29 / 29
後日談・番外編
視界明瞭(ラズト視点)
しおりを挟む
夢を見た。
“星の庭”から王子殿下とコーメを連れ出し、オレの別荘に匿っていた頃の、思い出の夢だ。
ぼやけた視界に目を眇めながら、別荘の自分の寝室を出る。手すりに捕まり、階段を慎重に降りて厨房に行くと、コーメが食器を洗っていた。
「…………カザムは?」
「わ、びっくりした、ラズトさんおはようございます」
振り向いたコーメが、いつも朝は遅いオレに笑いながら答える。
「カザムさんなら、王子を散歩に連れ出して下さってます。朝食のスープ、あっため直しま……?」
彼女は言いかけて、オレの方を見たまま数秒黙ると、あっ、と声を上げた。
「何か違うと思ったら、ラズトさん眼鏡かけてない!」
「見つからないんだよな」
オレは首を鳴らし、苛立たしく思いながらため息をつく。この距離だと、コーメの目鼻口の位置はわかるが、表情まではわからない。
「頭の上にあるのがお約束なんですけどね」
コーメは笑い含みの声で言う。
「昨夜はあったんですか?」
「ああ。昨夜はソファで書類を読んでいるうちに寝ていて、明け方に寝台に移動して……その途中で外して、どこかに置いたんだと思うんだが、手探りしても見つからない」
「私が探しますよ! だって見えないでしょラズトさん」
コーメはタオルで手を拭くと、すぐに厨房を出て階段を上り始めた。オレも後に続いた。
コーメはオレの寝室の前でいったん立ち止まり、
「入りますよ」
と断ってから扉を開いた。そして、ソファに近寄る。
「ここのソファで寝オチ……」
つぶやきながら、ソファのクッションの隙間を見たりソファの下をのぞいたりしている。
「ないな。で、寝台に移動」
彼女は奥の寝台の枕元に近寄った。そして、枕をどかしたりサイドテーブルの照明の周りを見たり、しゃがみ込んで寝台とサイドテーブルの隙間に手を突っ込んだりしている。
「うーん」
見つからないらしく、コーメは立ち上がるとあたりを見回した。そして、ふと寝台の足下に近寄る。
一番上にかけてあったカバーが、くしゃっと足下に寄せてある。コーメがそこをめくった。
「あった!」
振り返った彼女の手に、オレの顔の一部、銀のフレームの眼鏡。
「寝るとき、寝台に近づいて足下に眼鏡を置いて、その後でカバーをめくったんじゃないですか? それで眼鏡にカバーがかぶっちゃったんですよ、きっと」
「悪い、ありがとう」
眼鏡をかけると、一気に視界が明瞭になった。目の前で、コーメが笑顔を見せている。
「いえいえ! さあ、何か食べるでしょラズトさん」
先に彼女を寝室から出し、後に続きながら、いつもの世界に安堵する。眼鏡がないとどうにもこうにも……
……あ。
寝室で。コーメと二人っきり。だったんだがな。
視界不明瞭に気を取られて。
「コーメもコーメだ、全く……」
ぶつぶつ言いながら階段を下りると、コーメが「何か言いました?」と見上げてくる。
男の寝室にホイホイ入って来やがって、
「少しは意識しろ!」
……自分の声に目を覚ますと、そこはシズ・カグナ離宮の寝室だった。
「全く……」
むくっ、と起きあがると、前髪をかきあげながら上掛けを押しやる。
懐かしい夢だったが……あの時、もしオレの寝室から出てくるコーメをカザムが目撃でもしていたらどうなっていたかな、などど、少々意地の悪いことを考える。いや、コーメがあの調子で「カザムさんお帰りなさい!」とか言って、何もないのがバレバレか。
苦笑しながらサイドテーブルに手を伸ばして――
――寝室から私室に移動し、さらに廊下に出ると、ちょうど向こうから小走りにやってくる人物と出くわした。
「あ、ラズト先生、おはようございます!」
乳母の服装のコーメは、離宮ではオレを「ラズト先生」と呼ぶことがある。もちろん、オレがオージ――王子殿下の家庭教師を務めているからだ。オージはたまにオレの私室で講義を受けることがあるが、コーメが一人でここに来るのは珍しい。
そのコーメは、レースのボンネットをつけた頭を軽く傾けてオレを見た。
「あれっ、今日は眼鏡は?」
「見当たらなくてな」
オレはむっつりと言う。
嘘じゃない、本当に、また見当たらないのだ。決してコーメを寝室に引き込む方便ではない。
「またですかー」
別荘でのことを覚えていたらしいコーメは、そう言って笑ってからチラリとオレの部屋の扉を見た。
「ええと……探しましょうか、私」
コーメは、少し、ためらう様子を見せている。
お? 別荘にいた頃よりは、オレを意識している……?
