【完結】真実の愛の物語~転生先の女神の願いはおれと弟の子作りでした?~

べあふら

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77.寝室に行きたいなんてつまりそういうことだ③ ※

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 正直、こうして横に座っているだけで、心臓は口から出そうだし、顔からは火が出そうだし、恥ずかしくて、恥ずかしくて、恥ずかしい。

 つまり、恥ずかしい。

「……て、テオっ!ボタンをとるなっ!服を脱がすな!!」

 おれの話、聞いてた?!

「いつも、おればっかり脱がしてっ!テオも脱げよっ!!」
「うん。もちろん、僕も脱ぐよ。僕にも触れて欲しいから」

 あ、これ墓穴掘ったな。

 思った時には、もう遅かった。おれの服ははだけたままで、テオドールは自分のシャツを一気に脱ぐ。

「これまでは、脱いだら、我慢できないと思ったから。でも、もう我慢する必要、ないものね?」

 テオドールの美しい裸の上半身が現れて、おれは思わず釘付けになって見入ってしまう。

 均整の取れた身体は、逞しい筋肉が見てとれて、鎖骨や、腕の少し骨ばったところが、いかにも男らしい。それなのに、滑らかな陶器のような白い肌が、艶めかしくて。

 凛々しい顔立ちと研ぎ澄まされた雰囲気は、神秘的な美しさだった。

 吸い寄せられるように、その肌に手を伸ばす。

「テオ……触って、いい?」

 おれだって、理由が無くても……テオが好きだっていう理由だけで、テオに触ってもいいんだよね?

「好きなだけ、どうぞ」

 少し笑うみたいに、テオドールは答えてくれる。

 隣りに座るテオドールの胸元にそっと触れる。思った通りに厚い胸板は弾力があって、そして直接感じる体温は、想像していなかったほど、熱い。

「テオも……どきどきしてる」

 自分の鼓動がどきどきと耳に響いて、とても煩い。そんなおれと同じくらい、早い鼓動が、触れた手のひらからも伝わってくる。

「当たり前だよ。ずっと好きだった人が、僕の寝室で、僕のベッドに座って、僕に触れてるんだから」

 テオドールに触れたおれの手に、テオドールの手が重なって、ぐっと身体を引きよられる。額に柔らかな感触が触れて、見上げると甘い妖艶な情熱に染まった瞳と目が合った。

 ああ、綺麗だな。銀色の月みたいな。

 うっとりと、見惚れていると、そのまま唇が重なって、一度、触れただけで離れていった唇が、今度は啄むように何度も触れる。

 唇をぬるりと舌で舐められて、「口を、開けて」と吐息がふれる。
 言われるままに、薄っすらと開いた隙間から、テオドールの舌が入り込み、力強くおれの口内をねぶる。

「鼻で息して」

 そんな、伝説的な指導を、好きな人から、このおれが受けることになるなんて。

「あっ…だって……」

 わかってるよ。口がふさがってるんだから、鼻で息するなんてこと。
 でも、ただでさえ息が上がってるのに。今、鼻で息したら、めっちゃ鼻息荒くなっちゃう。

 こんなきれいな顔に、おれの鼻息がかかるとか。そんなの、無理だよ。

「大丈夫。色々考えられるのは、今だけだから」

 それ、全然大丈夫じゃない。でも、そうなんだろうな、と思った。
 だって、もうすでに、ふわふわして気持ちいい。

 舌を絡め取られ、擦れ合うところから、じんじんと痺れて、全身に波のように快感が、広がっていく。
 喘ぐように隙間から呼吸をしながら、流れ込んで混じり合った溢れる唾液をこくり、と飲み込んだ。

 あ、これ。テオの精霊力マナが、流れ込んでくる。おれのと混じって、体の中から、おれの心を満たしていく。

 いつの間にか、ベッドに沈んだ身体に、テオドールが触れる。愛おしそうに、柔らかな手つきが心地よくて、酔ったみたいに、ぽわぽわする。
 首筋に口づけられて、それに気をとられているうちに、シャツを完全に脱がされた。

 ズボンを下げられようとしたところで、おれは、はっとした。

「あ、だめ……おれ、きたない…」

 気づけば、昨日の昼前から山中を歩いて、今までお風呂にも入ってない。

「諦めて。これ以上、僕は待てない」

 足の間に割って入ったテオドールに、ぐっと股間を押し当てられて、胸がドキリと締め付けられた。

「んぅっ……あ、テオ…っ…擦らないで…っ」

 兆した自分のものと擦れて、それだけでイってしまいそうになる。

「あ、テオでも、そっか……ちゃんと…」
「なに?」

 今までおれは、自分が気持ち良くなるばかりで、テオがどういう状態なのか確認する間も無かったけど……今、おれに当たっているものは、しっかりとした硬度をもっている。

「おれには、反応しないのかと思ってた」

 そうじゃ、無かったんだな。
 おれなんかで、こうして反応してくれて、うれしい。

「……………は?」

 あとは、全然そんな素振りも見せなかったから、もしかして不能なのか、とか。多忙や睡眠不足、過度な抑制は、危険因子になりうるから。

「何、言ってるの。シリル兄さんは、本当に、おかしな人だね……?」

 なぜか怒気を孕んだ低い声と共に、一瞬でズボンを下着ごと剥ぎ取られ、緩く勃ち上った前を、何の予告も無くぎゅっと握りこまれる。

「あっ!…テオ…だめっ……そんな、したらっ…んあっ!」
「僕が、どれだけシリル兄さんを、欲してきたと思ってるの?」

 上下に律動的に扱かれて、すぐに硬度も増し、鈴口からは露がどんどん溢れ出す。あっという間に、ぐちぐちと湿った音へと変わっていく。

「んっ!……あっテオ…やだ…やだ、それ…んぁっ!」

 そんな、弱いところばかり、強く擦ったら。おれ、すぐに……。

 テオドールの背に手を回して、ぎゅっと握りしめ、肩口に顔を埋める。

 ああ、ダメ。気持ちいい、テオの手も、肌から伝わる体温も、匂いも。熱心に注がれる熱くて甘い視線も、全部、全部、気持ちいい。

「ん……あ、ああっ…まって、いくっ……それ、…あ、ぁっんん——っっっ!!」

 溜まった快感は、テオドールの手によって簡単に押し上げられて、そして爆ぜた。

「あっ…はぁ……ん、テオ……も、やだっ」
「何が、いやなの?」
「一人は…やだよ、テオ」

 余韻に震える身体はぴくぴくと震えるけど、それでもテオドールにしがみ付いて、できるだけ離れたくなかった。

「僕も、同じだよ。
 一緒に気持ち良くなりたいから……だから、いっぱい、気持ち良くなって。
 たっぷり濡らさないとね」

 おれの吐き出したもので濡れたテオドールの手が、後ろに触れる。
 ぬるり、とした指の感触に身体が跳ねた。後ろが疼いて、緩んで、テオドールに触れられたことを悦んでいるのは、気のせいじゃない。

 おれも、我慢してきたんだ。自分で、強くそう実感する。

「安心して、全て僕に託して。二人でじっくりと愛し合おうね?」
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