【完結】真実の愛の物語~転生先の女神の願いはおれと弟の子作りでした?~

べあふら

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81.もっと染まりたい ※

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「ひっ!あ…あっ…テオっ…ちょ、…んんっ!」

 テオドールの動きが激しくなり、身体ごと、揺さぶられる。がっちりと左足と腰を掴まれて、何度も、何度も深く、強く、奥を穿たれる。

 肌と肌がぶつかり合って、乾いた音が響き、おれの中を掻き回すぐちゅぐちゅと湿った音が鳴る。ベッドが軋む音がしなくて、いいベッドなんだな、なんて場違いなことが脳裏をよぎる。

 おれの口から吐き出される、あられもない嬌声が混ざり合って、部屋に熱気が充満していく。

「あぁっ!あ、…や、これ…んんっ」
「いや?……でも、やめてあげられないよ」

 テオドールが身を屈め、耳元で「シリル兄さんが悪い」とおれの大好きな、ちょっと低めの澄んだ声で甘く囁く。

「ちがっ……これ、イイとこ…あたってっ…あぁ、あっ…ん」

 テオの、太くて、硬いのが、おれのいいところを、全部擦っていく。
 指で何度もいじられて、気持ち良くなったところも、指じゃ届かなくて、ずっと熱望していた場所も、全部にテオが触れていく。

「あ、あぁ…これ、…おかしく、なるぅ…んっ!」
「良かった、気持ちいいんだね」
「んっ……うん、…おれ、きもちいい、テオ……きもち、いい…っ」

 気持ちいいのが、どんどん大きくなって、体中に渦巻いて、自分が自分じゃなくなるみたいで、どこにいるのか、わからなくなってくる。

「はっ…あ、テオも、……きもちいい?」

 ちゃんと、おれで、気持ち良くなれてるの?

「シリル兄さんの中、とろとろで、きつく絡んできて……僕も、すごく気持ちいいよ」
「あっ…テオ…っ、…あぁ、テオっ!」

 身体を捻って、両手をテオドールに伸ばす。すると、おれの願いを叶えるように、強く抱き締めてくれる。おれも、決して離れないように、テオにしがみ付いた。

 テオドールの身体もじっとりと汗ばんでいて、おれと同じように熱くて、腕の中に囲われて、
 汗の匂いと、精霊力マナが香って、じわじわと染み込んでくる。

「うん、ここにいるよ。感じるでしょう」

 感じる。おれ、今、全身全霊でテオドールを感じてる。

「うん……あ、あぁ…んっ かんじる、…あ、あっ」

 見えなくても、全然大丈夫なくらい。いや、見えるよりも、ずっと深く、近くに、テオドールを感じてる。

 奥をぐっと擦られるたびに、身体がびくり、としなった。気持ちのいいところを、抉られて、動くたびにふるりと震えるおれの中心を、テオドールが、優しく触れる。

 奥を穿つ力強さとは嘘のように、丁寧な手つきで、ゆるゆると扱かれて、それと連動するように、中が締まり、おれの快感はどんどん増していく。

「あっ…あ、おれ…いきそ……テオ、いくっ…おれ、いく…っ」
「はぁ……すごい。シリル兄さんの中も、うねって……熱い」

「テオ……テオぉ…キス、して…っ」

 噛みつくような口づけが与えられる。荒々しく、口内を貪られて、いくらでもして欲しくて、おれも一生懸命応えて、舌を絡ませる。

 テオドールの手で、熱い楔で、全身で、おれに愛しさを伝えてきて。蓄積された熱が、捌け口を求めて、渦巻いている。
 お腹の奥をぐっと深くえぐられ、同時に与えられたぎゅっと中心を擦り上げる刺激に、快感が弾けた。

「———んんっっ!!」

 嬌声も、全部、テオドールに飲み込まれ、白濁が自分のお腹を濡らす。
 ぶるり、と震えて慄くおれの耳元で、小さく噛み殺した甘い喘ぎが聞こえて、ぐっとテオドールの身体にも力が籠った。

「んっあ、あ、………これ」

 数回腰を強く押し付けられて、熱いものがお腹の奥に広がってくる。テオドールの身体も脱力し、おれの上に覆いかぶさってきた。

「テオの………」

 自分の内側から、じんわりとテオドールの精霊力マナを感じる。これは、普通の……いつも、感じているものよりも、ずっと、甘くとろけるような悦楽の気配。

 愛の精霊力ラブマナなんて、馬鹿みたい名前だと思っていたけど……そんな名前を付けたくなる気持ちがわかってしまうほどに、甘美な愛しい香りがした。

 気持ちが高揚する。内側からも、外側からも多幸感に包まれて、全身が夢みたいな心地よさに満たされている。

 おれ、これまで、何にこだわってきたんだろう。
 こんな、幸せがあったなんて。

「もう……耐える、つもりだったのに……絞り、取られるなんて……」

 呼吸を整えながら、胸を上下させるテオドールは、どこか不満気で、少し子供みたいだった。

「おれは、一緒で、嬉しかったよ」

 額にかかった、藍色の髪をよける。
 いつも、涼しい顔をしている、テオドールが汗だくで、顔を顰めている姿が、あまりにも艶美で、とても可愛かった。

「もっと、寄りかかっても、潰れないよ」

 おれに体重がかからないように、自身を腕で支えているテオドールをぐっと引き寄せて、ぴったりとくっつく。

 一瞬の間をおいて、ふっとテオドールの身体から力が抜けると、ずっしりと重みがかかって、それがむしろ心地よくて。嬉しくて。

 ふふ。胸の中に溢れた幸せが込み上げてきて、小さな笑いになる。

 胸元にすり寄って、じっとテオドールを見上げる。恍惚と、ふわふわとしたまま、きっとおれは今、緩みきった惚けた顔をしているに違いない。

 テオドールが息を飲んで、じわっと体温が上がり、鼓動が早くなる。

「テオ……おれ、もっと、これ欲しい」

 自身の下腹部に触れて、そこから感じる気配をたどる。

「テオで、おれを、そめて」

 もっと、もっと、テオを感じたい。

 驚きに目を見開くテオドールの銀の瞳は、獰猛な輝きをぎらり、と放つ。その鋭さに、おれはまた、きゅんとときめいてしまう。

「あなたの全部を、僕で染めてあげる」

 いまだ、おれの中にいたままのテオドールが、さらに勢いを増す。

 解れて緩んだそこは、テオドールの与えてくれる情熱を、さっきよりももっと素直に受け取ることができて。
 テオドールから放たれた愛液が、おれから溢れたものと混ざって、さっきよりも、もっと淫靡な音をたてる。

 ずっと、ずっと、気持ちがいい。

「あっ……テオぉ…いい、…これ、きもちぃ…はぁ、あ…」
「とろけた顔……よそで、こんな顔したら、絶対に許さないよ」
「しない……しないからぁ…」

 おれなんかを、こんなに求めて、愛してくれる。
 必死になって、逃がさないと言わんばかりに、縋りついて、捕まえて、寄り添ってくれる。

 こんなに、愛しい存在は、他にいない。

「よそとか、どうでもいい。テオが知ってくれてたら、それで……テオだけ、だから」

 他のことは、考えたくない。

「うん。僕だけ、かんじて……僕でいっぱいにしてあげる」

 その言葉の通り、おれはたっぷりとテオドールに愛されて、身体も心も、テオドールに満たされた。
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