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第七話 現実
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「ほらさっさと答えろよ?」
「……」
「もう一回同じようなことされたいか?」
「……私は受けて立ちます。ですが、殿下がやれと仰るのなら致します」
ザワザワザワと観衆が騒ぎ出しました。それもそうですよね……。
「マジかよ!」
「いやちょっと流石に……なあ?」
「ほう。じゃあやって貰おうか?」
「——ッ!はい……」
ティーナが口を付けようとした瞬間、私ではない誰かが殿下をぶっ飛ばしました。速くて見えませんでしたが……誰なんでしょう?
「……ティーナ様、貴女ね!私が弱いとでも思ってるのですか?お父様は内務大臣だけどね、伊達に武闘一家に生まれてないのよ。こんなことくらい余裕ですわよ!いい加減にして下さいませ!?」
マリエッタ様……通常運転で何よりです……でも、怒るのは後にして下さいね?
「……お前ッ!こんなことしてただで済むと思ってんのかっ!?」
「……あら。常のあの紳士な態度は何処へ行ったのでしょうね?グリード殿下?」
いや、マリエッタ様……喧嘩でも売るつもりなんですかね……?
「うるさい!黙れ!」
「私に黙れと言えるのは生憎貴方ではありませんので従うことはできませんわね」
「俺は次期国王だぞ!?」
「まあ、第一王子ですからそうですわね?……普通ならば、ですが」
「……は?」
まあ確かに……普通なら……ですね。
「その説明に関してなら私の管轄ではありません……そこにいるのでしょう?アルフィア?」
このタイミングで行かないといけないんですか……?いや、行きますけど!
「今のタイミングは酷いと思いますよ?説明押し付けましたよね?」
「あら、バレてたのですか?まあいいではありませんこと?」
「今の流れを確認してからその台詞言って下さいね!?」
って、あ。
「おい、俺はメルにお前は今日は来ないと言われたぞ?」
「私もアルフィア様が来るなんて聞いてません!」
殿下は顔を歪めて、メルレット嬢は顔を真っ青にして言いました。
あら、メルレット嬢がこちらを睨んでいますね?まあ、考えてみればそりゃあそうですよね……自分が監禁したはずの人がいるんですものね?
「私がそう言ったわけではないですから……まあ、メルレット嬢が付いた嘘だと思いますよ?もしくは……自分にとって想定外の何か、が起こったか……ではありませんか?ねえ、メルレット嬢?」
「……ッ!……あら、この前はいらっしゃらないと仰っていませんでしたか?」
「……いつそんなことを私言いましたか?証拠などはおありで?」
「私がそう聞いてたんですもの!」
出ましたね……ヒロインとか王子が使う謎理論。
「……ではこちらから、今までのことが全て違うと言える証拠を出させて頂きましょうか?」
「「おい、ちょっと待て」」
グリード殿下と……?
「俺をいつまで此処にいさせるつもりだ、アルフィア」
「「「ーーッ!?」」」
「はあ……そういうのはあとのお楽しみに取っておくのが一番じゃあありません?」
「あのな……マリエッタが助けなかったら僕は動けなくなってたんだぞ?」
「生憎そういうことに関しての感覚はよく分からないのですみませんね、アーテル様」
アーテル様はこの国の第二王子です。グリード殿下よりもなんだかんだで付き合いは長いですね?
「……君がそういう人だったのをこの数年ですっかり失念していたよ。で、この状況は兄上が?」
「…………だよ」
「何て仰ったんです?兄上」
「だから!そうだって言ってんだよ!」
「いや、そんなことで怒られても……仕方なくない?聞こえなかったんだからさ……」
「うるせえんだよ、いちいちいちいち!」
「は?誰がわざわざ兄上の代わりに各国に行ってたと思ってるんですか?」
「あ゛?」
「は?」
此処で兄弟喧嘩しないで下さいよ?頭痛くなってきましたよ?
