女神なんかじゃない

月野さと

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32話★結界

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 ウォステリア国内に結界を張るべく、準備がされた。
 2週間後には、建国記念日があるので、それまでに結界をはることになった。

 結界をはる当日。テルマさんと、綺麗な女性が部屋にやって来た。
「はじめまして。私は街で妓女をしております、アイリーンと申します。」
 サラは、妓女と聞いて、興味津々になってしまった。男性経験がアーサーしかなくて、しかも、ずっと勉強とバイト三昧だったサラは、そっちの話は晩熟だった。だけど、はじめてを経験してから、疑問やら、不安やらが募っていた。両想いになってからは、アーサーは毎晩したがるし、自分ばかりが気が狂ったように我を失ってしまうのも、どうなのか?と思っていた。
 サラは、アイリーンの手をとって握手すると、ブンブンと振る。
「よろしくお願いします!」
 アイリーンは、ちょっと驚いた様子を見せたけれども、よそ行きの微笑みをやめて、妖艶な笑みを見せた。  
 そして、“その気の無い男性を立たせる方法”という手ほどきの授業が始まった。
 ノリノリのサラとは真逆で、テルマは顔を真っ赤にして、今にも倒れそうだった。



 そうして、国に結界を張る日はやってきた。
 
 お城の一角にある、神殿に向かう。
 柱がたくさんあって、屋根は無く、月がぽかんと出ている。
 フォロロマーノのような場所で、神秘的な場所だった。

 暫く歩いて行くと、中央に小さな水盤があった。
 水盤には、腰の高さくらいの足がついていて、何かの彫刻が施してある。
 とり囲むように魔術師団が待っていた。

 大きな円には、レオン魔術師団長、サミュエル副団長も立っていた。

 水瓶の前に、アーサーが立つ。
 月を見上げてから、レオン団長を見る。

 レオンが頷く。
 それを見て、ウィルさんが、こちらへと円の外にサラを誘導した。

 それを確認してから、アーサーが呪符を唱え始める。

 アーサーの体が光り始めて、掲げた両手からは魔法陣が浮かび上がってくる。その光で浮かび出された魔法陣が、空に向かって行くごとに大きくなっていく。

 光と風が巻き起こりながら、打ち上げ花火のように空に舞い上がっていった。

 その強い風に、サラは目を閉じる。ウィルが、サラを支えてくれた。


 強い光と風が治まると、サラは空を見上げる。


 円になっていた魔術師団から次々と声が上がった。
「成功だ!」「これほどの結界が完成するとは!」

 誰よりも先に、ウィルが声をかけた。
「陛下?」
 ウィルが駆け寄ろうとした瞬間に、アーサーは崩れるように倒れた。

 魔術師団も、わっと駆け寄る。
「陛下!!!」
 ウィルがアーサーを抱き起す。
 アーサーは、青い顔でため息をつくように言った。
「はぁ・・・・すまん。思ったよりも・・・。」
 そのまま、アーサーが目を閉じる。サラはすぐにしゃがみこんで、アーサーにキスをする。20秒ほど、そうしていただろうか?それから、唇を離してアーサーの様子を見る。
 しかし、アーサーは青い顔のままでグッタリしていた。 
 レオン団長が傍に来る。
「全く足りてないようですね。1度肥大した魔力に体が慣れてしまって、肥大した入れ物(体)に同じ量の魔力が必要になっているのかもしれません。」
 サミュエル副団長が、アーサーを担ぐ。
「良くない状態ではあるので、急ぎましょう。お部屋に、お連れしますね。」
 そう言って、瞬間移動した。

 サラもアーサーの部屋に急ぐ。
 魔術師は、部屋の前までサラを送り届けると、さっさと下がって行った。
 アーサーの部屋で、ぐったりと横になるアーサーと2人きりになる。

 ベッドに上がって、サラはアーサーの顔を伺う。
「アーサー。大丈夫?」
 返事は無い。
 額に手を乗せる。いつもよりも冷たく感じた。
「アーサー?」
 反応が無いので、不安になりながら、ゆっくりと何度もキスを繰り返す。

 アーサーの目がゆっくりと開いて、細めた青い瞳がキラキラする。
「サラ・・・、」
 弱々しく名前を呼ばれて、ホッとする。同時に、こんな時なのにドキドキしてしまう。

 アーサーの服を1つ1つ脱がせていく。
 自分の緊張をほぐすように目を閉じて、アーサーにキスをしてから、首筋にキスをして、胸にキス。
 いつも、アーサーがしてくれてることを思い出しながらする。

 おへそにキスをしてから、意を決してアーサーの下着をずらすと、男性器が目の前に現れる。
 覚悟を決めて、教わった通りに、両手で持って口で頬張る。

 こんなこと、アーサーにしかできない。
 恥ずかしいけど、誰も見てないから、なんとかできる。
 初めての男性器の味。アーサーの味。
 歯をたてないように舐めまわし、頭を前後に振ってしごいた。
 少し、それを繰り返すだけで、大きく立ち上がったので、サラは驚く。
 ・・・こんなものが、自分の中に入っていたとは、実際の物を見て驚かずにはいられなかった。
「ん・・・。」
 喉に先っぽが触れる。
 もう、サラの口には収まらないサイズなので、口を離す。
 唾液まみれの自分の口を拭きながら、アーサーの顔を覗き込むと、グッタリとしている。

 もう!恥ずかしがっている時ではない!
 早くアーサーを助けなきゃ!
 気を取り直して、深呼吸をし、自分の秘部にアーサーのものをあてがって、こすりつけてみる。
「あ・・・ん。」
 少しだけヌルっとして、気持ち良くて何度もゆっくりと腰を振る。どんどんヌルヌルとしてきて、そのうちグチュグチュと音が鳴り始める。
 自分が溢れさせたもので、こうなっていることが恥ずかしい。でも、気持ち良くてアーサーの先っぽだけを自分の中に入れてみる。

「ん!・・・はぁ・・・あ!」
 気持ち良さに身震いをすると、心を決めて、ゆっくりと腰を下ろす。
「は・・・あ・・・あぁん!」
 なんとか全部飲み込んで、息を整えようと試みる。
 動かないアーサーの上で、再度目を閉じ、ゆっくりと腰を動かしながら、もっと自分の良い所を探り始める。
 自分がしている痴態を恥じながらも、膣内から感じられる快感に、脳を支配されそうになる。

「あ、気持ちいい。」
 いつも与えられる強い快感ばかりだったけれど、こうして、ゆっくりと中をかき回したり、先だけを出し入れするのも、すごくよかった。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・あ!・・・んんっ。」
 気持ち良くて、クイックイっと腰をくねらせながら、自然と声がもれる。
「あ・・ん!はぁ・・ん。はう・・・ん。はぁあん!」
 なにこれ?あんなに彼とはセックスしたのに、はじめての感覚。自分の中に入っている男性器の、形や硬さが、しっかりと感じ取れて、串刺しにされてる感覚。
 あぁ、もう、おかしくなりそう。ぞくぞくと、快感がかけあがって、目を閉じたままで首を振り、腰を振る。
「はぁ、あ、・・・はう・・・ん。」

 暫くそうしてから、目を開けて下を見下ろすと、アーサーが私を見ていた。


 瞬間に顔に火が付いたように熱くなる。


 
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