ、ぁあああ——ッ」
「博士……っ」

 ナイフの突き刺された太股の皮膚下で、波をうつように蛇のようなモノが暴れ回る。触手がナイフに付けられていた液体に反応し、中で苦しみ、暴れて回っているんだ。傷口から赤く染まった触手が蠢いているのが見える。

 ゼクシィルのせいで熱くなっていた脳が、博士の叫び声で、冷や水を掛けられたみたいな感覚になった。まるで飲み込まれそうだった思考が今は自分の意志を持って足掻こうとしていた。

「博士……ふぁっ、あ、くそっ、やめろ、こんな時に、気持ち悪い……っ!! 俺に触れるなッ」

 服を脱がそうとしてくる手から逃れようとするが、力が敵わなかった。ヒオゥネはこちらに目もくれず、次々と液体にナイフを浸して博士の身体に刺していく。

 白い床と拘束具に鮮血の赤色が塗り足されるように広がっていく。博士の足が痛みに地団太を踏めば飛び散り、手を動かせば染め上げるように薄く広がる。

 ゼクシィルの手がより激しくなり、胸を揉みしだかれてから腹を引っ掻き回される。

「あっ、アッ……やだ、ひっ、きも、きもちわる、やめ——」

 博士……なんなんだこの拷問は。前では助けたい人が苦しめられていて、後ろからは……ああ、寒気がする。

 怖くて力が入らない。足が竦む。怖い、怖い。

 これは本当に自分の身体なんだろうか。急激に体温が上がっていく。冷たい手が触れる度に、氷の唇についばまれる度に感度を刺激されるみたいに突き上げるように心臓が躍動する。

 怖い。壊れそうだ。壊されそうだ。頭がぐるぐる回る、目の前がボヤける。涙が出る。

「助け、助けて……誰か、」

 ――違う、俺は、目の前にいる博士を助けなきゃならない。助けを求めていい立場じゃない。違う。

「助け、助けて……気持ち悪い、嫌だ、こんなのはいやだ……」

 ――違う。

 ――俺が、俺が助けないと。

「どうして見て見ぬ振りをするんだ、どうして誰も聞いてくれないんだ」

 ――口から出ていく言葉が自分のものではない。

「……ここから出して、お願いします、ここから、出し――――」

 ――違う。閉じ込められていたのは博士だ!


 頭の中で何かが割れるような音がして、瞬間脳を揺するような激痛が発生する。

 目の前には博士の顔しかないのに、目玉の裏で見たこともないような色が鮮やかに広がり気分が悪くなっていく。


 ああ、ああああああああああああああああやめろ、やめろよ、見せないでくれ、そんなもの見たくない思い出したくない、苦しい、痛い、頭がいたい、割れる、壊れる、崩れる、潰れてしまう。死にたい、死にたい……もうここにはいたくない、どこか遠くへ。誰も知らないような、遠い世界へ。地上へ。

 お父様、お母様、どこへ行ってしまわれたのですか。帰ってきてください。お願いします。

 俺も地上へ、連れて行ってくれ。あいつから離れたい。俺をここから出してくれ。

「やめ、ろ――」

 ヒュッと息の吸う音が自分の口から洩れて、締まろうとする喉を冷たい空気が通り抜けていく。――とたん、おびただしい吐き気を感じて全て吐き出すように悲鳴をあげた。

「――やめてくださいッ!! やめてくださいゼクシィル様……ッ!!」

 ヒステリックに叫べば、ヒオゥネの手が止まる。博士も大量の汗と血を流しながら、虚ろな目でこちらを見ようとしていた。

 奴の腕の中で暴れれば、ククク、と背後で薄ら寒い笑い声が放たれる。蛇のように、身体中を奴の手が這い回る感覚があった。

「助けて……ッ、誰か……誰か助けてくれ、ここから出せえええッ!!」
「ふふふ、昔のような元気が出てきたじゃないか、そうだ、もっと抵抗しろ。俺の手で素直になっていくお前を見たいんだ」

 前に回っていた手が後ろへ回される。ズボンを引き下ろされて中で熱くなっていた身体が外気に触れてひんやりとした。

「たすけ、やだ、やだ……」
「バン、様……」
「博士……たすけ」

 ――だめだッ。



 だめ、だめだ。



 ——あの傷口を見ろ。なんて痛々しいんだ。触手が暴れ回り、伸びきった皮膚と、引き千切られ突き抜けた後のある傷口を。内側から血管や肉が飛び出して目も当てられない。


 助けて欲しいと思っているのは、俺じゃない。


 幼い頃から閉じ込められていたテイガイアを知っているのは俺だけだ、助けてやれるのは俺しかいない。

 俺しか、俺しか。

「ひっ……」

 ぬるりとしたものを纏った冷たい感触が、中に入ってくる。



 うそ、だ。


 いやだいやだいやだいやだいやだイヤダイヤダイヤダイヤダ嫌だ嫌だいやだ嫌だイヤダいやだ。

「バ、バン樣……っ」
「だ、大丈夫」


 いやだ。



「大丈夫だ、博士。大丈夫だから。絶対に、助けるって、約束したじゃないか」



 いやだ、誰か————…………




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