猫の手でもよろしければ(冒頭試し読み&2周目)

遊森謡子

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2周目(後日談・番外編・その他)

廃病院の探索 ~アルティンク参戦!~(文庫化記念SS)

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 アルさんが、峡谷の砦を訪ねてきた。

「チヤがちっともヤジナに来ないんだもの。私から来てしまったわ」
 食堂でお茶を飲みながら、アルさんはぶーたれる。
 私はアルさんの向かいに座りながら言い訳した。
「新しい資料を回収したので、整理にちょっと忙しかったんですよー。でも、二週間前に行ったじゃないですか」
「全然足りないわっ。もっとチヤとお話ししたいの!」

「要するに、暇なんだな」
 壁に貼られた地図の前でナフィーサと話していたザファル隊長が、こちらを見て苦笑した。アルさんは心外だという表情で振り向く。
「まあひどい、休暇と言ってくださる? 私だって、普段何もしていないわけではないんですよっ」

「そうだよね。アルはヤジナ領主の奥さんだから、いつもはバルラス殿を手伝ったり社交界で気を使ったりして、忙しいんだろうな」
 トゥルガンがお菓子を持ってきてテーブルに置く。
 アルさんはにっこりと微笑んだ。
「わかってもらえて嬉しいわ。休暇の時くらいは、誰にも気を使わないでいたいの。チヤの側が一番。……ところで、クドラトの姿が見えないですね」
「呪術師の会合があって、昨日から出張でいないんです。講師として招かれてるんですって」
 ナフィーサが言うと、呪術師でもあるアルさんはまたぶーたれた。
「そういうの、私も行きたいわ」
「特別講師とか、名誉なんとかとかで呼んでもらえ。クドラトが推薦してくれるだろ」
 隊長が提案したけれど、アルさんは不満そう。
「うーん、本当はただの聴講者として勉強しに潜り込みたいところですけど……警備上、バルラス様が許してくれないでしょうしね。あーあ、つまらないわ」
「ゆっくりしてって」
 トゥルガンが笑って、食堂を出て行く。

 アルさん、かなり溜まってるなー。
 でもわかる気はする、森の奥のお屋敷で引きこもって暮らしてたのが、一転して領主の奥さんになっちゃったんだもん。そのストレスたるや半端じゃないだろう。

 そんなことを考えていた時──
 ズン、と、振動が響いた。テーブルの上のお茶に、波紋ができる。

「何だ?」
 隊長とナフィーサが窓に駆け寄った。私もアルさんと顔を見合わせ、隊長たちの横から覗く。
 峡谷の、南ゴンドラの下の方から、うっすらと煙が上がっていた。驚いた鳥たちがバサバサと群で飛び立っていく。

「妖気?」
 低くつぶやくナフィーサに、アルさんが首を横に振った。
「いいえ、そういう気配はありません。でも、どこかが崩れたようね」
 私はハッとして、隊長の顔を見た。
「隠者、無事でしょうか」

 隠者は、ズムラディダラ唯一の住人だ。呪術師ではあるけど、かなりのお年で目があまり見えていないようで、何かあった時に素早く脱出できないかもしれない。

「気になるな、様子を見てこよう。クドラトがいないが仕方ない。ナフィーサ、行くぞ」
「了解っ」
 食堂を出ようとする二人に、アルさんが声をかけた。
「私、一緒に行きましょうか?」

「は?」
「え?」
「へ?」
 ナフィーサと私と隊長の声が被った。

 アルさんは首を傾げる。
「だって、もし呪術的な力が必要だったら困るでしょう? 隠者の庭なら、そんなに深くないし。隠者が心配です、私も子どものころお世話になった方ですから」
「で、でもアルさん、領主夫人をそんな」
 問題はそこだ。逆に言えば、そこ以外は大した問題じゃない。何しろアルさんは、偉大なるファルハドの再来と呼ばれた呪術師だ。
「余計なことはしないわ、クドラトのように実戦経験があるわけではないし。あくまで呪術的な何かがあったとき、隊長さんの命令があれば、手を出すことにします。どうですか?」
 アルさんの意見は冷静だ。

 隊長は一瞬だけ考え、私を見た。
「チヤ、変身してお前もついてこい。アルの護衛をしろ。ナフィーサ、トゥルガンに言ってアルが着られそうな軍服を持ってこい。この格好じゃ下りられん」
「了解!」
「了解!」
 ナフィーサは厨房のトゥルガンのところへ向かい、私は食堂を飛び出してホールに向かいながら、
「チャコ! チャコ、どこー?」
 と三毛猫の姿を探したのだった。

 私は呪術によってチャコと合体し、猫獣人の姿に変身する。そしてアルさんは、私の軍服(人間用)にクドラトのような軍用のローブを着てブーツを履き、準備完了だ。
「アル、何があっても、お前は第一に自分の身を守ることを考えろ」
 隊長はアルさんに言い聞かせる。
「インギロージャの時と、ウルマンの森の館の時。お前は二度、命拾いをしている。大事にしろよ」
「はい、隊長さん。私はバルラス様の隣で生きると決めていますし、命を粗末にしたら、ニサとヨルダムに顔向けができませんから」
「よし。じゃあ下りるぞ」

 隊長、ナフィーサ、そして私とアルさんは、南ゴンドラに乗り込んだ。ナフィーサがレバーを回す。
 土煙はすでに収まっていて、峡谷は静まり返っていた。岩をくり抜いた縦坑たてあなを、ゴンドラはゆっくりと下りていく。その途中に横穴があり、隠者の庭に通じているのだ。
 ゴンドラを下りて横穴を抜けると、はるか上の亀裂から差し込む光が、段々になった池を流れ落ちる水をきらめかせる空間に出る。薬草の緑が鮮やかだ。
 隠者の姿は、見えない。

「隠者ー、大丈夫ですかー」
 ナフィーサが奥の小屋を覗き、そしてこちらをサッと振り向いた。
「いない!」
「ええ?」
 私たちは庭の中を見回した。
 この中に、隠者がいない?
「小屋の中に坑道への入り口があっただろう」
 隊長も小屋に入り、私とアルさんも入り口からのぞき込む。奥の壁はふさがれたままだ。この壁は板が立てかけてあって、坑道の側からは閉められないから、隠者がここから坑道に入ったなら閉める人がいないはず。

「ちょ、まさかゴンドラの坑から下に落っこちたんじゃないでしょうね!」
 ナフィーサがあわてて横穴を駆け戻ろうとして、アルさんに止められた。
「大丈夫です、呪術師なら怪我せずに下りられるから」
「あ、そ、そうですよね。隠者が呪術を使うところ、私は見たことがないから、つい徘徊老人扱いしちゃう」
 もう一度、全員で庭の中をぐるりと確認してみると、小屋の脇の岩壁に一部崩れた場所があるのが見つかった。でも、それだけだ。

「とにかく、隠者を探さないと。下りてみよう」
 隊長の指示で、私たちはまたゴンドラに乗り込んで縦坑を下りた。
 下りた岩棚から緩やかな上り坂を少し上ると、廃病院だ。あたりを見回してみたけれど、隠者の姿はない。小型の妖魔が出て、私はアルさんを守り、隊長とナフィーサが対処した。
「病院と、瞑想所の中を確認する。いなければ、いったん上に戻ろう」
 隊長が言う。
 確かに、瞑想所の先は水路で道が悪いし、病院より下はもうトロッコ駅で、前にギムチャ(大蜘蛛)が住み着いていたところだ。大型の妖魔が出現し始めるから、アルさんを連れてはいけない。
 隠者も、ここより下に一人で下りたらやばいってことは知ってるはずだから、自分の意志では下りないと思うんだよね。どこにいるんだろう?

 そのときまた、ズン、という衝撃が響いた。
 岩壁に沿って、パラパラと小石が降ってくる。

「アルさん、こっち!」
 私はアルさんの手を引き、谷側から離れて病院側に身を寄せた。足場が崩れたら、谷底に真っ逆様だ。
 アルさんは素直に移動しながら言う。
「隊長さん、今の音、病院の奥からじゃないかしら。呪術的な力の流れも感じます」
「何? よし、行ってみるか。皆、気をつけろ」

 私たちは病院の玄関をくぐった。
 相変わらず、独特の雰囲気のある場所だ。外からの陽光は奥までは届かず、アルさんが呪い札で小さな明かりをつけると、廊下の錆びた金属の棚や木製の人体模型が浮かび上がる。模型は今日も、ツタで緊縛されていた。
 これ、ほどくか、それともあっち向けちゃダメかなぁ。目が合うんだよね。今にも、「苦しい……」なんて声が聞こえてきそうで。

 そんなことを思ったときだった。

 前方から、ズズッ……ズズッ……と、何かを引きずるような音。
「な、何の音?」
 珍しく、ナフィーサがひるんでいる。

 廊下はT字に交わっていて、私たちの前方を廊下が左右に横切っている。
 その、左から右に向かって──

 椅子が、勝手に動いていた。

「ひっ」
 私は思わず、アルさんにひっついた。
『お、おばけ!?』
 私の日本語に「オバケ?」と聞き返したアルさんは、明かりを高く掲げた。
 立派な肘掛け椅子に、ツタが絡まっているのが見えた。ツタに、引きずられている!?

「やだやだ、何があるの!?」
「そりゃあ、ツタを引っ張っている人がいるんでしょうね」
 けろり、とアルさん。
「引っ張ってる、人?」
「正確には操っている人、かしら。行きましょう、隊長さん」
「お、おう」
 隊長はうなずき、先に立ってT字路を曲がった。

 その先には、両開きの扉がある。扉の上には木のプレートが打ち付けられていて、『手術室』と書かれていた。
 扉は開いており、椅子がその中へと引きずり込まれていく。

 うわうわうわ、こんなとこ一人だったら絶対入らない……! 

 ビクビクしながらも、アルさんが先へと進むなら私も彼女を守らなくてはならない。
 全員で、扉の中に入ってみると──

 ──手術台の向こうの壁に、ぽっかり穴があいていた。

「……崩れてる……さっきのズーンって音は、ここ?」
 ナフィーサがつぶやき、近寄った。

 ふいっ、と、穴の中に白い顔が現れた。

「うわあ!」
「ひゃああ!」
 思わず声を上げてしまったけれど、私はすぐに目をぱちくりさせた。
「い、隠者?」

 穴の中にいたのは、ローブのフードから皺深い顔を覗かせた、隠者だったのだ。

「じいさん、こんなところで何してるんだ?」
 隊長が声をかける。
 隠者は、隊長のいる方へ顔を向けてから、ゆっくりと自分の手元に目を落とした。手に、ツタが握られている。
「……椅子……運ばせる……」
「え?」
 よくよく見ると、足下の亀裂からツタが生えていて、そのツタの先が肘掛け椅子に絡まっているのだ。

 アルさんが進み出た。
「おじいさん、アルティンクです。お久しぶりです。……椅子を運んでらしたんですね?」
「もしかして、呪術なんですか? これも」
 ナフィーサが聞くと、アルさんはうなずく。 
「呪術は元々、万物に宿る力を引き出して強める能力です。ツタの力を利用して、椅子を運んでいたんでしょう」

「おい、見ろ。ここ、隠者の庭に繋がってるぞ!」
 穴の奥に踏み込んだ隊長が、声を上げた。
 ああっ、本当だ! 庭の小屋の脇、崩れてた箇所と、この手術室の奥が繋がっちゃってる!
「あっちとこっちで一回ずつ破壊して、繋げたの!?」
 声を上げると、隠者はゆっくりと、椅子と穴を見比べた。
「……腰……痛い……大きい椅子……必要」
「ちょ、待って、病院から椅子を運ぶためにここを壊したってこと?」
 ナフィーサが呆れて、天を仰いだ。   
「そんなの、砦から運んであげるのに。言ってよー!」
 
 結局、アルさんが力を貸すことになった。
 アルさんが印を結ぶと、ぶっといツタが壁からニョキニョキと生える。重くて立派な椅子はひょいひょいと穴を通り抜けて、小屋まで運ばれていった。
「おじいさん、ここはもういいですね。妖魔が入り込むといけないから、塞ぎますよ?」
 アルさんが断りを入れると、隠者は小さくうなずき、庭の方へとゆっくり歩き去っていく。

「えい」
 アルさんが印を結ぶと、崩れた岩がふわっと浮かび上がってひゅんひゅんと穴に飛び込み、壁は元通りになってしまった。
 えい、って。えいって。そんな軽く。
「いやあ、さすがはファルハドの再来と言われた優等生だ。いいものを見せてもらった」
 隊長は笑い出し、「帰るぞ」と号令をかけた。

 私たちは一列になって、病院の廊下を戻り始めた。
「はぁ。椅子がずるずる動いているのを見たときは、幽霊かと思いました。まさか呪術師がツタを操れるなんて」
 私は苦笑いしながら、アルさんに話しかける。
 アルさんはくすくすと笑い、そしてふと廊下の脇を指さした。
「そうそう、あのツタは、ほどいちゃダメよ」

 例の、ツタで緊縛された木製の人体模型だ。

「あれ、私が学生だった頃から、ああしてあるの」
「……してある・・・・? どうしてですか?」
 首を傾げると、アルさんはにこにこして言った。

封じてあるから・・・・・・・

 そして、そのままスタスタと歩いていく。

 私はあわてて、後を追った。
「ちょ、待ってアルさん、何を? 何を封じてあるんですか!? やだ怖い、ねぇアルさんっ!」

 もう絶対、この廃病院には入らないんだから!!


【廃病院の探索 ~アルティンク参戦!~ おしまい】
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