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2周目(後日談・番外編・その他)
Mini game お菓子を作ろう(2016バレンタイン小話)
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午後の仕事が一段落して、私は足取り軽く階段を下りていった。私のすぐ前を行くチャコの足取りも、どことなく軽い気がする。
目指すは、厨房。トゥルガンさんとのお茶の時間だ。隊長たちはダラに降りているので、今日は私とトゥルガンさんとチャコとセンセだけ……「だけ」って感じでもないね、結構にぎやかだ。
厨房のアイランド型キッチンの脇に、ベンチが一つ置いてある。トゥルガンさんがお茶を淹れてくれる間、私はベンチの上でチャコとセンセに蒸し肉を裂いたものをやった。おやつ、おやつ。
二匹はそれぞれ自分の分を食べた後、ベンチの真ん中で身を寄せ合った。温かいのかな……可愛い。種族の違う動物が仲良しって、ホント可愛いわー。
「今頃、隊長たちも、お菓子で休憩してるですかねー」
「たぶんね。今日のこのパイ、チヤが手伝ったって言っといたよ」
私とトゥルガンさんは二匹を挟んで座り、ドライフルーツと木の実の入ったパイをかじる。私、パイ生地の作り方を知らなかったので、教えてもらったんだ。日本で食べたパイほどにはバターは入ってないみたいだけど、すごく美味しい。私日本でも胡桃あんのパイとか大好きだったんだよね。穀物のお茶も、香ばしくて美味しい。
「チヤは、故郷では何か菓子を作ったことあったんだっけ?」
「簡単なのだけ。プリンとクッキーと……あと、バレンタインチョコと」
「ばれ……何?」
私は説明した。チョコレートとは、カカオという実を使ったお菓子でほろ苦い風味があること、固いんだけど口に入れると溶けて、こくのある甘みが口いっぱいに広がること。うぬぬ、唾がわく。
「大事な人に、チョコを贈る日があります。私はお店で売っているチョコ溶かして、可愛い形に固めるだけ。それか、粒々のチョコを混ぜたクッキー焼いた。簡単なのだけしか作れません」
「でも、大事な人のことを思いながら料理をするって、それだけですごくいいことだと思うよ」
トゥルガンさんは褒めてくれ、そして横目で私を見た。
「ええと……チヤの大事な人っていうと」
「お友達と、交換した。好きな男の人に渡して、あいのこくはくをする子もいたけど、私はやったことがないです」
「そうなんだ。ごめん、ちょっと色々と心配になっただけ」
何やらエヘヘと笑ったトゥルガンさんは、こう言った。
「その、バレなんとかチョコは材料がないけど、何かお菓子を作るなら材料は揃えるよ?」
「ええっ」
「何だっけ、ぷりん? あと、くっきーって言った? 焼き菓子かな」
クッキーみたいなものはこちらにもあって、たまにトゥルガンさんが焼いてくれる。でも、そういえばプリンはこっちでは食べたことがないなぁ。
プリンについて説明してみると、トゥルガンさんはカスタードクリームのようなものを想像したらしい。うーん、もっとプルルン、なんだよね。
私は厨房を見回す。プリンを作るにはいくつかの方法があるけど、冷蔵庫がないので冷やして固めることはできない。とすると、焼くか、蒸すか。火力の調整が難しいから、蒸すのが一番簡単かな。
「作り方、だいたい覚えてる。やってみよかな」
私が言うと、トゥルガンさんはうなずいた。
「うん。ザファル……とか皆、喜ぶと思うよ。俺も食べてみたいしね!」
彼はさっそく、ヤジナの食材屋さんに注文するための注文書を持ってきた。私は材料を説明する。
「材料が卵と砂糖と牛乳……それだけ? 卵と砂糖はあるし、牛乳だけ注文すればいいのか」
トゥルガンさんはつぶやきながら書き込む。こちらの牛乳は、まあ厳密には牛とはちょっと違うっぽいんだけど、味は似てる。安いものではないけど、うちの部隊は予算だけは十分あって(呪い石で儲けてるから)、しかも皆が美味しいモノ好き、厨房につぎ込むお金は惜しまないのだ。
