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46話 永遠の別れ
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「諦めろ!お前に勝ち目などない。」
アーサーが叫ぶ。
王太子は、クククと笑って言う。
「王と、大事な女を守りながら、仲間を傷つけないように魔力を加減しながら、この人数相手に勝てるか?!」
そう言って、無数の魔力の塊を投げつけて攻撃してくる。
王太子の私兵10人と王太子が、一気にアーサー1人へ攻撃を始める。
その時だった。
急に、サミュエルさんが現れて、魔術師団10名が現れる。
「団長!魔術師団10名加勢しにきました!!」
サミュエルがそう言って、全員が戦いに加わった。おかげで、1人で1人を相手にすればよくなり、負担が一気に減る。得意げに応戦し始めたサミュエルに、レオンが言う。
「サミュエル!なんで10人なんだ!」
「へ?」応戦しながらレオンを見る。
「援軍寄こすなら、もっと連れて来い!!判断が甘い!」
助けに来たのに怒られる、残念なサミュエルを見て、サラは笑う。
戦況をみて、大丈夫かもしれないと、少しホッとした。
「くそが!」
王太子は、アーサーと1対1で戦わなくてはならなくなり、余裕を無くす。そして、苛立ちからアーサーに言った。
「おまえの女神は、お前を殺して俺のモノにしてやる。」
それを聞いて、アーサーはカッとなり一気に攻撃をしかけていく。いくつもの魔法弾を受け、カイン王太子はボコボコになる。
床にめり込んだカイン王太子の前に、アーサーが剣を振り上げて立つ。
そのまま、剣を振り下ろそうとした、その瞬間に、カイン王太子は、弱々しい声を上げた。
「待て!待ってくれぇ!おまえだって、ガルーダ人だろう?兄弟みたいなものじゃないか。」
兄弟・・・その言葉に、ガルーダ王とアーサーがビクリとする。
「助けてくれ!頼む。」
カイン王太子は、そう言って、アーサーに手を伸ばした。
「助けてくれ!」
その情けない姿に、アーサーは剣を下ろした。
そのまま、カイン王太子に左手を差し出す。
カイン王太子は、アーサーのその姿を見て笑い、アーサーの手首を掴んだ。
その数秒後、カイン王太子はニヤリと笑う。
「これで終わりだ。」
そう言って、瞬間移動する。
ハッと気が付いた時には、ガルーダ王とサラの前に、王太子が居た。
瞬間にガルーダ王が、サラを横に突き飛ばす。
王太子の剣が、ガルーダ王を突き刺した。
ガルーダ王は、カイン王太子を抱きかかえて、短刀をカイン王太子の背中に突き刺して横に引いた。
それは一瞬だった。
2人とも倒れこむ。
「ガルーダ王!!!!」
「父上ー---!!!」
カルロ王子と、サラの声が響く。
アーサーもサラの傍に駆け寄る。
カイン王太子は、私兵たちに抱えられて、消えた。
カルロ王子の声が、響く。
「父上!!しっかりしてください!すぐに治癒魔法師を!」
ガルーダ王は、何も言わなかった。
口を少し動かしたようだったけど、何も聞こえない。
アーサーを、じっと見ていた。
アーサーも、それに気が付いた。
ガルーダ王は、アーサーを見つめて、微笑み、涙を流した。
「父上?」
カルロ王子の腕の中で、ガルーダ王は、そのまま目を閉じた。
それが、王の最後だった。
サラは、目に涙をいっぱいためて、その場に膝をつく。
アーサーのお父さんだった。
やっと、会えたのに・・・何も話せないまま。
アーサーの方を見上げる。
彼は、何故か青ざめた顔で、立っていた。
「?・・・・アーサー?」
かすれた弱々しい声が、勝手に出る。
アーサーは身動きをしない。
異変に気が付いたレオン団長が、走ってくる。
走りこんで、そのまま、アーサーの左腕を掴む。
「陛下!!!」
その左腕から、紫色の煙のようなものが蛇のようにうごめく。レオン団長の腕にまで這い上がってくる。
アーサーは、レオン団長の腕を、力いっぱい振りほどく。
「・・・・これは!」
レオン団長が青ざめる。
アーサーの左腕から、紫色の蛇のような光が、いくつも蠢いて広がっていく。
「・・っく!」
アーサーは右腕で左腕を押さえる。
手首には、紫色の蜘蛛のような模様が浮かび上がっていた。
アーサーが叫ぶ。
王太子は、クククと笑って言う。
「王と、大事な女を守りながら、仲間を傷つけないように魔力を加減しながら、この人数相手に勝てるか?!」
そう言って、無数の魔力の塊を投げつけて攻撃してくる。
王太子の私兵10人と王太子が、一気にアーサー1人へ攻撃を始める。
その時だった。
急に、サミュエルさんが現れて、魔術師団10名が現れる。
「団長!魔術師団10名加勢しにきました!!」
サミュエルがそう言って、全員が戦いに加わった。おかげで、1人で1人を相手にすればよくなり、負担が一気に減る。得意げに応戦し始めたサミュエルに、レオンが言う。
「サミュエル!なんで10人なんだ!」
「へ?」応戦しながらレオンを見る。
「援軍寄こすなら、もっと連れて来い!!判断が甘い!」
助けに来たのに怒られる、残念なサミュエルを見て、サラは笑う。
戦況をみて、大丈夫かもしれないと、少しホッとした。
「くそが!」
王太子は、アーサーと1対1で戦わなくてはならなくなり、余裕を無くす。そして、苛立ちからアーサーに言った。
「おまえの女神は、お前を殺して俺のモノにしてやる。」
それを聞いて、アーサーはカッとなり一気に攻撃をしかけていく。いくつもの魔法弾を受け、カイン王太子はボコボコになる。
床にめり込んだカイン王太子の前に、アーサーが剣を振り上げて立つ。
そのまま、剣を振り下ろそうとした、その瞬間に、カイン王太子は、弱々しい声を上げた。
「待て!待ってくれぇ!おまえだって、ガルーダ人だろう?兄弟みたいなものじゃないか。」
兄弟・・・その言葉に、ガルーダ王とアーサーがビクリとする。
「助けてくれ!頼む。」
カイン王太子は、そう言って、アーサーに手を伸ばした。
「助けてくれ!」
その情けない姿に、アーサーは剣を下ろした。
そのまま、カイン王太子に左手を差し出す。
カイン王太子は、アーサーのその姿を見て笑い、アーサーの手首を掴んだ。
その数秒後、カイン王太子はニヤリと笑う。
「これで終わりだ。」
そう言って、瞬間移動する。
ハッと気が付いた時には、ガルーダ王とサラの前に、王太子が居た。
瞬間にガルーダ王が、サラを横に突き飛ばす。
王太子の剣が、ガルーダ王を突き刺した。
ガルーダ王は、カイン王太子を抱きかかえて、短刀をカイン王太子の背中に突き刺して横に引いた。
それは一瞬だった。
2人とも倒れこむ。
「ガルーダ王!!!!」
「父上ー---!!!」
カルロ王子と、サラの声が響く。
アーサーもサラの傍に駆け寄る。
カイン王太子は、私兵たちに抱えられて、消えた。
カルロ王子の声が、響く。
「父上!!しっかりしてください!すぐに治癒魔法師を!」
ガルーダ王は、何も言わなかった。
口を少し動かしたようだったけど、何も聞こえない。
アーサーを、じっと見ていた。
アーサーも、それに気が付いた。
ガルーダ王は、アーサーを見つめて、微笑み、涙を流した。
「父上?」
カルロ王子の腕の中で、ガルーダ王は、そのまま目を閉じた。
それが、王の最後だった。
サラは、目に涙をいっぱいためて、その場に膝をつく。
アーサーのお父さんだった。
やっと、会えたのに・・・何も話せないまま。
アーサーの方を見上げる。
彼は、何故か青ざめた顔で、立っていた。
「?・・・・アーサー?」
かすれた弱々しい声が、勝手に出る。
アーサーは身動きをしない。
異変に気が付いたレオン団長が、走ってくる。
走りこんで、そのまま、アーサーの左腕を掴む。
「陛下!!!」
その左腕から、紫色の煙のようなものが蛇のようにうごめく。レオン団長の腕にまで這い上がってくる。
アーサーは、レオン団長の腕を、力いっぱい振りほどく。
「・・・・これは!」
レオン団長が青ざめる。
アーサーの左腕から、紫色の蛇のような光が、いくつも蠢いて広がっていく。
「・・っく!」
アーサーは右腕で左腕を押さえる。
手首には、紫色の蜘蛛のような模様が浮かび上がっていた。
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