2 / 35
2話
しおりを挟む
ソフィア・リッテンバーグは、ヘンドリックの長男の1人娘である。
彼女が10歳の時に、両親が事故で亡くなってしまい、リッテンバーグ侯爵家は叔父夫婦が継ぐことになった。最初は、ソフィアが「侯爵家を私が継ぐ」と言い張って、叔父夫婦を家に入れようとしなかったが、1年後には全員の説得で、大人しくなった。
それからは、叔父夫婦の娘として養子縁組され、従兄弟は兄となって暮らし始めた。
両親を失って3年後、彼女は留学したいと言い出して、もともと不憫に思っていたヘンドリックは、了承したのだった。帰国したら、令嬢として結婚するという約束で。
そんなソフィアは18歳になり、帰国するなり、王都で行われている夜会に片っ端から参加したり、親交のあった友人とお茶会などをして、精力的に活動をしていた。ヘンドリックは、すっかり結婚相手を探しているのだと思っていた。が、しかし・・・とある日の晩餐で、ソフィアが言った。
「私、学校を創立したいのです。協力者や賛同者を、少しですが集めました。」
孫娘の言葉に、ヘンドリックは、目が飛び出るかというほど驚いた。
その祖父の様子を伺いながら、叔父の侯爵が言った。
「ソフィア。学校だなんて大がかりだね。領地内の教会で子供達に読み書きを教えているだろう?それではダメなのかい?」
ソフィアは、フォークを置いて「はい。」と言って話し出す。
「隣国では女性だけの女学校がありました。これからの時代、男女関係なく学び、女性の社会進出を目指すべきかと思うのです。今のように、男性優位の社会は古いと思うのです。その為には、」
バンッ!!!ガシャーーーン!!!と、大きな音が鳴り響く。
ヘンドリックが食卓を、思いっきり両手で叩いたのだ。
「ソフィア!女のくせに政治に口を出すとは、生意気じゃ!!これだから、少しばかり知識をつけた女はダメなんじゃ!女に何が解る!!」
ソフィアは、冷静さを装って、言い返す。
「女でも、学び、考え、判断することは出来ます。世の中を変える事だって!」
「黙るんじゃ!!女は黙って男を支え、男に従い、子供を産めば良いのじゃ!」
これ以上、祖父に何を言っても無駄。価値観や考え方の違いは、そう簡単には変えることが出来ないのだ。
雰囲気が悪くなってしまったのを、なんとかしようと、侯爵夫人が声をかける。
「まぁ、ソフィアちゃんも、素敵な男性との出会いがあれば、考え方もかわるかもしれないわ。来週、王宮で夜会があるでしょう?ソフィアちゃん、私と一緒に行くのはどうかしら?素敵な独身男性との出会いでもあれば、結婚したくなるかもしれないでしょう?」
「お義母様。私は、そのような話をしているのでは・・・」
「うむ、そうじゃな。ちょうど良い。ソフィア、夜会に行きなさい。いや、わしが一緒に行こう。素晴らしい紳士を紹介してやろうて。」
祖父が、髭を撫でながら頷いて、満足げに言った。
「・・・」
翌週、王宮で夜会が行われた。
「ソフィア。良いな?大人しくついてくるのじゃ。」
「・・・はい。お爺様。」
夜会に向かう馬車の中で、祖父にさんざん注意を受けて、ウンザリしながら夜会の会場に向かった。
やっと、王宮について、会場に入る。ホールに入って驚いた。
とても豪華で盛大に行われており、あまりにも華やかで大きな会場に圧倒される。シャンデリアも大きく、貴族たちは本気モードの煌びやかなドレスを纏っている。昼間のように明るく、この国の財力を感じられた。
「今日は、独身の紳士を紹介してやろう。気に入った者がいれば言うのじゃぞ。」
祖父が私に言う。
「お爺様、これは豪華絢爛ですね。我が国は、財力も経済も他国に誇れる裕福な国ではあるのですが、ここまで王宮を豪華にしたのは、前国王の趣味ですか?それとも外交などで威圧感を出すためとか?」