実は、砦では卵を生む鳥を飼っていて、卵には不自由しない。砂糖はいつもトゥルガンさんが切らさないようにしている。全員が割と甘党なんだよ、隊長もクドラトさんも。
「これでよしっ。多めに注文するし、失敗してもいいからやってごらん、チヤ」
「はい、師匠!」
「いやいや、今回は僕が教えてもらうよ」
トゥルガンさんは笑った。
数日後。
午前中のうちに食材屋さんが馬車で来てくれ、牛乳確保。昼食を食べた後でプリンづくり開始だ。
まず、カラメルを作る。小鍋に砂糖と少しの水を入れて竈の火にかけると、ふつふつと煮立ってだんだん黄色くなってくる。香ばしい匂い! 茶色に変わりかけたところで火から下ろし、固まらないように水を少し入れて緩めておく。
カラメルをいくつかの素焼きのカップに分けて入れていく様子を、トゥルガンさんはガン見。興味津々だ。
続いて、ボウル(どんぶりだけど)に卵を解きほぐしたところに砂糖を入れ、よーく混ぜる。こちらには泡立て器はないけどお箸があるので、お箸二膳をまとめて持って混ぜてみた。こうすればよく混ざるはずだけど、金属箸なので重いです。
濃い黄色の渦、これ、すでに美味しそうだよ。あはは、卵も砂糖も、それだけで美味しいんだもんね。
これに牛乳を混ぜて、もう後は蒸すだけなんだけど……どんな風に固まるのかなぁ。味見はしてみたけど、牛乳の脂肪分が日本とは違うし。
「卵が入ってるんだから、加熱すれば固まることは固まるわけだよね……タンパク質だし……」
日本語でぶつぶつ言っていると、紙とインクペンを構えたトゥルガンさんが「チヤ! こっちの言葉で!」とか言ってる。はいっ、と返事をしながら、私は小さめのザルを手にした。あまり目は細かくないけど、一応プリン液を漉しながら、カップに静かに注いでいく。
竈の上では、浅くて大きな鍋の中でお湯が沸いていた。お湯の深さは数センチ。ここに、さっきのカップを並べる。カップの下の方だけがお湯につかる。
鍋に蓋をしたら、炭を減らして竈の火をなるべく弱くして。しばし待っていると、一度下がったお湯の温度が再び上がり、お鍋の中でカップがコトコトと音を立て始める。この音も楽しい。
ほんの数分で、竈から鍋を引き上げ調理台に移した。加熱しすぎると、「す」が入っちゃう。あとは余熱で固めるんだけど、こちらの鍋はきっちり密閉できないので、鍋ごと大きな布で包み込んでみた。少しは保温の助けになるはず。
「チヤ、まだ?」
ちょっとそわそわしているトゥルガンさん。まだです!
――そして、鍋の蓋を開ける時がやってきた。
布を開き、布巾で持ち手を包みながら、蓋を持ち上げる。
ふわあっ、と、湯気とともに甘く優しい香りが立ち上った。
綺麗な黄色! 見た感じ、「す」も入っていない。成功かな……?
味見用のカップに、木のスプーンを入れる。やや固い、濃い黄色の表面をぷつっとスプーンが割ると、淡い黄色が柔らかく顔を出した。一番底までスプーンを入れ、すくい上げると、ぷるんとしたプリンに澄んだ茶色のカラメルが絡みついてくる。
ドキドキしながら、口に入れた。
あー、これこれ! 私はちょっと固めが好みなんだけど、ばっちり! 今の時点で割と甘いので、冷めるともっと甘いかもしれない。次は少し砂糖を減らしてもいいかも。
何だろうね、プリンって本当、「優しい」っていう形容詞がよく似合うお菓子だと思う。
「おおおおお」
味見したトゥルガンさんが、目をキラキラさせている。
「あれだけの材料で、繊細な味だね……! からめるも、こういう風になるんだ」
「カップから、お皿に出してもいいです。美しいです」
「なるほど。これさ、少し香りのある酒を入れても……」
「はい! おとなの味!」
「だよね!」
きゃっきゃと盛り上がっていると、厨房の入り口から隊長が顔を出した。
「何作ってんだ?」
私は振り向いて、隊長の顔を見た。
「大事な人への、おくりものです!」
「ふうん?」
隊長は軽く首を傾げる。
喜んでくれるかな。
想像すると、何だかちょっとドキドキした。
「何か作ってるんでしょ? そろそろできた?」
「ナフィーサ、私まで引っ張って来なくていいですから」
さらに二人がやってきて、「もう少し冷ましてかららしいよっ」とトゥルガンさんが声をかける。
皆の表情が優しくゆるむまで、あと少し。
目指すは、厨房。トゥルガンさんとのお茶の時間だ。隊長たちはダラに降りているので、今日は私とトゥルガンさんとチャコとセンセだけ……「だけ」って感じでもないね、結構にぎやかだ。
厨房のアイランド型キッチンの脇に、ベンチが一つ置いてある。トゥルガンさんがお茶を淹れてくれる間、私はベンチの上でチャコとセンセに蒸し肉を裂いたものをやった。おやつ、おやつ。
二匹はそれぞれ自分の分を食べた後、ベンチの真ん中で身を寄せ合った。温かいのかな……可愛い。種族の違う動物が仲良しって、ホント可愛いわー。
「今頃、隊長たちも、お菓子で休憩してるですかねー」
「たぶんね。今日のこのパイ、チヤが手伝ったって言っといたよ」
私とトゥルガンさんは二匹を挟んで座り、ドライフルーツと木の実の入ったパイをかじる。私、パイ生地の作り方を知らなかったので、教えてもらったんだ。日本で食べたパイほどにはバターは入ってないみたいだけど、すごく美味しい。私日本でも胡桃あんのパイとか大好きだったんだよね。穀物のお茶も、香ばしくて美味しい。
「チヤは、故郷では何か菓子を作ったことあったんだっけ?」
「簡単なのだけ。プリンとクッキーと……あと、バレンタインチョコと」
「ばれ……何?」
私は説明した。チョコレートとは、カカオという実を使ったお菓子でほろ苦い風味があること、固いんだけど口に入れると溶けて、こくのある甘みが口いっぱいに広がること。うぬぬ、唾がわく。
「大事な人に、チョコを贈る日があります。私はお店で売っているチョコ溶かして、可愛い形に固めるだけ。それか、粒々のチョコを混ぜたクッキー焼いた。簡単なのだけしか作れません」
「でも、大事な人のことを思いながら料理をするって、それだけですごくいいことだと思うよ」
トゥルガンさんは褒めてくれ、そして横目で私を見た。
「ええと……チヤの大事な人っていうと」
「お友達と、交換した。好きな男の人に渡して、あいのこくはくをする子もいたけど、私はやったことがないです」
「そうなんだ。ごめん、ちょっと色々と心配になっただけ」
何やらエヘヘと笑ったトゥルガンさんは、こう言った。
「その、バレなんとかチョコは材料がないけど、何かお菓子を作るなら材料は揃えるよ?」
「ええっ」
「何だっけ、ぷりん? あと、くっきーって言った? 焼き菓子かな」
クッキーみたいなものはこちらにもあって、たまにトゥルガンさんが焼いてくれる。でも、そういえばプリンはこっちでは食べたことがないなぁ。
プリンについて説明してみると、トゥルガンさんはカスタードクリームのようなものを想像したらしい。うーん、もっとプルルン、なんだよね。
私は厨房を見回す。プリンを作るにはいくつかの方法があるけど、冷蔵庫がないので冷やして固めることはできない。とすると、焼くか、蒸すか。火力の調整が難しいから、蒸すのが一番簡単かな。
「作り方、だいたい覚えてる。やってみよかな」
私が言うと、トゥルガンさんはうなずいた。
「うん。ザファル……とか皆、喜ぶと思うよ。俺も食べてみたいしね!」
彼はさっそく、ヤジナの食材屋さんに注文するための注文書を持ってきた。私は材料を説明する。
「材料が卵と砂糖と牛乳……それだけ? 卵と砂糖はあるし、牛乳だけ注文すればいいのか」
トゥルガンさんはつぶやきながら書き込む。こちらの牛乳は、まあ厳密には牛とはちょっと違うっぽいんだけど、味は似てる。安いものではないけど、うちの部隊は予算だけは十分あって(呪い石で儲けてるから)、しかも皆が美味しいモノ好き、厨房につぎ込むお金は惜しまないのだ。
実は、砦では卵を生む鳥を飼っていて、卵には不自由しない。砂糖はいつもトゥルガンさんが切らさないようにしている。全員が割と甘党なんだよ、隊長もクドラトさんも。
「これでよしっ。多めに注文するし、失敗してもいいからやってごらん、チヤ」
「はい、師匠!」
「いやいや、今回は僕が教えてもらうよ」
トゥルガンさんは笑った。
数日後。
午前中のうちに食材屋さんが馬車で来てくれ、牛乳確保。昼食を食べた後でプリンづくり開始だ。
まず、カラメルを作る。小鍋に砂糖と少しの水を入れて竈の火にかけると、ふつふつと煮立ってだんだん黄色くなってくる。香ばしい匂い! 茶色に変わりかけたところで火から下ろし、固まらないように水を少し入れて緩めておく。
カラメルをいくつかの素焼きのカップに分けて入れていく様子を、トゥルガンさんはガン見。興味津々だ。
続いて、ボウル(どんぶりだけど)に卵を解きほぐしたところに砂糖を入れ、よーく混ぜる。こちらには泡立て器はないけどお箸があるので、お箸二膳をまとめて持って混ぜてみた。こうすればよく混ざるはずだけど、金属箸なので重いです。
濃い黄色の渦、これ、すでに美味しそうだよ。あはは、卵も砂糖も、それだけで美味しいんだもんね。
これに牛乳を混ぜて、もう後は蒸すだけなんだけど……どんな風に固まるのかなぁ。味見はしてみたけど、牛乳の脂肪分が日本とは違うし。
「卵が入ってるんだから、加熱すれば固まることは固まるわけだよね……タンパク質だし……」
日本語でぶつぶつ言っていると、紙とインクペンを構えたトゥルガンさんが「チヤ! こっちの言葉で!」とか言ってる。はいっ、と返事をしながら、私は小さめのザルを手にした。あまり目は細かくないけど、一応プリン液を漉しながら、カップに静かに注いでいく。
竈の上では、浅くて大きな鍋の中でお湯が沸いていた。お湯の深さは数センチ。ここに、さっきのカップを並べる。カップの下の方だけがお湯につかる。
鍋に蓋をしたら、炭を減らして竈の火をなるべく弱くして。しばし待っていると、一度下がったお湯の温度が再び上がり、お鍋の中でカップがコトコトと音を立て始める。この音も楽しい。
ほんの数分で、竈から鍋を引き上げ調理台に移した。加熱しすぎると、「す」が入っちゃう。あとは余熱で固めるんだけど、こちらの鍋はきっちり密閉できないので、鍋ごと大きな布で包み込んでみた。少しは保温の助けになるはず。
「チヤ、まだ?」
ちょっとそわそわしているトゥルガンさん。まだです!
――そして、鍋の蓋を開ける時がやってきた。
布を開き、布巾で持ち手を包みながら、蓋を持ち上げる。
ふわあっ、と、湯気とともに甘く優しい香りが立ち上った。
綺麗な黄色! 見た感じ、「す」も入っていない。成功かな……?
味見用のカップに、木のスプーンを入れる。やや固い、濃い黄色の表面をぷつっとスプーンが割ると、淡い黄色が柔らかく顔を出した。一番底までスプーンを入れ、すくい上げると、ぷるんとしたプリンに澄んだ茶色のカラメルが絡みついてくる。
ドキドキしながら、口に入れた。
あー、これこれ! 私はちょっと固めが好みなんだけど、ばっちり! 今の時点で割と甘いので、冷めるともっと甘いかもしれない。次は少し砂糖を減らしてもいいかも。
何だろうね、プリンって本当、「優しい」っていう形容詞がよく似合うお菓子だと思う。
「おおおおお」
味見したトゥルガンさんが、目をキラキラさせている。
「あれだけの材料で、繊細な味だね……! からめるも、こういう風になるんだ」
「カップから、お皿に出してもいいです。美しいです」
「なるほど。これさ、少し香りのある酒を入れても……」
「はい! おとなの味!」
「だよね!」
きゃっきゃと盛り上がっていると、厨房の入り口から隊長が顔を出した。
「何作ってんだ?」
私は振り向いて、隊長の顔を見た。
「大事な人への、おくりものです!」
「ふうん?」
隊長は軽く首を傾げる。
喜んでくれるかな。
想像すると、何だかちょっとドキドキした。
「何か作ってるんでしょ? そろそろできた?」
「ナフィーサ、私まで引っ張って来なくていいですから」
さらに二人がやってきて、「もう少し冷ましてかららしいよっ」とトゥルガンさんが声をかける。
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