「はあ…………そこまでにして下さ「うるせえ!」……は?」
なんですかこの生意気な王子は。食い気味に言わないで下さい
「…………こんなとこで喧嘩しないで下さい」
「は?いいだろうが!」
「アルフィア!お願い!ちょっとだからさ!」
何言ってんですか…………?昔から喧嘩は長いですよね?
「あ、これはやばいやつですわね」
「そうですね……逃げたいです……」
先ずは……殿下達に黙って貰いましょうかね?
「……未だ喧嘩するつもりですか?」
「悪いか!」
「…………僕はやめておこうかな……」
「あ?」
「ちょっと黙りましょうか、グリード殿下?」
「は!?なんでだよ!いちいち口出して来んなよ!」
そう言ってグリード殿下は私を殴りました。昔よりも力が強いですね……まあそりゃあそうですけど。そんなことを言っている場合では無いですね?
そう思いつつ立ち上がります。グリード殿下に黙ってもらわないといけませんからね?
「…………まさか、私がティーナの護衛をやっているだけだと思ってたんですか?口を出すのはあんたに与えられていた次期国王になるチャンスがもうほぼなかったからですよ。あんたの行動は私の部下と私が陛下に随時報告しているんですよ?」
丁寧に倍にしてお返しをしてあげましょう。
ガシッ!ガコン!………ドサッ……
グリード殿下の胸元を掴み上げて殴り飛ばしました。あれ、でもすごい音しませんでした?
「あの子、魔力込めてましたわよね?」
「込めてましたね……そりゃあ……まあ、こんなことになりますね……」
魔力込もってたんですか……?へえ……と思いつつ殿下を殴り飛ばした方へと進んでいきます。
「もう少し分かりやすく言いましょうか?チャンスはもう無くなった……つまり、貴方は次期国王にはなれないんです。アーテル様が来たのもそういうことが理由ですよ?」
さあ、これが貴方に突きつけられた現実ですが……さて、どう動くんでしょうね?
「……」
「もう一回同じようなことされたいか?」
「……私は受けて立ちます。ですが、殿下がやれと仰るのなら致します」
ザワザワザワと観衆が騒ぎ出しました。それもそうですよね……。
「マジかよ!」
「いやちょっと流石に……なあ?」
「ほう。じゃあやって貰おうか?」
「——ッ!はい……」
ティーナが口を付けようとした瞬間、私ではない誰かが殿下をぶっ飛ばしました。速くて見えませんでしたが……誰なんでしょう?
「……ティーナ様、貴女ね!私が弱いとでも思ってるのですか?お父様は内務大臣だけどね、伊達に武闘一家に生まれてないのよ。こんなことくらい余裕ですわよ!いい加減にして下さいませ!?」
マリエッタ様……通常運転で何よりです……でも、怒るのは後にして下さいね?
「……お前ッ!こんなことしてただで済むと思ってんのかっ!?」
「……あら。常のあの紳士な態度は何処へ行ったのでしょうね?グリード殿下?」
いや、マリエッタ様……喧嘩でも売るつもりなんですかね……?
「うるさい!黙れ!」
「私に黙れと言えるのは生憎貴方ではありませんので従うことはできませんわね」
「俺は次期国王だぞ!?」
「まあ、第一王子ですからそうですわね?……普通ならば、ですが」
「……は?」
まあ確かに……普通なら……ですね。
「その説明に関してなら私の管轄ではありません……そこにいるのでしょう?アルフィア?」
このタイミングで行かないといけないんですか……?いや、行きますけど!
「今のタイミングは酷いと思いますよ?説明押し付けましたよね?」
「あら、バレてたのですか?まあいいではありませんこと?」
「今の流れを確認してからその台詞言って下さいね!?」
って、あ。
「おい、俺はメルにお前は今日は来ないと言われたぞ?」
「私もアルフィア様が来るなんて聞いてません!」
殿下は顔を歪めて、メルレット嬢は顔を真っ青にして言いました。
あら、メルレット嬢がこちらを睨んでいますね?まあ、考えてみればそりゃあそうですよね……自分が監禁したはずの人がいるんですものね?
「私がそう言ったわけではないですから……まあ、メルレット嬢が付いた嘘だと思いますよ?もしくは……自分にとって想定外の何か、が起こったか……ではありませんか?ねえ、メルレット嬢?」
「……ッ!……あら、この前はいらっしゃらないと仰っていませんでしたか?」
「……いつそんなことを私言いましたか?証拠などはおありで?」
「私がそう聞いてたんですもの!」
出ましたね……ヒロインとか王子が使う謎理論。
「……ではこちらから、今までのことが全て違うと言える証拠を出させて頂きましょうか?」
「「おい、ちょっと待て」」
グリード殿下と……?
「俺をいつまで此処にいさせるつもりだ、アルフィア」
「「「ーーッ!?」」」
「はあ……そういうのはあとのお楽しみに取っておくのが一番じゃあありません?」
「あのな……マリエッタが助けなかったら僕は動けなくなってたんだぞ?」
「生憎そういうことに関しての感覚はよく分からないのですみませんね、アーテル様」
アーテル様はこの国の第二王子です。グリード殿下よりもなんだかんだで付き合いは長いですね?
「……君がそういう人だったのをこの数年ですっかり失念していたよ。で、この状況は兄上が?」
「…………だよ」
「何て仰ったんです?兄上」
「だから!そうだって言ってんだよ!」
「いや、そんなことで怒られても……仕方なくない?聞こえなかったんだからさ……」
「うるせえんだよ、いちいちいちいち!」
「は?誰がわざわざ兄上の代わりに各国に行ってたと思ってるんですか?」
「あ゛?」
「は?」
此処で兄弟喧嘩しないで下さいよ?頭痛くなってきましたよ?
「はあ…………そこまでにして下さ「うるせえ!」……は?」
なんですかこの生意気な王子は。食い気味に言わないで下さい
「…………こんなとこで喧嘩しないで下さい」
「は?いいだろうが!」
「アルフィア!お願い!ちょっとだからさ!」
何言ってんですか…………?昔から喧嘩は長いですよね?
「あ、これはやばいやつですわね」
「そうですね……逃げたいです……」
先ずは……殿下達に黙って貰いましょうかね?
「……未だ喧嘩するつもりですか?」
「悪いか!」
「…………僕はやめておこうかな……」
「あ?」
「ちょっと黙りましょうか、グリード殿下?」
「は!?なんでだよ!いちいち口出して来んなよ!」
そう言ってグリード殿下は私を殴りました。昔よりも力が強いですね……まあそりゃあそうですけど。そんなことを言っている場合では無いですね?
そう思いつつ立ち上がります。グリード殿下に黙ってもらわないといけませんからね?
「…………まさか、私がティーナの護衛をやっているだけだと思ってたんですか?口を出すのはあんたに与えられていた次期国王になるチャンスがもうほぼなかったからですよ。あんたの行動は私の部下と私が陛下に随時報告しているんですよ?」
丁寧に倍にしてお返しをしてあげましょう。
ガシッ!ガコン!………ドサッ……
グリード殿下の胸元を掴み上げて殴り飛ばしました。あれ、でもすごい音しませんでした?
「あの子、魔力込めてましたわよね?」
「込めてましたね……そりゃあ……まあ、こんなことになりますね……」
魔力込もってたんですか……?へえ……と思いつつ殿下を殴り飛ばした方へと進んでいきます。
「もう少し分かりやすく言いましょうか?チャンスはもう無くなった……つまり、貴方は次期国王にはなれないんです。アーテル様が来たのもそういうことが理由ですよ?」
さあ、これが貴方に突きつけられた現実ですが……さて、どう動くんでしょうね?
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