楽園の姫君と奪還の騎士(王国ヴィダルの森の中)

有栖川 款

文字の大きさ
上 下
4 / 10

しおりを挟む
89.検証


翌日。
ぐっすり寝て気合十分になったことだし、張り切って検証&レベル上げをするよ!



作業部屋の裁縫コーナーにある布の棚の前で、ディスプレイを眺めて使う布を探す。


「検証用だから、布自体は何でもいいでしょ?
一番安いので充分なんだけどな。コットンシリーズだけでも何種類かあるから、良く分からないんだよね」


「後でご説明しますが、布の種類は、織り機の設定で選べるだけで特にこれと言って違いはありません。
どれを使っても良いですよ」


「うーん。今までの経験上、どれでもいいことってあんまり無いんだよね。皆が気にしてないだけで、実はこんな違いがありますよ、みたいな。
でも今回やりたいのは経験値の検証だから、布の種類は後回しかな。いっぺんにやると訳わかんなくなりそう」


ってことで、今回使う布は《コットンシーチング》に決定。
ワールドマーケットでもかなり安い値段で売られていたし、ベガさんの在庫にも沢山あるから、同じ布で検証する、っていう目的に合ってるのが理由ね。


「まずは簡単な方から。型紙とスキルで……」


経験値の表示は□と■でしか示してくれてないから、正確な数値とかがわからない。
段々と溜まりにくくなってるはずだから、一人で全くの同一条件の検証はできないのが残念。


軽ーい検証だからどこまでアテになるかは微妙だし、レベルが上がって行くとまた変わるかもしれないけど、今回の検証結果はこんな感じ。



・型紙からオリジナルで作った場合

入る経験値自体は他の方法よりも圧倒的に多い。でも、その分時間もかかる。
フリルエプロンの時のように、既存の型紙を流用してもオリジナル判定が出るけど、どれくらい違えば『違うもの』として扱われるのかイマイチ不明。この辺は別の機会に要検証かな。

結論:経験値は沢山貰えるものの、時間がかかるので時間効率はそこそこ。



・既存の型紙とスキルで作った場合

完成品のレア度によって、妥当な経験値が貰える。
つまり、自分が使える素材よりもレア度の高い品を生産できるなら効率が良いかも。
無心で作業できるのはメリットだけど、一つ当たりの経験値は高くないので沢山の素材が必要だし、生産物の販売ルートも要るね。

結論:自分のレベル帯よりレア度の高いものを作れるなら時間効率は良さげ。しかし、素材代はかなり掛かりそう。



・完成アイテムに飾りを付ける場合

スピカちゃんのワンピースのように、アイテムにさらに装飾をすると、少しだけど経験値が貰える。
現状、装飾アイテム自体が少なくて高いから現実的ではないかも。
でも、時間はあまり掛からないので手に入りやすくなればレベル上げに使えるかも?

結論:装飾アイテムがない。







しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。

松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。 そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。 しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

義理姉がかわいそうと言われましても、私には関係の無い事です

渡辺 佐倉
恋愛
マーガレットは政略で伯爵家に嫁いだ。 愛の無い結婚であったがお互いに尊重し合って結婚生活をおくっていければいいと思っていたが、伯爵である夫はことあるごとに、離婚して実家である伯爵家に帰ってきているマーガレットにとっての義姉達を優先ばかりする。 そんな生活に耐えかねたマーガレットは… 結末は見方によって色々系だと思います。 なろうにも同じものを掲載しています。

【完結】どうやら魔森に捨てられていた忌子は聖女だったようです

山葵
ファンタジー
昔、双子は不吉と言われ後に産まれた者は捨てられたり、殺されたり、こっそりと里子に出されていた。 今は、その考えも消えつつある。 けれど貴族の中には昔の迷信に捕らわれ、未だに双子は家系を滅ぼす忌子と信じる者もいる。 今年、ダーウィン侯爵家に双子が産まれた。 ダーウィン侯爵家は迷信を信じ、後から産まれたばかりの子を馭者に指示し魔森へと捨てた。

もういいです、離婚しましょう。

うみか
恋愛
そうですか、あなたはその人を愛しているのですね。 もういいです、離婚しましょう。

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

失った真実の愛を息子にバカにされて口車に乗せられた

しゃーりん
恋愛
20数年前、婚約者ではない令嬢を愛し、結婚した現国王。 すぐに産まれた王太子は2年前に結婚したが、まだ子供がいなかった。 早く後継者を望まれる王族として、王太子に側妃を娶る案が出る。 この案に王太子の返事は?   王太子である息子が国王である父を口車に乗せて側妃を娶らせるお話です。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

処理中です...