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第一章

5話 ⑥

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 大部屋に戻ると、みんなが大浴場へ向かう準備をしていた。
「リリアくん、みんな戻って来てたんだってアキヅキ先生が謝ってたよ」
「ああ、それはいいんだけど……。先生は?」
「先生なら連れてきてくれた2年生にお礼しに行くって」
「それって……」
 アインのお兄ちゃんのアラカのことか?
「それよりあいつらに呼び出されてたんだよね? 無事だった?」
「おう、全員返り討ちにしてやったぜ!」
「リリアくんを呼び出すなんていい度胸してるよね……。どんな目に合わせよう」
「お、落ち着けサイフェン……」
 こいつなら金の力でどうにでも出来そうだ。
「おいクソ師匠! ささっとしろ! 配られた必需品なら俺が貰っておいた!」
「無理やり受け取ったの間違いだろジュレア。リリアちゃん、俺が背中流してあげるね~」
「いや、いい」
「リリアちゃん!」
「それよりコッコー」
「うん? なになに?」
「リリアって呼ぶな」
「ぐほっ♡」
 コゴの頭を拳で殴り、ジュレアから配られた必需品とやらを奪う。学校からフリーサイズの下着とシャンプー、リンス、ボディソープ、洗顔などと、洗い立ての体操着が用意されたらしい。襲撃はよくあることらしいしシェルターの倉庫にはそう言うものだけでなく使い捨ての歯ブラシや食料も保管されているんだろう。
 3人衆に囲まれながらクラスメイト達と廊下を進んでいれば、SSクラスの個室が見えてくる。
「SSクラスだけ個室ってずるいよねぇ」
 とロディムが前で話している。
「でも大浴場に行くのは一緒だろ?」
 とイルサが鼻を鳴らす。
 そう言えばあいつらのせんやへの好意はなくなったんだろうか。

イルフォント・アヴェリアル
 誕生日9/14 年齢16歳 趣味肉体を鍛えること 魔法土魔法 寮???
 特進科1年Aクラスの委員長。
親密度 1%
好感度 0%

イルサ・エラルド
 誕生日5/23 年齢16歳 趣味バンド 魔法火魔法 寮???
親密度 9%
好感度 0%

ロディム・トップル
 誕生日2/3 年齢16歳 趣味裁縫 魔法回復魔法 寮???
親密度 0%
好感度 0%

ダウザン・ヨーク
 誕生日6/27 年齢16歳 趣味美しいものを愛でること 魔法召喚魔法 寮???
 特進科1年Aクラスの副委員長。
親密度 0%
好感度 8%

ワルバ・クラウン
 誕生日7/20 年齢16歳 趣味いたずら 魔法毒魔法 寮???
親密度 0%
好感度 0%

 このまま現状維持してくれたら何の問題もないな。って言うかこのダウザン・ヨークってやつは危険だな。趣味美しいものを愛でることって。ナルシストキャラだったから自分もその美しいものに入ってるんだよなこれが。そして親密度は低いのに好感度が10%まであと少しと言う怖さ。なんて言ったって俺は世界一イケメンと言う設定だからな。殴ったのに目を付けられているということか。
 殴ったと言えば……来世ポイントのことすっかり忘れてたけど今ポイントっていくつだ?

 -1850pt

 ――なんで!?
 いやいや待て待て。教師と殴り合ったからか? 自分より弱いクラスメイトを殴ったからか? 俺に攻撃を仕掛けてこない闇組織の奴らを薙ぎ倒したからか? 何もしてこない顔面のいい闇組織のボスの顔面を殴ったからか? 全部弱い者いじめな判定な気がするぞ。ログが欲しい!!
 もうこれ無理ゲーじゃない? 俺に喧嘩するなとか無理ゲーすぎるだろ。いや、まだ諦めないぞ! それ以上の善行を詰めばいいんだ!
 よく考えたら……最初に不良――金に釣られた一般生徒――に絡まれた時は-1000ptだろ? それより大人数の敵を倒して-1850ptだとずいぶん低い気がする。闇組織の奴を倒して+-0になったのか、もしくは弱者を倒したけど悪い奴らだから-10ptくらいになったのか。同じ学年を殴るのが-50ptだとしても-800ptは多い気がするぞ。って待てよ。俺クラスメイト日常的に殴ってね?
「リリアちゃん! 着いたよ。俺が服脱がせてあげるね」
「お前のせいか!」
「あいたっ♡」
 あ、-1900ptになった。こいつのせいだ。
「次から俺はお前を殴らねえことにした」
「え……ど、どうして」
 そんな絶望的な表情浮かべるなよ。殴られないのいいことだろ。俺も殴られたくはなるけどさ。
 そう言えばせんやにも頬摘まんだり突き飛ばしたり……ああ言うのも-10ptくらいにはなってそうだよな……。自分の行動をよく理解して、喧嘩に専念できるように善行だけを積んでいこう。
 あれ……喧嘩するために善行積むってなんかおかしいな。まあいいか。
「サイフェン、それ持ってやる」
「え、いいよ、むしろ僕がリリアくんのを持つよ」
「黙ってかしゃあいいんだよ」
「はい……」
 -1890pt

 お、あがったあがった。
 よおし、この調子でどんどん善行を積むぞ!
「レアりん、お前のも持ってやる」
「師匠! 俺に持たせてくれ! 頼む!」
「いいから貸せや」
「くうう……!」
 涙ながらに差し出されたそれを受け取れば、-1890ptと変わらない。
「なんでだ! テメエえ!」
「し、師匠急にどうしちまったんだ!」
 うっここで殴ったら-50pt。落ち着け、落ち着け。
 無理やり取りゃあいいわけじゃあねえのか……。来世ポイントめんどくさ。せんやはどうしてんだろ。
「リリアくん、もう着いたし返して欲しいんだけど……」
「お、そうだな」
「取った意味あったのかクソ師匠……」
「俺のやることにいちいち文句言うな」
「そうだよジュレアくん。ほんと勝手に弟子になった人って面倒くさいよね」
「結構無視される親友気取りが」
「今なんて言った?」
 こいつらいつもこの調子なんだよ。そういう喧嘩を望んでるんじゃないの、俺は。
「リリアちゃん、俺を殴ってくれ~」
 服を脱ぎ始めていると、2人が急に黙り込み、少し居心地悪さを感じていたら後ろからコゴに抱き着かれる。
「ああ! コゴテメエ抜け駆けすんじゃねえ!」
「リリアくんの肌に触るなんて100年早い! 洗い流せない汚物に触れられたら自分だっていやでしょ!?」
「リリアちゃん殴って~!」
 うぜえええええええええええ。もう無視するのが一番だな。服を脱ぎ終えてから、コゴを剥ぎ、ギタギタにされているコゴとギタギタにしているルシフェルとジュレアを置いていく。
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