「うん、悪いが頼む」
オレは扉を開けると、脇によけてコーメが入れるようにした。コーメは視線を泳がせ、自分が来た方を振り返る。誰かに見られることを警戒しているのか。
こんな様子を見せられると、ますます引っ張り込みたくなる。
オレが彼女に手を伸ばしたとき――
「コウメ、みーつけた!!」
元気な声がした。
たたっ、と廊下を小走りに走ってくるのは、オージだ。
「ああー、見つかっちゃったー」
飛びついてくるオージを受け止めながら、コーメは笑顔で言う。どうやらかくれんぼをしていたらしい。何だ、それでコーメは廊下を気にしていたのか。「鬼」が追いかけてくるから。
コーメは口調を変えた。
「ねえオージ様、ちょっと競争しましょ」
「きょうそう?」
「ラズト先生が眼鏡をなくしてしまったんですって。お部屋の中から、小梅とどっちが早く探し出せるか競争!」
「やる!」
即答するオージ。
「行くよ、よーいドン!」
コーメがパンと手を叩き、二人は楽しそうにオレの部屋に駆け込んでいった。
……まあ、こういうのもいいか。いいけど。うん。
ちっとも色っぽくならない私生活に哀愁を感じながら、オレは扉の枠によりかかって、その時を待つ。
眼鏡が発見され、そしてオレにとって大切な二人の笑顔が視界に明瞭に現れる、その時を。
【視界明瞭 おわり】
“星の庭”から王子殿下とコーメを連れ出し、オレの別荘に匿っていた頃の、思い出の夢だ。
ぼやけた視界に目を眇めながら、別荘の自分の寝室を出る。手すりに捕まり、階段を慎重に降りて厨房に行くと、コーメが食器を洗っていた。
「…………カザムは?」
「わ、びっくりした、ラズトさんおはようございます」
振り向いたコーメが、いつも朝は遅いオレに笑いながら答える。
「カザムさんなら、王子を散歩に連れ出して下さってます。朝食のスープ、あっため直しま……?」
彼女は言いかけて、オレの方を見たまま数秒黙ると、あっ、と声を上げた。
「何か違うと思ったら、ラズトさん眼鏡かけてない!」
「見つからないんだよな」
オレは首を鳴らし、苛立たしく思いながらため息をつく。この距離だと、コーメの目鼻口の位置はわかるが、表情まではわからない。
「頭の上にあるのがお約束なんですけどね」
コーメは笑い含みの声で言う。
「昨夜はあったんですか?」
「ああ。昨夜はソファで書類を読んでいるうちに寝ていて、明け方に寝台に移動して……その途中で外して、どこかに置いたんだと思うんだが、手探りしても見つからない」
「私が探しますよ! だって見えないでしょラズトさん」
コーメはタオルで手を拭くと、すぐに厨房を出て階段を上り始めた。オレも後に続いた。
コーメはオレの寝室の前でいったん立ち止まり、
「入りますよ」
と断ってから扉を開いた。そして、ソファに近寄る。
「ここのソファで寝オチ……」
つぶやきながら、ソファのクッションの隙間を見たりソファの下をのぞいたりしている。
「ないな。で、寝台に移動」
彼女は奥の寝台の枕元に近寄った。そして、枕をどかしたりサイドテーブルの照明の周りを見たり、しゃがみ込んで寝台とサイドテーブルの隙間に手を突っ込んだりしている。
「うーん」
見つからないらしく、コーメは立ち上がるとあたりを見回した。そして、ふと寝台の足下に近寄る。
一番上にかけてあったカバーが、くしゃっと足下に寄せてある。コーメがそこをめくった。
「あった!」
振り返った彼女の手に、オレの顔の一部、銀のフレームの眼鏡。
「寝るとき、寝台に近づいて足下に眼鏡を置いて、その後でカバーをめくったんじゃないですか? それで眼鏡にカバーがかぶっちゃったんですよ、きっと」
「悪い、ありがとう」
眼鏡をかけると、一気に視界が明瞭になった。目の前で、コーメが笑顔を見せている。
「いえいえ! さあ、何か食べるでしょラズトさん」
先に彼女を寝室から出し、後に続きながら、いつもの世界に安堵する。眼鏡がないとどうにもこうにも……
……あ。
寝室で。コーメと二人っきり。だったんだがな。
視界不明瞭に気を取られて。
「コーメもコーメだ、全く……」
ぶつぶつ言いながら階段を下りると、コーメが「何か言いました?」と見上げてくる。
男の寝室にホイホイ入って来やがって、
「少しは意識しろ!」
……自分の声に目を覚ますと、そこはシズ・カグナ離宮の寝室だった。
「全く……」
むくっ、と起きあがると、前髪をかきあげながら上掛けを押しやる。
懐かしい夢だったが……あの時、もしオレの寝室から出てくるコーメをカザムが目撃でもしていたらどうなっていたかな、などど、少々意地の悪いことを考える。いや、コーメがあの調子で「カザムさんお帰りなさい!」とか言って、何もないのがバレバレか。
苦笑しながらサイドテーブルに手を伸ばして――
――寝室から私室に移動し、さらに廊下に出ると、ちょうど向こうから小走りにやってくる人物と出くわした。
「あ、ラズト先生、おはようございます!」
乳母の服装のコーメは、離宮ではオレを「ラズト先生」と呼ぶことがある。もちろん、オレがオージ――王子殿下の家庭教師を務めているからだ。オージはたまにオレの私室で講義を受けることがあるが、コーメが一人でここに来るのは珍しい。
そのコーメは、レースのボンネットをつけた頭を軽く傾けてオレを見た。
「あれっ、今日は眼鏡は?」
「見当たらなくてな」
オレはむっつりと言う。
嘘じゃない、本当に、また見当たらないのだ。決してコーメを寝室に引き込む方便ではない。
「またですかー」
別荘でのことを覚えていたらしいコーメは、そう言って笑ってからチラリとオレの部屋の扉を見た。
「ええと……探しましょうか、私」
コーメは、少し、ためらう様子を見せている。
お? 別荘にいた頃よりは、オレを意識している……?
