45 / 90
43.7歳の弟に家出教唆されたとき⑤
しおりを挟む
額に口づけるのは、前世の『おれ』に母がやってくれていたおまじないでもある。おれがつらい治療を乗り越えるときに、おれを支えてくれたおまじない。効果絶大で、実証済みだ。まあ、母集団は1だけど。
「絶対にいつも一緒にいるよ、ていう大好きのおまじない」
母はいつも、「あなたとは変わってはあげられないけど、痛みを、苦しみをもらってはあげられないけれど」と言いながら、「大好きよ」と言いながら、「あなたがいることが、私の幸せよ」と言いながら、何度もおれの額にキスをした。
ときには笑顔で、ときには涙ながらに。
「テオが苦しいとき……おれはテオといるよ」
苦しくても、つらくても、全部一緒に傍にいる。
変わってはあげられないから。おれにはそのくらいしかできないから。
「でも、だから……僕といると、」
「ああ、そのことだけどさ」
おれは服の下にあるペンダントを引っ張り出す。ペンダントヘッドは小ぶりの香水瓶で、液体が保管できるよう変性を遅延させる精霊術を施している。
中には青い液体が満たされている。
「………それが、なんなの?」
「これは、『月の雫』から生成される万能薬『エリクサー』だよ。これを作るために外出して、部屋にこもってたんだ。ごめんな」
『月の雫』は、フォレスター領の聖なる森の奥深くにある泉の周りに、夏至の夜、月が出ている間だけ咲く白い花の蜜だ。これを、適切な精霊術で生成加工することで、万能薬『エリクサー』になる。
「……『エリクサー』て……伝説の……幻の薬…?」
そう。
万能薬『エリクサー』が名前は知られているものの、実在するものとは程遠い、幻の薬だ。
おれは、今の季節になると毎年『月の雫』のことを思い出していた。
この時期に、あの場所に、『月の雫』が存在すれば、ここはやはり『ラブプラ』に順じた世界であって、ある程度ゲームの設定が現実に反映し得ることを意味する。
でも、踏ん切りがつかなかった。だって、おれが死ぬ可能性を具体的に示唆する事象でもある。
だから、『ラブプラ』の現実への影響を確認するのであれば、『月の雫』しかないと考えていた。おれが死ぬ可能性と、おれの死を回避できる万能薬『エリクサー』を同時に得ることができるから。
誰かに背中を押して欲しかったんだと思う。そして、テオドールがきっちりと背中を押してくれた。
「病気も怪我も、死なない限りは完全治癒する奇跡の秘薬だ。これを俺がもっていれば、テオも安心だろう?」
まあ、さすがに山の森深くは、中々のスリルとサスペンスだった。山道半端ないし、魔物は出るしで、初めてのおつかいにしては、いささかハードだった。
険しい山道を歩くスキルは無くて、崖から足を滑らせたし。
「ちょっと肘をすりむいちゃったんだけどさ」
アクシデントはあったものの、無事に採取に成功した。
さらに、
「『古代精霊術』の15巻に『エリクサー』の生成法は記載されてたから」
ただ、今の精霊力の操作技術とは、別ものと言っていい細やかさが必要ではあった。やってみれば意外とどうにかなった。一人でこなしたおれは、そこそこすごいと自分をほめたい。
『ラブプラ』で、『エリクサー』が登場するのは物語りの終盤だ。
仲間とはぐれて攻略対象者と二人で遭難した主人公が、魔物の毒に侵され動けない攻略対象者のために単独で採取に行き、その過程で真実の愛に気づくという、ストーリー上、欠かせないエピソードのキーアイテムだ。
おれはそのアイテムを現実に自分の手で作り上げた。
なにより、今回おれは自分で決めたことを成し遂げた。これぞ、やりたいことをやる!ということだ。
「もう、最高の気分だよ」
達成感に高揚したおれは疲労も相まって精霊力を久しぶりに暴走させたのだった。
結果、おれは寝込む羽目になって、テオには見捨てたと誤解させてしまったけど。
ペンダントヘッドに指先で恐る恐る触れているテオドールを見つめながら、おれは言う。
「全部、テオのお陰だよ。ありがとう」
ぎゅうっとテオドールに抱き着いて、大きく息を吸って吐く。テオドールはおれに新しい意味を与えてくれる。かけがえのない存在だ。
「なに…それ……めちゃくちゃだよ…」
腕の中で声が震える。
そして、声だけじゃなくて、身体も小刻みに震えだした。
泣いているのか不安になって、ゆっくりと身体を離しテオドールの顔を覗き込んだ。
「ふ…ふふっ……へん…意味がわからない…」
テオドールは笑っていた。
いつの間にか雨が止み、夜の静寂がじんと染みる。
涙で濡れた睫毛にきらきらと月明かりが差して、青白い肌がこの世のものとは思えない程幻想的だ。
こんなに美しいものを、おれは見たことが無い。
潤んだ瞳がこちらを見て、きらりと輝く。
「シリル兄さんって、本当におかしな人…ふふっ…」
そして、ただ純粋に楽しそうに、そう言った。
おれは、ただ見入ってしまった。呼吸する事すら、忘れるほどに。
そして、おれはその言葉を聞き逃せなかった。
「もう一回っ!」
おれはテオの肩をぐっと掴んで、顔を見合わせた。呆気にとられたテオドールは大きな目をさらに大きく見開く。
こんな表情もするのか。めちゃくちゃ可愛いじゃないか。
ていうか、どんな顔も可愛い。なんだよ、こんなの反則だろう。
「え?……本当におかしな人……?」
「いや!そっちじゃなくて!!」
そっちはあえて聞き流したのに!!なんだよ。テオって実は天然か?
「もう一回、兄さんって呼んでっ!」
今、兄さんて言った?!?!言ったよね??!!
「シリル…兄さん」
はぁぁぁぁぁっっ!!!なんだ、このときめきは!?!?死ぬ寸前でもこんなに胸苦しくなかったんですけどっ?!!!
ちょっとテレて、赤くなった頬とか、少し逸らした視線とか、全部が堪らなく可愛いんだけど!!!!
「録音……いや、録画……って、ここじゃできないんだった!
ああぁぁぁっ!!!こんな貴重な瞬間を記録できないなんてっ!!!!」
おれは先ほどのテオドールの声を脳内で何度も反芻し、忘れないように記憶に深く刻み込む。
「……………はっ!…いや、これって精霊術でできるんじゃないのか?」
先日読んだ、『古の精霊術』第8巻の内容を思い出しながら、音声記録とついでに映像保存の精霊術が可能かどうか、頭の中で術式をえがいていく。
うん、できそうな気がする。
父は、屑で、糞で、人の風上にも置けない、最低な男で、大嫌いではあるけれど。
この国最高の教師陣と膨大な書籍のみならず、伝承、文献、研究論文などの教材を取り揃えてくれたことには感謝したい。
というか、今初めて感謝した。
誰もしないなら、おれがすればいいじゃないか!
これからも絶対に聞き逃せない、見逃せない、永久保存版の出来事が起こるはずなんだから。
という決意の下、音声記録と映像保存の精霊術を必死に研究した結果、おれは10歳の時にその技術を復興させることに成功した。
もっとも、これが後に、おれたちを助けることになるなんて、この時のおれは思ってもいなかったのだけど。
「絶対にいつも一緒にいるよ、ていう大好きのおまじない」
母はいつも、「あなたとは変わってはあげられないけど、痛みを、苦しみをもらってはあげられないけれど」と言いながら、「大好きよ」と言いながら、「あなたがいることが、私の幸せよ」と言いながら、何度もおれの額にキスをした。
ときには笑顔で、ときには涙ながらに。
「テオが苦しいとき……おれはテオといるよ」
苦しくても、つらくても、全部一緒に傍にいる。
変わってはあげられないから。おれにはそのくらいしかできないから。
「でも、だから……僕といると、」
「ああ、そのことだけどさ」
おれは服の下にあるペンダントを引っ張り出す。ペンダントヘッドは小ぶりの香水瓶で、液体が保管できるよう変性を遅延させる精霊術を施している。
中には青い液体が満たされている。
「………それが、なんなの?」
「これは、『月の雫』から生成される万能薬『エリクサー』だよ。これを作るために外出して、部屋にこもってたんだ。ごめんな」
『月の雫』は、フォレスター領の聖なる森の奥深くにある泉の周りに、夏至の夜、月が出ている間だけ咲く白い花の蜜だ。これを、適切な精霊術で生成加工することで、万能薬『エリクサー』になる。
「……『エリクサー』て……伝説の……幻の薬…?」
そう。
万能薬『エリクサー』が名前は知られているものの、実在するものとは程遠い、幻の薬だ。
おれは、今の季節になると毎年『月の雫』のことを思い出していた。
この時期に、あの場所に、『月の雫』が存在すれば、ここはやはり『ラブプラ』に順じた世界であって、ある程度ゲームの設定が現実に反映し得ることを意味する。
でも、踏ん切りがつかなかった。だって、おれが死ぬ可能性を具体的に示唆する事象でもある。
だから、『ラブプラ』の現実への影響を確認するのであれば、『月の雫』しかないと考えていた。おれが死ぬ可能性と、おれの死を回避できる万能薬『エリクサー』を同時に得ることができるから。
誰かに背中を押して欲しかったんだと思う。そして、テオドールがきっちりと背中を押してくれた。
「病気も怪我も、死なない限りは完全治癒する奇跡の秘薬だ。これを俺がもっていれば、テオも安心だろう?」
まあ、さすがに山の森深くは、中々のスリルとサスペンスだった。山道半端ないし、魔物は出るしで、初めてのおつかいにしては、いささかハードだった。
険しい山道を歩くスキルは無くて、崖から足を滑らせたし。
「ちょっと肘をすりむいちゃったんだけどさ」
アクシデントはあったものの、無事に採取に成功した。
さらに、
「『古代精霊術』の15巻に『エリクサー』の生成法は記載されてたから」
ただ、今の精霊力の操作技術とは、別ものと言っていい細やかさが必要ではあった。やってみれば意外とどうにかなった。一人でこなしたおれは、そこそこすごいと自分をほめたい。
『ラブプラ』で、『エリクサー』が登場するのは物語りの終盤だ。
仲間とはぐれて攻略対象者と二人で遭難した主人公が、魔物の毒に侵され動けない攻略対象者のために単独で採取に行き、その過程で真実の愛に気づくという、ストーリー上、欠かせないエピソードのキーアイテムだ。
おれはそのアイテムを現実に自分の手で作り上げた。
なにより、今回おれは自分で決めたことを成し遂げた。これぞ、やりたいことをやる!ということだ。
「もう、最高の気分だよ」
達成感に高揚したおれは疲労も相まって精霊力を久しぶりに暴走させたのだった。
結果、おれは寝込む羽目になって、テオには見捨てたと誤解させてしまったけど。
ペンダントヘッドに指先で恐る恐る触れているテオドールを見つめながら、おれは言う。
「全部、テオのお陰だよ。ありがとう」
ぎゅうっとテオドールに抱き着いて、大きく息を吸って吐く。テオドールはおれに新しい意味を与えてくれる。かけがえのない存在だ。
「なに…それ……めちゃくちゃだよ…」
腕の中で声が震える。
そして、声だけじゃなくて、身体も小刻みに震えだした。
泣いているのか不安になって、ゆっくりと身体を離しテオドールの顔を覗き込んだ。
「ふ…ふふっ……へん…意味がわからない…」
テオドールは笑っていた。
いつの間にか雨が止み、夜の静寂がじんと染みる。
涙で濡れた睫毛にきらきらと月明かりが差して、青白い肌がこの世のものとは思えない程幻想的だ。
こんなに美しいものを、おれは見たことが無い。
潤んだ瞳がこちらを見て、きらりと輝く。
「シリル兄さんって、本当におかしな人…ふふっ…」
そして、ただ純粋に楽しそうに、そう言った。
おれは、ただ見入ってしまった。呼吸する事すら、忘れるほどに。
そして、おれはその言葉を聞き逃せなかった。
「もう一回っ!」
おれはテオの肩をぐっと掴んで、顔を見合わせた。呆気にとられたテオドールは大きな目をさらに大きく見開く。
こんな表情もするのか。めちゃくちゃ可愛いじゃないか。
ていうか、どんな顔も可愛い。なんだよ、こんなの反則だろう。
「え?……本当におかしな人……?」
「いや!そっちじゃなくて!!」
そっちはあえて聞き流したのに!!なんだよ。テオって実は天然か?
「もう一回、兄さんって呼んでっ!」
今、兄さんて言った?!?!言ったよね??!!
「シリル…兄さん」
はぁぁぁぁぁっっ!!!なんだ、このときめきは!?!?死ぬ寸前でもこんなに胸苦しくなかったんですけどっ?!!!
ちょっとテレて、赤くなった頬とか、少し逸らした視線とか、全部が堪らなく可愛いんだけど!!!!
「録音……いや、録画……って、ここじゃできないんだった!
ああぁぁぁっ!!!こんな貴重な瞬間を記録できないなんてっ!!!!」
おれは先ほどのテオドールの声を脳内で何度も反芻し、忘れないように記憶に深く刻み込む。
「……………はっ!…いや、これって精霊術でできるんじゃないのか?」
先日読んだ、『古の精霊術』第8巻の内容を思い出しながら、音声記録とついでに映像保存の精霊術が可能かどうか、頭の中で術式をえがいていく。
うん、できそうな気がする。
父は、屑で、糞で、人の風上にも置けない、最低な男で、大嫌いではあるけれど。
この国最高の教師陣と膨大な書籍のみならず、伝承、文献、研究論文などの教材を取り揃えてくれたことには感謝したい。
というか、今初めて感謝した。
誰もしないなら、おれがすればいいじゃないか!
これからも絶対に聞き逃せない、見逃せない、永久保存版の出来事が起こるはずなんだから。
という決意の下、音声記録と映像保存の精霊術を必死に研究した結果、おれは10歳の時にその技術を復興させることに成功した。
もっとも、これが後に、おれたちを助けることになるなんて、この時のおれは思ってもいなかったのだけど。
1
お気に入りに追加
350
あなたにおすすめの小説
厄介払いで結婚させられた異世界転生王子、辺境伯に溺愛される
楠ノ木雫
BL
旧題:BLの世界で結婚させられ厄介払いされた異世界転生王子、旦那になった辺境伯に溺愛される〜過酷な冬の地で俺は生き抜いてみせる!〜
よくあるトラックにはねられ転生した俺は、男しかいないBLの世界にいた。その世界では二種類の男がいて、俺は子供を産める《アメロ》という人種であった。
俺には兄弟が19人いて、15番目の王子。しかも王族の証である容姿で生まれてきてしまったため王位継承戦争なるものに巻き込まれるところではあったが、離宮に追いやられて平凡で平和な生活を過ごしていた。
だが、いきなり国王陛下に呼ばれ、結婚してこいと厄介払いされる。まぁ別にいいかと余裕ぶっていたが……その相手の領地は極寒の地であった。
俺、ここで生活するのかと覚悟を決めていた時に相手から離婚届を突き付けられる。さっさと帰れ、という事だったのだが厄介払いされてしまったためもう帰る場所などどこにもない。あいにく、寒さや雪には慣れているため何とかここで生活できそうだ。
まぁ、もちろん旦那となった辺境伯様は完全無視されたがそれでも別にいい。そう思っていたのに、あれ? なんか雪だるま作るの手伝ってくれたんだけど……?
R-18部分にはタイトルに*マークを付けています。苦手な方は飛ばしても大丈夫です。
もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
ちっちゃなもふもふ獣人と、騎士見習の少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。
Switch!〜僕とイケメンな地獄の裁判官様の溺愛異世界冒険記〜
天咲 琴葉
BL
幼い頃から精霊や神々の姿が見えていた悠理。
彼は美しい神社で、家族や仲間達に愛され、幸せに暮らしていた。
しかし、ある日、『燃える様な真紅の瞳』をした男と出逢ったことで、彼の運命は大きく変化していく。
幾重にも襲い掛かる運命の荒波の果て、悠理は一度解けてしまった絆を結び直せるのか――。
運命に翻弄されても尚、出逢い続ける――宿命と絆の和風ファンタジー。
目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。
彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。
……あ。
音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。
しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。
やばい、どうしよう。
非力な守護騎士は幻想料理で聖獣様をお支えします
muku
BL
聖なる山に住む聖獣のもとへ守護騎士として送られた、伯爵令息イリス。
非力で成人しているのに子供にしか見えないイリスは、前世の記憶と山の幻想的な食材を使い、食事を拒む聖獣セフィドリーフに料理を作ることに。
両親に疎まれて居場所がないながらも、健気に生きるイリスにセフィドリーフは心動かされ始めていた。
そして人間嫌いのセフィドリーフには隠された過去があることに、イリスは気づいていく。
非力な青年×人間嫌いの人外の、料理と癒しの物語。
※全年齢向け作品です。
召喚されない神子と不機嫌な騎士
拓海のり
BL
気が付いたら異世界で、エルヴェという少年の身体に入っていたオレ。
神殿の神官見習いの身分はなかなかにハードだし、オレ付きの筈の護衛は素っ気ないけれど、チート能力で乗り切れるのか? ご都合主義、よくある話、軽めのゆるゆる設定です。なんちゃってファンタジー。他サイト様にも投稿しています。
男性だけの世界です。男性妊娠の表現があります。
【完結】魔力至上主義の異世界に転生した魔力なしの俺は、依存系最強魔法使いに溺愛される
秘喰鳥(性癖:両片思い&すれ違いBL)
BL
【概要】
哀れな魔力なし転生少年が可愛くて手中に収めたい、魔法階級社会の頂点に君臨する霊体最強魔法使い(ズレてるが良識持ち) VS 加虐本能を持つ魔法使いに飼われるのが怖いので、さっさと自立したい人間不信魔力なし転生少年
\ファイ!/
■作品傾向:両片思い&ハピエン確約のすれ違い(たまにイチャイチャ)
■性癖:異世界ファンタジー×身分差×魔法契約
力の差に怯えながらも、不器用ながらも優しい攻めに受けが絆されていく異世界BLです。
【詳しいあらすじ】
魔法至上主義の世界で、魔法が使えない転生少年オルディールに価値はない。
優秀な魔法使いである弟に売られかけたオルディールは逃げ出すも、そこは魔法の為に人の姿を捨てた者が徘徊する王国だった。
オルディールは偶然出会った最強魔法使いスヴィーレネスに救われるが、今度は彼に攫われた上に監禁されてしまう。
しかし彼は諦めておらず、スヴィーレネスの元で魔法を覚えて逃走することを決意していた。
伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃんでした。
実際に逢ってみたら、え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこいー伴侶がいますので!
おじいちゃんと孫じゃないよ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる