78 / 90
76.寝室に行きたいなんてつまりそういうことだ②
しおりを挟む
「もう……おれ、後回しに、したくないから」
「いまさら、それを言うの?」
テオドールは愉しそうに笑う。
「だって、これまで……僕の気持ちをわかっていて、わからないようにしていたでしょう?」
図星、だった。
おれだって、都合のいいことを言っている自覚はある。
おれは、テオドールから注がれる、並々ならぬ愛情の真の意味を、理解するのが怖くて、ずっと逃げてきたのだ。
向き合うことも、失うこともできなくて。
膝の上で両手をぐっと握りしめる。その手にテオドールの一回り大きな手が重なった。
はっと顔を上げ、テオドールと目が合う。テオドールは穏やかにおれの方を見ていた。
「そんな、シリル兄さんもとっても愛らしかったから。別に、変な罪悪感を抱かなくても、大丈夫だよ」
「いや、でも」
テオドールは、おれの心中とは裏腹に、とてもリラックスした様子でくすくすと笑う。
「僕は、どんなシリル兄さんも大好きだから」
甘い。甘すぎる。べっこう飴にする前の溶かした砂糖を口いっぱいに頬張ったみたいだ。
めちゃくちゃに甘い、どろどろの、熱くて、火傷しちゃう、あれ。
蜂蜜みたいだな、と思っても、本気で口の中を火傷するから、よい子は絶対真似しないように!
「もう少し……その、小出しにしてもらえると……」
一気に糖分を過剰摂取して、浸透圧で死んでしまいそうだ。
「僕の言動は、そう変わらないと思うけど」
「いや、そんなことは、絶対に無い」
と、思う。
言葉だけではなく、甘美な声も、うっとりするような表情も、柔らかな仕草も、そして放たれている精霊力も、全てが甘すぎる。
全身で、おれのことが好きなのだと、愛しているのだと、伝えてくる。
「そうかな……ああ、逃げないで、受け止めてもらえるから、かな」
「え?」
「こうしてシリル兄さんへの愛を言葉にして、それを受け止めてもらえることが、今、すごく嬉しいんだ」
テオドールの言葉が意味することに、おれは身に覚えがありすぎた。
「あの時……僕が当主になったときだって、僕は真剣にシリル兄さんに想いを伝えたつもりだったんだよ」
「うっ……あれは……」
あの時。
テオドールは、ただ直向におれへと熱気を向けて、「シリル兄さんを愛してる。僕は、ずっと一緒にいたい」と言ったのだ。
一言一句、間違いない。何度も、思い出したから。
「おれもだよ、とか言って、やっぱりテオは可愛いなぁ、癒される、とか言って、誤魔化して。シリル兄さんは僕を避けたから。
さらには、意味を理解するのを拒否して、完全除痛の精霊薬の開発を始めちゃうし。
最終的には、あなたは僕に大量の縁談をもってきたよね」
あの時のおれ、ヒドイな。
テオドールが告白してきたときの様子は、今でもよく覚えている。
だって、いつもは淡々としているテオドールが、いつになく意気込んだ表情をしていたから。ちょっと赤く染まった頬と、潤んだ瞳の意味を無視できないくらいに。
おれは、あの時。テオドールの一世一代の告白を、踏みにじったんだ。
じくじくと、罪悪感が沁みてくる。
「僕はね……二度とあんな思いを、させたくなかったんだよ」
させたくなかった?
「……したくなかった、じゃなくて?」
テオドールは、ふるふると首を横にふる。
「僕は、なんだっていいんだよ。僕のことを好きなシリル兄さんが、僕の傍で楽しくしてくれていれば。
あとは、どうでもいいんだ」
「僕に好きだと告げられて、喜ぶ心を圧し殺して。僕に愛されたい願いを、僕のことを好きな気持ちごと否定して。僕を遠ざけるようなこと、シリル兄さんにしてほしくなかった」
「……テオ」
あの時の、おれの心の状態をテオドールはしっかりと把握していた。
「自惚れでもなく、シリル兄さんは僕を日々の生きる理由にしていたでしょう」
その通りだ。
「だから、もう一度同じことをすれば……あなたはどうなるのか。
今度こそ、僕の目の前からいなくなってしまうんじゃないかと思った」
あの時は……結局どうなったんだっけ。
テオドールが、「ごめんね、困らせて。シリル兄さんは、僕の唯一の家族だから。好きなのは、当然でしょう」と言ってくれて。
ああ、そういう意味だったのか、勘違いして恥ずかしいな、なんて。
おれが、おかしくなる前に、テオが逃げ道をくれたんだ。
おれがおれを否定しなくていいように、自分の気持ちを抱えたままで、この世界で生きていけるように。
今回の、秘薬『女神の願い』の試験だって、結局は同じことだ。
テオドールに決定的な何かを……おれを好きだということでも、拒絶であったとしても、突きつけられれば、おれは耐えられなかっただろう。
だから、テオドールは、何も言わなかった。
そして、おれからも、決してテオドールを求めなかった。
テオドールがいつも、おれの寝室に来てくれて、触れるのもテオドールから。
テオドールが来なければ、おれからは絶対に行かなかったし、テオドールの意志と都合を尊重するという言い訳を盾に、ひたすら受け身に、同じところを回り続けたのだ。
「でも、おれもう……『女神の願い』の効果が切れてる」
おれが、逃げたから。
もう、テオドールがいくらおれを気持ち良くしてくれても、おれにはテオドールに返せるものが何もない。
「この状況で、まだ、そんなことを言っているの」
「だって……」
この状況だからこそ、だ。
「テオは、一体どんなつもりで……おれと子作りしようなんて、言ったんだよ」
「つもりも何もないよ。
シリル兄さんを繋ぎ止めるものになるのなら、別に何だって良かったんだ。
僕はシリル兄さん以外、他には何もいらないから」
さらりとそんなことを言う。
「身体を堕としてしまえば、心も全部さらけ出してくれるかな、ていう思惑もあったけど……僕が思っていた以上に、シリル兄さんは頑固だったね」
身体を堕とす……なんてこと言ってるんだ、テオ。まあ、まんまと堕とされかけてたけど……。
テオドールは、「そんなシリル兄さんも、愛おしけれど」と綺麗に笑った。
そして、おれにゆっくりと手を伸ばして、優しく頬に触れる。温かな手に顔を包み込まれて、ぽわぽわと心まで温まってくる。
「僕が欲しいのは、ずっとシリル兄さんだけだよ。
シリル兄さんに触れたいし、気持ち良くしてあげたい。僕の手で乱れる姿をいくらでも見たいし、いつまでも触れていたいよ」
するり、と繊細な指先が官能的におれの顔を擽って、そこに込められた意図が、おれの心拍数を一気に増やす。
「僕は、シリル兄さんに触れられたいし、求められたい。いくらでも、僕を欲しがってほしい」
銀色の瞳が、甘く蕩けて、そして熱っぽくゆらゆらと揺れた。
「シリル兄さんは、違うの?」
「ちがわ……ない、けど」
でも。
「なんか……、おれ、恥ずかしくて……」
あんなことや、こんなこともしたのに。いまさらだってわかってる!
でも、めちゃくちゃ恥ずかしい!!
「いまさら、それを言うの?」
テオドールは愉しそうに笑う。
「だって、これまで……僕の気持ちをわかっていて、わからないようにしていたでしょう?」
図星、だった。
おれだって、都合のいいことを言っている自覚はある。
おれは、テオドールから注がれる、並々ならぬ愛情の真の意味を、理解するのが怖くて、ずっと逃げてきたのだ。
向き合うことも、失うこともできなくて。
膝の上で両手をぐっと握りしめる。その手にテオドールの一回り大きな手が重なった。
はっと顔を上げ、テオドールと目が合う。テオドールは穏やかにおれの方を見ていた。
「そんな、シリル兄さんもとっても愛らしかったから。別に、変な罪悪感を抱かなくても、大丈夫だよ」
「いや、でも」
テオドールは、おれの心中とは裏腹に、とてもリラックスした様子でくすくすと笑う。
「僕は、どんなシリル兄さんも大好きだから」
甘い。甘すぎる。べっこう飴にする前の溶かした砂糖を口いっぱいに頬張ったみたいだ。
めちゃくちゃに甘い、どろどろの、熱くて、火傷しちゃう、あれ。
蜂蜜みたいだな、と思っても、本気で口の中を火傷するから、よい子は絶対真似しないように!
「もう少し……その、小出しにしてもらえると……」
一気に糖分を過剰摂取して、浸透圧で死んでしまいそうだ。
「僕の言動は、そう変わらないと思うけど」
「いや、そんなことは、絶対に無い」
と、思う。
言葉だけではなく、甘美な声も、うっとりするような表情も、柔らかな仕草も、そして放たれている精霊力も、全てが甘すぎる。
全身で、おれのことが好きなのだと、愛しているのだと、伝えてくる。
「そうかな……ああ、逃げないで、受け止めてもらえるから、かな」
「え?」
「こうしてシリル兄さんへの愛を言葉にして、それを受け止めてもらえることが、今、すごく嬉しいんだ」
テオドールの言葉が意味することに、おれは身に覚えがありすぎた。
「あの時……僕が当主になったときだって、僕は真剣にシリル兄さんに想いを伝えたつもりだったんだよ」
「うっ……あれは……」
あの時。
テオドールは、ただ直向におれへと熱気を向けて、「シリル兄さんを愛してる。僕は、ずっと一緒にいたい」と言ったのだ。
一言一句、間違いない。何度も、思い出したから。
「おれもだよ、とか言って、やっぱりテオは可愛いなぁ、癒される、とか言って、誤魔化して。シリル兄さんは僕を避けたから。
さらには、意味を理解するのを拒否して、完全除痛の精霊薬の開発を始めちゃうし。
最終的には、あなたは僕に大量の縁談をもってきたよね」
あの時のおれ、ヒドイな。
テオドールが告白してきたときの様子は、今でもよく覚えている。
だって、いつもは淡々としているテオドールが、いつになく意気込んだ表情をしていたから。ちょっと赤く染まった頬と、潤んだ瞳の意味を無視できないくらいに。
おれは、あの時。テオドールの一世一代の告白を、踏みにじったんだ。
じくじくと、罪悪感が沁みてくる。
「僕はね……二度とあんな思いを、させたくなかったんだよ」
させたくなかった?
「……したくなかった、じゃなくて?」
テオドールは、ふるふると首を横にふる。
「僕は、なんだっていいんだよ。僕のことを好きなシリル兄さんが、僕の傍で楽しくしてくれていれば。
あとは、どうでもいいんだ」
「僕に好きだと告げられて、喜ぶ心を圧し殺して。僕に愛されたい願いを、僕のことを好きな気持ちごと否定して。僕を遠ざけるようなこと、シリル兄さんにしてほしくなかった」
「……テオ」
あの時の、おれの心の状態をテオドールはしっかりと把握していた。
「自惚れでもなく、シリル兄さんは僕を日々の生きる理由にしていたでしょう」
その通りだ。
「だから、もう一度同じことをすれば……あなたはどうなるのか。
今度こそ、僕の目の前からいなくなってしまうんじゃないかと思った」
あの時は……結局どうなったんだっけ。
テオドールが、「ごめんね、困らせて。シリル兄さんは、僕の唯一の家族だから。好きなのは、当然でしょう」と言ってくれて。
ああ、そういう意味だったのか、勘違いして恥ずかしいな、なんて。
おれが、おかしくなる前に、テオが逃げ道をくれたんだ。
おれがおれを否定しなくていいように、自分の気持ちを抱えたままで、この世界で生きていけるように。
今回の、秘薬『女神の願い』の試験だって、結局は同じことだ。
テオドールに決定的な何かを……おれを好きだということでも、拒絶であったとしても、突きつけられれば、おれは耐えられなかっただろう。
だから、テオドールは、何も言わなかった。
そして、おれからも、決してテオドールを求めなかった。
テオドールがいつも、おれの寝室に来てくれて、触れるのもテオドールから。
テオドールが来なければ、おれからは絶対に行かなかったし、テオドールの意志と都合を尊重するという言い訳を盾に、ひたすら受け身に、同じところを回り続けたのだ。
「でも、おれもう……『女神の願い』の効果が切れてる」
おれが、逃げたから。
もう、テオドールがいくらおれを気持ち良くしてくれても、おれにはテオドールに返せるものが何もない。
「この状況で、まだ、そんなことを言っているの」
「だって……」
この状況だからこそ、だ。
「テオは、一体どんなつもりで……おれと子作りしようなんて、言ったんだよ」
「つもりも何もないよ。
シリル兄さんを繋ぎ止めるものになるのなら、別に何だって良かったんだ。
僕はシリル兄さん以外、他には何もいらないから」
さらりとそんなことを言う。
「身体を堕としてしまえば、心も全部さらけ出してくれるかな、ていう思惑もあったけど……僕が思っていた以上に、シリル兄さんは頑固だったね」
身体を堕とす……なんてこと言ってるんだ、テオ。まあ、まんまと堕とされかけてたけど……。
テオドールは、「そんなシリル兄さんも、愛おしけれど」と綺麗に笑った。
そして、おれにゆっくりと手を伸ばして、優しく頬に触れる。温かな手に顔を包み込まれて、ぽわぽわと心まで温まってくる。
「僕が欲しいのは、ずっとシリル兄さんだけだよ。
シリル兄さんに触れたいし、気持ち良くしてあげたい。僕の手で乱れる姿をいくらでも見たいし、いつまでも触れていたいよ」
するり、と繊細な指先が官能的におれの顔を擽って、そこに込められた意図が、おれの心拍数を一気に増やす。
「僕は、シリル兄さんに触れられたいし、求められたい。いくらでも、僕を欲しがってほしい」
銀色の瞳が、甘く蕩けて、そして熱っぽくゆらゆらと揺れた。
「シリル兄さんは、違うの?」
「ちがわ……ない、けど」
でも。
「なんか……、おれ、恥ずかしくて……」
あんなことや、こんなこともしたのに。いまさらだってわかってる!
でも、めちゃくちゃ恥ずかしい!!
1
お気に入りに追加
357
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編をはじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
【完結】もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
ちっちゃなもふもふ獣人リトと、攻略対象の凛々しい少年ジゼの、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です(笑)
本編完結しました!
『伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします』のノィユとヴィル
『悪役令息の従者に転職しました』の透夜とロロァとよい子の隠密団の皆が遊びに来る、舞踏会編はじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
舞踏会編からお読みいただけるよう、本編のあらすじをご用意しました!
おまけのお話の下、舞踏会編のうえに、登場人物一覧と一緒にあります。
ジゼの父ゲォルグ×家令長セバのお話を連載中です。もしよかったらどうぞです!
第12回BL大賞10位で奨励賞をいただきました。選んでくださった編集部の方、読んでくださった方、応援してくださった方、投票してくださった方のおかげです。
心から、ありがとうございます!
Switch!〜僕とイケメンな地獄の裁判官様の溺愛異世界冒険記〜
天咲 琴葉
BL
幼い頃から精霊や神々の姿が見えていた悠理。
彼は美しい神社で、家族や仲間達に愛され、幸せに暮らしていた。
しかし、ある日、『燃える様な真紅の瞳』をした男と出逢ったことで、彼の運命は大きく変化していく。
幾重にも襲い掛かる運命の荒波の果て、悠理は一度解けてしまった絆を結び直せるのか――。
運命に翻弄されても尚、出逢い続ける――宿命と絆の和風ファンタジー。

完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します

お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
推しのために、モブの俺は悪役令息に成り代わることに決めました!
華抹茶
BL
ある日突然、超強火のオタクだった前世の記憶が蘇った伯爵令息のエルバート。しかも今の自分は大好きだったBLゲームのモブだと気が付いた彼は、このままだと最推しの悪役令息が不幸な未来を迎えることも思い出す。そこで最推しに代わって自分が悪役令息になるためエルバートは猛勉強してゲームの舞台となる学園に入学し、悪役令息として振舞い始める。その結果、主人公やメインキャラクター達には目の敵にされ嫌われ生活を送る彼だけど、何故か最推しだけはエルバートに接近してきて――クールビューティ公爵令息と猪突猛進モブのハイテンションコミカルBLファンタジー!

イケメンチート王子に転生した俺に待ち受けていたのは予想もしない試練でした
和泉臨音
BL
文武両道、容姿端麗な大国の第二皇子に転生したヴェルダードには黒髪黒目の婚約者エルレがいる。黒髪黒目は魔王になりやすいためこの世界では要注意人物として国家で保護する存在だが、元日本人のヴェルダードからすれば黒色など気にならない。努力家で真面目なエルレを幼い頃から純粋に愛しているのだが、最近ではなぜか二人の関係に壁を感じるようになった。
そんなある日、エルレの弟レイリーからエルレの不貞を告げられる。不安を感じたヴェルダードがエルレの屋敷に赴くと、屋敷から火の手があがっており……。
* 金髪青目イケメンチート転生者皇子 × 黒髪黒目平凡の魔力チート伯爵
* 一部流血シーンがあるので苦手な方はご注意ください
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる