王様の愛人

月野さと

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18話

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「私は・・・陛下のこと・・・」
 
 好きなのか?嫌いなのか?
 そう、真剣に考えないようにしていたような、気がする。

 そこへ、メリーアン王女が執務室に入って来た。
「ソフィア。お兄様と一緒に居て、楽しい?」
 メリーアンは、執務室の外で、様子を伺っていたのだった。
「え、楽しいかと聞かれると・・・そうですね。楽しいです。」 
「どんな時が楽しいの?」
 
 陛下と初めて会った日の事を思い出す。
 そう、図書室で何度も会って、色々な話をした。
「特に、陛下と話をするのが楽しいです。陛下は・・・博学で、あまり感情を混ぜずに、たんたんと話すところも好きです。人の言う話をたんたんと聞いて、否定も肯定もしない所も好きです。」
 ソフィアは、いつのまにか、好きな所を言ってしまっていることに気がついていなかった。しかし、その事に、グレイもアデルも、メリーアンも微笑んだ。
「それなら、好意はあるということじゃないかしら?」
「好意。・・・そうですね。嫌いではありません。」
「じゃぁ、ソフィアがお兄様に隠していること。それを隠す理由は何?」
 メリーアンは、ソフィアの目の前までゆっくりと歩いて来て、ソフィアの手を取る。
「ソフィア。あなたは、どうして、を隠しているんでしたっけ?」

『愛の無い結婚は嫌』
 私は、あの時、王女様にそう言った。
 王女様の目は、優しいままで、少し微笑んでいる。
 そして、満面の笑みに変えると、王女は言った。
「愛は、あったのよ。お兄様は、あなたを愛しているわ。」

 瞬間に、ぶわっと涙が滲んだ。

 陛下の顔を思い出す。王家の紋章が無かったと知った時、妃にはなれないと祖父が言った時、あなたは、今にも泣きそうな顔だった。

『好きだ。ソフィア。愛している。』
 何度もそう言ってくれたのに、私は、ウソだと決めつけて・・・。
 陛下は、私の話を真剣に聞いてくれたのに、私は・・・聞いてあげなかった。 

「王女様・・・私、私・・・最低です。」
 王女はソフィアを抱きしめた。
「そんなこと無いわ。ただね、のことだけど、隠さないであげて欲しいの。王家の紋章は、生涯たった1人にしか出現しないのよ。」
「・・・・えっ?」
「運命の相手は、たった1人なのよ。そのあなたが、逃げてしまったら、お兄様の妃は永遠に不在になってしまうわ。」
 
 ずっと見守っていたアデルとグレイが、顔を見合わせる。
「あ~、あのぉ~、ちょっと、宜しいですか?話が見えるようで、見えないのですが・・・。」
 アデルは、片手で頭を抱えながら言った。
「つまり、王家の紋章が、現れたということですか?」

 ソフィアは、その質問に、答えずらそうにしながらも、しっかりと頷く。

 グレイは、瞬間にガッツポーズをした。
 アデルは目を、これでもかって程に見開いてから、ガッツポーズをしてからグレイの方に向き直って、2人はサッカー選手のソレみたいに、じゃれ合って喜んだ。

「陛下に、謝って・・・伝えなきゃ。」 

 ソフィアがそう言うと、喜び合っていた男2人が、動きを止めた。 
 男2人で、目で合図しあうと、2人で何故かグータッチをし合う。
 目と目で通じ合ってる様子だ・・・。


「ソフィア嬢、それではサプライズをしませんか?」

 グレイ騎士団長は、とても楽しそうに、そう言った。


◇◇◇◇



 ラデシュの砦では。

 各所の報告を受けたり、今後の動きについて確認などをしていた。
 夕刻になり、ヴィンセントが食堂に向かうと、トリス辺境伯とその娘、ラウラ嬢が同席した。

「陛下、お久しぶりでございます。」 
 ラウラ嬢は嬉しそうに、ヴィンセントに挨拶をする。
「・・・久しいな。元気にしていたか?」
「はい。」
 ウットリと視線を向けられて、ヴィンセントは視線を逸らして席に座る。
 トリス辺境伯が、ニコニコと声をかけた。
「娘がどうしても陛下にお会いしたいと言うのでな。晩餐をご一緒させて頂いても?」
「・・・」
 ヴィンセントは、それに頷くことで返答した。
 それからは、副団長、第1部隊の隊長と、辺境伯で戦の話になった。その間、ラウラ嬢は静かに食事をしながら、ヴィンセントを見つめていた。
 
 食事が終わって、ヴィンセントが席を立つ。
「良い晩餐だった。では、トリス辺境伯、明日から頼んだぞ。」
 そう言うと、慌てたように、ラウラ嬢が立ち上がる。
「陛下!お待ちくださいませ。お部屋まで、私がご案内いたしますわ。」
「不要だ。」
 ヴィンセントが即答すると、トリス辺境伯が、ガハハと笑いだす。
「陛下、かりにも、愛人だった娘だ。久しぶりに、今宵の相手に良いだろう?このような所までいらっしゃったんだ。」
 辺境伯に向き直って、冷たい表情のままでヴィンセントは言った。
「その気は無い。」

 そうハッキリ言うと、食堂を出て、ヴィンセントは用意された部屋に戻った。
 
 部屋の中から見える景色に、目を移す。
 荒れた荒野の風が、自分の胸を吹き抜けていくように感じた。

 1人になると、どうしても考えてしまう。
「ソフィア・・・」
 おまえが恋しい。どうしたら、おまえを私の妃に出来る?そればかりを考えている。
 ・・・・いっそのこと、子を孕むまで監禁して抱きつぶしてやろうか?・・・などと、鬼畜なことを考えてしまう自分がいる。

 はぁ。
 ため息をついて、テーブルの上に置いてあるスコッチに手を伸ばす。
 寒い地域の酒の味は、格別だ。月を見ながら、気を紛らわせるように、その香りに集中する。

 その時、部屋がノックされて、ラウラ嬢が部屋に入って来た。
「陛下・・・!」
「・・・ラウラ?」

 部屋に入ってくるなり、ラウラ嬢は駆け出して、ヴィンセントの胸に飛び込んだ。
「陛下!・・・陛下が恋しくて、寂しくて、お会いしとうございました!!」
 部屋に勝手に入ってくるとは・・・・手引きした者がいたのだろう。おそらく、彼女の父親か・・・。
「ラウラ。勝手に王の部屋に入ってくるとは、不敬だぞ?」
 ヴィンセントが、ラウラ嬢の腕を掴んで、自分から引き離して・・・彼女の異変に気がつく。

 ラウラ嬢は、顔を火照らせて、息苦しそうに熱い息を吐き、トロンとした目で、ヴィンセントを見上げる。
「・・・ラウラ?おまえ・・」
「はぁ、はぁ、へいかぁ。抱いて・・・。」
 ラウラ嬢は、薄着で大きく開いた胸元の服の端を掴んで、自分の乳房を見せつけるように脱ぎ始める。
「やめろ!ラウラ、おまえらしくない!どうしたんだ?」
「はぁん、はぁ・・・へいかぁ。したいです。」
 ラウラの左手は、自分の秘所をまさぐり、右手は自分の乳房を揉み始める。
 もう立っていられなくなったのか、床に座り込み、両足を開いて、自慰行為を始めてしまった。
「・・・・」
 これは・・・・まさか。
「ラウラ!しっかりしろ!媚薬か?どんなものを飲んだ?!」
 ラウラ嬢は、自分の指を膣内に入れて、「あん!あん!」と感じ始めて声を上げて、1人で達する。ドロドロの愛液を垂れ流しながら、熱い息を吐き、ヴィンセントに縋りつきながら言った。

「最近、手に入れた・・・はぁっ・・流行りの新薬で・・・あっ、陛下が・・・あはぁ、欲しっ、はぁ、あっ・・・」
 ヴィンセントは、ラウラを抱き上げて、ベッドの上に横にさせる。

「おい!誰か居ないか!?」
 そう言うと、扉の前に居た兵士が返事をしたので、医師を呼び解毒薬を持って来るように告げ、ノアの所在を聞くと、辺境伯に呼ばれたとのことだった。
 最近出回っている新薬の媚薬は、脳を破壊するほどに悪質な物だと聞いている。それを飲んだというのか?馬鹿な! 
 放っておけば、ラウラは壊れてしまう。
「あ・・・あはっ、はぁ・・・ああぁ、欲しい。いれてぇ~。へいかぁ~、入れてぇ~。」
 淑女だったラウラが、アヘ顔で、おかしくなり始めている。目が半分白目になりそうなのを見て、見ていられなくなる。
 ダメだ。イかせてやらないと、この娘は壊れてしまう。。。
 くそっ・・・!

 ヴィンセントは仕方なく、ラウラの膣に指を入れてやる。

「はぁぁぁああ!!ああん!陛下ぁ!!」
 
 
  


 
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