「ソフィア!!」
鋭い口調で制止されて、ソフィアは祖父を見る。あ、ヤバイ。
「おまえと言うやつは!女は政治に口を挟んだり意見するものではない!公の場では特に慎むのじゃ!」
・・・はーい。女は!女は!って、本当に嫌気がさす。
正直言って、帰国したら祖父の決めた男性と結婚させられるのだと思った。この国は、女性は結婚して子供を産むのが仕事だ。料理人も教師も医者も騎士も全て男性の仕事で女性は居ない。その事に昔から疑問を抱いていたのだ。だから、隣国に行ってみたかった。女性騎士、女性料理人、女性医師も居る隣国に行ってみたかった。あまりにも居心地の良い国だったので、そのまま住み着いてしまいたかったが、それは許されなかった。しかし、のらりくらりと、このまま交わして行こうと思っている。
夜会会場に入って、程なくして話しかけて来る人がいた。
「ヘンドリック宰相様。今日はいらっしゃらないのかと思いましたよ。」
声をかけてきたのは、10歳は年上だろうか?茶色い髪の茶色い目をした、特に特徴の無い男性だった。
「テイラー公爵殿。今日は、孫娘が一緒じゃったのでな、準備に時間がかかってしまっての。ほれ、挨拶しなさい。」
私は事務的に1歩前に出て、お辞儀をする。
「はじめまして。ソフィア・リッテンバーグと申します。」
顔を上げると、テイラー公爵は私の顔をジロジロと見て、品定めされている気分になる。
「トマス・テイラーです。お美しい方ですね。あなたが会場に入った瞬間に会場内がざわつきましたよ。」
「・・・ありがとうございます。お上手なんですね。」
「ソフィア。このテイラー公爵はな、帝国学園の経営を任されておるのじゃ。」
帝国学園とは、王都にある国立の貴族専用学校である。それを聞いただけで、興味を持ってしまう。学ぶことが好きなので、話を聞いてみたいことがいくつか出て来る。
「学園の経営を?素晴らしいわ。」
「いえいえ、父の代から任されているのを、引き継いだにすぎませんよ。」
好奇心の目で見つめると、祖父が後ろから言った。
「まぁ、2人で話をするがよい。わしは少し席を外す。」
すると、テイラー公爵は、私の腰に手を回した。そのことに驚いてビクリとする。
「それでは、お飲み物でも飲みながら。」
「・・・は、はい。」
一緒に飲み物を取りに行ってから、「ゆっくり話をしたいから」とバルコニーに連れて来られる。
「ソフィア嬢は、本当に美しいですね。地上に舞い降りた天使のようだ。」
「・・・お上手なんですね。」
ついボー読みで答えてしまう。
「3年間、留学されていたと聞きましたが、どちらへ?」
「隣国の、モンテカリブ王国ですわ。留学制度がしっかりしていて、女性教育にも熱心な国で」
「あぁ、知っていますよ。女性に歴史や経済の教育なども行う国ですね。女性騎士も居るとか。」
「ええ!そうなんです!行ってみて驚きましたわ。女性騎士の多さなども」
「そうでしょうね。我が国よりも人口が少ないですからね。しかたないのでしょう。」
「・・・え?」
「女性は男に守られて暮らすべきなのに、戦場に出すなんて、信じられません。野蛮な国です。そう思いませんか?あのような国に産まれた女性は悲惨です。」
「あ・・・でも、女性医師もいらっしゃるんですよ?」
「ええ、知っています。男性だけでは国として回らないのでしょうね。しかし医師は難しい仕事ですから女性にできているのかどうだか。」
「・・・・・」
この人、典型的なラトニア国民だな・・・。話してて苦痛。
「どうかしましたか?」
「あ、いえ、少し肌寒いので中に行こうかしら。」
そう言って、立ち上がった瞬間。腕を掴まれたので、振り返る。
「ソフィア嬢。私は、あなたが気に入りました。」
・・・はぁ?
「あなたのお爺様、ヘンドリック宰相から、婚約者になってくれないかと打診をうけていたのです。」
あ゛?ジジイめ、そうゆうことか。
「私は、あなたよりも10歳も年上です。しかし、あなたの可憐な姿。愛らしい所に惹かれてしました。」
それ、見た目だけじゃない。
「まぁ、ありがとうございます。それでは、お爺様に相談しなくちゃ。」
ソフィアはウブな女を演じて、恥ずかしそうにパタパタと走り去る。心の中では、うっせぇよ!オッサン!と悪態をつきつつ。
走り去るソフィアを見て、テイラー公爵は、頬を赤らめてつぶやくのだ。
「なんて可憐な。恥ずかしがり屋さんなんだ。守ってあげたい。」
その後も、祖父の紹介で、数名の男性と話をしたけれども、どれも同じようなモノだった。どいつもこいつも~~!と、苛立ちだけが募る。
そんな夜会で、私は、彼と出会うのである。
彼女が10歳の時に、両親が事故で亡くなってしまい、リッテンバーグ侯爵家は叔父夫婦が継ぐことになった。最初は、ソフィアが「侯爵家を私が継ぐ」と言い張って、叔父夫婦を家に入れようとしなかったが、1年後には全員の説得で、大人しくなった。
それからは、叔父夫婦の娘として養子縁組され、従兄弟は兄となって暮らし始めた。
両親を失って3年後、彼女は留学したいと言い出して、もともと不憫に思っていたヘンドリックは、了承したのだった。帰国したら、令嬢として結婚するという約束で。
そんなソフィアは18歳になり、帰国するなり、王都で行われている夜会に片っ端から参加したり、親交のあった友人とお茶会などをして、精力的に活動をしていた。ヘンドリックは、すっかり結婚相手を探しているのだと思っていた。が、しかし・・・とある日の晩餐で、ソフィアが言った。
「私、学校を創立したいのです。協力者や賛同者を、少しですが集めました。」
孫娘の言葉に、ヘンドリックは、目が飛び出るかというほど驚いた。
その祖父の様子を伺いながら、叔父の侯爵が言った。
「ソフィア。学校だなんて大がかりだね。領地内の教会で子供達に読み書きを教えているだろう?それではダメなのかい?」
ソフィアは、フォークを置いて「はい。」と言って話し出す。
「隣国では女性だけの女学校がありました。これからの時代、男女関係なく学び、女性の社会進出を目指すべきかと思うのです。今のように、男性優位の社会は古いと思うのです。その為には、」
バンッ!!!ガシャーーーン!!!と、大きな音が鳴り響く。
ヘンドリックが食卓を、思いっきり両手で叩いたのだ。
「ソフィア!女のくせに政治に口を出すとは、生意気じゃ!!これだから、少しばかり知識をつけた女はダメなんじゃ!女に何が解る!!」
ソフィアは、冷静さを装って、言い返す。
「女でも、学び、考え、判断することは出来ます。世の中を変える事だって!」
「黙るんじゃ!!女は黙って男を支え、男に従い、子供を産めば良いのじゃ!」
これ以上、祖父に何を言っても無駄。価値観や考え方の違いは、そう簡単には変えることが出来ないのだ。
雰囲気が悪くなってしまったのを、なんとかしようと、侯爵夫人が声をかける。
「まぁ、ソフィアちゃんも、素敵な男性との出会いがあれば、考え方もかわるかもしれないわ。来週、王宮で夜会があるでしょう?ソフィアちゃん、私と一緒に行くのはどうかしら?素敵な独身男性との出会いでもあれば、結婚したくなるかもしれないでしょう?」
「お義母様。私は、そのような話をしているのでは・・・」
「うむ、そうじゃな。ちょうど良い。ソフィア、夜会に行きなさい。いや、わしが一緒に行こう。素晴らしい紳士を紹介してやろうて。」
祖父が、髭を撫でながら頷いて、満足げに言った。
「・・・」
翌週、王宮で夜会が行われた。
「ソフィア。良いな?大人しくついてくるのじゃ。」
「・・・はい。お爺様。」
夜会に向かう馬車の中で、祖父にさんざん注意を受けて、ウンザリしながら夜会の会場に向かった。
やっと、王宮について、会場に入る。ホールに入って驚いた。
とても豪華で盛大に行われており、あまりにも華やかで大きな会場に圧倒される。シャンデリアも大きく、貴族たちは本気モードの煌びやかなドレスを纏っている。昼間のように明るく、この国の財力を感じられた。
「今日は、独身の紳士を紹介してやろう。気に入った者がいれば言うのじゃぞ。」
祖父が私に言う。
「お爺様、これは豪華絢爛ですね。我が国は、財力も経済も他国に誇れる裕福な国ではあるのですが、ここまで王宮を豪華にしたのは、前国王の趣味ですか?それとも外交などで威圧感を出すためとか?」
「ソフィア!!」
鋭い口調で制止されて、ソフィアは祖父を見る。あ、ヤバイ。
「おまえと言うやつは!女は政治に口を挟んだり意見するものではない!公の場では特に慎むのじゃ!」
・・・はーい。女は!女は!って、本当に嫌気がさす。
正直言って、帰国したら祖父の決めた男性と結婚させられるのだと思った。この国は、女性は結婚して子供を産むのが仕事だ。料理人も教師も医者も騎士も全て男性の仕事で女性は居ない。その事に昔から疑問を抱いていたのだ。だから、隣国に行ってみたかった。女性騎士、女性料理人、女性医師も居る隣国に行ってみたかった。あまりにも居心地の良い国だったので、そのまま住み着いてしまいたかったが、それは許されなかった。しかし、のらりくらりと、このまま交わして行こうと思っている。
夜会会場に入って、程なくして話しかけて来る人がいた。
「ヘンドリック宰相様。今日はいらっしゃらないのかと思いましたよ。」
声をかけてきたのは、10歳は年上だろうか?茶色い髪の茶色い目をした、特に特徴の無い男性だった。
「テイラー公爵殿。今日は、孫娘が一緒じゃったのでな、準備に時間がかかってしまっての。ほれ、挨拶しなさい。」
私は事務的に1歩前に出て、お辞儀をする。
「はじめまして。ソフィア・リッテンバーグと申します。」
顔を上げると、テイラー公爵は私の顔をジロジロと見て、品定めされている気分になる。
「トマス・テイラーです。お美しい方ですね。あなたが会場に入った瞬間に会場内がざわつきましたよ。」
「・・・ありがとうございます。お上手なんですね。」
「ソフィア。このテイラー公爵はな、帝国学園の経営を任されておるのじゃ。」
帝国学園とは、王都にある国立の貴族専用学校である。それを聞いただけで、興味を持ってしまう。学ぶことが好きなので、話を聞いてみたいことがいくつか出て来る。
「学園の経営を?素晴らしいわ。」
「いえいえ、父の代から任されているのを、引き継いだにすぎませんよ。」
好奇心の目で見つめると、祖父が後ろから言った。
「まぁ、2人で話をするがよい。わしは少し席を外す。」
すると、テイラー公爵は、私の腰に手を回した。そのことに驚いてビクリとする。
「それでは、お飲み物でも飲みながら。」
「・・・は、はい。」
一緒に飲み物を取りに行ってから、「ゆっくり話をしたいから」とバルコニーに連れて来られる。
「ソフィア嬢は、本当に美しいですね。地上に舞い降りた天使のようだ。」
「・・・お上手なんですね。」
ついボー読みで答えてしまう。
「3年間、留学されていたと聞きましたが、どちらへ?」
「隣国の、モンテカリブ王国ですわ。留学制度がしっかりしていて、女性教育にも熱心な国で」
「あぁ、知っていますよ。女性に歴史や経済の教育なども行う国ですね。女性騎士も居るとか。」
「ええ!そうなんです!行ってみて驚きましたわ。女性騎士の多さなども」
「そうでしょうね。我が国よりも人口が少ないですからね。しかたないのでしょう。」
「・・・え?」
「女性は男に守られて暮らすべきなのに、戦場に出すなんて、信じられません。野蛮な国です。そう思いませんか?あのような国に産まれた女性は悲惨です。」
「あ・・・でも、女性医師もいらっしゃるんですよ?」
「ええ、知っています。男性だけでは国として回らないのでしょうね。しかし医師は難しい仕事ですから女性にできているのかどうだか。」
「・・・・・」
この人、典型的なラトニア国民だな・・・。話してて苦痛。
「どうかしましたか?」
「あ、いえ、少し肌寒いので中に行こうかしら。」
そう言って、立ち上がった瞬間。腕を掴まれたので、振り返る。
「ソフィア嬢。私は、あなたが気に入りました。」
・・・はぁ?
「あなたのお爺様、ヘンドリック宰相から、婚約者になってくれないかと打診をうけていたのです。」
あ゛?ジジイめ、そうゆうことか。
「私は、あなたよりも10歳も年上です。しかし、あなたの可憐な姿。愛らしい所に惹かれてしました。」
それ、見た目だけじゃない。
「まぁ、ありがとうございます。それでは、お爺様に相談しなくちゃ。」
ソフィアはウブな女を演じて、恥ずかしそうにパタパタと走り去る。心の中では、うっせぇよ!オッサン!と悪態をつきつつ。
走り去るソフィアを見て、テイラー公爵は、頬を赤らめてつぶやくのだ。
「なんて可憐な。恥ずかしがり屋さんなんだ。守ってあげたい。」
その後も、祖父の紹介で、数名の男性と話をしたけれども、どれも同じようなモノだった。どいつもこいつも~~!と、苛立ちだけが募る。
そんな夜会で、私は、彼と出会うのである。
0
お気に入りに追加
91
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
無表情いとこの隠れた欲望
春密まつり
恋愛
大学生で21歳の梓は、6歳年上のいとこの雪哉と一緒に暮らすことになった。
小さい頃よく遊んでくれたお兄さんは社会人になりかっこよく成長していて戸惑いがち。
緊張しながらも仲良く暮らせそうだと思った矢先、転んだ拍子にキスをしてしまう。
それから雪哉の態度が変わり――。
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる