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第4話
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ルナルドは、ジルベールを睨みつけた。
しかし、ジルベールは見せつけるように、リリアナの髪にキスをした。
「貴様!」
ルナルドが怒りを露わにすると、ジルベールはニッコリと笑う。
「そんなに怒ることはないだろう?彼女に一目惚れしてしまったんだよ。」
「なんだと?!」
ルナルドは、ジルベールの胸ぐらを掴む。
「おいおい。何もおかしなことじゃないだろう?君の妹は、とても魅力的だ。純真無垢な感じが、男心をくすぐるし、好意を抱いてもおかしく無いだろう?それとも何かい?君の妹を口説くには、お兄様の許しが必要なのかい?」
周囲の生徒たちがザワつきはじめる。
私は立ち上がって、お兄様の手を握った。
「お兄様、私は大丈夫です。手を離して。」
ルナルドは、周囲に目を移して、仕方ないと言わんばかりにジルベールの服から手を離した。
「ジルベール。二度と妹に触れるな。名家の令嬢として最良の婚約者をこれから決めるところだ。変な噂が立っては傷がつく。」
そう言い捨てると、ジルベールは立ち上がって、ルナルドを睨む。
「由緒正しき伯爵家ということは知っているよ。だけど、爵位は僕の方が上だよ?口には気を付けたまえ。」
ジルベール・ロジャーは、ロジャー侯爵家の長男だ。1代で侯爵位を得たロジャー家と、歴史の長いスペンサー伯爵家では、社会的な力関係は微妙ではある。しかしながら、侯爵家は侯爵家だ。敬意を示さなければならないだろう。
微妙な状況をなんとかしようと、リリアナは立ち上がった。
「あの、私、もう教室に戻ります!ジルベール様も、戯れはよしてください。」
その場を離れようとしたリリアナの手を、ジルベールは掴んだ。
「待って!僕は本気だよ。冷やかしで、君に近づいたんじゃない。それだけは、解って欲しい。」
ジルベール様の真剣な顔に、リリアナは火がついたように顔を真っ赤にした。
「し・・・失礼します!!」
恥ずかしくなって、いたたまれなくなって、その場を走って逃げた。
走って逃げて行くうちに、校舎の裏にある厩に来てしまう。
紳士淑女の通う学園らしく、乗馬クラブもあり、良い馬が学園に飼育されていた。
リリアナは、白馬や美しい毛並みの真っ黒くて、賢い馬も好きだった。
どうしたの?と聞いてくるように、黒い毛並みの馬が、顔を出してくる。リリアナは鼻筋をさすって、頬を寄せる。
馬の体温を感じて、ホッとする。
ホッとして、なんとなく思う。
お兄様は、まだ、私の事を思っていてくれる?
だから、あんなに怒った?
なんとなく、馬に乗りたくなって、手慣れた動作で鞍をとりつけて外に出す。
スカートのままで、馬の背中に乗ると、手綱を引いて走らせた。
走らせているうちに、不思議な気持ちになる。
風を切って、広がる景色に目を移していると、ふわふわと記憶が蘇ってきた。
1度、一線を越えてしまった私達は、歯止めが利かなくなっていた。
3日と置かずに、兄は深夜になると私の部屋に来た。
両親も寝静まった深夜。真っ暗な部屋の中に静かに入って来て、ベッドに潜り込んで来る。
私が眠ってしまっていると、キスをしたり服の中に手を入れてきて、激しく愛撫するので、寝ていられなくなる。目を開けると、ルナルドは嬉しそうに笑って言う。
「好きだ。」
息づかいさえも響き渡るような、シンと静まり返った深い夜。私たちは、声を押し殺して抱きあった。
シーツの擦れる音にすら、バレてしまうのではないか?と、私は気が気じゃ無かった。部屋には、チュッというキスの音や、秘部を吸われる水音。自分の心臓の音までもが気になってしまう。
緊張感からなのか、体を固くしてしまい、挿入する時にはいつも、ルナルドは少しキツそうに声をもらした。
「好きだ。リリアナ。」
耳元で小さく囁かれて、それがいつもの合図で、ゆっくりと挿入してくる。
私は、必死で声をこぼさないように耐えた。徐々に激しく挿抜されていって、水音が部屋中に響き渡り、どうしようもなく気持ち良くなる。
熱くて固い男性器が、私の弱い部分を容赦なく貫いてくる。
大好きな人と1つになっているという幸福感と、与えられる快感に、涙がこぼれてくる。
「はぁっ。はぁっ。はぁっ。はぁっ!」
なんとか息を吐いて、懇親の力でシーツを握りしめて、必死で声を我慢してきたのに。ある日、私は小さく声をこぼしてしまった。
「・・・はっ・・ぁんっ。」
その瞬間、ルナルドの動きが一瞬止まった。
うつ伏せだった私の顔を、大きな手で後ろに向かせて唇で唇を覆われる。そのまま、激しく後ろから突かれた。パン!パン!パン!と大きな音が鳴って、強い衝撃に体が壊れそうだと思った。
あまりの激しさに、私はその後のことが朦朧としていて覚えていない。
次の休日に、ルナルドは「遠乗りに行こう」とリリアナを誘った。
馬に乗って、人気の無い林に入ると、ルナルドはリリアナを抱きしめて言った。
「ここなら、誰も来ない。リリアナの感じてる声が聞きたい。」
天気の良い昼間の外で、何を言うのかと驚いた。
「ルナルド!何言ってるの?こ・・こんな所でっ。」
顔を真っ赤にして慌てふためいて言うと、ルナルドは真剣な顔で、木にリリアナを押し付けて逃げられないように追い込む。
「嫌?いつも、リリアナは声1つたてないだろう?最中に、好きだとも言ってくれない。」
「そ・・・それはっ!だって、気がつかれたら大変だもの!」
「解ってる。だけど、俺だけじゃないって実感が欲しい。リリアナが、俺を愛してるって、感じたい。」
我慢がきかなくなったルナルドは、噛みつくようにキスをしてくる。
体を密着させて、服の上からでもわかるほどに、ゴリゴリと固くなった男性器を押し付けてくる。お尻を優しく包み込む様に触りながら、懇願する。
「リリアナ・・・リリアナっ!俺の事、好きか?ここに触れたら、気持ちいい?知りたいんだ。何もかも。教えてくれないか?」
半ば強引に、ルナルドはリリアナを抱いた。
誰か来はしないかと、気が気じゃ無くて、恥ずかしくて、結局は必至で声を出来るだけ堪えた。
馬を走らせながら、そんな事を思い出していた。
自然と涙が出て来る。
「お兄様・・・ルナルド・・・。どうして?なんで?恋人って、何よ?」
両親を説得してくれるって、言ったじゃない。
「好きよ。大好きよ!」
馬を降りて、地面にうずくまる。
頭上に、コウモリが1匹、飛び回る。
顔を上げて、空を見上げた時だった。
馬が駆けて来る音がする。
その音の方に顔を向けると、馬に乗った誰かが近づいて来た。
「・・・お兄様・・?」
そうだったら良いのに、と思った事が言葉になってしまう。だけど、ルナルドではなかった。
「リリアナ嬢?」
白馬に乗ったその人は、ジルベールだった。
「どうしたの?こんな所で。午後の授業は始まってしまったよ?」
ばつが悪く、俯きながら立ち上がる。
「授業をさぼりたい時って、誰にでもありますでしょう?」
場を胡麻化すために、そんなことを言ってみた。すると、ジルベールは笑った。
「あはは。なるほどね。」
ジルベールは、空を見上げる。
コウモリが、スーーーッと飛び去って行く。
「でもね。この物騒な世の中で、女性1人は危ないよ。吸血鬼だって街をうろついているんだから。」
リリアナは、自分の乗って来た黒い馬の手綱を手に取る。
「吸血鬼?こんな昼間にですか?」
リリアナの質問に、ジルベールは得意げに不適に笑って言う。
「今の吸血鬼はね、日光に当たっても灰にならないし、十字架を怖がらない。ニンニクだって平気なんだよ。知らぬ間に、近づいて来て襲われてしまうよ。」
へぇ、そうなんだ。
馬に乗って、2人で学校に戻る。
ジルベールの隣を走りながら、リリアナは思った。
この若者は、どこか不思議な感じがする。何が?と言われると解らないのだけれど。
なんて言うのだろうか?
体中の血が、ゾワゾワとしだす感じ。
優しそうな感じなのに、何故なんだろうか。
厩舎に馬を戻して、校舎に戻ろうとする。
「・・・」
強い風が後ろから吹き抜けて来て、なにか聞こえたような気持ちになる。
なんだろう?と、後ろを振り向く。
校舎の裏には厩舎があって、その後ろには、今は使われていない旧校舎がある。
ジルベールも立ち止まり、リリアナの視線の先を見る。そして、言った。
「旧校舎が気になる?」
「気になるというか、なんか・・・怖いですよね。薄暗いし。旧校舎って、取り壊さないのかしら。」
「確かに、そうだね~。まぁ、でも夏場になると、学生たちが肝試しに入って遊んでるらしいよ?行ったことない?」
ニコニコと楽しそうに言うので、ジルベールは怖くないようだった。
「そうゆうの嫌いです。話を聞くだけでも、夜にトイレに行けなくなります。」
「へぇ~。確か、君の住んでる伯爵邸なんかは、築年数も古いから、夜のトイレは怖そうだね?」
そうゆう話をしたくないのに、この男は、どうやら怪談話が好きなくちらしい。
「そうですよ。母が再婚して、今のお屋敷に来たばかりの頃は、お兄様に、よくトイレに一緒に行ってもらってました。」
ジルベールは、噴き出して笑い出す。
「本当に仲の良い兄妹なんだね!」
「子供の頃の話ですよ?」
バカにしてるのかなぁ~と、彼を見上げた時だった、その先に、人影を見た。
旧校舎に向かって歩いて行く人が居た。
「お兄様・・・?」
人気の無い旧校舎に、1人。
ルナルドは、周囲を気にしながら入って行った。
しかし、ジルベールは見せつけるように、リリアナの髪にキスをした。
「貴様!」
ルナルドが怒りを露わにすると、ジルベールはニッコリと笑う。
「そんなに怒ることはないだろう?彼女に一目惚れしてしまったんだよ。」
「なんだと?!」
ルナルドは、ジルベールの胸ぐらを掴む。
「おいおい。何もおかしなことじゃないだろう?君の妹は、とても魅力的だ。純真無垢な感じが、男心をくすぐるし、好意を抱いてもおかしく無いだろう?それとも何かい?君の妹を口説くには、お兄様の許しが必要なのかい?」
周囲の生徒たちがザワつきはじめる。
私は立ち上がって、お兄様の手を握った。
「お兄様、私は大丈夫です。手を離して。」
ルナルドは、周囲に目を移して、仕方ないと言わんばかりにジルベールの服から手を離した。
「ジルベール。二度と妹に触れるな。名家の令嬢として最良の婚約者をこれから決めるところだ。変な噂が立っては傷がつく。」
そう言い捨てると、ジルベールは立ち上がって、ルナルドを睨む。
「由緒正しき伯爵家ということは知っているよ。だけど、爵位は僕の方が上だよ?口には気を付けたまえ。」
ジルベール・ロジャーは、ロジャー侯爵家の長男だ。1代で侯爵位を得たロジャー家と、歴史の長いスペンサー伯爵家では、社会的な力関係は微妙ではある。しかしながら、侯爵家は侯爵家だ。敬意を示さなければならないだろう。
微妙な状況をなんとかしようと、リリアナは立ち上がった。
「あの、私、もう教室に戻ります!ジルベール様も、戯れはよしてください。」
その場を離れようとしたリリアナの手を、ジルベールは掴んだ。
「待って!僕は本気だよ。冷やかしで、君に近づいたんじゃない。それだけは、解って欲しい。」
ジルベール様の真剣な顔に、リリアナは火がついたように顔を真っ赤にした。
「し・・・失礼します!!」
恥ずかしくなって、いたたまれなくなって、その場を走って逃げた。
走って逃げて行くうちに、校舎の裏にある厩に来てしまう。
紳士淑女の通う学園らしく、乗馬クラブもあり、良い馬が学園に飼育されていた。
リリアナは、白馬や美しい毛並みの真っ黒くて、賢い馬も好きだった。
どうしたの?と聞いてくるように、黒い毛並みの馬が、顔を出してくる。リリアナは鼻筋をさすって、頬を寄せる。
馬の体温を感じて、ホッとする。
ホッとして、なんとなく思う。
お兄様は、まだ、私の事を思っていてくれる?
だから、あんなに怒った?
なんとなく、馬に乗りたくなって、手慣れた動作で鞍をとりつけて外に出す。
スカートのままで、馬の背中に乗ると、手綱を引いて走らせた。
走らせているうちに、不思議な気持ちになる。
風を切って、広がる景色に目を移していると、ふわふわと記憶が蘇ってきた。
1度、一線を越えてしまった私達は、歯止めが利かなくなっていた。
3日と置かずに、兄は深夜になると私の部屋に来た。
両親も寝静まった深夜。真っ暗な部屋の中に静かに入って来て、ベッドに潜り込んで来る。
私が眠ってしまっていると、キスをしたり服の中に手を入れてきて、激しく愛撫するので、寝ていられなくなる。目を開けると、ルナルドは嬉しそうに笑って言う。
「好きだ。」
息づかいさえも響き渡るような、シンと静まり返った深い夜。私たちは、声を押し殺して抱きあった。
シーツの擦れる音にすら、バレてしまうのではないか?と、私は気が気じゃ無かった。部屋には、チュッというキスの音や、秘部を吸われる水音。自分の心臓の音までもが気になってしまう。
緊張感からなのか、体を固くしてしまい、挿入する時にはいつも、ルナルドは少しキツそうに声をもらした。
「好きだ。リリアナ。」
耳元で小さく囁かれて、それがいつもの合図で、ゆっくりと挿入してくる。
私は、必死で声をこぼさないように耐えた。徐々に激しく挿抜されていって、水音が部屋中に響き渡り、どうしようもなく気持ち良くなる。
熱くて固い男性器が、私の弱い部分を容赦なく貫いてくる。
大好きな人と1つになっているという幸福感と、与えられる快感に、涙がこぼれてくる。
「はぁっ。はぁっ。はぁっ。はぁっ!」
なんとか息を吐いて、懇親の力でシーツを握りしめて、必死で声を我慢してきたのに。ある日、私は小さく声をこぼしてしまった。
「・・・はっ・・ぁんっ。」
その瞬間、ルナルドの動きが一瞬止まった。
うつ伏せだった私の顔を、大きな手で後ろに向かせて唇で唇を覆われる。そのまま、激しく後ろから突かれた。パン!パン!パン!と大きな音が鳴って、強い衝撃に体が壊れそうだと思った。
あまりの激しさに、私はその後のことが朦朧としていて覚えていない。
次の休日に、ルナルドは「遠乗りに行こう」とリリアナを誘った。
馬に乗って、人気の無い林に入ると、ルナルドはリリアナを抱きしめて言った。
「ここなら、誰も来ない。リリアナの感じてる声が聞きたい。」
天気の良い昼間の外で、何を言うのかと驚いた。
「ルナルド!何言ってるの?こ・・こんな所でっ。」
顔を真っ赤にして慌てふためいて言うと、ルナルドは真剣な顔で、木にリリアナを押し付けて逃げられないように追い込む。
「嫌?いつも、リリアナは声1つたてないだろう?最中に、好きだとも言ってくれない。」
「そ・・・それはっ!だって、気がつかれたら大変だもの!」
「解ってる。だけど、俺だけじゃないって実感が欲しい。リリアナが、俺を愛してるって、感じたい。」
我慢がきかなくなったルナルドは、噛みつくようにキスをしてくる。
体を密着させて、服の上からでもわかるほどに、ゴリゴリと固くなった男性器を押し付けてくる。お尻を優しく包み込む様に触りながら、懇願する。
「リリアナ・・・リリアナっ!俺の事、好きか?ここに触れたら、気持ちいい?知りたいんだ。何もかも。教えてくれないか?」
半ば強引に、ルナルドはリリアナを抱いた。
誰か来はしないかと、気が気じゃ無くて、恥ずかしくて、結局は必至で声を出来るだけ堪えた。
馬を走らせながら、そんな事を思い出していた。
自然と涙が出て来る。
「お兄様・・・ルナルド・・・。どうして?なんで?恋人って、何よ?」
両親を説得してくれるって、言ったじゃない。
「好きよ。大好きよ!」
馬を降りて、地面にうずくまる。
頭上に、コウモリが1匹、飛び回る。
顔を上げて、空を見上げた時だった。
馬が駆けて来る音がする。
その音の方に顔を向けると、馬に乗った誰かが近づいて来た。
「・・・お兄様・・?」
そうだったら良いのに、と思った事が言葉になってしまう。だけど、ルナルドではなかった。
「リリアナ嬢?」
白馬に乗ったその人は、ジルベールだった。
「どうしたの?こんな所で。午後の授業は始まってしまったよ?」
ばつが悪く、俯きながら立ち上がる。
「授業をさぼりたい時って、誰にでもありますでしょう?」
場を胡麻化すために、そんなことを言ってみた。すると、ジルベールは笑った。
「あはは。なるほどね。」
ジルベールは、空を見上げる。
コウモリが、スーーーッと飛び去って行く。
「でもね。この物騒な世の中で、女性1人は危ないよ。吸血鬼だって街をうろついているんだから。」
リリアナは、自分の乗って来た黒い馬の手綱を手に取る。
「吸血鬼?こんな昼間にですか?」
リリアナの質問に、ジルベールは得意げに不適に笑って言う。
「今の吸血鬼はね、日光に当たっても灰にならないし、十字架を怖がらない。ニンニクだって平気なんだよ。知らぬ間に、近づいて来て襲われてしまうよ。」
へぇ、そうなんだ。
馬に乗って、2人で学校に戻る。
ジルベールの隣を走りながら、リリアナは思った。
この若者は、どこか不思議な感じがする。何が?と言われると解らないのだけれど。
なんて言うのだろうか?
体中の血が、ゾワゾワとしだす感じ。
優しそうな感じなのに、何故なんだろうか。
厩舎に馬を戻して、校舎に戻ろうとする。
「・・・」
強い風が後ろから吹き抜けて来て、なにか聞こえたような気持ちになる。
なんだろう?と、後ろを振り向く。
校舎の裏には厩舎があって、その後ろには、今は使われていない旧校舎がある。
ジルベールも立ち止まり、リリアナの視線の先を見る。そして、言った。
「旧校舎が気になる?」
「気になるというか、なんか・・・怖いですよね。薄暗いし。旧校舎って、取り壊さないのかしら。」
「確かに、そうだね~。まぁ、でも夏場になると、学生たちが肝試しに入って遊んでるらしいよ?行ったことない?」
ニコニコと楽しそうに言うので、ジルベールは怖くないようだった。
「そうゆうの嫌いです。話を聞くだけでも、夜にトイレに行けなくなります。」
「へぇ~。確か、君の住んでる伯爵邸なんかは、築年数も古いから、夜のトイレは怖そうだね?」
そうゆう話をしたくないのに、この男は、どうやら怪談話が好きなくちらしい。
「そうですよ。母が再婚して、今のお屋敷に来たばかりの頃は、お兄様に、よくトイレに一緒に行ってもらってました。」
ジルベールは、噴き出して笑い出す。
「本当に仲の良い兄妹なんだね!」
「子供の頃の話ですよ?」
バカにしてるのかなぁ~と、彼を見上げた時だった、その先に、人影を見た。
旧校舎に向かって歩いて行く人が居た。
「お兄様・・・?」
人気の無い旧校舎に、1人。
ルナルドは、周囲を気にしながら入って行った。
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