「うん、悪いが頼む」
オレは扉を開けると、脇によけてコーメが入れるようにした。コーメは視線を泳がせ、自分が来た方を振り返る。誰かに見られることを警戒しているのか。
こんな様子を見せられると、ますます引っ張り込みたくなる。
オレが彼女に手を伸ばしたとき――
「コウメ、みーつけた!!」
元気な声がした。
たたっ、と廊下を小走りに走ってくるのは、オージだ。
「ああー、見つかっちゃったー」
飛びついてくるオージを受け止めながら、コーメは笑顔で言う。どうやらかくれんぼをしていたらしい。何だ、それでコーメは廊下を気にしていたのか。「鬼」が追いかけてくるから。
コーメは口調を変えた。
「ねえオージ様、ちょっと競争しましょ」
「きょうそう?」
「ラズト先生が眼鏡をなくしてしまったんですって。お部屋の中から、小梅とどっちが早く探し出せるか競争!」
「やる!」
即答するオージ。
「行くよ、よーいドン!」
コーメがパンと手を叩き、二人は楽しそうにオレの部屋に駆け込んでいった。
……まあ、こういうのもいいか。いいけど。うん。
ちっとも色っぽくならない私生活に哀愁を感じながら、オレは扉の枠によりかかって、その時を待つ。
眼鏡が発見され、そしてオレにとって大切な二人の笑顔が視界に明瞭に現れる、その時を。
【視界明瞭 おわり】
0
お気に入りに追加
220
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
うたた寝している間に運命が変わりました。
gacchi
恋愛
優柔不断な第三王子フレディ様の婚約者として、幼いころから色々と苦労してきたけど、最近はもう呆れてしまって放置気味。そんな中、お義姉様がフレディ様の子を身ごもった?私との婚約は解消?私は学園を卒業したら修道院へ入れられることに。…だったはずなのに、カフェテリアでうたた寝していたら、私の運命は変わってしまったようです。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
推しの継母になるためならば、喜んで偽装結婚いたします!
藍上イオタ
恋愛
【2巻発売中!】
「ブリギッド・グリンブルスティ! あなたはクビよ!!」
ブリギッドの雇い主の妻カット夫人が金切り声をあげ、彼女に手紙と小箱を突き出した。
ブリギッドは、不倫のえん罪で家庭教師をクビになったのだ。
(セクハラの証拠もあるし、違約金をもらって、推しに課金しよう!)
ブリギッドはウキウキとその場をあとにした。
じつは、ブリギッドは転生者だ。
前世、30代で過労死してしまった小学校教員だったブリギッドは、生前読んでいたweb小説の没落令嬢(モブ)に転生していた。
しかし、彼女の推しは孤児院出身の悪役。
愛を知らないまま大人になってしまうと、悪役として主人公に殺されてしまうのだ。
「推しの命は私が守る! 悪役になんかさせない!」
推しを養子にしようと奮闘するが、未婚では養母になれないとわかり、推しの住環境を守るため、課金とオタクグッズで孤児院を盛り上げていたのだ。
不倫えん罪で、家庭教師をクビになってしまったブリギッドのもとに、「恋をしない鉄壁侯爵」から推しの養父母になるために偽装結婚しないかという提案が。
断る理由なんかない! 喜び勇んで偽装結婚するブリギッド。
すると、推しから懐かれ、さらには「妻としては愛せない」と言っていた、鉄壁侯爵から溺愛されることに……。
オタクと教員の知識を使って奮闘する、育児&ファンタジーです。
題名変更しました(旧:転生没落令嬢が推しの継母になりました)
皆様のお力添えのおかげで、続刊が決定いたしました!
応援ありがとうございます!
誤字誤用のご指摘ありがとうございます!
とても助かっております。
時間があるときに直したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる